DIGIMON・STRATOS   作:龍気

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今回はかなり短いです。

プロローグより短いですのでごめんなさい。


第9話『転入生と転校生』

Side・太一

 

俺は今夢を見ているのか?

 

頬を抓るのはできないから、拳を強く握り締める・・・爪が食い込んで痛ぇ・・・ちゃんと起きている様だ。

 

他人の空似・・・じゃない、“デュノア”・・・あの人と同じ性を名乗っているし、何よりあの人に俺と同い年の子供は彼女だけだ。

 

そして何より・・・この感じ・・・あの頃は毎日の様に感じていた・・・この胸が張り裂けそうな感じ・・・。

 

この感じが・・・それだけで今目の前に立っている、シャルル・デュノアをシャルロット・チルモンと決定付けるのに十分だ・・・。

 

 

「あの・・・如何かしたの?」

 

「んっ?あっ・・・あぁ・・・すまない」

 

 

もう5年以上経っていると言うのに・・・俺って情けないな。

 

この娘に何の罪は無いのは理解しているのに・・・それに選んだのは・・・アイツ自身だと言うのに・・・俺はまだ・・・。

 

 

「・・・少しビックリして・・・その、間違っていたらゴメン、俺と同じ型の制服って事は・・・男?」

 

「あっ・・・そうか、そうだよね・・・そう、僕は男だよ」

 

 

男ね・・・デュノアと名乗っているのも気になるが・・・男として来るとなると・・・気を付けないといけないかもな。

 

 

「八神太一だ、よろしくな」

 

「八神君だね、僕の事はシャルルって呼んでよ」

 

「・・・じゃあ俺も太一でいいぜ、君付けもいらない」

 

「じゃあ・・・よろしくね、太一」

 

 

彼女が俺に握手をもとめ、手を差し出し・・・それに応え彼女の手を握った。

 

うっ・・・柔らけ・・・。

 

ひょっとして・・・こんなのが3年続くのか?

 

 

Side・シャルル

 

「八神太一だ、よろしくな」

 

 

何だろう・・・今僕の前に立っている、予想外の転入生・・・八神太一。

 

彼を見てから・・・その・・・胸の辺りが・・・何だかモヤモヤすると言うか、ドキドキすると言うか・・・。

 

それに、何故か僕は彼を・・・彼を知っている気がする・・・今日初めて会ったと言うのに・・・。

 

彼の存在は今日初めて知らされて、おそらく“あの人”も知らないかもしれない・・・僕を・・・“私を男として”、

このIS学園に送り込んだあの人すらも・・・。

 

 

「八神君だね、僕の事はシャルルって呼んでよ」

 

「・・・じゃあ俺も太一でいいぜ、君付けもいらない」

 

 

人当たりが良くて・・・何だか親しみやすそうな人だな・・・。

 

おそらく・・・彼の事を報告したら彼の事も調べろって言われるんだろうな・・・。

 

嫌だな・・・こんな人を騙す様な事を、これからずっとし続けるなんて・・・。

 

 

「じゃあ・・・よろしくね、太一」

 

 

うわぁ・・・男の子の手って、こんなに硬いんだ・・・それに、とても温かい・・・。

 

 

Side・太一

 

「キサマが・・・」

 

「ん?」

 

 

シャルロット・・・いや、今はあえてシャルルと呼ぼう。

 

“彼”に気を取られて、もう1人の転校生の存在に気が付かなかったが・・・。

 

小柄で長い銀髪、そして左目に眼帯をした少女・・・。

 

彼女はたしか・・・千冬姉さんがドイツで教官をしていた時の・・・。

 

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ?」

 

「・・・フッ!」

 

ズバッ!!

 

「えっ?」

 

「なっ!?」

 

 

いきなりラウラ・ボーデヴィッヒが俺に向けて手刀を突き出してきた。

 

 

ぱしっ・・・

 

「っ!?」

 

「・・・いきなりだな・・・それがドイツ軍人の挨拶か?」

 

 

だが俺はそれを掴み取り、それを防いだ。

 

 

「ちっ・・・」

 

「止めろぼーで「でやあああああっ!!」っ!」

 

 

千冬姉さんの静止の声が出る前に、彼女は俺に追撃を与えようと動いた。

 

俺・・・彼女に何かしたかな?

 

一度千冬姉さんに呼ばれてドイツ軍の基地には行ったが、彼女には直接会ってないし、その時千冬姉さんから少し聞かされて知っていただけ。

 

 

「俺君に何かしたっけ?」

 

「黙れ!!キサマが・・・キサマが!!」

 

 

ふう・・・CQC(近接挌闘)か・・・結構な手練れだけど、恵姉から教わって(あの人は何処で学んだ?)いるから、

対処はできるが・・・騒ぎになるとまずいから黙らせるか・・・もう手遅れな気がするけど。

 

 

「でやっ!!」

 

「なっ!?」

 

ドシャッ!!

 

 

彼女の腕を掴み後方に回り、関節をきめた状態で床に押さえ付け、暴れない様に両脚と残った腕は、俺の足を乗せ動けなくした。

 

 

「くぅ・・・」

 

「俺君に何かした?」

 

「認めない・・・“アイツ”もキサマも!キサマがあの人の1番などと絶対認めない!!」

 

「はあ?」

 

 

何の事だ?それに俺の他に、コイツが恨みか何かを持っている奴がもう1人いるみたいだが・・・。

 

 

「そこまでだ2人共」

 

「教官・・・」

 

 

教官?

 

成程・・・そう言う事か。

 

 

「俺の方は正当防衛ですよ織斑先生」

 

「分かっている・・・だが、そろそろ解放してやれ」

 

「ならもう暴れるのは止めろって、言ってやってくださいよ」

 

「・・・ボーデヴィッヒ、大人しくしろ」

 

「しかし教官!」

 

「その方が織斑先生の為だぞ」

 

「何!?」

 

「今日から君は織斑先生の生徒だ、その生徒が問題を起こせば、全て担任である教師に責任がいく、

織斑先生・・・教官に迷惑をかけたくないだろ?」

 

「くっ・・・分かった・・・」

 

 

やっと大人しくなったか・・・ものスッゴイ形相で睨まれ続けているけど・・・。

 

コイツは千冬姉さんの崇拝者かそれに近い者だな。

 

だがそれでも分からない・・・だからって何で俺こんなに恨まれてんだ?

 

 

「太一・・・大丈夫?」

 

 

俺を心配してかシャルルが駆け寄って来た。

 

平常心・・・平常心・・・普段通りに話せ・・・普段通りに話せ。

 

 

「あぁ・・・すまないな、転校初日にこんなトラブルに巻き込んで」

 

「ううん、僕は平気だけど・・・凄いね太一、あれだけのボーデヴィッヒさんの攻撃全てかわすなんて」

 

「それ位できなければ、俺はこの世に既にいない」

 

 

俺は今までの師匠2人との修行の日々、そして“夏の特別訓練”の事を思い出し、遠くを眺めていた。

 

本当・・・よく生きてこれたな俺・・・自分で自分を褒めてやりたいよ。

 

 

「たっ・・・太一?本当に大丈夫?」

 

「はっ!すまんシャルル・・・ちょっと走馬灯を見てて」

 

「それって死の直面に見る物だよ!!」

 

「いや~~~あれって思い出すだけでショック死しそうな恐怖だよ・・・あぁ・・・思い出したらまた・・・」

 

「わわわっ!!太一しっかりして!!」

 

 

俺って・・・何であれやって生きてんだろう?

 

 

「太一しっかり!!一体何を思い出しているのさ!!てかショック死しそうなら思い出さないで!!太一!!」

 

 

Side・千冬

 

失敬な・・・ちゃんと死なない様には手加減はしたぞ。

 

何となくだが太一君の考えている・・・いや、思い出している光景に想像がつく。

 

しかし・・・ボーデヴィッヒ、こいつには困ったものだな。

 

軍人として軍の規律を忠実に守ると同じで、学園でもそうであろうと思ったが・・・早速こんな騒動を・・・。

 

太一君が早急に押さえてくれたから、今の所大丈夫の様だが・・・これから如何なる事か。

 

 

「あの・・・織斑先生、お疲れのところ悪いのですが・・・そろそろ・・・」

 

 

あぁ・・・本当に疲れたさ・・・主に心労だが、まだこいつ等が出会って3分も経ってないと言うのに。

 

 

「・・・すまない山田先生・・・お前達、私達が先に入る、呼ばれたら入ってきなさい」

 

「「はい」」

 

「了解です教官」

 

「・・・教官はいらない」

 

 

はぁ・・・事はデュノアだけでは済まない様だな・・・。

 

こんな事であれば、ボーデヴィッヒの事だけでも言っておくべきだったか・・・。

 

それにしても・・・“初手”は何とか耐えたか・・・だが、ここに入れば、何時バレてもおかしくは無いぞ太一君、

君の最大で唯一の弱点が。

 

 

Side・ラウラ

 

くっ・・・この私が、教官の前で何という醜態を・・・。

 

 

(私には実の弟と)

 

 

その実の弟の所為でアナタは・・・モンド・グロッソ2連覇の栄光を手にできなかった。

 

 

(実の弟と同じ位に大切な男の子が居る・・・その子は、私の一番弟子で、お前の兄弟子でもある)

 

 

私が・・・私がアナタの1番ではないのですか?

 

 

(守りたい者が・・・そして競え合えるライバルが居たから、私は強くなれた・・・所詮私も誰かに支えられなければ生きてはいけない只の人間だ))

 

 

それは違う!!アナタは偉大だ・・・誰よりも偉大な人物だ!!

 

 

(だからボーデヴィッヒ、私だけを見るな)

 

 

私には・・・アナタが・・・アナタのみが必要です!!

 

アナタは私の憧れで、見本で、そして・・・目標だ。

 

だから・・・そんなアナタを堕落させる要因・・・教官の顔に泥を塗った実弟・・・織斑一夏。

 

そして・・・そして・・・。

 

 

(弟の方は・・・まだ何をしたいか決めかねているが、弟子の方は目標があって私についてきてくれている、

だから・・・いずれは私を超えてほしいと思っている)

 

(その・・・弟子の名前は?)

 

(八神太一だ、私と・・・今の私を作ってくれた人々が夢を託した少年だ)

 

 

やがみ・・・たいち・・・教官の存在を脅かすかもしれない存在。

 

織斑一夏と八神太一、私は決してキサマ等を認めない!!

 

この私がキサマ等を抹消する!!

 

 

Side・太一

 

まったく・・・転入の挨拶も済んでないのに立て続けにハプニングとは・・・俺ってどういう星の下に生まれたのかね?

 

シャルロット・チルモンのシャルル・デュノアと名乗り男として転校、千冬姉さんの崇拝者で元教え子の、

ラウラ・ボーデヴィッヒの出会いがしらの強襲・・・。

 

俺の学園生活・・・これからどうなるのかね?

 

 

「今日は転校生と転入生がいます、合わせて3人も」

 

「お前達、入って来い」

 

 

おっと、お呼びの様で・・・。

 

さて・・・この扉を潜れば俺の学園生活、そして夢の為の一歩が始まるんだな。

 

思いもしなかった再会がなんだ!いきなりの強襲がなんだ!

 

俺が行く先でブツカル壁があるなら、それを乗り越えて先へと進み、幼い頃から画いた夢を掴んで見せる!!

 

 

ガラッ・・・・

 

「入ります」

 

「失礼します」

 

「・・・・・・・」

 

「えっ!?」

 

「嘘っ・・・あの子・・・」

 

「やっ・・・八神?」

 

 

皆驚いているな・・・織斑も・・・昨日会ったのに、そいつが翌日転入生として現れたら当然か・・・。

 

 

「皆の知っている顔もいるが・・・お前達、挨拶をしろ」

 

「はい、八神太一です」

 

 

さて・・・ここが始まりだ。

 

 

To be Continued

 




次回はできればIS実習まで行く予定です。
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