始まった《ヘルメス・コード縦走レース》。
序盤からヒートアップする展開に観戦に来ていた500人はいるバーストリンカーも大盛り上がり。
自動追随する3つの観戦席からは常に歓声と熱気が飛んできて、テルヨシ達もそれに負けないくらい熱いレースを繰り広げる。
《スノー・イーター》のアビリティによって必殺技ゲージをフルチャージできた《エピナール・ガスト》は、少し後方を走る《アッシュ・ローラー》操る緑のレギオンのマシンに狙いを定めて、呼び出した《ブレード・ファン》を展開剣へと変えて直列の長大剣にし、それを右から左へ横凪ぎに振るってアッシュのマシンへと攻撃。
20メートルを超えるリーチの斬撃に慌てふためくアッシュチームだったが、先刻の《ブラスト・ゲイル》を受けて生き残った《パンジー・スティング》がその身をマシンから乗り出してガストの剣を体で受け止めてマシンへのダメージを回避する。
それによってマシンは衝撃で少し右に振られはしたものの、壊滅的クラッシュは免れる。
しかしマシンと展開剣に板挟み状態で体を残すスティングはどちらかが離れればたちまち超高空へと投げ出されるだろう。
当然それがわかってるアッシュは展開剣と離れないようにマシンを固定するが、ガストはちょっとあれな笑いと共に展開剣を手元に引き戻してスティングを落としにかかった。
「ブラザァァアア!!」
「兄貴ぃいいいい!!」
元々指や手首などの概念がないスティングの槍のような腕ではマシンを掴むことすらできないため、ガストの無情な行動によってマシンから離れたスティングはマシンから落下。
すぐに地面にバウンドして大きく後ろへと吹き飛び2人の絶叫が木霊した。
「落とさねーでヤンス!」
のだが、スティングが後方へと流れたところで残っていた最後の1人《ブッシュ・ウータン》が、その霊長類を思わせる長い腕をアビリティによってビヨーンとさらに伸長させて落っこちたスティングの胴を掴んでみせる。
「でかしたウー!! そのままホールドってろよぉ!」
「はい失礼! 《ジェノサイド・カッター》!!」
間一髪でスティングの落下を阻止したアッシュ達だったが、展開剣を手元に戻したガストはそんな感動の救出劇にノーリアクションで続け様に必殺技を発動。
回転しながら撃ち出された18本の展開剣はアッシュ達のマシンとその周囲にビュンビュン飛んで迫っていき、「ノー! ノーセンキューだぜオーガガール!!」などと叫びながらマシンを左右に動かして正面からの激突を的確に避ける。
「ちょっとぉ! あ、兄貴ぃいい!! いだだだだだだぁああ!!」
しかしそのマシンの動きによってまだマシンの外にいたスティングは揺れる度にタワーに体がぶつかって引きずられと散々な目に遭っていた。
一応HPゲージは固定なのでダメージ判定はないだろうが、時速500キロのマシンであれは痛いとかそんな次元ではない気がして、とりあえず見なかったことにした。
でも隣のガストはそんなスティングの姿に1人で大笑いして後部座席で転げ回っていたので、相当スティングに対して恨みがあったことを今さらながらにちゃんと理解した。
そうこうしていたら少し離れたところでネガビュのマシンとプロミのマシンがやり合っているのが見えて、遠隔攻撃できるアバターがいないネガビュでは反撃もままならないかもなぁとその様子を観察していたテルヨシだが、何やら突然ネガビュのマシンが更なる加速をし始めて、砲火をするプロミのマシンと差を広げたため、そんな加速装置があるのかと思ったら、マシンの後ろから《ゲイルスラスター》を使ってマシンごと移動する《スカイ・レイカー》の姿があり、あれが加速の理由かと納得。
その加速によってトップを走っていたテルヨシ達のマシンも抜かれてしまってガストがワイワイ騒ぐが、それをかき消すように運転手のマリアが叫ぶ。
「前に何かある!!」
という声に反応して全員がネガビュのマシンから前へと視線を向けると、進む先に一定の間隔で直径3メートルほどの虹色に輝くリングが横並びで出現していて、その中は先が見えない謎の空間が広がっていた。
「障害物、か?」
「こ、怖いですよあれ……」
「ど、どうするの?」
「突っ込みなさい、アン! 何かあっても私が戦犯でいいわ!」
そのリングに対してどうするか決めあぐねていたら、うだうだやってる時間もなかったためガストがそう叫んでマリアにリングを潜るよう指示。
もう選択の猶予もなかったマリアはその声でハンドルを動かしてリングの中を潜る軌道にマシンを置き、数秒後に猛スピードでリングを通り過ぎていった。
リングを潜った先は虹色の光が進路上に伸びて、そこをマシンが疾走感もあまりなしに走っている感じで、パッと見たところではトラップの類いではないのかと思われた。
「うんうん。予想通りかな」
うむとこの空間について思考していたテルヨシは、隣で運転席の各種メーターに目を向けていたガストがそんなことを言うので、何を見てそう言ったのかと同じくメーターを見てみると、その中の残りの距離を示していたメーターがとんでもない勢いで減っていっていた。
「これってもしかして、ワープか?」
「テイル……あんた頭の回転は良いのに頭は悪いわよね。ちゃんとヘルメス・コードについても予習しときなさいよ。いい? このヘルメス・コードは全長が約4千キロもあるのよ。で、マシンの最高速度が500キロなんだから、単純計算でもゴールまで8時間くらいはかかるわけ」
「おお! だからワープゾーンで時間短縮ってわけか。ガッちゃん可愛いだけじゃなくて頭も良いなんて素敵すぎるぅ!」
ようやくこの空間の答えにたどり着いたテルヨシに、呆れながら説明を加えたガスト。
珍しく知能的な発言をしたガストにちょっと驚きつつも、それは言わずにとりあえず抱きつけばいいかと行動に移したテルヨシだが、すぐに蹴飛ばされてしまった挙げ句、マリアに物凄く冷たい視線を向けられてしまい精神的ダメージがクリティカルヒット。
「とにかく、この間に私とテイルは必殺技ゲージをフルチャージしておくわよ。ワープを抜けたらまた衝突があると思うし、備えあれば憂いなしってね」
「僕、今回は完全に補給要員ですね……トホホ……」
「バカスノー。こんなイベントだからお前のアビリティは超強力なんだぞ。もっと誇れよ。優勝したら今日のMVPだぞ?」
テルヨシに抱きつかれて調子が狂ったのを強引に戻しつつ、話をレースに戻してすぐに次の行動を決定したガストに異論なしの一同だったが、ここまでアビリティによる支援しかしてないスノーが落ち込み気味になってしまう。
しかしアバターのHPゲージが固定されるこのイベントにおいてスノーのアビリティが物凄いアドバンテージを持つことを言ったテルヨシに、そうだぞと便乗するマリアとガストによって再燃。
嬉々として2人に作り出したフリーザー・アイスを渡し、2人はすぐにそれを口へと運んでその意識をしばらく手放した。
テルヨシとガストがほぼ同時に思考停止から復活した頃、まだワープゾーンの中だったためひと安心したのも一瞬。
そうとわかったら俄然やる気になったガストが鼻歌混じりに何かを待ち始めたので、このワクワクの仕方は悪い方のやつだと瞬時に悟ったテルヨシ達は、視線で誰が尋ねるかをなすりつけ合い、無言の話し合いの結果テルヨシが出陣。
「あのぅ、ガッちゃん。何をそんなに楽しみでいらっしゃるんでしょうか?」
「ふふーん。テイルもおバカさんねぇ。ワープゾーンを抜けたらまずは状況確認に意識が向くじゃないの。そこにドでかいのブチ込んでまとめて敵を蹴散らすのよ。BBがどのくらいディテールに拘ってるかはわかんないけど、宇宙に到達したら空気なんてないんだから、後半は私の大技が使えないかもしれないし」
大技……そう聞いてテルヨシが思い浮かべたのは、5ヶ月ほど前に《カーマイン・ボンバー》と一緒に強烈なインパクトを与えた『あれ』だが、確かにあれは空気を震わせて周囲に災害を撒き散らすので、その空気が存在しない宇宙空間では発動しても不発に終わる可能性がある。
ならば失敗でもいいから後続のチームをまとめて攻撃できるロマンを取る辺りは、ガストもやはりパフォーマーとしての性質があるのだろうとテルヨシは思うのだった。
それから間もなくしてワープゾーンの終わりを告げるような青い光の輪が前方に見えてきて、意を決してそれに飛び込んだマシンはその光に包まれて、光が消えてからゆっくりと目を開けたテルヨシ達は、そこに広がる景色にレースのことを忘れて魅入ってしまう。
見渡す限りの漆黒。
そこに浮かぶ小さな光の粒が無数に集まり、静寂の中にありながら何かを訴えかけてきている。
そんな錯覚を覚えるほどの景色は、宇宙に浮かぶ銀河。
ソーシャルカメラが捉えた映像を映しているのであろうその景色に大なり小なり感動を禁じ得ないテルヨシ達ではあったが、数秒ほどでレース中なことを思い出して我に返ると、感想もなしに張り切り出したガストはその手の扇子を持ち上げる。
そのやる気満々のガストに苦笑しつつも、先にワープゾーンに突入していたネガビュのマシンが前方を走ってるはずと前方を見渡したテルヨシは、そこであり得ない光景を目撃。
「ちょ、ちょいタンマよガッちゃん!!」
「ええっ!? 何でよ! もう他のマシンもワープから出てくるってば!」
慌てて必殺技を放とうとしたガストを止めたテルヨシは、ブーブー言うガストに前を向くように促し、テルヨシの指差す方を向いたガストも、同じように驚愕の雰囲気を醸し出してその動きを止める。
「……何でよ……一体どうやったら私達より先にロータス達のマシンの横につけられるっていうのよ……私達は確かにワープ突入時点で『2位だった』でしょ……何なのよあの『マシン』は!?」
そんなガストの疑問の声を聞きながら、テルヨシは先頭を走るネガビュのマシンに並走する朽ち果てた赤錆色のマシンが、どのようにして現れたのかを目撃しある確信を持っていた。
そのマシンは左方向から晒される太陽光によってできた『ネガビュのマシンの影』から急に浮き上がってきたのだ。
そしてその現象は最近、テルヨシがその目でしっかりと見て、それを使ったアバターの拘束に失敗し逃亡された。
ならばあのマシンに乗ってるのは……
そう考え至ったところで、赤錆色のマシンからフッ、と何か黒い物が落下してきて、それはすぐにテルヨシ達のマシンの横を通りすぎて後方へ流れていったが、交錯の瞬間にテルヨシはその落下してきたアバター《ブラック・バイス》とハッキリ視線を交わした。
「あのマシン……確かドライバー不明の10号機だったはず。スタートから姿がなかったからリタイア機だろうって思ってたのに、私達に気付かれずにどこを走ってたのよ」
「たぶんだけど、ネガビュのマシンの影の中。スタート直後からそれに潜んで出てきたんだ。そういう能力を持ったアバターがいま落ちてったから、間違いないと思う」
突然の出現に冷静さを取り戻しつつ出たガストの疑問に、テルヨシもいま持つ情報からそんな予測を立ててガスト達に話すが、それと同時に今このタイミングで出てきた意味が全くわからなくて思考が追いつかない。
もしもレースに勝つことが目的ならば、現状トップのネガビュの影から出るタイミングはまだ先であるはず。
それこそ最後の最後で現れて優勝を勝ち取ることすら可能だったかもしれない。
遠目からはそのマシンに乗るのはドライバー1人のようで、唯一の仲間であったバイスは御役御免といった感じで自ら落ちていった。
となればあのドライバーの目的は……レースに勝つことではないのかもしれない。
そんな考えに辿り着くより早く、テルヨシはその全身にただならぬ『悪い予感』を感じ取り、普段はバトロワ祭り時くらいにしか使えない超集中状態の危険予知と同様のそれに従って行動を開始。
「アン、今すぐブレーキ! ガッちゃんは必殺技使って後続を吹き飛ばして!」
「えっ? ど、どうしてテイル?」
「あんたどうしたのよ……」
「いいから早く!!」
鬼気迫るテルヨシの迫力に押されて、どうしてという疑問も解けぬままマリアはマシンのブレーキを全力で踏み始め、ガストは扇子を広げて先ほど使おうとしていた必殺技を発動。
「《リベレイション・ストリーム》!」
――ぶわっ!
わずかな時間差の後に全方位に対して強烈な風を発生させるガストの必殺技は、後続を走るマシンの横、或いは後ろから叩きつけるような勢いで迫って、パドとアッシュのマシンはかろうじて後ろ斜めから受けて被害は最小に留まったが、ワープから出てきた残りの3台はモロに被害を受けて、黄のレギオンのマシンは横転。
他のマシンはドライバー含めて全員がマシンから吹き飛ばされて脱落してしまった。
そしてブレーキをかけたにもかかわらずまだ走るマシンを、パドとアッシュのマシンが抜き去っていき、現状で一気に最下位になったためガストがテルヨシに噛みつきかけたが、突如として先頭の方で強烈な赤い光が発生して、その光が何なのかに気付いたガストはテルヨシから離れて、観客席が全部先頭を追尾しているのを確認したテルヨシはまだ止まらないマシンの前方に移動してその足に心意の《過剰光》を纏ってマシンを全力で止めに入る。
「《地獄の衝撃》!」
テルヨシの心意技は超高速の蹴りとなって前方に発生させた《インスタント・ステップ》の足場に放たれて、爆発したような衝撃によってマシンの速度を急激に落とし、マシンの後方がぐわんっ! と90度近く持ち上がって、ガストとスノーが前方に放り出されてしまうも、それを《テイル・ウィップ》でキャッチして落下を阻止するとマシンは停止。
持ち上がっていた機体も元の位置にドスンと落ちて事なきを得ると、2人を後部座席に降ろして大きく息を吐き心意の過剰光を消す。
「ちょっとテイル! あんたいつの間にし……」
座席に降ろされてからすぐに身を乗り出してマシン前方に座り込むテルヨシに心意について問いただそうとしたガストだが、人差し指を立てて口許へ持っていったテルヨシによって言葉を切られる。
この場にはアンとスノーもいるから、その話は後で。
そんな意味を込めたテルヨシの意図をちゃんと汲み取ってくれる辺りはさすがである。
「てゆーか結構ギリギリだったな。『あれ』」
ガストの問いを後回しにしたテルヨシが、指を降ろしてマシンの前方に目を向けると、その先10メートルの辺りからどういうわけかヘルメス・コードのタワーが赤錆色に朽ち果てて変色していた。
イベントステージの頑強さは前回イベントでほぼ破壊不可能レベルのものだったことを確認していたテルヨシは、当然今回のステージもそれに当てはまるものと確信していた。
先刻のガストの必殺技《ジェノサイド・カッター》によって射出された展開剣。
それがタワーの壁面に触れた時に刺さらずに弾かれて戻ってきたことがそれを証明している。
つまりこの現象は心意によって事象を上書きされた破壊攻撃。
「こりゃもうレースどころじゃないかもな……」
「こんなことして……あいつは一体何が目的なのよ」
「それを確かめにとりあえず進んでみるか。アン、まだ動きそうか?」
「う、うん。なんかブレーキが効かなくなってそうだけど、走るだけなら大丈夫だと思う」
「んじゃスピードはあんまり出さずにオレとガッちゃんでブレーキ係しよっか。途中で何があるかわからないから、慎重にね」
どうあれ大勢のバーストリンカーの前で秘匿されてきた心意を使ったことに意味がありそうなこの事態に、テルヨシはマシンの座席に戻りながらそんな会話から進んでみることにして、マリアがゆっくりとアクセルを踏んで進み始めた。
赤錆色の壁となった道を進んでいく中、心意を習得するテルヨシとガストは、その心意の恐ろしいまでの効果範囲に言葉を失っていた。
あまりに広いのだ。
タワーの見える範囲は全て赤錆色に変化して、それが見えない先まで続いている。
これほどまでの心意を使ったあのマシンのドライバーは何者なのか。
それを確認するようにテルヨシとガストはヒソヒソと小声で話をする。
「ねぇねぇガッちゃん。こんだけの心意を使うとなると、どんくらい溜めがいると思う?」
「バカ。これだけの心意、王クラスでもまず不可能よ。《第4象限》の端の端って表現が合ってるかもね。たとえ使えたとしてもとてつもない時間がかかるはず」
となると、レースの開始からずっと心意の力を溜めていて、あのタイミングで使えるようになったから出てきた。
つまりは始めからこの心意を使うことが目的だった?
と、ガストの意見を聞きつつ自分なりに分析をしてみたが、それで概ね合っている気がしてならなかった。
そう考えるとあのタイミングで影から出てきて、バイスがすぐに撤退した理由も合点がいく。
つまり『大多数のバーストリンカーの前で秘匿された心意を使うこと』こそがやつらの目的だったのだろう。
その目的の真意については不明だが、何か良からぬことに繋がってそうなのは確率的に明らか。
もしかすると今後の加速世界に大きな影響が出ることになりかねないとさえ思うが、先のことより今。これ以上の暴走は阻止しなければならない。
そう決意して先を見据えていたら、あの心意攻撃の範囲内に入っていったパドとアッシュのマシンが見えてきて、完全に停止して隣り合っていたその2台の隣で停まって合流。
しかし2台ともが前方部分を心意によって錆び付かされて、タワーと接地するホイールの部分からも嫌な感じの音がしていて、おそらくゴールまで走ることは不可能と思われた。
「こりゃずいぶんなダメージで」
「そっちは急ブレーキのダメージがありそう」
「いきなりブレーキかけてきたときゃマジリアリー? とか思ったがよ。あれをフューチャールックしてたなら信じらんねーぜ」
「私もこいつがいきなりブレーキかけろって言った時はマジふざけんなって思ったけどね」
「テイルの危険予知は野性的」
「それ誉めてんのかな、パドさんや……」
とりあえずダメージはマシンだけのようでひと安心。
こんな会話を交わせるくらいに余裕があることもテルヨシにはちょっと嬉しかったが、無駄話をしている場合でもないのは確かで、すぐに状況確認と今後の方策を練り始める。
「ここから先はアン達は行かない方がいいかもな」
「それが賢明。先に行くなら私とテイルとガストに、そこのバイク男だけ。たぶんこの4人しかこの事態に理解がない」
「それじゃ私とテイルがレパードと骸骨のマシンに分乗して行けるところまで行ってみましょう。一応必殺技ゲージはスノーのアビリティで満タンにできるし、備えは万全にね」
とはいえ、これ以上進むのはまだ心意を知らないマリアやその他――スノーやスティングなど――を連れていくのは危険と判断し、ここにいる面子を見てメンバーを厳選したパドとガストの指示に従ってマシン間の移動を開始した一同。
マシンの操縦が登録したアバターにしかできないため、一番損傷の少ないテルヨシ達のマシンに乗っていく方法では、マリアに運転してもらうしかないので仕方ない選択ではある。
その後テルヨシ以外の3人がスノーのフリーザー・アイスで必殺技ゲージをフルチャージして思考停止してる間、心配そうにテルヨシを見てきたマリアに気付いて声をかけておく。
「大丈夫だよアン。何かあっても全損するような事態にはならないから、必ず戻ってくる。帰ったら気晴らしにデートでもしような」
「…………じゃあ、アイス5段ね」
「……お腹壊しても知らないぞ?」
なんとも緊張感のない会話にスティング達が笑ってしまう中、マリアの不安を取り除いてから復活したパドとアッシュのマシンで再出発したテルヨシ達は、まだ見えないネガビュとこの事態を起こしたやつの乗るマシンを追いかけていった。
※ご指摘を受けました《ブッシュ・ウータン》のアビリティ《伸縮豪腕》は本来は必殺技ゲージを消費して腕を伸長させるのですが、この作品では必殺技ゲージ消費はなしで使えるという仕様になっています