アクセル・ワールド~蒼き閃光~   作:ダブルマジック

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 ――よっしゃぁああ!!

 そんな雄叫びを胸中で響かせたテルヨシは、自らの渾身の攻撃によって受け身も取ることもできずに石積みの壁に激突したパドを見て、すでにない腕でガッツポーズを取ったつもりになって喜びを表現する。

 過去にも例を見ない見事なまでのクリーンヒットは、肉を切らせて骨を断つような作戦によって成功。

 パドのビーストモード時の主武器である強力な牙は、首にさえ食らいつけば文句なしに勝負を決められる威力を持ち、たとえ他の部位を噛んだとしても粉砕するだけの力はある。

 だが裏を返せば『首を狙われることは始めからわかっている』ことにもなるため、テルヨシはその首をあえて狙わせた上で策を練っていた。

 パドが首に食らいつける状況になれば、ほぼ確実に飛び込んでくると信頼し、自分が普段なら回避と防御を優先すると思い込ませてるところで、首の代わりに右足に噛みつかせて噛み砕かれる前に地面へと叩きつけた。

 その代償として右足の足首の部分にはパドの牙による攻撃でわずかな亀裂が走って、そこからスパークが小さく発生していたが、ダメージとしてはそれでも少なくできた方で、残りのHPゲージは3割を少し切る辺りにまで減っていた。

 対してテルヨシ渾身の攻撃を受けたパドはそのHPゲージを残り2割弱にまで減少させて、よろめきながらもその4本の足で立ち上がってテルヨシをまっすぐに見て、全く衰えない闘争心をガンガンぶつけてくる。

 そんなパドに負けまいと再び構えたテルヨシだったが、どうにも右足が嫌な軋みを訴えてきて全力に応えてくれそうにない感じが伝わるが、そんなのは全身の関節という関節から小さなスパークを発生させているパドも同じようなもの。

 互いにほぼ限界に達しているのは見ればわかる。

 ――だから何だ。それでも勝つんだ。

 そんな思いと思いが2人の間でぶつかったような感覚を覚えながら、先に動いたのはパド。

 パドは突然その場で高くジャンプすると、その四肢を畳むように縮めたかと思えば、そのパドを包み込むような赤い光のチューブが出現。

 その瞬間、テルヨシはその両足を順に前で左右に動かして《インフェルノ・ステップ》を発動。

 炎熱属性と耐性を付与するそれが発動された意味は、ここで勝負が決すると本能で悟ったから。

 赤い光のチューブ。すなわち砲身に体を包まれたパドは、その照準をテルヨシへと向けて砲身を固定。

 自らが砲弾となるただ1度だけ見たその必殺技を高々と叫んだ。

 

「《ブラッドシェッド・カノン》!」

 

「《インパクト・ジャンプ》!」

 

 しかしテルヨシもインフェルノ・ステップに留まらずに、パドと同時にインパクト・ジャンプも発動。

 超高速で発射された両者は、自らがもう何をどう相手にぶつかったかもわからないまま正面から衝突。

 瞬間、パドの必殺技による爆発が巻き起こり、テルヨシはその爆発のほぼ真上から投げ出されるように抜けてそのまま地面へと落下。

 なんとかテイル・ウィップで落下ダメージはなくしたものの、そこでテイル・ウィップも力尽きて壊れてしまい、次いで自分が直前にいた近くの壁に激突したパドを確認。

 あちらももう完全に動けていない様子で、HPゲージを見れば互いになぜ残ってるのか不思議なレベルでミリ単位の赤色ゲージが存在していた。

 あと一撃。

 そう思って立ち上がろうとしたテルヨシだったが、立ち上がろうと上げた右足が膝から下を消失していて、ガクンと体が地面に落ちるもギリギリでダメージ判定にならないように倒れるが、先にいるパドがその足で立ち上がったのが見えて心底焦る。

 もうテルヨシには両腕も右足もテイル・ウィップさえないため、左足1本でどうにかしなければならない。

 立ち上がることさえままならない状況の中、しかしテルヨシはパドの頭上にあるものを発見し笑みがこぼれる。

 

「……チェックメイトだ、パド」

 

 決して聞こえはしないそんな言葉とほぼ同時に、動き出そうとしたパドの頭に『破損したテルヨシの右足』が落下してきて命中。

 どうやら衝突の際に破損し空高く打ち上げられたのが、ポリゴン片になりながら落ちてきたようで、それが勝敗を分かつとは思わなかった。

 最後の最後でツキが回ってきた。そう思わざるを得なかった。

 極限の集中力に加えて、初めての本気の本気の真っ向勝負をしたことで対戦を終えて現実世界に戻ってきたテルヨシは、結果的にわずか1秒に満たない時間の中でとてつもない疲労感に襲われて椅子の背もたれに体を預けて天井をあおぐ。

 同様にパドもXSBケーブルを抜いてから珍しくテーブルに顔を伏せてしまうが、すぐに元に戻ってテルヨシを見てくる。

 

「あれでKO予定だった。悪くてもドロー。勝負を分けたのはテルの必殺技」

 

「ん……ああ、インパクト・ジャンプ?」

 

(違う)。先に発動した方」

 

 対戦を終えたばかりだと言うのに、もう考察に入ったパドに感心しつつ話に参加したテルヨシは、パドにそう言われてようやくその事に気付く。

 パドの言うように、インパクト・ジャンプのみでブラッドシェッド・カノンに衝突していたら、あの爆発によるダメージも入って地面に着くより早くテルヨシのHPゲージは吹っ飛んでいたはずで、それを無力化したのが炎熱属性と耐性を付与するインフェルノ・ステップ。

 テルヨシ自身はあの場面が勝負どころと悟って残りの必殺技ゲージの全てを使ってぶつかりにいった結果なので、後先は二の次にしていた。

 

「あれは偶然そうなっただけだったりして……その後あれが当たってなきゃ負けてたのはオレだったと思うし、あそこで最悪ドローまで想定できてたパドの方が凄いよ」

 

「私は見通しが甘かった。本気のテルは計算なんてできないくらい凄かった。だから今日は私の負け。GG」

 

 本当に全力を出したせいか、虚勢すら張れなかったテルヨシが勝てたのは運だと言うのに対して、負けは負けだと素直に認めたパドはテルヨシを称えてその手を差し出すので、ちょっと照れながらもそれに応じて握手を交わす。

 

「次は負けない」

 

「……次、か…………そうだな。次も負けない」

 

 何気ない、パドらしいリベンジの言葉だったが、それに対してテルヨシはほんの少しだけ言葉に迷うものの、素直にそう返して握手を終えると、ほったらかされてご機嫌ななめだったマリアと一緒に店を出る支度をして休憩室を出るが、その時にパドに1つお願いをして了承を得てから帰宅していったのだった。

 帰宅後、夕食とお風呂を済ませて1日の終わりの家族団らんを開始したテルヨシとマリア。

 家族のコミュニケーションの時間を必ず1日1度は設けるようにしていたテルヨシの計らいは、もう当然の日課となっていた。

 その団らんの時間にリビングのソファーで話を始めた2人は、先ほどのパドとの対戦についてを話題にしていた。

 

「今日の対戦、今までで一番凄いって思った」

 

「そうか? んー、でもそうなんだろうな。オレも途中からマリアが見てるってこと完全に頭の外になるくらい集中してたから」

 

「いつも見てる人とワーワー騒ぐテルも楽しそうでいいけど、今日みたいなテルもなんかいいなって思った。パドさんもカッコ良かったし」

 

 少しだけ照れながらにそんなことを言ってきたマリアに、今日の対戦でマリアを楽しませることを考えてなかったテルヨシではあったが、結果としてつまらない対戦ではなかったことを知れてひと安心。

 しかしパドはカッコ良くてオレはそうじゃなかったのか、などと余計なことまで考えたところで口には出さずに素直にお礼を言うと、また照れて顔を伏せてしまったマリアだったが、すぐに復活して顔を上げると今度は少し真剣な顔になってテルヨシを見てくる。

 

「でも、対戦の後にどうしてパドさんの言葉に返事を迷ったの? あれはテルらしくなかった」

 

「……マリアは鋭いな」

 

 そこからの話は、握手の際にリベンジの言葉を述べたパドにわずかながら言葉を選んだ時のことで、それをマリアはちゃんと違和感として感じていたらしい。

 実際、言葉に詰まったのは事実ではあって、その理由については話してもいいのだが、全てというわけにもいかないのは仕方のないことで、これはパド側の事情が多分に含まれることにあった。

 対戦の前にテルヨシが正直に言ったように、近々そのレベルを上げるつもりだったため、同レベルでのパドとの対戦は当分できなくなってしまうことは確定していた。

 以前、まだマリアが家族となる前にテルヨシは何気なくパドに聞いたことがあったのだ。

 ――もうずいぶんレベル6なのに、どうしてレベルを上げないのか――と。

 テルヨシがバーストリンカーになった時にはもうレベル6だったパドだけに、その疑問は至極当然。

 その疑問に対してパドは、誰にも話さないという条件の下で全容とまではいかないまでも話してくれて、それによればパドの親が複雑な事情によって第一線から遠退いてしまっていて、その問題を解決するためには大量のバーストポイントを保有しておく必要があるとのこと。

 ――パドの親が誰なのか。

 ――どういった問題なのか。

 その辺は頑なに口を閉ざしていたパドだが、レベルアップにも大量のバーストポイントを必要とするし、ハイランカーとなるとポイント効率も落ち、敗北のリスクも大きくなる。

 それらを鑑みてレベルを6に留めているらしいのだった。

 そんな事情をマリアに洗いざらい話すのはパドとの約束を破ることになるので、マリアにはパドがレベルを上げられない理由があるとだけ話して、それによって同レベル対戦が当分できなくなることを憂いてしまったのだと説明すると、マリアもそうなのかと納得してくれたようだった。

 

「そんなわけで、ちょっと残念だけどこれからレベルを上げようと思う」

 

「えっ? もう上げちゃうの?」

 

「レベル6のうちにやっておきたかったことはやっちゃったしな。次はレベル7でやっておくことをやりたいし、早いに越したことはないんだ」

 

「…………テル、なんかその言い方はレベル7も『通過点』みたい」

 

「…………やっぱりマリアは鋭いな。そうさ、オレにとってレベル7も、『その先』も通過点に過ぎないよ。だってオレが目指してるのはさらにその『先の先』なんだからな」

 

 マリアの疑問に答えてから、よしと話を区切って今度はレベルを上げると言ったテルヨシに、マリアは少し驚くようにまた疑問を口にし、それに対しても素直に答えたら、指を折ってテルヨシの示した先を数えてハッとするが、その時にはもうテルヨシは直結用のXSBケーブルをニューロリンカーに挿してマリアへと差し出していた。

 

「マリア、これはオレのバーストリンカーとしての生き方だ。たとえこの先に残酷で無慈悲な未来が待ってても、オレはこの選択に後悔も恐れもない。だからこの先に何があっても、マリアはマリアの選んだ道を進んでほしい。迷いなく、まっすぐにな。それが親として子に送るちょっとだけ偉そうな言葉だ」

 

「…………テルは……ずっとテルでいてくれるよね?」

 

 ケーブルを渡しながら、自分が何を言いたいかを理解しただろうマリアに、諭すように口を開いたテルヨシ。

 それに対して出てきたマリアの言葉に、一瞬だけ顔を歪ませてしまったテルヨシだったが、それを悟らせまいとマリアを胸に引き寄せて優しく抱いてあげた。

 

「……変わらないよ。オレはマリアと初めて会った日から、これまで通りずっと、悠木麻理亜が大好きな皇照良だ。その事実は生涯、絶対に揺らいだりしない。逆にマリアのことを嫌いになる要素を探す方が難しいレベルだな。なんせ……会った時から嫌いな要素が全くなかったし。我ながら親バカだなぁ」

 

 表情は隠せたか。

 とちょっと安心してから、マリアの耳元でそんなことを言いながら、最後に調子に乗ってマリアをソファーに倒して上から覆い被さると、てっきり蹴り飛ばされるかと思ったらそうはならず、ただテルヨシの背中に手を回して抱きつき、耳元で「うん、ありがとう」とささやくので、少しだけその抱く力を強くしてマリアの存在を感じるのだった。

 その後あまりに長く抱きつくのでさすがに蹴られてしまったが、その頃には2人ともいつもの調子になって当初の目的に戻り、直結してからテルヨシが加速。

 初期加速空間でレベルアップの作業と長考の末にボーナスの選択をしてからマリアに対戦を挑んで、先ほどできなかった日常の話をして終了。

 話し疲れたマリアは対戦を終えてから大きなあくびをして自室へと戻っていき、その背中を見送りながら、より一層の決意を固めたテルヨシも大きなあくびをしてから自室へと戻って眠りに就いていった。

 翌日。

 特に何事もなくバイトまで来たテルヨシは、作業に入る前に昨日パドに頼んでいた件が通ったかどうかを確認。

 

「K。時間は金曜日の午後6時ジャスト。スタートは向こうからしてくれる」

 

「スターターまでやってくれるのか。頭上がんないなぁ……」

 

「向こうもそれだけ楽しみにしてる。だから期待は裏切れない」

 

「わかってるって。くぅー! 今から楽しみすぎる!」

 

「楽しみもいいけど、仕事もやる」

 

 それによれば無事に話を取り付けることができたようでこの上なく喜ぶが、調子に乗りすぎてパドに両頬を引っ張られる罰ゲームまがいなことをされてしまう。

 その金曜日の午後に取り付けたのは、当然ある人物との対戦。

 都合、平日はバイトのためグローバル接続を切ってるテルヨシが進言してまで行う対戦は、こうしてパドを経由しなければできないこともあり、実現するとなればテルヨシのテンションが上がらないわけがない。

 

「それから通達があった。《会議》の日時について」

 

「おっと、そっちも重要案件だな」

 

 パドのおかげで幾分テンションが落ち着いたところで、テルヨシの頬から手を離したパドはもう1つの案件、《七王会議》についての通達を引き受けてテルヨシに知らせる。

 

「6月16日の日曜日。千代田区。午後2時。入る対戦は《コバルト・ブレード》と《マンガン・ブレード》。観戦者登録はしておくこと。以上、K?」

 

「今回は全員ギャラリーで話し合いか。オッケーオッケー。場所もまぁ妥当だろうな」

 

 最低限の事項だけ述べたパドらしい通達に、もう慣れっこなテルヨシは軽く返しつつアプリのスケジュール帳に会議の予定をメモ。

 都合を合わせる関係上、早めに通達されるのは予想していたので、割と予定通りのタイミングできたなと思いつつ、会議の場として選ばれた千代田区について少し考える。

 千代田区は東京23区で唯一戦域が分けられていなく、そのため対戦フィールドはおそらく最大の大きさになる。

 特区とされる秋葉原戦域を除き、千代田区がなぜ戦域を分割されていないか。

 それは千代田区に一般人の入れない《皇居》が存在し、現実世界の皇居の敷地が対戦フィールドでも不可侵領域に設定されてしまっているため、広大な対戦フィールドの中央にポッカリと穴が空いた形になり、分割しようにもブツ切りの大きさもまばらな戦域になってしまうから、との予測。

 そうしたこともあり、そんな広大で中央を横断さえできない面倒極まりない戦域なら、当然バーストリンカーの数も極めて少ない……というよりゼロに近いとさえ言える超過疎戦域になるのは必然で、リアル割れの可能性も限りなく低くできるため、会議にはうってつけというわけだ。

 

「テルにはたぶん発言権はあまりないから、横槍入れるならタイミングを間違えないで」

 

「空気を読むことに関してはオレの右に出るやつはいないって。世間じゃ空気男(エアーマン)って呼ばれてんだから」

 

「存在感がないみたい。もしくはKY」

 

「言うと思ったよ畜生が……」

 

 そんな千代田区の事情を考えていたら、パドがそうした忠告をしてきたので十分に理解してると示してふざけたら、ズバッとストレートボールを放ってこられて予想していたとはいえダメージを受けてしまった。

 それで沈むテルヨシに再度「気をつけて」と忠告されてから、いつまでも話してるわけにもいかなかったので2人して作業に取りかかってバイトへと勤しんでいった。

 そうして厨房で作業をしていたテルヨシは、午後5時頃になって厨房から解放されると真っ先に来客スペースへと赴いていつも通りに笑顔を振り撒くと、イートインコーナーにあの4人組を発見。

 早速テルヨシに気付いた向こうが追加注文がてら呼ぶのでそれに応えて近付くと、いつものひまわりのような笑顔で挨拶してくる。

 

「おいっすテルルーンっ! ちょっとぶりに来てやったぜぃ!」

 

「おいっすぅ! 半月ぶりくらいかな。ご贔屓にしてもらって嬉しい限りだよ、ホオリン。クルクルとちあきんとリーリャンもいらっしゃい」

 

「未だにその呼び方に慣れない自分がいるな……」

 

「何故この2人はこういつも同調するテンションなのだ……」

 

「ゴヒーキ……?」

 

 いつもやたらとテンションの高いユウコと挨拶がてら波長を合わせて、残りのクルミとちあきとリーリャにも普通に挨拶したテルヨシは、もう来店から結構経ってそうな4人――テーブルに空になった皿がいくつか積んであった――から追加の注文を聞きつつ、ちょっとしたことを思いついてちあきに内緒話を持ちかける。

 

「ちあきん。今グローバル接続してる?」

 

「ん? いや、今日はあれに付き合って雑談だからな。その予定はない」

 

「じゃあちょっとだけ話を持ちかけておいて。できたら面白いことするからさ」

 

「対戦準備をすればいいのだな。了解した」

 

 断られたらまぁ仕方ないかと半分諦め気味に4人をグローバル接続させようとしたのだが、意外にも警戒することもなくチャレンジしてくれると言うちあきに感謝しつつ、1度引っ込んで注文の品を運んできた頃にはすでに話は通ったらしく、もう4人ともがグローバル接続をして対戦待ち受け状態にあると言われたため、話もほどほどにササッと店の奥に引っ込んだテルヨシは、店の裏から一旦外へ出てからグローバル接続をして加速。

 マッチングリストから目的の人物を探し出して対戦を申し込んだ。

 構築された終末感漂う閑散とした《世紀末》ステージに降り立ったテルヨシは、真後ろを指すガイドカーソルから1度離れるような移動をして初期位置がバレないようにカモフラージュ。

 何しろ対戦を申し込んだ相手は、先ほど店の中にいた4人の中の1人。

 1度店を出たとはいえ初期位置が近すぎるとリアル割れに繋がってしまうかもしれないからだ。

 幸い、ギャラリーも集まる前に十分な距離を開けたテルヨシは、それで一旦ひと安心するが、最初に見つけたギャラリーであるパドがバイト中に何やってんだ的な物凄い視線で睨んできていて困ってしまうものの、それに言い訳してる暇もなく自ら近付いて姿を現した対戦相手に視線を固定させられた。

 

「ようヨウYo! 私に乱入とはどこのどいつやと思えば、テイルさんじゃーあーりませんかー!」

 

「ハロハロー。偶然いてくれてこっちもちょっとテンション上がっちゃったよ。《オレンジ・ラプター》」

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