ひょんなことから始まったガスト達との3番勝負。
1戦目のマリアとスティングの対戦はスティングに軍配が上がり、その敵討ちと銘打ってテルヨシが臨んだ第2戦は、早々からスノー有利な《氷雪》ステージにわざわざ変えさせてから幕を開けた。
テルヨシはスノーとの領土戦を行う関係上、対戦の中でおそらくもっとも多く戦ったフィールドが氷雪ステージになるが、だからといって決して得意なフィールド属性ではない。
まず足場に降り積もる10センチほどの雪は粉雪程度とはいえ機動力を微減させられるし、絶えず降り注ぐ雪は視界を悪くさせ、軒並み氷山や雪山と化した建物オブジェクトは氷の足場で滑りやすくなっている。
この悪条件だらけと言ってもいいフィールドで、さらに相手はその悪条件だらけのフィールドで100%以上の力を引き出せるスノー。
テルヨシの勝率は高く見積もっても5割程度にまで下がっていたが、それでもテルヨシの闘志までが衰えたわけではなかった。
むしろその逆。勝てる見込みの低い相手ほど、それを倒す喜びが大きいと燃えていた。
その闘志をアバターに纏わせたテルヨシは、降り積もる雪を蹴り上げてスノーへと接近。
白い装甲が保護色となり悪い視界で姿さえ見えにくいスノーだが、生物オブジェクトのいない氷雪ステージならば動く物体はそうないため、シルエットと共にそれを頼りにスノーの体へ先制の飛び蹴りをお見舞い。
見事にスノーの体に当たるが、テルヨシの足はズボッ! スノーの体に埋まるようにして沈み、抜こうにも変な圧力によって締め付けられて抜ける気配がなかった。
「《ヘル・ローリング》ぅう!!」
「うおっ!?」
どうにかして抜け出ようとするが、あまりに勢いよく足を突っ込んだせいで足の付け根まで埋まった体では上手く力が入らず、その隙に頭を胴体部分に引っ込めたスノーが、いきなり連続後転を開始。
当然テルヨシはその回転に巻き込まれて足ごと体を持っていかれて、ガッツンガッツン地面に打ち付けられる。
ヘル・ローリングの名の通り、端から見れば地獄車のようなその技は別にアビリティを使ったものではなく、スノー自身が始めから出来た胴体部分への突出部分の収納によって1つの雪玉と化す技で、スノーのイメージでは体を丸めているだけらしい。
そんな地獄車を連続で受けてガリガリとそのHPゲージを減らしたテルヨシは、スノーの回転の先に氷山があるのをうっすら視認しつつ、そこで止まってくれるかと思ったのだが、それより前にスノー自らがテルヨシの拘束していた足をいきなり解放し、勢いよく前方の氷山に飛ばされてしまう。
しかしそのまま激突でもされた方がダメージは増えたかもなと思いつつ、頭から突っ込んでいた体をクルッと反転させて《インスタント・ステップ》によって氷山に当たる直前に強引にブレーキを掛けて止まったテルヨシは、3割も削られたHPゲージを確認してから、よっこいしょと起き上がって引っ込めていた頭を出したスノーに再度突撃。
《テイル・ウィップ》でその体を巻き取ってハンマー投げの要領で一気にスノーを空へと投げ放ち、
「《インパクト・ジャンプ》」
そこへ追撃するハイジャンプからの強烈な蹴りで今度は完全にスノーの体を蹴り抜いて胴体部分を粉砕。
かろうじて頭の輪郭を残して落ちるスノーを着地後すぐに蹴り砕きに走ったテルヨシだったが、その時にはすでに《リコンストラクション》によって体の再構成が完了し、身長50センチほどのスノーがすぐ雪玉になって脱兎のごとくテルヨシから転がって逃げていた。
このまま逃げられてもガイドカーソルは表示されて方向くらいはわかるが、下手に距離を開くと必殺技ゲージを満タンにされかねないため、そうなったらもうスノー最強の必殺技が炸裂して絶望である。
だから一心不乱に転がっていくスノーを必死に追いかけたテルヨシだったのだが、ジリジリと距離を縮めて5メートルと迫った辺りでビュオッ! と突然なにかがテルヨシの顔面に飛んできてぶつかる。
何かと思ったその瞬間にテルヨシの必殺技ゲージが一気にフルチャージされ、その現象が何を意味するかを考えるより早くテルヨシの思考は完全に停止。体も動かぬ彫刻となってしまう。
そして突然の思考停止から立ち直ったテルヨシは、戻った思考で中断された考えをまとめながら、ギリギリ視界の先にいた動かぬスノーに目を向けて視界上を見れば、時間が60秒程度進んでいて、スノーまでもが必殺技ゲージを満タンにしていた。
「……やってくれたな、スノー」
完全に思考が働いたテルヨシは、そうやって忌々しげに物言わぬスノーに言って、スノーも思考が戻ったのか頭をフルフル振ってテルヨシ同様に現状の確認をしテルヨシを視界に捉えて身構えた。
つまり先ほどテルヨシの顔面に飛んできた何かはスノーが作り出した《フリーザー・アイス》で、スノーは意図的にそれをテルヨシに食べさせて必殺技ゲージを満タンにさせる代償を払いつつ、そのあと自分もフリーザー・アイスを食べることで思考停止によるインターバルを作り出したということだ。
そんなめちゃくちゃなやり方でまさか事態を逆転させられるとは思わなかったが、同時にその空白の1分で攻撃してくればよかったんじゃ……とも考えたが、今のスノーが身長50センチ程度の小人雪だるまで、体積が減ると相対的にステータスも下がってしまうデメリットで削り切れずに終わると判断したのだと察しがつく。
スノーのアビリティ、リコンストラクションは部位欠損せずにアバターを維持できる反面、そういった弱点もあるのだ。
つまり体を削れば削るほど弱くなっていく。『フィールド属性が氷雪でさえなければ』。
「よ、よかったぁ。復活して攻撃されてたらどうしようかと……」
「あっ! 今の数秒は勿体なかったか!」
スノーの見事に意表を突く作戦にしてやられたとか考えていたテルヨシだが、スノーはスノーでテルヨシの復活の方が早かったら負けることも考えていたようで、実際に攻撃のチャンスがあったのに現状確認だけで終わったテルヨシはそこでアホな発言をしてギャラリーに笑われてしまった。
とはいえ状況は再びスノー優位。
必殺技ゲージが互いに満タンでも、その威力に桁違いの差が存在してしまっていた。
「行きます、テイルさん!」
その威力を証明する必殺技を早速使おうとするスノーに、テルヨシはどう仕掛けるべきかを迷う。
直接近付くにも微妙な距離で、スノーの体は結構な脆さなため、10メートルとない今の距離でインパクト・ジャンプを仕掛けても攻撃が貫通して容易く跳躍距離の40メートルを直進してしまい一撃離脱。
必殺にはなり得ないし、かといって《インビジブル・ステップ》で攻撃を仕掛けても50センチの体に高速で動きながら攻撃は意外と難しいし、地面に寝そべられでもすればもう面倒以外の何物でもない。
「《ジャイアント・スノーマン》ッ!!」
結果、テルヨシはあえて仕掛けない選択をして、スノーは悠々とその最強の必殺技を使用。
大きく息を吸って降り注ぐ雪をどんどん体に吸収して巨大化。体長は10メートルにもなる巨大雪だるまの完成。
それと共にスノーのHPゲージを巨大雪だるまの耐久値が上書きして満タンになる。
「……敵にすると嫌だな、これ……」
こうなったスノーはほぼ無敵。
その巨体であらゆる敵を踏む、叩く、のしかかる、投げるとやりたい放題。
テルヨシが見てきた対戦の中でおそらくこうなってからスノーに敗北はなかったと記憶していた。
「テイルさん、覚悟ぉおお!!」
巨大化によって野太い声になったスノーの言葉に、小さく舌打ちしたテルヨシは、早速その右足を振り下ろしてきたスノーから逃げるように後退。
そこから脇目も振らずに全力でスノーから離れるが、地面を震動させるほど圧倒的な体格と積もる雪など障害にすらならない機動力でどんどん追い詰めてくる。
「よっしゃああ! やれスノー! テイルなんてプチっと踏み潰してやりなさい!」
「メガ・クールだぜスノー! テイルの兄貴もスクラップだ!」
その逃走中に、ギャラリーからガストとスティングの超ノリノリな声が飛んできたが、それに便乗するギャラリーも多く声援がスノーへと偏って独壇場の空気が出始める。
そうした周りを味方につける声出しができるのもガストとスティングの長所だとテルヨシは思うが、なにもこの対戦でそれをやらなくてもとも思ってしまう。
そこから数十秒の間、持ち前の観察眼と俊敏性でスノーの怒涛の猛攻を紙一重で躱してみせたテルヨシだったが、巨大雪だるま状態のスノーの装甲は化け物かと思うほど表面が硬く、密度も相当なもので決死の思いでカウンター攻撃をしても毛ほども耐久値を削れないため、通常技ではこの状態のスノーにダメージすらまともに入らないと改めてわかって愕然としてしまう。
そのわずかな士気の低下がスノーが振りかぶった拳をガードせざるを得なくする隙となり、グルグルパンチのようにアッパー気味に迫ったスノーの右の拳をテイル・ウィップと両腕で全力ガードしてみせたはいいが、その体は容易く後方へと吹き飛んでテイル・ウィップやインスタント・ステップでクッションを使う余裕もなく氷山へと激突。
HPゲージも一気に残り3割近くにまで減少し、激突の衝撃ですぐに動けなくなっていたが、気力だけで動かして回復を待ちながらスノーから距離を取るため走って逃げる。
その有り様にギャラリーはスノーを応援する流れを完全に作ってしまい、テルヨシをどんどん追い詰めるスノーコールがフィールド中に響き渡ってしまう。
「テイル!」
そんなスノーコールの中で、おそらくテルヨシにしか聞こえなかったであろう自分の名を呼ぶその声をしっかりと拾った。
聞こえたのは偶然ではない。何故ならその声はテルヨシの最愛の我が子、マリアの声だったのだから。
「仇、取るって言った」
そこからさらに対戦に臨む前に自身が言った約束を復唱したマリアの声はそれ以降聞こえなくなったが、今のテルヨシにはその声だけでこのギャラリーのスノーコールによる敗色ムードを吹き飛ばす心強い力を貰った。
そんな子の声援を受けて負けるわけにはいかないテルヨシは、もうすぐ後ろに迫ったスノーがその右足を地面に下ろして左足を振り上げた瞬間に急にその進行方向を180度転回。
折り返してスノーの股下を潜るように走り抜けて止まると、スノーが振り向くよりも早くその足を手前でザッザッ、ザッザッ。
それぞれの足で左右に地面を擦るように動かしてから必殺技発声。
「《インフェルノ・ステップ》」
必殺技が発動したのと同時に足に纏った炎が足元の雪を一瞬で蒸発させたのを確認するより早く、完全に振り向いたスノーがその現象に思考しただろう瞬間にすかさずインパクト・ジャンプでスノーの頭上へと跳躍したテルヨシは、膝下から揺らめく炎を信じてその体を前方方向に回転させながらスノーへと迫り、
「おらぁぁああああ!!」
落下の勢いと回転の力でその足をスノーの脳天へとかかと落とし。
その叫びで直前で両腕をガードに挟んできたスノーだったが、テルヨシの炎を纏った足は容易く両腕のガードを蒸発させて貫通しそのまま脳天へと直撃。
勢いは全く衰えることなく、そのまま頭を貫通して正中線をなぞるようにスノーの体を真っ二つにして地面へと到達。
その時にはスノーの耐久値ゲージが吹き飛んで本来のHPゲージが表示されていた。
巨大雪だるまを破壊して未だその足にメラメラと炎を揺らめかせるテルヨシは、バラバラと崩れ落ちてくる雪だるまの残骸を蒸発させながら、小さく出来た雪山の頂点からガバッと出てきたスノーを視界に捉えて、残り30%ほどになった必殺技ゲージで最後のインパクト・ジャンプを発動。
巨大雪だるまを経由したことで元のサイズに戻っていたスノーの体のど真ん中に炎の蹴撃をお見舞いして頭と胴体を分断するように貫通。
跳躍を終えると同時に炎が消えて、蹴りによるフォロースルーでクルッと空中で反転して後ろ向きに着地したテルヨシは、それでスノーの残りのHPゲージを吹き飛ばしたのだった。
「これで満足だよな、アン」
そして視界に表示されたリザルト画面を無視して、完全に静まり返ってしまったフィールドで堂々言って、降雪の止んだ先で見つけたマリアにVサインをしてみせたテルヨシに、マリアもVサインで返した。
「ちょっとぉ! 何よ今の!?」
対戦が終わってギャラリー達がテルヨシのまさかの新必殺技と逆転劇にざわついたり盛り上がったりする中で、わざわざテルヨシに近くまで移動してきたガストが詰め寄ってくる。
「何って、オレの必殺技だよガッちゃん」
「んなもん見りゃわかるわよバカ! あんたにそんな必殺技があるなんて聞いてないんだけどってことよ!」
「そりゃ言ってないし公で使うのは今回が初だし、いくらレギオンでお世話になってるガッちゃんにでも丸裸になるようなことはしないよ。あ、もしかしてオレのことは何でも知ってなきゃ嫌だっていう独占欲の類い? いやーん、ガッちゃん可愛い!」
初見の必殺技で決着されたことで熱くなるガストだったが、ただ単に使う機会に恵まれなかっただけで、特に黙っていた理由もなかったテルヨシは面倒な方向に話がいかないようにそれらしいことを言った後、いつもの調子でガストをいじると、ツンデレなガストは案の定「そ、そんなわけないでしょーがバカテイル!」とかなんとか言って向こうから話を終わらせてしまった。
「と、とにかく今回はスノーのやつがあの状態で負ける貴重な体験できたし、次は負けないようにシゴくから覚悟なさい」
これ以上いじられないようにそうやってテルヨシを指差しながらこの話を終わりとしたガスト。
その様子にはテルヨシも傍まで寄ってきたマリアもバーちゃんもスティングでさえ苦笑するが、ガストはそんなことお構いなしに指差していた腕を下ろすと、次いで真剣な雰囲気でバーちゃんへと視線を向けて言葉をかける。
「子の尻拭いは親がしてやらないとね。そんなわけだから手加減はしないわよ、ボンバー」
「主は手加減などできん性格じゃろうて。しかしのぅ、儂とて負けるつもりで臨む対戦はないから、消し炭になっても恨むでないぞ?」
――ゴワッ!
互いに穏やかな口調ながらも、その静かな闘志はギャラリーとして入っているとは思えないほどアバターから迸っていて、情報圧とでも呼ぶのか、それを肌で感じたテルヨシとマリアはこれから始まる一大決戦に心踊らせるのだった。
それから間もなくしてバーちゃんとガストのハイランカー同士の対戦が始まり、テルヨシ達は生成された《平安》ステージの塔型オブジェクトの屋上からそれを観戦。
「あの、テイルさん」
対戦が本格化する前に、珍しくスノーからテルヨシに言葉をかけてきたため、視線は下の2人に向けたままでそれに応じると、スノーも下の2人を見ながらに言葉を紡いだ。
「あの必殺技って、あり得ないかもですけど、もしかして僕のジャイアント・スノーマンを破るために獲得したん、ですか?」
「うん、違うよ」
結構真剣な雰囲気のスノーの質問だったが、そんな予想を見事に打ち砕くテルヨシの即答に、聞いたスノーも「ですよねぇ……」と納得してガクリとしてしまう。
確かにテルヨシはこの必殺技を獲得するに当たって使いどころが難しいことは重々承知していた。
だからその数少ない使用機会がスノーのジャイアント・スノーマンに効果抜群なのは、本人からすればもしかしてと思わせるところがあったことも理解していた。
しかしテルヨシは本当のところ、スノーのことをかなり意識していたりする。
テルヨシとほぼ同期の数少ないバーストリンカー――数にして前後2ヶ月ほどで3、4人程度――で、いま現在テルヨシのレベルに並んでいるのはスノーのみであり、スノーはどうかはわからないものの、テルヨシはスノーをちゃんとライバル視していた。
そのスノーに限定条件付きとはいえ完封されてしまう局面があるのは気持ちの良い話ではないし、過去に戦った『あのバーストリンカー』にも通用するであろうことも加味して貴重なレベルアップボーナスを使ってまで獲得したのだ。
だから当然、今の即答もガストのように言えばツンデレ。
そうと知られると恥ずかしいし、スノーもスノーでそうだったら嬉しいなと雰囲気を醸し出していたため、悟られないようにそうしたのだが、それを唯一知るマリアにはクスクスと横で笑われてしまうのだった。
そんなやり取りをしていたら2人の対戦もヒートアップしてきて、穏やかな雰囲気の平安ステージに似合わない爆撃、爆風、暴風、爆破が眼下で次々と巻き起こって、バーちゃんが放った《リトル・ボム》をガストが《ブレード・ファン》の起こす暴風で吹き飛ばして、テルヨシ達の登っていた塔を破壊。
倒壊する塔から逃げるように別の場所へと移ったテルヨシ達だったが、行く先々で倒壊させられるため諦めて倒壊した塔の残骸に腰を下ろして観戦。
そのド派手な対戦を繰り広げる両者。
フィールドこそ無惨な姿に変わってしまっているが、2人の戦い方は見ていて感動を覚えるほどに可憐で美しかった。
ガストの起こす暴風を利用して時折フィールドの空へと上がって、アビリティ《ディセント》によってゆっくり降下しながらリトル・ボムを生成し投げ放つバーちゃん。
その降り注ぐリトル・ボムを華麗な扇捌きで風を操り防ぎながら、決してその扇に振り回されないボディバランスを保つガスト。
両者はまるでフィールドで舞い踊る踊り子のようで、この姿を魅せられてしまえば彼女達の《妖精の舞姫》と《月下の舞姫》の名も相応しいと素直に思える。
互いに扱う武器さえもう少し控え目ならば、これが対戦だとは思えないほどに華麗な戦い方だとも思ったが、それを口にすると2人の戦いに釘付けになってるマリアの興を削ぎそうだからと、テルヨシはそっと胸の内に秘めたのだった。
「…………2人とも、楽しそうに戦ってる」
戦いも互いのHPゲージが同じくらいの減り具合となって勝負どころに差し掛かって、不意にマリアがそんなことを口にしたため、テルヨシは表情こそわからないデュエルアバターながらも、マリアと同様に2人の対戦を楽しむ気持ちが伝わっていたので「そうだな」と返すと、ワイワイと賑わうギャラリーの声とは逆に静かな声でさらに言葉を紡いだ。
「ずっと、この対戦が続いてほしいな」
「そりゃさすがに2人が疲れて倒れるわな。でも、こうやって見てる側まで楽しめる対戦ができるあの2人は、本当に尊敬してるよ」
そうしたマリアの共感できても当人達は困るだろう言葉に、ノリで返しつつも2人を凄いと言ってみたら、マリアはテルヨシの耳元に顔を近付けて小声で、
「テルもいっぱい、みんなをドキドキワクワクさせてるよ」
まさかの嬉しい言葉を聞かせてくれて、マリアが自分の対戦でそう感じてくれてることに感動。
そんな対戦をいつもしたいと願うテルヨシにとっては、それ以上の誉め言葉はなかった。
だからこそ、これからもそんな対戦をし続ける。
そう強く思わせてくれる今日の対戦は、テルヨシにとってかけがえのないものとなり、未だ繰り広げられる2人の対戦を見ながら、この世界へと誘われたことに感謝するのだった。