《エピナール・ガスト》と《カーマイン・ボンバー》のタッグに勝利して現実世界に戻ってから、精神的疲労によって1度背もたれに寄りかかり長い息を吐く。
そこに向かい側に座っていたパドがスッと、その手にコーヒーカップを持って差し出してくるので、元に戻って自分のコーヒーカップを持って差し出されたカップに軽くぶつけてから一緒に勝利の美酒ならぬ、コーヒーを飲んで祝杯とする。
「ポイントは大丈夫?」
祝杯を飲んでから、残りの休憩時間を確認して唐突にそんな質問をテルヨシにぶつけたパド。
それが意味するところは、今日のこの日のために上げたというレベルによって失われたバーストポイントの安全マージン。
さすがに大量のポイントを消費するとあってパドも心配になっていたのだろうが、その質問に笑ってみせたテルヨシは、ニューロリンカーのグローバル接続を切りながらちゃんと答える。
「問題ないよ。パドには正直に話すけど、これでもう100ポイントくらいで『届く』からさ」
「…………最近、バトロワ祭りでも最後まで残ってるって聞いてたけど、いつから?」
「最初からだよ。オレがバーストリンカーになったその日から。んー、決心という意味ではたぶん、あのイベントの最中。或いはその後すぐ、かな」
テルヨシの答えに、穏やかな雰囲気を出していたパドは一瞬で切り替わったようにその目に真剣な色を含ませ、核心を突く質問をしてきたため、前回の対戦の際には言及を免れたが、さすがにもう黙って通すことはできないかと諦めてその心の内を明かすと、聞いたパドは沈黙。
何かを考えながらジッとテルヨシを見つめて、全てを理解したようにその目を1度閉じてからもう1度テルヨシと向き合って口を開いた。
「……それがテルの生き方なら、私は何も言わない。だけど『そういう姿勢』で臨んでも意味はないと思う」
「……何も言わないって言ってそう言ってくれてるのは、パドの優しさだよね。……わかってるよ。でも、そうなってから後悔したくはないから、やるんだ。オレが、オレの進んだ道をしっかりと刻むために」
やはりテルヨシの考えはだいぶ見透かされていたようで、さらなる核心に迫る助言をしてきたパドに、自覚はあることを告げる。
そんなテルヨシのまっすぐな言葉に、ずいっと身を乗り出してテルヨシの両頬を手で挟んでアヒル口にし、その顔に近付いてから思わずドキッとしてしまうような優しい笑顔で、
「休憩時間終了。バイトに戻る」
予想だにしなかった唐突な休憩終了を告げることでの話の終了に、完全に思考が停止してしまい、あの一瞬でもういつも通りになったパドはコーヒーを飲み干してからさっさと休憩室を出ていってしまって、何か淡い期待をしてしまった自分がとてつもなくアホっぽかったテルヨシはそれに遅れてコーヒーを飲み干して追うように休憩室を出ていったのだった。
その夜。
家に帰ってからは対戦を見ていたマリアが珍しくマシンガントーク。
念願だったタッグ戦が見れてよほど満足したのか、事細かにあの時はああだった。この時はどうだったと話しながらテルヨシ自身にも質問を何度もぶつけてきて、その度に思い出すように答えていた。
「それでね、対戦が終わってからすぐに別のタッグと対戦したガストさんとバーちゃんさんがね、ドゴーン! バゴーン! ビュビューン! って感じで相手をやっつけてて、それで次はテルにもパドさんにも負けないぞーって叫んでて……はふっ」
全く休みなく話し続けたマリアも、とうとう体の方が限界を訴えて大きなあくびが出てくる。
それでもまだ話そうとするマリアの鼻を軽くつまんで中断させたテルヨシは、まだまだ話したいのだろうことも理解しつつ今日はこれでおしまいにしようと締めに入った。
「話なら早起きしてからまたしような。明日はちょっと早く家を出ないと間に合わないし、マリアも寝不足の頭で観戦したくはないだろ?」
「うん……じゃあまた明日……テルも早く起きないとダメだよ?」
「いつも起こしてもらってる方はどっちなのかなぁ?」
「ちゃんと1人で起きてるもん……ただ布団から出てないだけ」
「それを2度寝って言うんじゃないかな?」
そうして明日のことを話しながら最後に不貞腐れてしまったマリアはテルヨシの頭を軽くチョップしてから自分の部屋に戻っていき、明日も明日で楽しみがあるとあって、テルヨシもそれを楽しみにしながら自室へと入って床に就いた。
翌朝。
いつもよりも早く起きたテルヨシとマリアは、昨夜の話の続きをしながら朝食を食べて、いつもより30分くらい早く家を出て登校。
今年度からは8時頃に教室に着くようにしているテルヨシは、マリアと一緒に1度梅郷中学校の前を通り過ぎて、その少し南下した先の杉並第3戦域の下半分辺りに足を踏み入れて、適当な壁にマリアと寄りかかって時間を確認しながらグローバル接続をすると、7時30分を示したその瞬間に加速。
マッチングリストを開いて目的の人物がいたことを確認してからすぐに選択し対戦を申し込む。
テルヨシが《レガッタ・テイル》の姿になって構築されたフィールドに降り立つと、驚くほどの湿気と体中にまとわり付くような霧雨が降っていて、空もどんよりと灰色の雲に覆い隠されていた。
《霧雨》ステージは障害となり得る物が降り注いでくる霧雨くらいしかなく、それによる視界の悪さが最大の敵。
レーザー攻撃の命中率にマイナスの補正が入ったりするらしいが、他に強いて挙げるならば地面が濡れて滑りやすくなってることもあるが、ちゃんと地に足がついていれば問題はない。
《アッシュ・ローラー》のバイクのような乗り物は少なからず影響を受けるではあろうか。
どのみちテルヨシがこのフィールド属性で致命的な影響を受けたことはなかったので、相手もそんなものは長い対戦の中で対応済みなのは間違いない。
そうした思考の後にガイドカーソルを見て、それが隣接する渋谷戦域の方向から徐々にテルヨシ達のいる環七通りに向かってきてるのがわかり、テルヨシも隣にいたマリアも早めに合流するためにもう少し環七通りを南下していった。
そして今回の対戦相手の名前は《スカイ・レイカー》。
《鉄腕》《ICBM》などの通り名を持つ、《ネガ・ネビュラス》のメンバー。
その強さは黒雪姫と比べても遜色はないとまで言われているが、未だ見えない実力を、テルヨシは今日知ることになる。
視界の悪い中でガイドカーソルが環七通りをまっすぐに示したところで1度立ち止まったテルヨシは、近くにいたマリアに離れるように言って、手頃な建物オブジェクトの上に登ってそこに腰を下ろした。
それを確認して視線を前へと向き直ると、丁度ガイドカーソルの表示が消えて、濃霧のような霧雨の中からつば広の帽子と空色のワンピースを着て車椅子型の強化外装に乗ったレイカーが姿を現して15メートル程度の距離で静かに止まる。
前回、イベントの時に会ったレイカーはその膝から下の足を消失していたが、今は目視でもハッキリとわかるワンピースの下の膨らみがあり、完全なる復活をしたことを確認。
黒雪姫の話によれば、レイカーの足は狂気のように空へと憧れたレイカーがもっと高く飛べるようにと願った《心意》によって切断後も消失していたらしいのだが、先日のイベントで自らのアバターの『生まれた意味』に気付き、自らの呪縛を解き放った。
「前は、ちょっとだけ淀んだ空気っていうか、前を向いてない感じの印象を受けたけど、今は良い感じ」
「ふふっ、ありがとうございます。ではわたしからも少しだけ変わった印象をお伝えします。凄く『良い目』になってますね。イベントの時よりもずっと素敵ですよ」
「女性に誉められると照れるな。レイカーみたいな年上の雰囲気のある人だと余計に恥ずかしい」
「まぁ、実際にお前より年上だがな」
その事を踏まえて話しかけると、和やかな雰囲気のままレイカーも答えてまさか自分も誉められるとは思ってなかったテルヨシはマジで照れるが、その会話に割り込んできた第三者はマリアの隣に着地してテルヨシとレイカーを見下ろしてきた。
「あらロータス。わたしの個人情報を開示するなんていただけませんよ。それにテイルさんがレベル8になってることも聞いてません」
「いや、待ってほしいレイカー。私もテイルがレベルを上げてるなどこの対戦で知ったのだ。それに年齢くらいいいだろ。他のギャラリーもいないことを確認した上で話しているんだ」
「マスターがそうやって慌てる姿を見せるのはレイカーさんの前くらいですから貴重ですね」
「おいパイル、そんなこと言ってると後が怖いぞ?」
「ん? 何だクロウ。それでは私がこわーいレギマスみたいに聞こえはしないか?」
「そそそ、そんなつもりはこれっぽっちも1ミクロンだってありませんよ!!」
その第三者である《ブラック・ロータス》こと黒雪姫も、ちょっと怖い雰囲気を出したレイカーにたじたじ。
その様子を見ながら姿を現した《シルバー・クロウ》と《シアン・パイル》も会話に混ざってきたが、もうほとんど向こうが主導権を握って漫才みたいなことを始めてしまう。
「ベルは来てないっぽいね。朝練かな」
「ですね。後でこの対戦のことを詳しく話すようにクロウと一緒に言われてます」
仲良く親子で漫才をする黒雪姫とハルユキをとりあえず放置してネガビュのメンバーで唯一姿の見えない《ライム・ベル》、チユリはどうやら部活の朝練に参加してギャラリーには入れなかったらしく、そうしてネガビュのメンバーが集結してギャラリーに入っている理由は、この対戦がテルヨシ発で行われることとなったのはいいが、肝心のレイカーとマッチングするために黒雪姫の助力を必要としたから。
その対価として時間の指定とメンバー全員の観戦を求められて今に至っている。
朝、しかも登校時間となるとグローバル接続をしてるギャラリーの数などたかが知れていて、テルヨシがマッチングリストを見た時もレイカーと他数人の名前がある程度だった。
「盛り上がってるところ悪いのだけど、ギャラリーも揃ったからそろそろ始めてもいいかしらね、ロータス、鴉さん?」
「も、もちろんだともレイカー! いつでもいいぞ!」
「そうですそうです! 心置きなく戦ってください師匠!」
チユリの不在の件を承知したところで、もう準備は整ったから始めると言うレイカーに、凄い腰の低い黒雪姫とハルユキはすぐに漫才をやめて姿勢を正すと、それに満足したらしいレイカーはテルヨシにまっすぐ向き合う。
「では始めましょうか」
そうしてかかってこい的な雰囲気を出したレイカーではあったが、これにはちょっとテルヨシも困惑する。
何故ならレイカーはこれといった効果もないはずのただの車椅子から降りずに不動の構えでいるから。
今や自身の両足を取り戻して車椅子など必要ないはずなのにだ。
「んーと、それはハンデってこと?」
「いえいえ、決してそのようなことはありませんよ。長く使ってきたものですから、こちらの方がやりやすいこともあるということです。論より証拠。まずは1手交えてみませんか?」
車椅子の方がやりやすいことっていうのがいまいちピンと来ないテルヨシではあったが、決してブラフの類いではないことは雰囲気でわかったので、それを確かめるように集中して突撃。
まずは車椅子の特性上、左右のフットワークは悪いだろうと踏んで真正面から突っ込み鋭い右足の蹴りを突くように放つ。
その直前まで動く素振りも見せなかったレイカーだったが、蹴りが放たれた瞬間にテルヨシの視界でレイカーの姿がブレて消えたかと思うと、次には開いた右側から右の掌底が容赦なく脇へと突き刺さり後ろへと吹き飛ぶ。
正直なにが起きたかは完全に理解していないが、それでも体勢を立て直して追撃に備えて構えてみると、レイカーは動かずゆっくりと突き出していた右手を膝の上に戻す。
「えぇー……ヤバイなこれ」
「見えましたか?」
「ちょっとだけなら」
「初見で見えれば上出来ですよ」
このくらいのことはできますよ。
みたいな感じのレイカーに、テルヨシはかつてないくらいの戦慄を覚える。
よく見ればレイカーの位置は衝突の前より車椅子1台分右へズレている。
つまりあの一瞬で車椅子を巧みに操って横へスライドするような移動をして蹴りを躱し、カウンター気味に掌底まで繰り出したのだ。
その動きをテルヨシは始動と掌底を繰り出す直前からしか捉えられなかった。
至近距離で視野が狭まってたことを差し引いても恐るべきスピードであったことは間違いない。
「うむ、じゃあまずはその車椅子から降ろすことに集中してみようかな」
とはいえ、ここで焦っても無策で突っ込んでも歴戦の猛者相手に弾き返されてしまうのは目に見えてるので、とりあえずやることを1つに絞ってそんな決意表明的なのをやると、聞こえただろうレイカーはそれが楽しみであるかのように少し笑ってみせる。
狙いは車椅子の破壊、或いはレイカーが座っていられない状況に持ち込んでしまうこと。
そのために動き出したテルヨシは先ほどの失敗を踏まえてあの車椅子に不自由はない前提で普通の二足歩行アバターと相対するように左右へのフットワークを混ぜながら接近。
単調な攻撃は繰り出さずに戻りの早い連続攻撃で高速移動のタイミングを掴ませないようにする。
その狙いは概ね成功し、レイカーは巧みなタイヤ捌きで右に左に後ろにとテルヨシの攻撃を躱すものの、先ほどのようなカウンターを仕掛けてくる様子はなかったが、撃ち込んでいるうちにレイカーが自分のことを観察しているような気がして一旦離れて小休憩。
普段は自分がしていることなので、そういった観察される視線というのは慣れないが、何か致命的な弱点を発見されては困るので今度はちょっとだけ頭を使って攻める。
まず連撃でレイカーにフットワークを使わせて、その時に車椅子が左側を見せるそのタイミングに合わせて《テイル・ウィップ》で後ろの持ち手の部分を絡め取り動きを封じ、ガクンっ、とレイカーの体が制止の反動の隙を突いて左の蹴りをレイカーの体のど真ん中へと叩き込む。
しかしレイカーはここでも慌てることなく鋭い車椅子捌きでその場でぐりんっ!
テルヨシのテイル・ウィップの制止を振り切って反時計回りに回転し蹴りを弾くと、勢いそのままに右手の掌底をカウンターで撃ち込んでくる。
が、防御もカウンターもある程度されることを予想していたテルヨシはまだ掴んでいた車椅子の持ち手を支点に体を浮き上がらせて掌底を躱し、レイカーの頭上に移動すると、そこからハンマーのような右足の蹴りを振り下ろす。
ほとんど完璧なカウンターだと思ったテルヨシだが、ここでもレイカーの実力が発揮され、蹴りが当たる直前に左手の平でテルヨシの足に触れたレイカーは、そこから大した力も入れずにポンッ、とその足を外側へと押し返して難なく躱すと、落ちてきたテルヨシの腹の中心に引き戻した右の掌底を叩き込んで吹き飛ばす。
力を正面から受けるのではなく、わずかに受けて別の方向へ流してしまう。
これは黒雪姫もたまに使ってくる似たような技術ではあるが、レイカーのそれは振り切らせて隙を作り出すところがなんともエグい。
これなら受け止められる方がまだ次の動作に思考がいく。
そんなことを思いつつもレイカーの思惑通りになるのは癪だったので吹き飛んでからの地面への最初のバウンドで体勢を立て直し、勢いがなくなるよりも早くその足を流れる後ろへと向けて《インスタント・ステップ》を発動。
それと同時に必殺技も使って吹き飛ぶのも途中でキャンセル。
「《インパクト・ジャンプ》!」
実は発動時の瞬発力だけなら一番速いインパクト・ジャンプは、到達地点までほとんど瞬間移動に近いスピードで進むため、いかにレイカーと言えど視覚的には確認できない。
はずなのだが、必殺技を使った瞬間に見えたレイカーはすでに回避に動いていて、テルヨシの決めた進路から右に、レイカーからすれば左へとスライド移動していた。
おそらくはテルヨシのインパクト・ジャンプの特性を理解した上でバーちゃんなどのように事前に防御するのと同じことをしたのだが、回避に動かれたのは初めての経験。
しかも互いにほぼ初見の初対戦でだ。
当然、インパクト・ジャンプによる奇襲は回避したレイカーのすぐ横を抜けて空振り。
当初の到達地点まで何かにぶつかることなく辿り着いてしまう。
かに見えたが、レイカーが回避に動くことを『万に一つの可能性』として考えていたテルヨシはジャンプの直後にテイル・ウィップをレイカーの回避した右側に流すように配置。
その結果、回避したレイカーの胸付近にテイル・ウィップがラリアットのごとく衝突してダメージを与えると、そのまま体に巻きついてそこを基点にインパクト・ジャンプをキャンセル。
ぐわんっ! とテイル・ウィップに引き寄せられて後ろから全力の蹴りを撃ち込んで車椅子の背もたれへと直撃。
すぐにテイル・ウィップを解除して前へと吹き飛んだレイカーは、今の一撃でバラバラになった車椅子から飛び出て被っていた帽子もハラリと宙を舞って地面に落ちると、両手で地面を軽やかに捉えて綺麗な前宙へと繋げて空中で反転しながら着ていたワンピースを脱ぎ捨てて着地。
その飾り気のない女性らしいボディラインを持つ空色の装甲を露とするが、吹き飛んだ勢いを完全に殺してのそれはあまりに綺麗で追撃を忘れてしまった。
「さすがに今のはわたしでも予想できませんでした。ナイスアタックです」
「これでようやくスタートラインってことでいいよな」
「いえいえ、テイルさんはとっくにスタートラインを越えてわたしの胸元まで迫っていますよ。本気でなければどの攻撃も危なかったですしね」
ポリゴン片となって消えていく車椅子と帽子、ワンピースを横目に第1目標は達成できてひと安心なテルヨシに、声色も対戦前から変わらずのレイカーがそんなことを言ってくるものの、そうは全然見えなかったので社交辞令的なものとして捉えておく。
「とか言われても、レイカーからはまだオレを少しだけ上から見てる感じがあるよね。経験値の差はあるだろうけど、そこからまた余裕を奪ってやらないとな」
「怖いですね。テイルさんのような『情熱と冷静さを兼ね備えた迷いない強さ』はとても怖いです。ですがわたしも伊達や酔狂で今のレベルにいるわけではありませんから、もう少しだけ、上から叩かせていただきます」
それでも胸元まで、と言われればまだレイカーに並んだと思われていないことは明白で、テルヨシ自身もまだ底の見えないレイカーとは実力の差があることを本能的に感じ取ってた。
だがそれがなんだと立ち止まることを知らないバカになったテルヨシは、この対戦の中で追いつくと意気込みを語れば、それを笑うこともせずに真剣に取り合ったレイカーは、話のあとに今までの比較的穏やかな雰囲気に張り詰めた鋭い気配を混ぜてテルヨシへと突撃してきて、接近してきたレイカーのアイレンズには燃えるような闘争の色が含まれていた。
――戦いは、ここからが本番――