《ヘルメス・コード縦走レース》。
その参加メンバーをなんとか前日に加えられたテルヨシは、翌日のイベント開始時間となる昼の12時5分前にマリアと一緒にリビングのソファーでリラックスの意味も込めて他愛ない話をしていた。
「ほほぅ、パドにドライビングを習ったのか」
「うん。パドさんすっごく運転上手で、結局1回も勝てなかったけど」
その中で今回のレースのマシンドライバーになっているマリアが、VRのレースゲームでパドから運転を教わっていたことを今になって話して、テルヨシのちょっとした不安要素であった事項を取り除いてくれた。
いくらマリアでもぶっつけ本番のレースでマシンを乗りこなせるとは思ってなかったから、自主的に練習していたことには感謝しかなかった。
しかし同時に、これがテルヨシであればおそらくパドは運転など教えてくれなかっただろうことが予想できて、ちょっと悲しくなる。
「今日はたぶん、マリアは運転に専念することになると思うけど、マリアはオレが守るから安心してゴールを目指してくれ」
「ガストさんとスノーさんもいるから心配してないよ」
ただそんなわかりきったことに今さら一喜一憂したところで仕方ないので切り替えて、自信満々にマリアにそう言ってみせたテルヨシだったが、2人の名前が出てきたところで予想した返事ではなくて苦笑。
本当は素直に頷くだけで良かったのにと思うも、時間が迫ってきて直結用のXSBケーブルを自分のニューロリンカーに挿してもう片端を渡してきたマリアに笑みを浮かべながら受け取って自らのニューロリンカーに挿し込み、1分前になってから再びマリアに声をかける。
「マリア、今日は勝ちを目指すことはもちろんだけど、一番大事なのは……」
「イベントを楽しむこと、だよね」
「よくできました。さーて、んじゃカウント10からいくぞ」
向こうに行ったら言えるタイミングがなくなるかもと思って言ったが、マリアはちゃんとテルヨシの言いたいことを理解していて、満面の笑みで返されたため、テルヨシはマリアを優しく撫でてあげてから、カウント0で同時に加速し、事前にもらっていた《トランスポーター》カードでイベント会場へと転送されていった。
「やべぇええ! 《蒼き閃光》まで来やがったぞ!!」
「これで《メテオライト》勢揃いだ!」
平面リング状の金属ステージ。
その中央にそびえ立つ鋼鉄のタワーと、その周囲を埋める濃紺の空と白雲の群れを確認したテルヨシは、自分が《レガッタ・テイル》へと変わっていることも確認してから初めて来たイベント会場にリアクションするよりも早く、会場を三方から取り囲む観戦用ギャラリー席から飛んできた歓声にちょっとビックリする。
マリアもそんな歓声にビックリしたのか、《ソレイユ・アンブッシュ》となった姿でテルヨシの腰に抱きついておどおどした雰囲気を出していた。
「ほら、主役は堂々としてなきゃ」
そんなマリアに派手な目立ち方はまだ苦手だったなと思いつつも、今日は選ばれた主役の1人なのだからと、周りに大きく手を振り返しながら言ってあげる。
するとマリアもテルヨシの後ろから控えめに手を振り返してみせて、その姿に「可愛いー!」とか「うちのレギオンにも花をー!」とかしっかりリアクションが返ってきて、それが恥ずかしかったのかまたテルヨシの後ろに隠れてしまった。
「私にもこんな子がいたら、毎日可愛がってあげるのになぁ」
「酷いよガスト姉。それじゃあ僕が可愛くないみたいじゃないか」
そんな大歓声を受けるテルヨシとマリアに話しながら近付いてきたのは、今日のイベントでチームを組む《エピナール・ガスト》と《スノー・イーター》の親子。
ガストは後ろに隠れるマリアを羨ましそうに見てそう言うので、スノーがツッコミを入れていたが、「いや、スノーを可愛いと思ったことはあんまりないから」と冷静にツッコミ返されて撃沈。
そのスノーを放ってテルヨシとマリアと挨拶代わりに拳をぶつけ合うと、すでに参加チームを見て回ったのか戦力分析の結果を話してきた。
「6大レギオンは赤と青と緑と黄色で4つ。あとは私達と中小レギオンだけど、レパードのところはイベント用にメンバー厳選してきてるから要注意。青は論外。近接しかいないし、緑もあの骸骨が集めたメンバーだから騒がしいくらいかな。黄色は近付かなきゃいいと思うし、あとは私達で蹴散らせると思うわ」
「簡易説明ありがと、ガッちゃん。んじゃここにあとは黒いのと……」
ガストの話を聞きながら、この会場にいる集まりを確認していったら、もう7チームはいることがわかり、まだ姿の見えない黒のレギオンの面々ともう1チームがいるかもしれない事を把握したところで、観客席からまたワッと歓声が上がり、そちらを見れば丁度その黒のレギオン《ネガ・ネビュラス》が現状のフルメンバーで登場して様々な歓声を浴びていた。
「へぇ……《鉄腕》も来たのね。ちょっと嬉しい誤算かも」
そのネガビュを見ながら、テルヨシの横のガストが見慣れない車椅子型の強化外装に乗るつば広の帽子とワンピースを着た空色のF型アバターに視線を注いでそんなことを言うので、やはり古参バーストリンカーは少なからず彼女の復帰を喜んでいるんだなと思わせる。
しかしそのアバターには膝から先の足がないような不自然なものも見えていて、それはとある事情が関係しているらしい。
ガストが言った鉄腕の異名を持つそのバーストリンカーは、名前を《スカイ・レイカー》と言い、かつてのネガビュに4人いた幹部の1人にして、レベル8の古参バーストリンカー。
第1期ネガビュ解散とともに長らく表舞台から姿を消していたのだが、4月に梅郷中学校で起きた能美との問題でハルユキに心意を教え、あの《ゲイルスラスター》を貸し与えた張本人で、それをきっかけに黒雪姫との間にあった確執を解消して前線へ復帰。第2期ネガビュのメンバーとなった。
しかもあの《アッシュ・ローラー》の親だと、テルヨシは黒雪姫の伝聞によって知らされていた。
しかしながら現在はレイカーが対戦に出てくるのは毎週土曜日の夕方に行われる領土戦のみで、テルヨシもこの1ヶ月ちょっとの間に1度だけネガビュに攻め込んだものの、その時は防衛する領土とが合わずにマッチングできなかったため、今回姿を見るのは初となっていた。
そんなレイカーを加えたネガビュに最初に近付いたのは、彼女と因縁があるらしいパド。
その2人が正面から向き合って何やら話しているのを遠目から見ながら、横でなんか嬉しそうに順番待ちしてるガストが凄く可愛くて悶えるも、後ろに抱きついていたマリアにドン引きされてイベント開始前に致命傷を負ってしまった。
マリアに引かれたのは本当にショックだったテルヨシだが、パドとレイカーの会話が終わり、パドがチームに戻って入れ替わりでアッシュが近付いてハルユキをどこかへ連れていったところで、ガストがネガビュに近寄っていったので、同じチームとしてテルヨシ達もついていき、テルヨシ達に気付いたネガビュの面々もその向きを変えてきた。
「あらレイカー。しばらく見なくても雰囲気は変わらないわね」
「あなたこそ変わらないわね。ボンバーは元気にしてるかしら?」
「何で私にそれを聞くのよ。聞くならレパードに聞くべきでしょーが」
「だってあなた、あの子とよくタッグ組んでたし、仲が良かったから。それにレパードとはそんな話をする雰囲気ではなかったもの。その点、あなたは緊張感に欠けるから聞きやすくて」
近寄っての最初の挨拶で凄く落ち着いた柔らかい声で割と普通と思っていたら、どこか相手の感情を引き出すような口ぶりをしてきたレイカーに思わず拳を握ったガストだが、それをグッと堪えて「落ち着け。あれはいつものレイカー……」と自分に言い聞かせて拳を引っ込めていた。
その様子から察するに、どうやらレイカーは相手を心理的にも攻撃できるタイプと予想したテルヨシは、怒りを堪えるガストを見ながら笑うレイカーに視線を注ぐと、それに気付いたレイカーもテルヨシをまっすぐに見てきてその口を開いた。
「あなたはレガッタ・テイルね。この2年ほどでおそらく最も多くの噂を耳にしたので、わたしも少々興味がありました」
「そりゃどうも。レベル8のハイランカーに知っていただけてるとは光栄至極にございます。なんてね。呼び方はレイカーでいいかな?」
「構いませんよ。わたしはテイルさんとお呼びしましょうか。それからそちらはアン、でしたね。はじめまして」
さすがに初対面でガストのような絡み方はしてこなかったレイカーにちょっと安心しながらいつもの調子で挨拶しておく。
それからレイカーはテルヨシの後ろに引っ付いていたマリアに顔を向けて優しく挨拶すると、マリアも人見知りながらテルヨシに隠れて挨拶を返していた。
「こぉら! 呑気に挨拶してんなっての! 今日はこいつらにも勝つんだから馴れ合っちゃダメでしょ」
「ってもさ、ガッちゃん。挨拶って大事よ。それなしでいきなり『ぶっ潰すぜヒャッハー!』はあそこのヒャッハー君と同じでしょ」
「そうよガッちゃん。闘争にも礼節は必要よ」
「あーんーたーがー! ガッちゃん言うな!! とにかく! 今日は私達がぶっちぎりでゴールするから覚悟なさい! ロータスも地面を叩くほど悔しがるといいわ」
「ほう。この私がそんな無様な格好を晒すとでも? そうなるのがお前達になるようにこちらもさらにやる気を出すとしようか。なぁレイカー?」
「ふふっ、そうね。ガストの地べたに這いつくばる姿だけでご飯3杯はいけそうですもの」
もはや喧嘩を吹っ掛けていってるガストに対して、どこ吹く風といった雰囲気で売られた喧嘩を買っていくロータスとレイカーに沸点の低いガストはヒートアップするものの、テルヨシ達が間に入って強引にネガビュから引き剥がしにかかり、そんなテルヨシ達に呑気に手を振ったレイカーの姿はどこか昔を懐かしみながら楽しんでいたように見えたのだった。
ボルテージが上がりまくったガストを連れてようやく自分達の乗るマシンの前まで来たテルヨシ達は、マリアのアバターの色に染まったその5号機――ハルユキが1号機、パドが2号機を登録したが、本能的にパドの隣は危険と悟ったマリアが2台空けて登録した――を見ながら、その運転席の前にある各種メーターのスタートまでのカウントをする時間を見て、残り5分と迫ってる事に気付いてマシンに乗り込むが、テルヨシが乗るよりも先に青のレギオンで今回もバッチリ参加してきた《フロスト・ホーン》が声をかけてきたため面倒臭いと思いながらも絡んでおく。
「おいおいおいおい、テイルちゃんよぉ。俺様ちゃんがせっかく今回はメンバーの空きを作ってやったってのに、土壇場での交渉なしとはやってくれるぜ」
「前回はイベントの存在を知らなかったからな。まぁ、たとえ今回交渉事になっててもお前さんのところには乗らなかったな。ご愁傷さん」
「何でもう負けてるみたいになってんだよ!」
「だってぇ……」
どうにも今回もテルヨシが会場に乗り込んで交渉してくると予想していたのか、誘う気満々みたいなことを言ってきたホーンだが、今回に至ってはホーンの不運を呪うしかないなぁと思いつつ、早く乗り込めと急かしてきたガストに反応して大事なことをホーンに言わないままマシンに乗り込み、テルヨシの言葉が気になりつつも時間が迫ってたこともあってモヤモヤしたまま自分のチームのマシンである『3号機』に乗り込んでいったホーン。
前回のイベントでパド率いるプロミのチームを道連れにして脱落したホーンが、パドの恨みを買ってることを伝えるべきか迷った。
それで今回マシンが隣同士となれば、もう先の展開は若干見えていたから、どうせ忠告したところで無駄かと、競争相手の早期離脱を願って見なかったことにしたのだった。
「アン、運転の方は大丈夫なの?」
「はい、一応レースゲームで練習はしましたけど……どのくらい速く走るのかわかんなくてちょっと怖いです」
「まぁ最初は安全第一でお願いね。アンが運転に集中できるように私達が全力で守ってあげるから。ほら男衆。気合い入れなさいよ」
「「お、おー……」」
テルヨシがマシンに乗り込んでから、運転の確認をしていたマリアと会話したガストは、スタートが迫ってるのに覇気の感じないテルヨシとスノーに対して声がけしてくるものの、こういうイベント時はかえって冷静になるテルヨシと常に覇気のないスノーにはあまり効果はなく、ガストとのテンションの差が露呈。
その様子に何故かクスリとするマリアに3人ともが不思議な感じを醸し出したところで、タイムカウントがとうとう1分を切り、事前に作戦は練っていながらも、最終確認は怠らずに集中力を高めたテルヨシ達は、全チームが見えるように目の前に大きく表示されたレッドシグナルの光点が青へと変わった瞬間、爆発したような発車で短い斜面を駆け登り、空高くそびえるヘルメス・コードを猛スピードで垂直に登り始めた。
「……よっし。まずアンは運転集中! ガッちゃんとスノーは『食べて』おこうか」
鋼鉄のタワーを垂直に登り始めたテルヨシ達のマシンは、タワーとマシンの間に重力が働いているらしく、上に登ってるというよりは平面を走ってるのと感覚は同じで、ちょっと心配なのはマシンの速度がすでに150キロを超えてまだ加速中なことだが、マリアもどうにか制御できてアクセルを踏み込んできていたので、テルヨシは現在両隣を走る緑と黄のレギオンのマシンを確認してから隣のガストとスノーの腰に《テイル・ウィップ》を巻きつけ、指示通りスノーが作り出した《フリーザー・アイス》を食べた2人は途端にその意識を凍結させてしまうが、その体をテルヨシがしっかりと押さえてマシンからの落下を防ぐ。
「ちょっ!? テイルの兄貴がギガ・やべぇっすよ兄貴ぃ!!」
その一部始終を目撃したらしいアッシュのマシンに乗る《パンジー・スティング》が、テルヨシ達にも聞こえる声量でアッシュに報告するも、向こうにはこのレースで有効な《遠隔攻撃》ができるアバターが存在しないため、とりあえず向こうに聞こえる声で笑ってやってから、反対の黄のレギオンを警戒。
しかし元々4人な上、比較的軽量アバターが多いテルヨシ達のマシンは、両隣よりも少しだけ加速が速く徐々にその差を見せ始め、10秒ほどで10メートルは差を開いた。
「テ、テイルぅ……これ、速すぎない?」
思わぬ誤算にラッキーと思いながら後ろを警戒していたテルヨシだったが、運転席のマリアが怖々そんなことを言うので速度計を見てみると、なんと時速500キロという表示がされていて「あー、これ落っこちたらオレでも戻ってこれねーや」などと遠い目になりながら、どうやらアクセル全開での最高速みたいなのでなるべくハンドルは固定したまま突っ走ろうとマリアに言っておき、マリアがハンドルを切る必要がないように自分達でフォローすることを方針に設定した。
そして両隣だった2台は仕掛けてくる様子がなかったため、さらに視野を広げて他のマシンにも目を向けたテルヨシは、アッシュのマシンの向こう。
1号機から3号機を視界に捉えると、早速パド率いるプロミのチームが近接のみの脳筋バカ……ホーンのチームのマシンをこのイベントに合わせて連れてきた遠距離火力で攻撃し始め、耐久値が設定されているマシンに被弾しないようにホーン達が体を張って守っていた。
案の定パドの最初の標的にされたな、南無三。
などと他人事みたいに思いながらもその様子をうかがっていたら、アッシュのマシンが真後ろにつくような位置取りでスライド移動してきて、ギリギリテルヨシ達のマシンで空気抵抗を大幅に軽減するスリップストリームの範囲に入ったのか、その差がジリジリと縮まってきた。
さすがバイク乗りといったところ。実に上手い。
「ダメっすよ兄貴ぃ!! あのマシンの後ろはメガ・アンラッキーですってばぁ!」
「だまらっシャラーップ!! おめぇはさっきから何をそんなにデンジャートークしてんだ、針公よぉ!」
しかし向こうではこれをよく思わないスティングがまだ危険だと警告していたが、運転手のアッシュはまともに取り合わないようで、ジリジリと近付いてきたアッシュのマシンにちょっと警戒を強めたところで、
「……ん、よっしゃー! ふっかーつ! 状況は……っと、さっそく獲物はっけーん!」
「うわっ! ち、近いぃぃい!」
思考停止状態にあったガストとスノーが復活。
すぐに周りを確認した2人は、真後ろにアッシュのマシンが迫ってた事に気付いてそれぞれリアクションしてから、その手に《ブレード・ファン》を呼び出したガストは座席に足を乗っけてアッシュのマシンを見下ろすようになると、その扇子を広げて元気良く必殺技発声。
「とりあえず消し飛びなさい、おバカさん達! 《ブラスト・ゲイル》!!」
そうして放たれたガストの特大突風攻撃はアッシュのマシンを激しく揺さぶって、乗っていたメンバーのうち2人をふるい落とし、速度を大きく落とすも、アッシュの卓越したドライビングセンスはそれをやり過ごして未だ走り続けていた。
が、スリップストリームの範囲からは出てしまったらしく、その距離は縮まってきそうになかった。
「ちぃ、殺り損なったか」
「ヘイヘイヘェーイ! そんなリバースウインド屁でもねーぜ! つーか今の必殺技だろーがよぉ! んなゲージどっからスティールってきやがった!」
「……ああん? そこの骸骨、生意気よあんた。なんだったら今からギッタンギッタンにしてやってもいいんだけど?」
「スティールってって……盗むとか言葉のチョイス悪いなアッシュ。ガッちゃんは抑えて抑えて。アッシュ、それが知りたきゃスティングの言葉に耳を傾けろバーカ!」
妙に殺気立ってるガストを押さえつつ、後ろから喚くアッシュに一応アドバイスを送ってやったテルヨシだが、それでようやくスティングの言葉を聞いたらしいアッシュが騒いでいたが、その間に周りに他のマシンがいないことにも気付いた。
それはおそらく、開始と同時にスノーのアビリティによってガストとスノーが必殺技ゲージをフルチャージしたのを見て、必殺技による妨害を恐れたからだろうが、それも相まって目に見える敵に躍起になってるガストの図が今である。
少し遠くの方ではホーンのチームのマシンが盛大に爆破して消えていくのも確認しつつ、意外と独走状態になってきたことに気付き笑みがこぼれるが、先はまだ長そうなので油断はできない。
マリアが運転操作を誤っても、それがレースの勝敗を分ける可能性だってあるのだから。
そうやって割と真剣に先を見据えながら移り変わる戦況を見ていたテルヨシなのに、その思考の間に横ではブレード・ファンを展開剣に変えて超戦闘体制に入ったガストが、何やらこちらを見ながら騒ぐアッシュ達をロックオン。
周囲に警戒を向けていたテルヨシはすぐに後ろの声を拾いにいくも、すでにスティングが逃げようみたいなことしか言ってなくて、直前のやり取りが不明。だが、
「私に対してイイ度胸ね、バカども! 《ワイド・スラッシュ》!」
ガストの怒りのボルテージがかなり上がってたのでなんとなく状況は把握して、右手に1本だけ持った展開剣に直列で他の展開剣を伸ばして1本の長大剣を横凪ぎで振るったガストの20メートルを越える斬撃は、後ろのアッシュ達のマシンを襲っていったのだった。