Acceleration65
2047年6月16日、日曜日。
《ヘルメス・コード縦走レース》から丁度1週間となった今日この日。
加速世界で大きな意味を持つ会議が行われようとしていた。
約3年前に、たった1度だけ開催されたレベル9バーストリンカー《純色の七王》が集まった《七王会議》。
それが今日、これから数分後の午後2時ジャストに青のレギオン《レオニーズ》の幹部《コバルト・ブレード》と《マンガン・ブレード》の対戦にギャラリーとして入る形で行われる。
その会議の場として指定された千代田戦域。
その広大な戦域の中でテルヨシもその会議への参加要請を受けて現在、午後1時56分となった時刻に電車を利用して地下鉄の水道橋駅を降り、その近辺で腰の下ろせる場所にて待機していた。
会議は参加者のみに時間と場所が開示されているため、基本的には今日の会議を知るバーストリンカーも極一部となっていて、テルヨシの子であるマリアもこの会議については知らず、今は新学期になってからやっている学校の委員会の用事で日曜日ではあるが登校している。
そんな事情のある中で行われる会議も気付けばもう開始1分前。
何かのミスでギャラリーとして入れなかったら事なので、一応この段階からニューロリンカーをグローバル接続して、観戦者登録がちゃんとされてるかの確認もしておき、視界の時刻が午後2時を示した瞬間。
テルヨシの耳に聞き慣れたら加速音が響き、次いで【A REGISTERED DUEL IS BEGINNING!】という炎文字が現れ消えると、対戦フィールドの構築とデュエルアバターへの変身が完了した。
視界上を見ればちゃんとコバルとマーガの名前が左右に表示されていたので、ギャラリーに入れたことは間違いないかと安心しつつ、今回の構築フィールドである《魔都》ステージの物々しい雰囲気がこの先の会議の雲行きを表しているような気がしなくもない。
とかなんとか思いつつも100秒以内に集合するようにと指示があったことを思い出して、ガイドカーソルが示す場所を目指してギャラリーに与えられた移動力を最大限生かして動き始めた。
ガイドカーソルが指し示していた場所は現実世界においては侵入不可の《皇居》において一般開放されている《東御苑》の辺り。
そこの小高い丘の上に見知った姿のデュエルアバターがすでに何人か姿を見せていて、そこへと続く道に降りて階段を上がり、広大な石畳と鋼鉄の円柱が輪を作って立ち並ぶ空間へと辿り着く。
その中で不自然に短くされた奥の柱に腰を下ろすのは、今回のホストということになっている《ブルー・ナイト》。
腕を組んでどっしりと余裕のポーズをするナイトは、テルヨシの存在に気付きつつも、先に来ていた《ブラック・ロータス》《シルバー・クロウ》《スカイ・レイカー》の3人がコバルとマーガと何やら話しているのを静観。
ネガビュ勢の後ろから来たテルヨシにコバルとマーガも気付いたようだが、それよりも何故か挨拶代わりで爽やかに毒を吐いてるレイカーに感情的になっていてその腰の刀に手をかけていたが、ギャラリー相手にそれも意味はない。
だが喧嘩は良くないと思って無駄に跳んで一触即発の両者の間に着地を決めたテルヨシは、双方に手の平を向けて制止。
「はいはい、美人さんが会議前にカリカリしないで。眉間にシワ寄せると老けるのよ?」
「シワを寄せてるのは一方的にあちらの2人ですけどね」
「「貴様っ!」」
「ナイトぉ、傍観もほどほどにしてくれよ。オレは都合の良い緩衝材じゃないんだからな」
「いやぁ、悪い悪い。お前さんはこういうの得意だと思ったからよ。ってなわけで、コバルもマーガもその辺にしとけ」
そうしてテルヨシが仲裁に入ることを予測して傍観していたナイトからは呑気な雰囲気が醸し出されるが、次の一言でコバルとマーガは素直に刀から手を離して直立姿勢に。
いじるのをやめたレイカーも静かに黒雪姫の隣へと戻っていき場は一旦収まる。
「それはそうと、ナイト。自分だけ座ってないで、こちらにも椅子を用意してくれないかな。無論、テイルの分は必要ないが」
「おっと、こりゃ失礼。テイルと『あいつ』の分はお前らに任せる」
場が落ち着いたところで黒雪姫がいつまでも立たされている状況をナイトに問えば、忘れていたかのように謝ってから、コバルとマーガに指示を出して2人は硬い魔都ステージの6本の柱をナイトが座る柱のように斬り崩してあっという間に椅子へと変えてしまう。
が、その席はナイトの含め合計で7つ。今回呼ばれた主要な人物からは2つ足りない。
「任せるとは言ったが、本当に作らないかお前ら……」
「あれとあやつが王と席を連ねるなどおこがましい。この場に呼ばれ居合わせただけでも幸運と思えということだ」
「お前はその辺で立席してるか床に腰を下ろしていろ」
「やーん、コバルちゃんもマーガちゃんもツンデレさん。そうやってオレをいじめるのは愛情の裏返しって……」
「「断じて違う」」
その足りない2つの内の1つに座るはずだったテルヨシは、そうした理由を述べた2人にふざけてみせると、見事なシンクロで否定されてしまってガックリ。
そんなテルヨシを他所に半円形に作られた席の端へと移動したネガビュメンバーは、黒雪姫がその席に座ってハルユキとレイカーがその後ろに護衛のように立つと、黒雪姫が挨拶は終わったからと少し前から様子見をしていた他の人物達に声をかける。
その声に最初に応えて姿を現したのは、赤のレギオン《プロミネンス》のレギオンマスター《スカーレット・レイン》と副長《ブラッド・レパード》。
レインを肩に乗せて黒雪姫の隣の席の上に着地したパドは、挨拶も自分と王だけが来たことを述べてレインを降ろし、レインも席にそのまま座りその後ろにパドも移動する。
その2人にも当然フレンドリーに行こうとしたテルヨシだったが、声をかけるよりも早く察した2人は「
再び床に崩れ落ちる結果となる。
「クク……、《王》ねえ? 私の記憶が確かなら、王とは純色の七王の略だった気がしますけどね? でも、そこに座ってるおちびさんは、赤と言うにはちょっと色が安っぽくはないですかねえ……?」
次いで声だけで存在を知らせてきた《イエロー・レディオ》も、そんなイヤミを言ってから、黒雪姫達の向かいの3つの席の真ん中にぼわん。
白い煙を上げてから姿を現してああだこうだ無駄に言ってから一礼してその席に座り、そのレディオにもテルヨシは一応の挨拶をしてみせるが、野郎に対しては結構淡白なところがあってそれだけに終わり、レディオもちょっと拍子抜けを食らったように肩をすくめてしまった。
テルヨシの淡白な挨拶のせいか、おかげか以降大人しくなったレディオの気配に、挑発されたレイン達も一応は波風立てずに収まってくれて、そんな2人に視線を向けていたら、その後ろから圧倒的な存在感を放つデュエルアバターが、薄くかかった霧の中から現れる。
「……へぇ」
そのデュエルアバターを見て思わずそんな声が出てしまったテルヨシは、初めて見た自らの親の親にちょっと気圧されてしまう。
大型の中では小柄な方の体躯――それでもテルヨシより大きい――に、マスクや肩、下半身といったあらゆる部位が分厚い板のような装甲に覆われたそのアバターは、エメラルドよりも深く鮮やかな緑色。
加速世界最大レギオン《グレート・ウォール》のレギオンマスター、緑の王《グリーン・グランデ》その人である。
とはいえ親であるリュウジと同い年なのだからテルヨシとも同い年になるが、その風格と存在感は最古参ゆえの経験値の差を肌で感じられるほどに圧倒的。
おそらくは加速世界で過ごした時間は現実世界での何倍と差があるのだろう。
そのグランデは左手に携えた大盾を持ったまま、何も言わずにレインとナイトの間の柱に腰を下ろすが、それを失礼と思うような王はいないようで黒雪姫達も何も言わない。
「やっほー、グラちん。モビールからはオレのこと聞いてるよね。よろしくっ」
そういう沈黙が基本嫌なテルヨシは、とりあえず初対面なのでらしく挨拶してみたのだが、それには周囲がドン引き。
凍りつくような視線を浴びながらもめげずに返事を待つと、グランデは顔だけをテルヨシへと向けてこくり。
1度だけ首を縦に振って会釈してまた元に戻ってしまった。
まぁこれも個性だよな。
とかなんとか思ってグランデにはそんなもんでいいかとあぐらをかいて床に座り直したテルヨシは、自分の後ろから響いた足音を聴覚が捉えて首を後ろへと曲げて上下逆さまの視界で誰かを確認。
モデルのような細身のF型で、長い髪のようなベール状パーツとロングスカート型のアーマーを揺らしながら、刺々しいデザインの錫杖を携えたままピンヒールの鋭い足音を鳴らしてテルヨシの横を歩いて通り過ぎ、半円形に並ぶ王達の席の真ん中で停止。
テルヨシが知る中でもおそらくは最も現実の女性のパーツを揃えて完成されているだろうその見事なアバターを染める色は、紫。
紫のレギオン《オーロラ・オーバル》のレギオンマスター、紫の王《パープル・ソーン》は、その触れたら切れそうな鋭利なものを含む視線を明確に黒雪姫達ネガビュへと向けて錫杖の下端を床へと打ち付けると、ハルユキはそれにビクッ、と少しだけ体を硬直させるが、黒雪姫とレイカーはどこ吹く風。それを真っ向から受けて立つ。
「久しぶりだね、ロータス。まさかこうしてもう1度あなたと口をきく日が来るとは思ってなかったな」
「私もだ、ソーン。次に会う時こそ、どちらかの首が落ちるのだと確信していたからな」
過去に因縁のある両者は声色こそ落ち着いているものの、その心の内では決して相容れない思いを抱いていることは間違いなく、何やら不穏な雰囲気まで出し始めた両者が取り返しのつかない雰囲気を作り出す前に立ち上がって黒雪姫を見るソーンへとダイブ。
何か言おうとしたソーンを押し倒したテルヨシは、そのままソーンに覆い被さる形で挨拶をする。
「ソーンちゃんおひさー。相変わらず聞き惚れる美声だね」
「お前……この、テイル! 空気を読みなさいよバカ!」
あまりに突然のことで黒雪姫への威圧も忘れて持っていた錫杖でテルヨシの頭をガスガス叩くものの、ギャラリーゆえに攻撃力は皆無なので全く無意味。
しかしその後、一緒に来ていたらしいソーンのレギオンの幹部8人が現れて、その中の代表がテルヨシの《テイル・ウィップ》を根元から掴んで持ち上げると、くるりと体を回されてその人物とご対面。
「あー、ヴァインちゃんもおひさー」
「私はお前などに会いたくなかったよ」
――ぶんっ!
そうして対面した《アスター・ヴァイン》にも呑気に挨拶してみたはいいが、さすがにソーンにちょっかいを出したとあってカンカンらしく、持っていたテイル・ウィップを乱暴に投げられて元いた場所に落とされ、残りのメンバーはソーンを起こして体を気遣う素振りをしていた。
「もう最悪……ロータス、もしこの会議で何かが起きても、あなた達を逃がすつもりはないってこと、覚えておきなさい」
「……ふっ。テイル程度に抱きつかれるとは勘が鈍ってるのではないかソーン? そんなお前ならば、たとえバトルロイヤルモードになったとしても負ける気はしないがな」
テルヨシの横槍で完全に張り詰めていた雰囲気を切られたソーンは、連れてきた精鋭を牽制に使って強気に出るが、それも鼻で笑った黒雪姫は売り言葉に買い言葉で返してみせる。それにはまたソーンが何か言おうとしたものの、周りからもういいだろみたいな空気が出てることに気付いてその言葉を引っ込めると、ナイトとレディオの間の席に腰を下ろして、ヴァイン達もその後ろに整列して残りのメンバーの到着を待つ。
「ははっ、もうちょっとピリピリした空気が続くと思ったが、やっぱお前は面白いなテイル。今からでも俺のレギオンに来いよ」
「おいナイト。今は勧誘とかする時間じゃねーだろ。そういうのは後にしな」
「おやおや、一番の新参が注意するとはね。まぁ、今から物怖じされても面白くありませんし、そのくらいの虚勢は張っていてくださいよ」
「お前も隙あらばちょっかいを出すその癖。皆に嫌われてるのを自覚しろ」
とりあえず穏便に事を収めてあぐらへと戻ったテルヨシに、ナイトが笑いながら勧誘をしてくるも、そこからレイン、レディオ、黒雪姫と会話が繋がりちょっとしたインターバルがあったが、その会話もすぐに終わって沈黙となる。
が、その沈黙はすぐにちょっと驚くような空気へと変わって、皆の視線が残っていたレディオの右隣の空席『だった』ところへと集まる。
いたのだ。
もうすでに、初めからそこに座っていたかのように、1人のデュエルアバターが静かに腰を下ろしていた。
ひょろりとした細身に、艶の薄い象牙色のシンプルな装甲に身を包み、細長く尖った頭部くらいが唯一の特徴と言えるそのアバターは、あまりに気配が希薄でその出現に誰1人として気付けなかったようだった。
誰にも悟られることなく残る席に座るその人物は、王達の反応からして白の王ではないことは明白であり、それを証明するかのように座ったまま一礼したデュエルアバターは、男の声だとわかる声で挨拶をする。
「レギオン《オシラトリ・ユニヴァース》所属の《アイボリー・タワー》と申します。白の王の全権代理としてこの会議に参加させて頂きます。よろしく」
非常に事務的で感情の含むところがないそんな挨拶に、一同は様々な反応を示すものの、口を開く者はいなく、とりあえずは白のレギオンの代表も来たという事実を受け入れてナイトが話を進める。
「よし、これで全員……っと、あと1人いねーな。そろそろ出てこいよ」
一応7大レギオンの代表が揃ったので会議を始めようとしたが、この場にあと1人呼んでいて来ていない人物を思い出してそう声をかけると、テルヨシの後方の階段からカツンカツン音を鳴らして姿を現した人物が。
クロウにも似た比較的無駄の少ないスリムで薄い装甲に、ロータスのような鋭利な頭部。
特徴的なガントレットのような割と大きめな腕パーツが目を引くが、全体的に少し打たれ弱そうなM型アバターなのに、その色はグランデよりも濃い暗色寄りの緑。
パッと見で防御寄りのアバターには見えないが、実際に聞く話では相当な防御能力を有しているという侮れないその人物は、テルヨシも初めて見る墨田第1戦域のバトロワ祭りの管理者。
《真空の剛拳》の通り名を持つその人物は階段を上がり終えてから頭を掻きながら歩いてきて、あぐらをかくテルヨシの真横まで来てから立ち止まって年相応の好青年っぽい声で挨拶をした。
「いやぁ、王の方々の前に出るのにびびって頃合いを見てたんすけど、結局最後になってしまって申し訳ないっす。お呼ばれして参上しました《シーバ・カタストロフ》っす」
カタストロフとはずいぶんな名前だよな、と隣で改め思うテルヨシではあるが、名前は自分で決められるわけではないので仕方ないかと完結させて、ペコペコ王達に頭を下げまくったカタストロフは、そのまま直立で話を始めるようにナイトに進言。
「いや、お前もそこのテイルみたいに座っとけカタフ。そこに立たれるとなんかこっちが尋問でもしてるみてーだし落ち着かねー」
「りょ、了解っす。では失礼して……《レガッタ・テイル》っすね。よろしくっす」
すっすすっすとやたら語尾が『す』にまみれた愛称カタフは、ナイトに言われて正座で腰を下ろすと、隣のテルヨシにもペコリと一礼してきて、それに適当に会釈すると正面を向き直り、これで本当に全員が揃ったので改めてナイトが話を始めた。
「まずは、7レギオンとバトロワ祭り主催の2人が欠けずに参加してくれたことに礼を言っておくよ。お疲れさん。時間もないことだし、とっとと本題に入らせてもらう。――もう全員知ってることだろうから掻い摘まんで話すけど、先週行われたヘルメス・コード縦走レースイベントの真っ最中に、数百人のギャラリーの目の前で《心意システム》が発動されるという事件が起きた。今日の第1の議題は、この状況に我々はどう対応すべきか、ということだ。と言っても、考えられる対応策は2つに1つしかない。今まで通りシステムの秘匿に全力を尽くすか、それを諦めて全バーストリンカーに公開するか、そのどちらかだ」
ナイト主導のもとで始まった会議ではあったが、心意についての議題は秘匿が必須なのは揺るがないことなので議論の余地もなさそうで、全権代理とはいえ白の代表がイベントで心意を使った人物について追求したところで《加速研究会》の名前が黒雪姫から告げられるも、この辺はテルヨシは決まったことを受け入れるだけなので割と気を抜いて聞いていて、隣のカタフにふと視線を向けて口を開いた。
「お前って確かレベル7だったよな。そんな高レベルなのにどこにも所属してないとか変わったやつだよな」
「今は会議中っすよ。私語は慎んでおかないとレディオさん辺りが文句言ってきますっす」
「いいって。オレらは発言権ないし、決定事項を聞くだけの役目。過程を聞く意味はないって」
「それでも姿勢は大事っすよ。王達の会議に呼ばれるだけでも凄いことなんすから」
「お堅いねぇ」
暇潰しと思って会話を試みたテルヨシではあったが、変に真面目な性格のようで質問にも答えてはくれず会話も続かなかった。
口調こそ軽い感じなのに変なやつとか思いながらも、なんか会議は心意うんぬんからレイン発信で復活した《災禍の鎧》の件に移っていて、それならちょっと聞かないわけにはいかないかと耳を傾ける。
「つーわけでよ、クロウが鎧を装備して6代目ディザスターになっちまったわけだが、今こうして鎧を外して平静でいられてるのも異例なわけだ。その上でクロウをどうするか決めようぜ」
「んー、現状で脅威になってるってわけでもないし、即断罪ってのもやるせねーわな。イベントの壊滅的被害を止めてくれた功績もある」
「功績と呼ぶかはともかくとして、事態がいつ悪化するかわからないわけですし、早めに退場願うのが手っ取り早いと思いますがね。そこのロータスが素直に了承すればの話ですけど」
「無論、却下だ。クロウを断罪するくらいなら、今ここでお前達の首を落としてゲームクリアする道を選ぶ覚悟だ」
「それはそれでいいけどね。私はロータスの首が落とせるならその機会を逃したくはないし」
しかしまぁ、色々な因縁やら思惑やらが飛び交って会議としていまいち成り立ってない感が否めず、また黒雪姫とソーンが不穏な空気を出し始めたので、少し早いがテルヨシはここらで会議に割り込みをかけることにして話し合う王達に見えるように手をフリフリ振って存在をアピール。
「発言いいか。お前ら段取り悪い。私怨を会議に持ち込むな」
「私怨など。私は別に持ち合わせていませんよ。それよりあなたが割り込むなどちょっと図々しいのではないですか、《蒼き閃光》」
「言いてーことはわかるが、お前に発言許すとトップの会議ってやつがな」
「ふーん。つまりお前らと『同じ土俵』に上がりゃ、オレにも発言権はあるわけだな。了解了解っ」
会議に横槍を入れたテルヨシに対して、レディオとナイトがそんなことを言うので、予測していた言葉に立ち上がりサッと目の前を手で操作してBBのインストを開き、そこの『レベルアップ』の操作をして、表示された警告文である『ポイントが10000消費されますがよろしいですか?』的なものも無視してOKボタンを押すと、賑やかなファンファーレと共にテルヨシのレベルは目の前の王達と並ぶ9へと上がったのだった。
「これで対等だ。文句はないな」