そこは・・・上も下も無い空間、暗く・・・緑色に発光する0と1のデータのみで構成されただけの空間、「デジタル空間」。
そこに一体の、左にオレンジ色の宝玉、右に赤色宝玉を埋め込んだ金色の羽を生やし、鳥の頭をした盾と右手に、
金色の翼を模様した剣を左手に持った竜騎士が降り立つ。
「「諦めろ・・・もう逃げ場はないぞ」」
その竜騎士は男女2つの声を持ち、何もない空間に向け言い放つ。
竜騎士の名は「ファイバーグレイモン」
『ファイバーグレイモン・究極体・聖竜騎士型・ワクチン種
勇気のウォーグレイモンと愛情のホウオウモンがジョグレス進化した、竜人と聖鳥の力を持ち合わせる聖竜騎士型デジモン。
その金色の輝きは邪悪なる者には裁きを、心正しき者には希望を与えると伝えられている。
嘗てデジタルワールドの大異変を食い止めた伝説の騎士だ。
斬れば邪悪なる者には聖なる業火で焼きつくし、心正しき者には癒しの炎で傷付いた体を癒す力を秘めた聖翼剣「ファイブレード」、
ホウオウモンの頭部を模様した、全ての攻撃を吸収する聖鳥盾「フェニックシールド」を持つ。
愛情の右翼と勇気の左翼から放つ業火の疾風「ツインフォースブラスト」は全ての邪悪なる者を全て焼き払う。
フェニックシールドの口部から吸収した攻撃エネルギーを放出する「ライトニングエリシオル」。
必殺技はファイブレードに竜と聖鳥のエネルギーを籠めて斬りかかる聖なる一撃「ファイドルグブレイカー」だ』
「私が何をしたと言うのかね?何故しつこく追い回す?」
何もない空間から声がする・・・それにファイバーグレイモンは答える。
「「お前は・・・地球上、そしてデジタルワールドだけでなく、全ての世界に存在する命を憎む、
消えていったアポカリモンのデータの破片から生まれ、その恨みを引き継いでいる」」
「フッ・・・そこまで分かっているなら話は早い・・・」
ファイバーグレイモンの声に反応したのか、背後からヤギの頭をした悪魔を思わせる者が現れた・・・そいつの名は「メフィスモン」
『メフィスモン・完全体・堕天使型・ウイルス種
巨大な雄羊の姿をした堕天使型デジモン。
全ての生命を滅亡せんとしたアポカリモンの残留思念データから産まれた闇の存在でもあり、その行動原理はアポカリモンと同じく、
あらゆる生命の殲滅にある。
暗黒系の魔術を得意とし、その性格は残虐極まりないが、知性が高く、策士家でもある。
得意技の『ブラックサバス』は死の祝祭を祈祷する暗黒の呪文で、
この呪文を耳にした者は程なく死に至る。
必殺技は全てを腐食させる暗黒の雲を発生させる『デスクラウド』だ』
「私はこんな所で死ぬわけにはいかんのだ!!」
ブワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!
メフィスモンはファイバーグレイモンに向け必殺の、デスクラウドを放った。
「「ふん!」」
グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!
それに対しファイバーグレイモンは翼で身を覆い、金色の光を放ちそれを防いだ。
ファイバーグレイモンの特殊能力、それはどんな傷も異常をも治す超回復。
この能力の前には全てを腐食させるメフィスモンのデスクラウドですら、無効化させるのであった。
「ちっ!」
「「キサマが奪ったデジタマは何所だ!?」」
「成程・・・本命はそれか・・・」
「「あれは全てを消し去る力を持つ凶悪な意志と力を持つが故に、四聖獣と三大天使の力によって封じられたデジモン・・・」」
「そう・・・嘗て全ての世界を滅ぼさんとした魔獣の封じられたデジタマ・・・その力はまさに私の望み、
全ての命を滅する望みをかなえる夢のデジタマだ・・・あれは私が有効に使わせてもらう」
「「させるか!!」」
ファイバーグレイモンはファイブレードでメフィスモンに斬りかかる。
メフィスモンもそれに応対するが、実力ではファイバーグレイモンの方が圧倒的に上だった。
ガシンッ!
「ぐあっ!」
「「止めだ!!」」
メフィスモンに止めの一撃を加えようとしたその時・・・メフィスモンの顔が邪悪に歪む。
ドスッ!!
「「ぐっ・・・あっ・・・」」
「フフフ・・・掛かったな」
メフィスモンの尻尾の先端が鋭利な棘へと変形し、それがファイバーグレイモンの背中を貫いた。
「「こっ・・・これは・・・」」
「さっきの質問に答えよう・・・キサマが探していたデジタマなら・・・ここだ!!」
メフィスモンの胸部が開き、その中には不気味に鼓動するデジタマがあった。
「「まさか・・・取り込んだと言うのか?・・・魔獣・・・アルカディモンのデジタマを!?」」
「フヒヒ・・・そうさ・・・さすがに私だけの力ではこいつ自身を制御する事は叶わん、だから取り込み、
私の意志と望みをこいつに植え付ける事にしたのさ」
「「がっ・・はあ・・・・」」
「フフ・・・さすがの超回復も追いつかないか、おぉ・・・キサマの力が私の中へと送り込まれていく」
ズブッ・・・
「「がはっ!!」」
メフィスモンの尻尾は更に深く、ファイバーグレイモンの体に突き刺さって行く。
それに伴い、ファイバーグレイモンの体を纏っていた金色の光も衰えていく。
「これは思いもよらない結果だった・・・全てではないが、アルカディモンのデジタマを取り込む事で、
私自身にもアルカディモンの能力が宿ったのだ・・・さあ・・・キサマの全てを頂くぞ!!」
ズブシュッ!!
「「があああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」
ファイバーグレイモンの体から色素が薄くなり、それと同時にファイバーグレイモンの存在が消えようとしていた。
(このままでは・・・)
(・・・こうなったら)
(如何するつもり?)
(僕の残りの力を全て使って奴を道連れにする・・・それと同時に君は(バカを言わないで!!)えっ!?)
(アナタを置いて行けるわけが無い!私達は何時でも一緒に戦って来た、私も最後まで戦うわ!!)
(しかし・・・)
(それに・・・忘れたの?あの時の誓い・・・“あの人”達との誓い・・・忘れたの?)
(・・・忘れるものか・・・あの時から一時たりとも・・・)
思い出されるのは遥か昔・・・彼等の大事な相棒との別れの時。
『・・・今まで・・・ありがとうな』
『私達は・・・アナタ達と出会えた事を誇りに・・・そして嬉しかったわ』
『『・・・・・・・』』
現実世界(リアルワールド)のとある場所、とある木の下で肩を寄せ合い穏やかな表情をうかべる老夫婦と、
その老夫婦を悲しげに見詰める聖竜騎士ファイバーグレイモン。
『そんな顔をするなよ・・・確かにわ・・・いや、最後ぐらいあの時と同じ口調で良いか』
『『あっ・・・』』
『俺達の時間はもう少ない・・・皆逝っちまって残ったのは俺達だけだ』
『でもね・・・皆私達の心の中で生きている・・・私達が忘れない限り』
『忘れようと思っても忘れられないけどな・・・俺達からの最後のコマンドを送る・・・』
『『えっ?』』
『何があっても最後まで諦めるな・・・最後の最後まで歩みを止めようとするな』
『私からは、誰かを信じる気持ちを忘れないで・・・例えその気持ちを何百回・・・何千回裏切られようとも・・・』
『『・・・はい』』
『ふふ・・・じゃあ・・・また・・・ね』
『いつか・・・また・・・会えると信じて・・・』
そして老夫婦は眠る様に静かに・・・そして穏やかに息を引き取った・・・。
『・・・太一・・・おやすみ・・・』
『空・・・また・・・いつか・・・』
ファイバーグレイモン・・・いや、その融合元であるウォーグレイモンとホウオウモンは涙を流し、其々のパートナの名を呟いた。
最後のコマンドを・・・誓いとして胸に刻み。
(だから最後まで諦めちゃダメ!!)
(・・・そうだね・・・なら・・・一緒にやろう!)
(うん!)
ファイバーグレイモンの全身が激しく光を放ちだす。
「キサマ!!一体何をするつもりだ!?」
「「そんなにエネルギーが欲しいならくれてやる!!」」
「なっ!?やっ・・・やめろ!!」
いくらアルカディモンのデジタマを取り込んでその力を得ているとは言え、メフィスモンは完全体、
たとえ完全体の上位に位置するメフィスモンと言えども、究極体でありジョグレス体たるファイバーグレイモンの開放するエネルギーの全てを、
吸収するのは不可能であった。
エネルギーを吸収しきれず自己崩壊をおこすメフィスモンの体。
これ以上の自己崩壊を防ごうと、ファイバーグレイモンに突き刺した尻尾を抜こうとするが。
ガシッ!
「なっ!離せ!!離せええええええっ!!」
「「そうはいかない・・・」」
ズブブ・・・・
ファイバーグレイモンは突き刺さった尻尾をより深く自身の体に自ら刺し込んでゆく。
「「お前はここで倒す!!」」
バサッ!!
ファイバーグレイモンは翼を大きく広げ、宝玉を中心に翼は激しく光り出した。
「やっ・・・やめろ!!キサマもただでは済まないぞ!!」
「「これは死ぬ為の攻撃じゃない・・・生きぬく為の抵抗だ!!」」
「やっ・・・やめ・・・」
「「ツインフォース・・・・・ブラスト!!」」
ズバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
ドグアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!
至近距離で放ったツインフォースブラストはメフィスモンを包み込む。
そしてメフィスモンが吸収したファイバーグレイモンのエネルギーが膨張拡散し、デジタル空間内で凄まじい爆発が起こり、
デジタル空間は放出されたエネルギーの光で満たされた。
「「やっ・・・た・・・」」
至近距離でその爆発を受けたファイバーグレイモンは、放出されたエネルギーの光の中で、眠る様に目を閉じた。
そして光が収まった時、そのデジタル空間にメフィスモン・・・そしてファイバーグレイモンの姿は無かった。
そして・・・それから数年後・・・。
「まったく・・・素人でももう少し丁寧に扱ってほしいな、いや・・・素人だからこそ丁寧に扱うべきだ」
作業着姿で業務用ゴーグルを着けた1人の少年が格納庫の様な場所で鎧武者の甲冑を思わせるパワード・スーツ・・・ISを整備していた。
「最近また憧れや流行、そして“あの人”会いたさに入学して来た生徒が増えたからな・・・大した覚悟も無く兵器を扱う学校に来るなっての・・・」
ここは「IS学園」・・・現世界最強の兵器、「インフィニット・ストラトス」・・・通称「IS」操縦者を育成する学園だ。
しかしこのIS、女性にしか扱えないと言う欠点が有り、その所為で世界の男女のパワーバランスが崩壊、
女尊男卑の世界となっていた。
「元々は宇宙開発用に作られた筈なのにな・・・お前は如何思う?」
少年は目の前の整備を終えたIS「打鉄」に問う様に呟いた。
「父さんと母さんがお前達の開発に携わって・・・やっと宇宙へ・・・と思った矢先あの事件で計画はおじゃん、
お前達もあの事件以降・・・兵器としてしか見られなくなっちまったな」
少年の言葉に打鉄は応えない・・・只静かにその場に置かれているだけ。
「・・・お前は如何思う?」
そして少年は後ろに飾られている様に置かれた、普通のISより一回り小さくスマートなISに問いかけた。
「お前は・・・何の為に生まれたんだろうな?」
少年は悲しそうにそのISを見詰めた。
「・・・さて・・・もうじきアリーナの閉館時間だ、あの“問題児君”も使っていたから、今日も・・・・」
ドガシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!
「・・・・帰りは遅くなりそうだな」
少年は外から聞こえた轟音を聞き、溜息を吐いた。
「さて!・・・気合入れますか、じゃあな「零式(ゼロ)」」
少年はIS・・・零式に手を軽く振りその場を離れた。
少年の名は「八神太一」IS学園のIS整備員だ。
この太一はIS世界に居るとしたらと考えた作った太一です。
あと私は断然太一×空派です!!
しかし・・・メインヒロイン誰にしよう・・・。