2047年4月末。
今日も穏やかな天候に恵まれて、外で昼寝でもしたら最高に気持ちが良いだろうと思えるこの日。
東京の空からはそれはそれは真っ赤な火矢が降り注いでいた。
「ひゃああぁぁああ!!」
「ひゃあではないのです。火矢なのですよマーちゃんっ」
あまりに非情に降り注ぐ火矢を前に、悠木麻理亜はただただ逃げるしかなく間一髪のところでそれらの全てを掻い潜って安全圏に脱出。
地面に膝をついて四つん這いのポーズになりながら、その火矢を放った相手を遠目に見ると、その人物は鬼のように次の矢をその手に持つ弓に引いて構えていた。
「もう1発なのですよマーちゃん。《フレイム・トーレンツ》!!」
「う、うーちゃんのスパルタァァアア!!」
杉並区内にある小中高一貫の女子校。松乃木学園に通うマリアは、今年の3月に《ブレイン・バースト》をインストールしてバーストリンカーになったが、この学校には以前から他のバーストリンカーも存在しており、今では大親友となった四埜宮謡は先輩バーストリンカーとして学校にいる間に未熟なマリアを鍛えてあげるという実に友達思いの行動をしていた。
しかしそれもマリアのレベルが上がるに連れて激しさを増していき、今ではレベル4となったマリアを結構本気で倒しにきてしまっている。
謡のデュエルアバター《アーダー・メイデン》は、日本の巫女を綺麗に再現したような、黒のおかっぱタイプの髪パーツ。腕と胴体が濁りもなく白く、足パーツは袴を現したような朱色。
実はデュエルアバターがこれほどの色を1度に持つことは非常に珍しく、通常は名前に含まれる色を基本に明暗をつけた程度の色しか持たない。
マリアの操る《ソレイユ・アンブッシュ》もソレイユが示すオレンジ系の色と少し暗い色との2色がせいぜいだ。
そのメイデンがいま現在構えている弓型強化外装《フレイム・コーラー》から放たれた必殺技は、空へと射ち上げた1本の火属性の矢が空中で分裂し無数の火の矢の雨となって相手を襲う範囲系の必殺技。
それを今回、2度もマリアに向けて放ったのにはもちろん理由がある。
マリアはそのデュエルアバターの特性上、相手に見つからない遠距離では無類の強さを発揮する反面、接近戦に持ち込まれると非常に苦しい。
そこで謡は接近戦の戦い方を教えるより先に、どういった攻撃にも対応できる高い回避能力が必要だと感じたらしいのだ。
そこで持ち出したのがフレイム・トーレンツ。
これの火の雨を躱しきるほどの目と判断力が備われば、大抵の近・中距離アバターの攻撃は見えるようにはなるはず。
とかなんとか特訓を始める前に意気込んで言ってはいた謡だったが、いざ始めるとこれがなかなかにエグい難易度。
降り注ぐ火矢は1本1本がちゃんと狙いをつけてるわけではなく、分裂後はある範囲を覆うようにランダムに落ちる。
そんな2発目のフレイム・トーレンツはやはりというかマリアの体を何本かが射抜いて盛大にダメージを食らう。
なんと言っても謡のレベルは現状で7。マリアより3つも上で、マリア自身も打たれ弱いための結果だ。
「いくらなんでも無茶だようーちゃん……」
ヘトヘトになりながらのマリアは駆け寄ってきた謡に対して無理難題だと指摘し、フレイム・コーラーを抱いた謡も否定しづらいのか頬の部分をポリポリと掻く仕草をする。
「かもしれなかったですね。ですがアプローチ自体は間違っていなかったと思いたいのです」
「私も回避が上手くなることには賛成だけど……」
「……やっぱり何事も実戦が近道なのかもしれないのです。ならやることは1つです!」
よっし!
とぐったり気味のマリアを見ながらそう言って拳を握った謡に、これから何をするのかすぐに理解したマリアは、無茶な要求されるよりはその方がいいかもしれないと思いつつ立ち上がると、謡から来たドロー申請にサインして1度対戦を終了し加速を解き現実世界に意識を戻すと、昼休みの自分達の教室で向かい合って座っていた謡の可愛い顔をまず視界に入れて、次いでさっきの対戦は自分から乱入する形で始めたことを思い出し慌てて鞄から直結用のXSBケーブルを取り出そうとしたが、それを謡は手で制して首を横に振り必要ないと示したが、マリアは退かずそれに抵抗する。
「うーちゃんは無理しなくていいから」
【UI> 言い出しっぺは私なのですから、マーちゃんは気を遣わなくてもいいのです】
ポーン、と軽やかな電子音と共にマリアの視界に表示されていたチャット窓に打たれた文章は、目の前の謡からのもの。
そうしてチャットを必要としないと会話ができない謡は、数年前から自力での発声ができない失語症を患っていて、加速するためのコマンドだけは苦しそうにしながらもなんとか出来るのだが、マリアはそれを見ると自分まで苦しくなるので、学校にいる間は謡に自発的な加速はさせないようにしていた。
しかし意外と頑固な謡はマリアの気遣いをわかった上で引き下がらずにすぅっと息を吸ってから吐き、絞り出すように一文字ずつバから続く七文字のコマンドを口にして、それをちゃんと見届けたマリアは続くように加速し新たな対戦フィールドへと招かれていった。
「良いステージを引けたのです」
対戦開始の直後にそうしたことを近くで言ったのは、言うまでもなくアーダー・メイデンとなった謡。
どういうわけか加速世界においては自ら発声することが出来る謡の肉声にちょっとした嬉しさを毎回感じているマリアだったが、直前のあれがあったせいか今回はムッとした感じで謡に近寄ってその頬を両側から手で挟んでブルブル左右に振る。
「うーちゃんの頑固モノー」
「ごぉめぇんなぁさぁいでぇすぅぅうう……」
構築されていた《世紀末》ステージへの感想などなしで謡に文句を言って手を放したマリアに、しょぼーんとした謡は改めて頭を下げたのだが、それでも自分の行いに後悔はないといった目で頭を上げた謡に、もうマリアは何も言わない。
どうせこれ以上続けても謡の方が言葉巧みに丸め込みに来るので、本人がそれでいいと言うなら話は終わりなのだ。
「それでは気を取り直して特訓開始なのですっ!」
そんなやり取りを終えてパンッ、と手を叩いた謡は張り切った様子でマリアにそう言って準備するように示したので、本来の目的が対戦なのでマリアも特に何を言うこともなく一旦謡から離れていったのだが、
「そうなのです。こういうのはシチュエーションが大事ですから、ファーストアタックはマーちゃん当てていいのですよ。そこで私がマーちゃんを見つけたところから本番としましょう」
急にそんな申し出があってすぐに必要ないと言おうとしたマリア。
しかし考えてみれば今回の対戦のコンセプトは自らのアビリティが無効になった状態でどう戦うかを模索することにあるので、すでにアビリティ《インキュベーション》による潜伏能力が無効となってる状態。
つまりゼロからスタートするのは、実際の対戦ではなかなかない。
ほとんどの場合はマリアがアビリティ有効状態からのファーストアタック成功で対戦が動くことから、謡の提案は何もハンデというわけではなく、マリアが本来持つべきアドバンテージを与えたに過ぎない。
そのアドバンテージを生かして接近戦にどう対応するか。そこが肝となる。
「じゃあ、うーちゃんは本気で私を倒しに来てね」
「……マーちゃんがお望みであれば、そのつもりで挑ませてもらうのです!」
だがさすがにファーストアタックをあえて受けると言う謡に申し訳なさは拭いきれなかったので、その代わりに未だ底を見せたことのない謡に対してそう言ってはみたマリア。
しかしそれを後悔するのはすぐだった。
加速世界において《
お言葉に甘えて世紀末ステージの一番高い建物オブジェクトの屋上まで移動し、そこで狙撃銃型強化外装《シャープネス》を装備し構えて、すでにフレイム・コーラーを携えてあさっての方向を向いてくれてる謡の側頭部に鋭い弾丸を撃ち込んでそのHPゲージをがづん、と1割程度削る。
そこからいつも通りに影すら見せない隠密移動を開始したマリアだったが、一応はまだ見つかっていない体なので謡の様子をうかがいながら移動をしようと試みた。
しかしチラッと見えた謡はこちらに少し近づいたところでその足を止めてフレイム・コーラーで射の構えを完了させていて、一体どこを狙っているのだろうと思いながら建物オブジェクトを陰に移動を再開。
「《フレイム・ボルテクス》!!」
そこに響いた謡の必殺技発声に動きを止めたマリアのすぐ近くを、大きな火の塊が螺旋を描いて唸りを上げ尾を引きながら通り過ぎる。
謡のこの必殺技は、放った火矢により強力な炎を纏わせる範囲・威力を強化する必殺技で、その威力たるや直撃すればマリアのアバターならほぼ一撃必殺のえげつないもの。
しかし今回はすぐ横の開けた通路を通り過ぎただけで、HPゲージも炎熱ダメージでわずかに減少……
と、そこまで思考がいったところでハッとしたマリアはすでに再装填を完了させていたシャープネスの銃口を見切れた通路の先。謡が来るであろうところへと向け構える。
今の謡の攻撃はマリアの移動の範囲が横ではなく縦に伸びているだろうことを予測して、必殺技による削りダメージの入ったタイミングでおおよその距離と場所を割り出したわけだ。
あとはそこを目安に近づけば接敵できるという算段。
だと思って待ち構えていたマリアなのだが、一向に謡が近付いてこなく、ガイドカーソルも微動だにしないので角から覗きたくなる衝動に駆られるが、それが狙いかもしれないのでじっと辛抱していた。
――ゴワッ!
そうして狙いに集中していたら、マリアの本当にすぐ後ろ。
背中にわずかに熱気が伝わる距離に突然火矢が『空から』襲来してきて地面に当たるや辺りに火の粉を撒き散らして消滅。
そこから察するにどうやら謡はあの位置から山なりに火矢を放ってマリアを狙ったようだが、おおよその場所を割り出してこの精度の矢を放てるのは謡の実力の高さを物語っている。
そしてこのことから次に警戒するべき事項が増えたマリアは視線をガイドカーソルと空と通路の角に向けざるを得なく注意力が散漫となり、続けて訪れた空からの火矢3本が降ってきたのと同時にガイドカーソルがわずかに動いてきて焦る。
位置的に逃げ道が1つしかなく、仕方ないのでマリアの方から通路に出るような横っ飛びで火矢を回避し、しかし謡への警戒を怠らずに体を回転させながらシャープネスをすぐさま通路の先に構えてみせたのだが、やはり先達。
それらを完了する前に射の構えを完了させていた謡から放たれた火矢は片膝立ちをしていたマリアの立てた左膝に命中しダメージを負う。
不幸中の幸いで引きが甘かったのか部位欠損にまでは至らずに済んだが、次の矢を構えた謡にすぐに立ち上がってシャープネスから銃弾を放つも、ほとんど『撃たされた』ためにタイミングを掴まれ構えを解くことすらできずに回避されてしまう。
今のは失敗だった。
シャープネスには最大限の減音機能が付いているので、発砲のタイミングは相手からすれば注視しないと掴みにくいはずなのに、追い詰められて相手の思惑通りに撃たされてしまってはそのわずかなアドバンテージは生かせない。
痛む左膝が移動に支障をきたすが、それで止まっては謡の格好の的となってしまう。
幸い、謡の弓は走りながらや歩いては射てないので、射つとなれば必ずその足を止める。
同じ遠隔型なので接近してもせいぜい中距離までに留めるだろうことも理解できるので、背中を向けて逃げても動作を見てから対応も可能だと判断し、シャープネスに銃弾を再装填しつつ謡の動きに注意し移動をする。
だがそれだけではダメなのだ。
マリアはここから相手に攻撃する手段を考えて勝ち切らなければならない。
そのためには謡ペースの現状を崩す必要があり、自分自身も守勢から攻勢に移るタイミングを作らないといけない。
「…………逃げてばかりじゃダメなんだよね」
そのためには後ろを向くのではなく前を向かなければならない。
そうした決意みたいなものを込めて距離を詰めていた謡を牽制するようにピタリと止まって振り向いたマリアは、反射的に射の構えを取った謡に対してシャープネスを構える。
考えてみれば銃弾と弓矢。
どちらが速いかと言えば、火薬という点火装置を用いて飛ばす銃弾の方が同時に撃ったとしても断然速いわけで、遠隔同士で1度睨み合いになれば謡となら優位に立てるのだ。
加えて弓というのは矢を放つまでの動作で余計な動きをすれば狙いが外れてしまう繊細な武器。
システムによる命中補正は一応あるとは聞いていたが、それでも大部分は謡の腕前に左右されるのは間違いない。
「その選択は正解なのです」
互いに放てばほぼ命中させられる距離で、弓を引いたままの謡は嬉しそうにマリアにそう言うと、マリアもシャープネスを構えたままそれに応える。
「ここからどうするか、まだ考えてない……」
と、行き当たりばったりだったことを素直に話せば、謡からはクスクスと可愛い笑いが返ってきて複雑な気持ちになってしまう。
「それでよいのです。対戦はいつも臨機応変に。マーちゃんの親はそれを凄く体現してる噂をいつも耳にするのです。実際に中2戦域にお邪魔してバトロワ祭りを観戦したこともありますが、マーちゃんは良いお手本がすぐそばにいますから、強くなるのもきっと早いですよ」
笑ってから先輩としてありがたい言葉をかけてくれる謡だったが、そこで自らの親であるテルヨシが出てくるとなんだか唸りたくなるマリア。
あれを手本にしても全然参考にならない。
というかやってることが基本的にバカっぽい割に、真似しようとしても何故か出来ないことがほとんどでマリアも困ってしまってるのだ。
それだけ凄いプレイヤーであるという認識はしつつも、師としてなら謡の方が万倍は勉強になるので良いお手本かどうかには疑問が生じていた。
そんなマリアの気持ちを察したのかまたもクスクスと笑った謡は、返事に困るマリアに対してもう少しだけ言葉を紡ぐ。
「今は自覚がなくても良いのです。この先それを実感できる時が必ず来ると思うので、その時は素直に親に感謝の気持ちを伝えたら良いです」
「……そんなことしたら私が大変なことなるかもだよ……」
「愛情表現を素直にできる素敵なお兄さんではないですか」
「じゃあうーちゃんが代わりにぎゅーってされてよ」
「それはマーちゃんだけの特権ですので、慎んでご遠慮しますよ」
上手いこと逃げられた。
さすがに加速世界で精神的に成長してるだけあって、話術でも謡はマリアをあしらうが、そうした会話もそこまで。
今は対戦の最中だと思い出すように気を引き締め直したマリアは、今のが謡からの考えを巡らせるための時間だったことを理解しつつまとまった考えで再びピリッとしたプレッシャーを放ち始めた謡に集中。その狙いはただ1つ。
いかに熟練プレイヤーである謡と言えど、絶対不可避の瞬間というのは必ず存在する。
それは攻撃を放つ瞬間、或いは直後。
その瞬間を逃さないためにマリアは謡の矢を放つタイミングを完璧に掴まなければならない。
メラメラと燃える火矢を弓で引く謡の攻撃の気配を感じ取ろうとするマリアの集中力は、偶然ではあるがこの時に限って親が時おり使う物凄い集中力に近い状態にまで高まっていて、そのプレッシャーを敏感に感じ取ったのか、今度は謡がマリアに矢を射たされる。
ヒュンッ、と風を切って飛来した謡の火矢はほとんど一瞬でマリアの股関節の装甲の隙間に突き刺さったが、それを見てからマリアが放った銃弾は、火矢が命中するよりも速く攻撃直後の硬直した謡の左脇腹へと突き刺さり、結果として互いにそのHPゲージを3割弱も削る痛み分けとなったが、レベル7相手にそれをやったとなればマリアにとっては値千金で、謡にとっては精神的にダメージがいったはずだ。
だが双方のHPゲージはまだ残っている。
しかも謡は次の火矢をもう引くところで、まだ次の銃弾も作らず、排莢すら出来ていないマリアは一気に劣勢。
すぐに距離を開くバックステップをしながら排莢し銃弾を作ろうとしたが、謡から放たれるプレッシャーが今まで感じたことのないレベルで背筋が凍るような悪寒が襲ってきたため、通常弾の生成を中断して、
「《
この局面ではあまり効果的ではないはずの貫通弾を生成。
謡の装甲強度ではマリアの貫通弾の威力が強すぎて容易に貫通するため、結果として威力のほとんどが謡に伝わらないのだが、依然バックステップをしたままでシャープネスにそれを装填して立ち止まり構えると、両者の距離は50メートル程度にはなった。
「《スーパールミナル・ストローク》!!」
弓に対してなら対応には十分すぎる距離、にも関わらず必殺技発声と共に矢を放った謡のこれはマリアは初見。
今までの火矢とは違って強い光を纏って銃弾のごとく飛来した矢に、負けじと放った貫通弾。
双方はちょうど中間の地点で奇跡と呼べるレベルで正面から衝突。
しかしその均衡は呆気なく崩れてマリアの放った貫通弾は粉々に砕け散ってしまい、なおも減退することなく迫った謡の光の矢はシャープネスの銃口に突き刺さってさらに貫通。
その先のマリアの右肩の装甲を砕いてようやく消滅した。
「…………参りました……」
その結果、マリアの唯一無二の武器であるシャープネスは破壊されいくつものポリゴン片となって消滅。
いくら銃弾を作る余力があっても、それを撃ち出す装備がなければもうほとんどどうすることもできない――炸裂弾による自爆特攻くらいがせいぜい――ので、素直に両手を上げて降参すると、意思を汲み取った謡も構えを解いて放っていたプレッシャーを完全に消すのだった。
「最後のあれ何?」
対戦が決着したのでドサッと地面に座り込んで、近寄ってきた謡に対して当然の疑問を口にしたマリア。
その問いに謡は持っていたフレイム・コーラーを抱いてすぐに答えた。
「あれは私の秘密兵器なのですよ」
「炎熱属性じゃなかったよね。それに貫通力が凄かった」
「スーパールミナル・ストロークは光・貫通属性の必殺技なのです。水属性のステージでは火矢だけで戦い抜くのが難しかったので、今のレベルになったボーナスで取ったのですが、そういえばマーちゃんにまだお見せしてなかったのですね」
とかなんとかとぼけた感じで言った謡だったが、おそらくわかっててあの局面で使ったのは間違いないので、ずいぶんとエグいものを隠していたなと苦笑い。
しかし今の貫通弾ではよりゲージ消費の大きい同属性の攻撃には負けてしまうこともわかったので、収穫としてはまずまず。
結果は負けだったものの、謡の秘密兵器を引き出したのは間違いなくマリア自身の力が謡に迫ってる証拠。
いつか追いつけ追い越せを目標に立ち上がったマリアは、早速今日の対戦の考察を始めた謡の話に真剣に耳を傾けていくのだった。