DIGIMON・STRATOS   作:龍気

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今回は保々ギャグです。

書いていて楽しかったです。


第10話『効果は抜群だ!!』

Side・三人称

 

「八神太一です・・・皆も知っているけど、今日からISの整備員としてだけでなく、生徒としても皆と過ごしていくのでよろしく」

 

「うっ・・・そぉ・・・」

 

「やっ・・・八神君がクラスメイト・・・」

 

「ふっ・・・ふふふ・・・・・・」

 

「「「「「「「「「「不幸だ!!」」」」」」」」」」

 

「・・・やかましい」

 

 

以前も話したように、太一の評価は教師側と生徒側とではまるで逆なのだ。

 

ISの整備の良さ、そして生徒が使用したISの状態から、その生徒がどの様に使用し、またどこに問題があるかを報告してくれるので、

ISの扱い方を生徒に教える教師達にとって大いに役立ち、感謝されている。

 

しかし逆に、女尊男卑のご時世に生きる華の女子高生、多かれ少なかれその思考に染まった女子生徒は存在する、

そして何かと厳しくされる事を嫌う年頃でもある彼女達からすれば、太一の指摘は癪に障る事であった。

 

しかし言っている事は正論なので何も言い返せず、教師達の支持・・・特にこの学園に通う全ての生徒の憧れである千冬からの支持も有り、

太一への不満があっても強くは言えないでいて、女性が優遇されるこのご時世で、男である太一が教師から支持されている事から、

太一の事を嫌う生徒は多い。

 

この1年1組にもそんな生徒は存在する。

 

 

「たっ・・・太一ってその・・・随分・・・有名人・・なんだね・・・」

 

「シャルル・・・気を使わなくていい、俺自身重々承知している事だ」

 

「・・・一体何をしたの?」

 

「何も・・・只ISをもっと丁寧に扱えって言っただけだ」

 

「ほっ・・・本当に?」

 

「お前達、早く自己紹介を終わらせろ・・・八神はもういいのか?」

 

「言っても聞かないでしょ?と言うか聞きたくないでしょこれ?」

 

「まったく・・・八神に対し、不満を持つ者がいるのは知っている」

 

 

千冬の声に先程まで太一の転入にざわめいていた生徒達が一気に静かになった。

 

 

「だったら直接本人に言え、ネチネチと陰口を言い、陰で陰湿な行為をする輩等、私のクラスには要らん!」

 

「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」

 

(この反応・・・この空気・・・そうしようとしていやがったな・・・)

 

「取り敢えず自己紹介の続きだ、八神がもういいなら次、デュノア」

 

「はっ!はい!!」

 

 

千冬の声にビクつき、慌てて前に出て、自分を落ち着かせる為一度咳払いをして姿勢を整えるシャルル。

 

 

「フランスから来ました、シャルル・デュノアです」

 

 

太一の存在に目がいって気が付かなかったが、シャルルが前に出る事で、シャルルが太一と一夏と同じ男子生徒用の制服を着ている事に気付く生徒達。

 

それによって、太一の時とはまた違うどよめきが教室内に広がった。

 

 

「この国では不慣れな事も多いかと思いますが、皆さんよろしくお願いします」

 

「おっ・・・男?」

 

「はい、こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて、本国より転入を「きゃ・・・」はい?」

 

(あっ・・・やべ)

 

 

シャルルの容姿は金髪で中性的に整っており、かわいいともかっこいいとも取れる顔立ちであり、華奢に思えるくらいスマートだ。

 

その雰囲気から“貴公子”と印象付けられる。

 

そんな男子が転校して来たとなれば女子がとる行動は1つ・・・。

 

 

「「「「「「「「「「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」」」」」」」」」」

 

 

歓喜のままに叫ぶ事である・・・それはまさにソニックウェーブの如し。

 

そして、さすがベテランと言ったところか、千冬は耳を塞ぎ、ソニックウェーブを回避していた。

 

太一も耳を塞ごうとしたが、一瞬遅れてシャルル共々ソニックウェーブの餌食となり、耳が若干おかしくなる。

 

 

「男子!!ふた・・・とと、3人目の男子!!」

 

「もう1人は如何でもいいけど、うちのクラスに!!」

 

(おい・・・)

 

(太一・・・相棒として悲しくなって来たよ)

 

「織斑君とは逆に、守ってあげたくなる系の!!」

 

(あ~~~これ絶対隣とか他のクラスにも聞こえてるな)

 

 

太一は女子達の声の大きさにシャルルの事が他のクラスの女子達に知れ渡った事を予感する。

 

そして女子同士のネットワークで、HR終了後の休憩時間にはもう全生徒に知れ渡るだろう・・・。

 

 

「みっ・・・皆さんお静かに!まだ自己紹介が終ってませんから~~!」

 

 

麻耶の若干半泣きとも言える声に、かわいそうと思ったのかさっきまで騒いでいた女子達も静かになる。

 

 

(千冬姉さんから聞かされてはいたが・・・確かに尊敬されると言うより愛でられている感じだな・・・)

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

(ん?如何したんだボーデヴィッヒの奴、黙り込んで・・・)

 

 

腕を組み、ずっと黙り込むラウラ。

 

あんな事があったが、少し心配する太一。

 

 

「・・・挨拶をしろ、ラウラ」

 

「はい、教官」

 

ズルッ・・・・

 

(したくなかっただけか、指示を待ってただけかい!)

 

「ここではそう呼ぶな、もう私は教官ではないし、ここではお前も一般生徒だ、私の事は織斑先生と呼べ」

 

「了解しました」

 

(・・・全く分かっていない気がする)

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ!」

 

「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」

 

「・・・・・・・」

 

 

自分の名を告げ、それ以降黙るラウラ。

 

 

「・・・あの・・・以上・・・ですか?」

 

「以上だ!」

 

((((((((((えぇ~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!))))))))))

 

 

今まさにクラス全員の心が一つになった。

 

 

「おいおい・・・アイツこんなんで大丈夫か?」

 

「ははは・・・それについてはさっきので十分思えるけど・・・」

 

「まあな・・・」

 

 

ラウラに対しての不安と言うか、心配が太一とシャルルにはあった。

 

先程の太一との騒動と言動から見て、ラウラは骨の髄まで軍人である事を理解した太一とシャルル、

そんな彼女が、先程の太一との同じ騒動を起こす事よりも、一般人が多く通うこのIS学園で、軍人である彼女が馴染めるかどうか心配であった。

 

 

「でも・・・意外だな」

 

「何が?」

 

「さっきあんな事があったのに、そんなボーデヴィッヒさんの心配をするなんて・・・太一って優しいんだね」

 

「別に、只馴染めない・・・馴染もうとしないとなると、軍人のボーデヴィッヒは平気かもしれないが、

他の生徒達の方は堪ったもんじゃないと思うぞ」

 

「ははっ・・・だとしても太一は優しいと思うよ、あんな事言われて、その女の子達の事まで気にしているんだから」

 

「・・・勝手に思ってろ」

 

「うん、勝手に思ってる」

 

バシンッ!!

 

「「ん?」」

 

 

突如乾いた音が鳴り響き、会話に集中していた太一とシャルルは生徒と担任達より遅れて、音の鳴った方を見た。

 

 

「・・・・・・」

 

「いっ!いきなり何しやがる!!」

 

 

そこには頬を押さえて激怒する一夏と、その一夏を睨むラウラが居た。

 

様子からして、ラウラがいきなり一夏の頬を平手打ちした様だ。

 

 

「私は認めない・・・キサマがあの人の弟であるなど、認めるものか!!」

 

(成程・・・“アイツ”とは織斑の事か・・・原因は・・・おそらく“あれ”だろうな)

 

 

太一はラウラが一夏おも目の仇にしている理由に心当たりがあった。

 

第2回モンド・グロッソで、千冬は決勝まで勝ち進み、大会2連覇を成そうとしていた。

 

だがその裏で、彼女を応援にと開催地であるドイツに来た一夏が、何者かに誘拐される事件が起こり、

その事と一夏が監禁されている場所をドイツ軍より知らされた千冬は、決勝戦を棄権して一夏の救出に向かった。

 

それにより千冬は大会2連覇の偉業を達する事はできなかった。

 

人として見れば、千冬の行った事は素晴らしいものだ・・・しかし、彼女の力や名誉と名声しか見ない者からして、それは如何なのだろうか?

 

千冬の崇拝者は日本だけでなく、ラウラの様に世界中に存在しており、その多くが彼女の“力”と“名声”に惹かれた者だ。

 

だから当時は、そんな者達の非人道的な言葉が飛び交う事も多々あった。

 

 

(ボーデヴィッヒもそんな千冬姉さんの外面しか見ず、内面を理解しようともしない者の1人か・・・だとすれば、

“あれ”をボーデヴィッヒ知ったら、俺・・・元の理由は分からないけど、増々恨まれんじゃね?)

 

 

太一はひょっとしたら、増々彼女に恨まれるのではないかと思う出来事を思い出し、冷や汗を流すのであった。

 

 

「それにしても・・・教官の弟子だと呼ばれている方は、今の攻撃程度受け止めたのに、弟の方はダメだな」

 

「えっ?」

 

「げっ!?」

 

 

ラウラの言葉に太一は嫌な予感がした。

 

そしてラウラの言葉に女子達も喰い付いた。

 

 

「ねっ・・・ねえ、あの転校生の子、今教官の弟子って・・・」

 

「教官って織斑先生の事だよね・・・多分・・・」

 

「と言う事は、織斑先生に弟子がいるって事?」

 

 

自分達が憧れる千冬に弟子が居るかもしれない事にざわめく女子達。

 

 

(まずい・・・まだ恵姉の弟子と知られても、大した問題にはならないけど、千冬姉さんの弟子となると別だ、

何とかバレなければいいが・・・)

 

 

だがそんな太一の不安を他所に、超空気を読めないアイツが口を開く。

 

 

「八神!お前もこいつに平手打ちをされたのか?」

 

「バッ!?」

 

「「「「「「「「「「えぇ~~~~~~~~~~~~!?」」」」」」」」」」

 

 

一夏の放った言葉に女子達が震撼した。

 

そして一気に太一に視線が集中する。

 

 

「やっ・・・八神君が織斑先生の弟子?」

 

「一体如何言う事!?」

 

「太一・・・やっぱりそうだったんだ」

 

 

教室に入る前のラウラの言葉に、ひょっとしてと思っていたシャルルも、今の一夏の言葉に確信を得た。

 

 

「おぉ・・織斑先生本当なんですか!?八神君が織斑先生のお弟子さんと言うのは!?」

 

「はぁ・・・アイツのあの空気を読めないの、何とかならないものか・・・」

 

「ほっ・・・本当なんですね」

 

 

麻耶も太一が千冬の弟子である事を知らなかったのか困惑気味である。

 

 

「こんの~~~~バカ野郎が!!」

 

ブウンッ!!

 

バシーーーーーーーーーンッ!!

 

「ぐげっ!?」

 

 

太一は手に持っていたカバンを、一夏の顔面目掛けおもいっきり投げ、見事に命中。

 

一夏は潰された蛙の様な声を上げて倒れる。

 

 

「いっ・・・お前もいきなり何しやがる!!」

 

「バカかお前は!!お前の姉さんに弟子がいる事が如何言う意味なのか!!」

 

「えっ?」

 

「一夏さん・・・私も初めて聞かされた時も思いましたが・・・それは軽々しく言って良い事ではありませんわよ」

 

「一夏・・・お前は自分の姉が何なのか理解しているか?」

 

「えっ?千冬姉は・・・千冬姉だろ?」

 

 

一夏が本当に気が付いていない事に太一は大きくため息をついた。

 

 

「いいか織斑、お前の姉さんは世間から見れば「最強のIS使い」「ブリュンヒルデ」「IS使いの憧れ」と言うのは分かるよな?」

 

「あぁ・・・だから?」

 

「ふぅ・・・そんな人に弟子が居るなんて知られてみろ、織斑先生が自分の後継者、次代のブリュンヒルデを育てていると世間が騒ぎだすぞ!!」

 

 

今の千冬はIS学園の教師だが、嘗ての名誉や通り名は健在で、世間にも大きく影響を与えるものだ。

 

そんな彼女が弟子を持っていると知れれば、世間は彼女と、その弟子に注目するであろう。

 

 

「でも・・・お前は男だろ?ブリュンヒルデって・・・最強の女性に与える称号じゃないのか?」

 

「だからそこも問題なんだよ・・・“織斑千冬の弟子=ISの扱いを教えられている”って構図ができているから」

 

 

一夏の存在が公表されてからも、ISは女性にしか扱えないと言う常識が当たり前。

 

そして世間で千冬は、ISの魅力を世に広め、女尊男卑の開拓者となっている。

 

だから千冬が男を弟子に持っている事は、世に波紋を与える事になるのだ。

 

 

「はぁ・・・まったく、いいかお前達!確かに私と彼は師弟関係にあるが、それはISが世に発表される前からだ」

 

「・・・大体俺が幼稚園児位の時ですね」

 

「そして一度師となったいじょう、私はこいつを鍛える義務がある・・・故に今も師と弟子との関係だ」

 

 

千冬の言葉に皆が静まり返った。

 

そして彼女の性格上、そして皆が持つ憧れからか、一度師となったいじょう途中で放棄する事も無いし、

してほしくないと思う様になったのだ。

 

 

「よし・・・八神、デュノアの面倒を見てやれ、同じ・・・男子だからな」

 

「・・・あの織斑先生、だったら織斑の方がよくないですか?」

 

「・・・ちょっと来い」

 

 

そう言い千冬は太一を教室の隅に連れて行った。

 

 

Side・千冬

 

「如何言うつもりですか?」

 

「すまないとは思っている・・・」

 

「だったら・・・」

 

「だが・・・何時までも引きずる訳にはいかんだろう・・・あの子の死を」

 

「っ!?」

 

 

太一君にとってとても辛い事だとは分かっている・・・しかし、これは恵と相談して決めての事だ。

 

あの時・・・太一君にシャルル・デュノアの事を話そうかと恵と相談し、何も思い浮かばず別れた後・・・恵から連絡があって。

 

 

『千冬・・・こうなったら、アイツと太一をとことん接触させよう』

 

『だが恵それでは・・・』

 

『分かっているよ・・・だが、太一も何時までもあの子の死を引きずる訳にもいかない』

 

『そうだが・・・それは私も思うが・・・』

 

『それに・・・あの子も、自分の死で何時までも苦しんでいる太一など望まない』

 

『・・・分かった・・・明日言い出せるか分からないが、太一君に彼女の面倒を見る様に伝えよう・・・』

 

『そうだな・・・その方が、“部屋”的にも都合が良いし』

 

『そろそろ・・・あの弱点も何とかしないといけないしな』

 

『じゃあ頼むぜ・・・今度何か奢る』

 

『嫌な役はすべて私だな・・・別にいいがな』

 

 

と言う事があったが・・・本当は前日か校門前で会った時に言おうかと思ったが、結局言えず、

会わせる前も濁す様な感じになってしまった。

 

だが・・・太一君がデュノアと会話をしている時、明らかに何かを押し殺し、無理をしている様子だった。

 

それを見て・・・私は腹を括った。

 

 

「君には辛いと思う・・・しかし、今の君を見て、あの子は如何思うか・・・」

 

「・・・・・・」

 

「さっきも言ったが、後で恵と一緒に罵倒でも何でも聞いてやる・・・今は・・・大人しく言う事を聞いてくれ」

 

「・・・分かりました・・・千冬姉さんと恵姉の既望通りになるかは分からないけど・・・」

 

「そこは無理しなくていい・・・ゆっくりでいいんだからな」

 

「・・・はい」

 

 

最も・・・無理を言っているのは・・・私達なんだがな。

 

 

「ではHRを終了する!今日は2組と合同で模擬戦を行う!全員速やかに着替えて第2グラウンドに集合!」

 

 

さて・・・太一君、早速君の苦手な事態になったぞ・・・。

 

 

Side・太一

 

早速ISの実習か・・・気合を入れないとな・・・色んな意味で。

 

 

「太一、如何したの?」

 

「シャルルか・・・いや、何でも無いよ・・・それより更衣室の場所知らないだろ?案内してやるから来いよ」

 

「うん」

 

 

さて・・・案内するのは良いが、こいつ如何するんだ?

 

まあ俺が気を利かせて離れて着替えればいいが・・・。

 

 

「おい八神、IS学園に入るなら入るって昨日言ってくれよ」

 

 

この超絶空気を読めないバカを如何するかだな・・・。

 

 

「それに昨日あの後大変だったんだぞ」

 

「そうだろうな・・・でも、ここでその事を話していたら、後で俺達が大変な目に合うぞ」

 

「うっ・・・そうだな、でも後で色々と言わせてもらうからな」

 

「あぁ・・・ちょっと待て、一応予防策及び突貫用意をしておく・・・」

 

「「は?」」

 

 

シャルルと織斑は俺の言っている意味が分からないのか首を傾げた。

 

よし・・・これで授業には遅れる事はないし、万が一遅れても大丈夫だ。

 

 

「じゃあ行くか」

 

「うん」

 

「急がないとな・・・千冬姉は一秒の遅れも許さない」

 

「それは知っているが・・・織斑、せめて学園の敷地内にいる時だけでも、織斑先生と呼ぶ様に癖をつけとかないとヤバいぞ」

 

「お前だって、この間千冬姉の事、千冬姉さんとか言ってたじゃないか」

 

「あの時は、織斑先生は教師としてでなく、俺もISの整備員としてでなく、ある種個人に関係する話しをしていたから良いの、

お前だってあの時は千冬姉って言っても怒られなかっただろ?」

 

「それは・・・そうだけど・・・」

 

「社会に中に出たら、知り合い同士でも呼び方を変えないといけない事が多々あるから、今の内に練習しておけ、

まあ俺も時々ミスるけど・・・」

 

 

主に恵姉の弄りに対するツッコミでだが・・・。

 

だがあの人自身は・・・仕事もプライベートも関係無いがな。

 

 

「って!そんな暇ないって!急がないと「あっ!見て!織斑君よ!!」「噂の転校生まで居る!!余計なのもいるけど・・・」遅かった・・・」

 

「えっ?何?」

 

「俺は余計かい・・・良いけどさ」

 

 

シャルルは突然の事に戸惑っているな・・・当然か・・・。

 

俺達の目の前には、同級生だけでなく、2年3年と上学年の先輩方が、廊下を埋め尽くさんばかりに集まっていた・・・もちろん全員が女子。

 

女子高故出会いが無いから学園での出会いを諦めていた女生徒達だが、今年は織斑と言う異例が来て、

出会いを諦めていた生徒達が少しでも関係を持とうと迫って来た。

 

そして今日はシャルル・・・本当は女なのにな・・・。

 

誰が言ったか分からぬ、フランスから来たブランド貴公子(ジェントル)が居るからないつも以上の喰い付きだろう。

 

・・・俺は玩具について来るオマケ以下の扱いだが・・・まあいい。

 

ここで掴まったら遅刻は確定・・・この事態は織斑も予想していたが数が尋常ではない。

 

ブランド貴公子の肩書は凄いな・・・。

 

まっ・・・こっちもこっちで準備はしているが。

 

 

「織斑・・・ここは俺に任せろ」

 

「えっ?でも・・・」

 

「俺に策がある・・・」

 

 

そう言って俺はシャルルと一夏の前に出て、同級生と先輩方に正面から向き合った。

 

 

「皆さんのお気持ちは分かりますが、俺達は次の授業の準備の為に更衣室に行かなければならないので、

出来れば道を開けてはいただけないでしょうか?授業の後でしたら何時でもお貸ししますので・・・」

 

「おい!俺達は物か!?」

 

「?」

 

 

何時もの俺では考えられない程、丁寧で下手に出た、それでいて違和感を感じさせない口調で交渉に出た。

 

もっとも・・・俺は交渉するつもりはないがな・・・ある言葉を引き出す為の餌だ・・・。

 

 

「じゃあアナタだけいけばいいじゃない!私達が用があるのは後ろの2人なんだから!」

 

「それは分かっています・・・しかし、今日初めてIS学園に来たシャルルの面倒を、俺が見るように言われましたので、

そのシャルルを転校初日最初の授業に遅れさせたら、俺が怒られてしまいます」

 

「じゃあ私達がそのシャルル君の面倒を見るから、アナタだけとっとと行っちゃいなさいよ」

 

 

何時もと違って、俺がした手に出ているから、皆調子に乗って来たな・・・もう少しか。

 

 

「でもそうなると、シャルルが次の授業に遅れてしまいます」

 

「知ったこっちゃないわよ!!」

 

「「「「「「「「「「そうよそうよ!!」」」」」」」」」」

 

 

掛かった!!

 

 

「・・・それはつまり、皆さんの欲求が満たされるのであれば、授業に遅れても良いと?そう仰ると?」

 

「「「「「「「「「「その通り!」」」」」」」」」」

 

「多少の遅刻位、先生達も認めてくださるはずだしね~」

 

「あの!私とお友達・・・付き合ってくれませんか!?」

 

「あっ!ずるい!!私ともぜひ!!」

 

「「「「「私も!!私も!!」」」」」

 

「な~~~る・・・だ、そうですよ・・・お・り・む・ら・せ・ん・せ・い♪」

 

「「「「「「「「「「・・・・・・・えっ?」」」」」」」」」」

 

 

俺の言葉に全員が凍り付いた。

 

そして俺は手に持っていた携帯を翳し、全員に聞こえる様にした、そして携帯の向こうから、鬼の声がした・・・。

 

 

『成程・・・私達の授業はそんなに如何でもいいと言う事か』

 

「おっ・・・織斑先生・・・いやっ!これは!!」

 

『全員の声は覚えた・・・さっさと教室に戻れバカ者共!!後で呼び出してみっちり説教だ!!』

 

「「「「「「「「「「そっ・・・そんなあ~~~~」」」」」」」」」」

 

『そしてさっさと道を開けてやれ!!3人共遅刻したら、お前達全員に大量の宿題を出す!!一秒遅れる毎に更に増やす!!』

 

「え~~~じゃあ遅れていこっかな~~~」

 

『八神・・・その場合お前にも似た様な罰を与えるので覚悟する様に』

 

「了解しました!!行くぞシャルル!!織斑!!道は開けた!!先生のありがたい授業に遅れてはならない!!」

 

ズバシュウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!

 

「ふええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

「早っ!?ってか俺を置いて行くな!!」

 

 

俺はシャルルの手を握り・・・うっ・・・平常心平常心・・・。

 

女子生徒達の間を猛ダッシュで駆けて行き、更衣室を目指した。

 

織斑?何とかなるだろ。

 

そして2分後・・・第2グラウンドに最も近いアリーナの更衣室にて・・・。

 

 

「よし・・・これなら間に合うな」

 

「と言うか太一・・・あれだけ走って、汗かくどころか、息すら乱れてないなんて・・・どんな体力してるの?」

 

「あの程度、運動の“う”の字にもならないよ」

 

「そっ・・・そうなんだ・・・」

 

「はあ・・・はあ・・・まっ・・・間に合った・・・」

 

「おっ?遅かったな織斑」

 

「と言うか・・・早すぎ・・・そして俺を置いて行くな!」

 

「置いて行ったわけではない・・・遅れるお前が悪い!もしくは俺より足が遅いお前が悪い!」

 

「この野郎・・・」

 

「まあまあ・・・そう言えば、まだちゃんと挨拶してなかったね、僕はシャルル・デュノア、君は・・・織斑一夏君だね?」

 

「あぁ・・・俺の事は一夏でいいぜ」

 

「じゃあ僕もシャルルでいいよ・・・それより・・・さっきなんで皆あんなに騒いでいたの?」

 

「当然だろ・・・転校生ってだけでも興味持たれるのに、お前はISを動かせる2人目の男子何だから」

 

「あっ・・・そっか」

 

 

まぁ・・・コイツが気付かないのは無理もないか・・・何せ自分は本当は女で、ISを動かせるのが当たり前で、

ISを動かせる男の意外性を実感できないでいるんだからな。

 

 

「でも・・・それなら太一も・・・」

 

「はっはっはっ!俺は嫌われているから問題無し!!」

 

「「いやいや!問題あるでしょ(だろ)!」」

 

「良いんだよ・・・その方が俺にとっても都合良いし・・・」

 

「何でも無い、じゃあさっさと着替えて行こうぜ」

 

 

と言っても・・・コイツ如何するんだ?

 

まさか俺達の目の前で着替える訳ないが・・・俺達もそうだコイツの目の前で着替える訳にはいかない・・・。

 

俺はまだ何とかなる・・・しかし、織斑の奴は・・・。

 

 

「そうだな、早く行かないと千冬姉に何言われるか・・・」

 

「えっ?わわっ!いっ・・・一夏!?」

 

 

うわ~~~・・・シャルルが女だと知っている俺から視点だと、織斑の奴が女性の前でいきなり服を脱ぐ変態の様に見える・・・。

 

まぁ、織斑は知らないから仕方ないけど・・・これはな・・・。

 

 

「ん?如何したんだシャルル?」

 

「あの・・・その・・・あっち向いて・・・ね?」

 

「はっ?いや・・・別にジロジロ見て着替える気は無いけど・・・何で?」

 

「いや・・・その・・・」

 

 

よしっ!今がチャンスだな。

 

 

「分かった・・・俺達は向こうで着替えるよ」

 

「えっ?八神まで如何した?それに・・・俺達って?」

 

「俺とお前に決まってんだろ?早く来い」

 

「えっ!?何で!?」

 

「着替えているところを見られたくない・・・体にコンプレックスか何かがあるんだろ?」

 

「えっ?」

 

「俺はそんなの気にしないぞ」

 

「お前が気にしなくても、本人が気にするだろうが・・・慣れ親しんで知っている親友ならまだしも、会って間もない奴に、

コンプレックスを見られ知られるのがどれだけ恥ずかしくて嫌か考えてみろ」

 

「おっ・・・おぉ・・・すまないシャルル」

 

「うっ・・・ううん、気にしないで一夏・・・」

 

「でもいつか一緒に着替えようぜ!」

 

「えっ!?」

 

 

これはまた・・・ひょっとして織斑にはそっち系の・・・。

 

篠ノ之達のアプローチに気付かないのは、実はフリで、女に興味が無いからか!?

 

 

「ん?おい・・・如何した八神」

 

「織斑・・・お姉さんには黙っておくから・・・後、俺はそっちの気は無いから・・・」

 

「はっ?」

 

 

ちっ・・・気付かねえか・・・面白くない。

 

だが・・・“アイツ”に連絡しておくか・・・面白くなりそうだし。

 

シャルルから離れた後、織斑と着替えていたが・・・やはり会話が男同士でしかしない様な会話にしかしなかった。

 

中には女子の前ではしてはならない様なギリギリなラインの単語まで出てきた・・・。

 

 

「本当・・・知らないって罪だよね」

 

「何か言ったか?」

 

「なんも・・・それより早く着替えろよ」

 

「お前が早いんだよ」

 

「それさっきも聞いた・・・と言うか、お前ISスーツ制服の下に着込んでないんだな」

 

「えっ?制服の下に着込んで良いのこれ?」

 

「着込んじゃいけないって決まりは無い筈だぜ・・・」

 

「でも俺・・・あまり着込むのって好きじゃないんだよな」

 

「なら良いんじゃね?それで遅刻しそうな事が多かったら我慢して着込むようにすればいいだけの話だ」

 

「太一~~~準備できた?」

 

「おう、こっちはもう準備できているぜ」

 

 

俺達は第2グランドへと向かった・・・さあ・・・悪夢の時間だ・・・俺限定で・・・。

 

 

Side・三人称

 

第2グランドでは1組と2組によるISの合同実習が行われていた。

 

太一達は1秒たりとも遅れる事無く間に合い、御咎め無しで実習に参加していた。

 

千冬が今日の実習内容を説明する中、セシリアがHR時のラウラとのイザコザから、一夏にどの様な関係かと問いかけていた。

 

それに自身もよく分からないと返答するも、セシリアは納得いかない表情だ。

 

そこに鈴も加わり、セシリアと共に一夏に棘のある言葉をぶつける。

 

 

「こちらの一夏さん、今日来た転校生の女子にはたかれましたの・・・後、八神さんにもカバンを思いっきりぶつけられてましてたわね」

 

「はあ!?アンタまたバカな事やらかしたんじゃないの?」

 

「女子の方は分かりませんが・・・八神さんに対しては仕方がないですわ」

 

「何言ったのよ?」

 

「・・・・・・八神さんが、織斑先生のお弟子さんである事を確信させる事を・・・」

 

「はあ!?アンタ本当にバカね!!何世界的大スキャンダル的な事暴露してんのよ!!」

 

「安心しろ・・・そのバカにも劣らないバカが2人、私の目の前にいる」

 

「「あっ・・・」」

 

バキッ!!ガスッ!!

 

 

バカ2人は千冬の出席簿の餌食となった・・・。

 

 

(相変わらず出席簿で叩いて出る音じゃないよな・・・まあ、拳骨の方が痛いけど・・・)

 

 

その拳骨を幾度となく頭部に受けた太一(おそらく一夏より多い)だからこそ分かる、生徒達に対する千冬の手心に涙が出そうであった。

 

 

「くぅ・・・何かにつけて人の頭を・・・」

 

(折角治ったのにな・・・可哀想に・・・だが血は出てないからちゃんと手加減されているぞ・・・と言うか授業中に大声出して騒ぐな、

其処は弁護出来ん)

 

「ううう・・・一夏のせい、一夏のせい・・・!」

 

「俺のせいかよ!」

 

(それには俺も同意だ織斑・・・しかしそう思われたくないなら、旗の不法建築はもう止めろ・・・被害者が増えてかなわん)

 

 

心の中で同情しつつも、しっかりツッコミも入れる太一。

 

そんな太一に、シャルルがずっと気になっていた事を聞きに来た。

 

 

「ねえ・・・太一」

 

「何だ?」

 

「さっき・・・と言うかグラウンドに来てから如何してずっと目を瞑ってるの?」

 

「・・・・・・・・・」

 

 

太一はグラウンドに入ってからずっと目を瞑っていた。

 

時折薄らと目を開けながら移動したりはしていたが、静止している時は常に目を瞑った状態である。

 

 

「・・・・・・直射日光が眩しくて・・・」

 

「今曇り空だよ」

 

「花粉や砂埃が目に染みて・・・」

 

「風も吹いていないし、天気予報でこの地区で花粉の心配は無いって言ってたよ」

 

「・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・他に言う事ある?」

 

「・・・早く実習始めないかな?」

 

「事欠いて話題をずらしたね」

 

 

頑なに目を開けようとしないどころか、理由すら話そうとしない太一に、シャルルは若干不機嫌そうになる。

 

 

「デュノア・・・今八神の目を開けさせるな」

 

「えっ?如何してですか?織斑先生」

 

「今そいつが目を開けられると、私がひっじょーーーーーーに困るからだ」

 

「へっ?」

 

「目の毒と言う言葉があるが・・・そいつの場合は全身の毒ってところか?」

 

「そこまで言う事ないでしょう?」

 

 

千冬の言い様に、彼女がいる位置を向いて抗議する太一。

 

声だけで相手の位置を把握できる事に、さすがと感心する千冬。

 

 

「なら目を開けてみるか?開けさせようか?」

 

「さて!織斑先生、早くISの実習の方を始めましょう!僕達はその為にこの学園に来たのですから!!」

 

「うむ・・・やる気が大いに有る生徒は、先生大歓迎だぞ」

 

 

この様なやりとりは彼等の中では日常的なのだろうか?

 

普段では見られない千冬の一面的な物を目撃して殆どの生徒が呆然としていた。

 

 

「だが・・・目を瞑っていて、これから何をするのかは分かっているのか?」

 

「はい、専用機持ちのオルコットと凰による戦闘の実演です(後織斑を餌にしてやる気を起こさせていたな)」

 

「うむ・・・ちゃんと聞いてはいた様だな・・・だが、こいつ等の対戦相手は「あああああああああっ!!」って何!?」

 

「この声は・・・山田先生?それと何かが落ちてくるような・・・いぃ!?」

 

 

突如聞こえた麻耶の悲鳴とも聞こえる声と、何かが落下してくる音のする方を見ようと目を開けると・・・。

 

 

「どっ・・・どいてくださ~~~~~~~い!!」

 

「えっ!?ちょっ!!まっ・・・!!」

 

 

ラファール・リヴァイヴを纏い、バランスを崩し、太一目掛け落下してくる麻耶の姿があった。

 

 

「ちっ!」

 

ドガシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!

 

 

そして2人は激しく激突した。

 

 

「太一!!」

 

「大丈夫だデュノア、当たる直前ISを展開している」

 

 

衝突した時の衝撃で舞い上がった砂煙がはれ、零式を纏った太一の姿が確認できた。

 

 

「あれが・・・八神君のIS?」

 

「て言うか・・・専用機持ちだったの!?」

 

 

太一が専用機を持っている事を知らない女子達は驚愕していた。

 

 

「あれが奴の・・・大した事はなさそうだな」

 

 

ラウラは今だ敵意の目で太一を見て、零式を見定めていた。

 

 

「変わったISだな・・・普通のISより一回りも二回りも小さく・・・スマートな感じで・・・織斑先生、

太一のISの名前は何て言うんですか?」

 

「・・・零式・・・八神はゼロと呼んでいる」

 

「れい・・・しき・・・」

 

 

シャルルはシャルルで、零式を興味深げに観察していた。

 

 

「あっ・・・ぶなかった・・・」

 

 

本来なら避けられるのだが、それでは麻耶が怪我をし、グラウンドに大きなクレーターが出来てしまうのを防ぐ為、あえて受け止めた。

 

しかし・・・それが太一の不幸の始まりでもあった。

 

 

ふみゅ・・・

 

(えっ?何この左手から脳髄にまで伝わる、マシュマロの様な柔らかい感触は・・・俺が今支えているのは山田先生、

となると・・・俺の手は確実に山田先生の体の何処かに触れている事になって・・・そしてこんな柔らかい感触がする箇所と言えば・・・)

 

 

太一は今自分が触れている箇所について、とてつもなく良いよか・・ゲフンゲフン!悪い予感がして、

冷や汗が止まらず・・・現実から目を逸らしたい心境に陥った。

 

しかしこのままでいる訳にもいかず、意を決して現実を見る事にした。

 

 

「あっ・・・あの・・・八神君・・・その、困ります・・・こんな場所で・・・その・・・」

 

(おっ・・・おぉ・・・No~~~~)

 

 

予想通りと言うか、お約束通り、太一の左手は麻耶の豊満な双山の片方を鷲掴みにしていた。

 

 

(何でだ~~~!!普通こう言うT〇L〇VE〇的展開って、ラッキースケベで無法建築士の織斑の役目だろうが!!

って言うか山田先生も何で胸に装甲付けてないの!?そう言えばISって何で胸部装甲無いのが多いの!!

オルコットのブルー・ティアーズに凰の甲龍の専用機もそうだけど量産機の打鉄にラファールも何で!?

これISよ?兵器よ?何で心臓守る為の装甲が無いの!?シールドバリアーがあるとは言え、貫けたら危ないよ!?

制作者の意志?それとも世間の声?そんな物より人命第一だろうが!!ってか何で俺今銀〇口調!?)

 

 

もはやテンパりまくって、自分のキャラを見失った太一。

 

そしてここから更に太一の身に異常が起きる。

 

 

「あっ・・・あががっ・・・」

 

 

顔がどんどん赤くなっていき、動きが油の切れたロボットの様にガッチガチとなり、声も出せなくなってきた。

 

 

「おい八神!何時までそうしている気だ!!」

 

「おっ・・・おひひゅひゃ・・・ひぇん・・・ひぇ・・・いっ!?」

 

「・・・あっ・・・」

 

 

千冬の声に反応し、千冬の方を向く太一。

 

そんな太一の目に映るは水着と大差ないISスーツを着た女子達の姿。

 

千冬も太一の今の状態と、自分の後ろに女子達が集まっていた事に気付き、しまったと言った表情をした。

 

 

「あっ・・・あぁあ・・・・」

 

 

太一の顔は完全に真っ赤っか・・・頭から湯気まで出てきた。

 

そして・・・。

 

 

ボオオオォォォォンッ!!

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

 

太一の頭が爆発した・・・様に見えた。

 

そしてそのまま倒れる太一。

 

 

「八神!!」

 

「えっ!?如何したの太一!?」

 

 

倒れた太一の方に駆け寄る千冬とシャルル。

 

太一に触れると、石の様に固くなっていた。

 

 

「あっ・・・あの織斑先生・・・八神君如何したんですか!?」

 

「・・・はぁ・・・完全に固まってしまったか」

 

「あの・・・織斑先生、状況がつかめないのですが・・・」

 

「実習が始まれば大丈夫かと思ったが・・・まさかこうも早く・・・」

 

 

その様子に、一夏を始め他の女子達も駆け寄って来た。

 

 

「こうなっては仕方ない・・・実はコイツ、超が付く初心で女が苦手なんだ」

 

「・・・・・・えっ?」

 

「・・・・・・はっ?」

 

「「「「「「「「「「えぇ~~~~~~~~~」」」」」」」」」」

 

 

普段強気で色々と指摘してきて反論に正論で返してきた太一が女が苦手?

 

千冬の言葉に誰しもが疑問を持った。

 

 

「普段は極力目を合わせないや仕事と割り切っている時等は大丈夫だが・・・肌に触れる、肌を見るなんて事をしたらこうなる」

 

コン・・・コン・・・

 

「そう言えば・・・今まであまり目を合わせないで色々と言われていたな・・・」

 

「そうですわね・・・」

 

「意外と言うか何と言うか・・・」

 

「慣れ親しんだ女性相手なら兎も角・・・一時期は会話をするだけで赤面するほど駄目だったからな、

私と織田主任の訓練で何とかマシになったが・・・それでも女性の水着写真を見せただけでも気を失う事もある」

 

「あの・・・因みに今日の・・・胸を触った場合は如何なるんですか?」

 

「・・・全身が硬直して石の様に固くなっている・・・今まで通りだな」

 

「今までって・・・今まで何回か女性の胸を触ったんですか!?」

 

「いや・・・織田主任がからかい半分で・・・」

 

((((あの人ならしそうだな・・・))))

 

 

実はそれだけでは無い事を・・・この時誰も知るよしもなかった。

 

 

「だからこんな時の対処法は知っているが・・・おい、エックス・・・聞こえるか?私が許可するから応えろ」

 

『何?千冬さん』

 

「えっ?織斑先生・・・今の声は?」

 

「八神のIS・・・零式の意志のエックスだ、気にするな」

 

「えぇっ!?」

 

「コイツの事は後で八神にでも聞け・・・さてエックス、お前は八神の指示でシールドバリアーを張る位置とタイミングを操作していたな?」

 

『うん』

 

「ではその他のシステムを操作し、作動させる事も出来るか?」

 

『うん、出来るよ』

 

「確か零式には電気ショックが搭載されていた筈だ・・・最大レベルでやってくれ」

 

『分かった』

 

「ちょっと織斑先生!!電気ショックって!?」

 

「装着時に何らかのトラブルで操縦者が気を失った時の為の緊急処置システムだ」

 

「分かってますけど!!でもそれで最大レベルって危険じゃないですか!!エックスもマスターにそんな事していいの!?」

 

「『大丈夫、電気ショック位で八神(太一)は死にはしない』」

 

「何所からくるのその自信!?」

 

 

転校してくる以前のシャルルの生活は不明だが、1日でこれ程までツッコミを入れたのは人生で初めてであろう。

 

そして人類初のISにツッコミを入れた人として・・・我々の心の中だけで称えよう。

 

 

「では頼む」

 

『いっくよ~~~』

 

バチバチバチバチッ!!

 

「あびょげびゃびょびょびばぶべぎょ!!」

 

 

それは普通の医療で使われるような電気ショックではなく・・・漫画の電気ショックであった・・・。

 

例えるなら・・・某人気ゲームの電気ネズミの放電を喰らっている様な・・・時折薄ら骨が見える・・・。

 

 

「太一いいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!」

 

「もういいぞエックス」

 

『分かった』

 

バチッ・・・バチチッ・・・・・・・

 

「がっ・・・・かはっ・・・・・・」

 

「ほら・・・生きているだろ?」

 

「もう・・・何も言いません・・・」

 

 

もはや色々と諦めたシャルル君・・・何時か良い事あるさ・・・。

 

 

「しかし目を覚まさなかったな」

 

『言われた通り最大レベルでやったよ』

 

((((((((((いやいやいや・・・絶対途中で目が覚めているけど、また気を失って・・・また目を覚ましてそして気を失ってを繰り返したんだと思う))))))))))

 

「太一って・・・本当は可哀想な人なのかも・・・」

 

 

今まで太一の事を毛嫌いして来た女子達も、この時ばかりは同情した。

 

 

「仕方ない・・・いつも通りにいくか・・・エックス、頭部ユニットだけ消してくれるかな?」

 

『良いよ・・・はい』

 

 

エックスがそう言うと零式の頭部のユニットが消え、太一の表情がよく見える様になった。

 

そして千冬は太一の顔にそっと手を添え・・・。

 

 

スパンッ!!

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

「起きろ」

 

ズパンッ!!

 

「起きろと言っている」

 

ズバチーーーンッ!!

 

「ぶっ・・・」

 

「さっさと起きろ」

 

パパパパパパパパアーーーーーーーンッ!!

 

「あわわわわわわわわわ・・・・・・・」

 

 

千冬は気絶している太一の頬を容赦なく、何度も何度も静かな口調で平手打ちを繰り出す。

 

 

((((((((((むっ・・・酷い・・・))))))))))

 

(あれって只の拷問じゃ・・・)

 

(先程の私達への体罰がかわいく見えますわ・・・)

 

(八神って・・・いつもこんな目に合っているのか?)

 

(・・・千冬姉・・・俺にはあんな事してくれなかったのに・・・)

 

(・・・教官・・・おのれ八神太一!!)

 

 

その光景を見て、各々思った事を心の中で呟いた。

 

 

「何だか・・・後半2人の心の声がちょっとズレている様な・・・」

 

 

気にしないでください・・・後、他人の心を読まないでください。

 

アナタはオールドタイプ(普通人)なんですから。

 

 

「起きろバカ弟子が」

 

ズパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパンッ!!

 

「ぶっ・・ぐっ・・・・・びゅ・・・・げっ・・・」

 

「あっ・・・あの・・・織斑先生・・・太一・・・目を覚ましているんじゃ?」

 

「何?」

 

「・・・・・・・・」

 

ぐて~~~~ん・・・・・・

 

「デュノア・・・目を覚ましてないではないか」

 

「えぇ~~~~~~~~~~~~!?」

 

「ひっ・・・酷い・・・」

 

「あれって途中何度かは目を覚ましているわね・・・」

 

「目を覚ましては気を失い・・・目を覚ましては気を失い・・・」

 

「それを何度も何度も繰り返しているんだろうな・・・さっきの電気ショックみたいに」

 

「八神・・・千冬姉の本気のビンタを受けるなんて・・・それでも大丈夫だって信頼されているんだな・・・」

 

「「「・・・えっ?受けたいの(ですの)?あれを?」」」

 

「痛いのは嫌だけど・・・なんかな・・・複雑な心境だ・・・」

 

((((((((((・・・このシスコン))))))))))

 

「いい加減起きろ!!」

 

ズババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババババッ!!

 

「教官にあれ程までに頬に触れてくれるとは・・・おのれ八神太一いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!」

 

「「「「「「「「「「アンタ(アナタ)も何言っているの(ですか)!?」」」」」」」」」」

 

 

シスコンと崇拝者の発言に場は更に混沌へと陥る中、千冬の起床方法であるビンタは勢いが止む様子は無かった。

 

 

「もう止めてあげてください織斑先生!!」

 

「太一のライフはもう0です!!」

 

『・・・今更だけど、ゼロを纏った2回目がこんなんだなんて・・・かっこわる~~~』

 

「ぐっ・・・ぎょっ・・・・じゅっ・・・ぎゃっ・・・ごっ・・(もう・・・だず・・・げで・・・)」

 

 

To be Continued

 

 




と言う事で太一の弱点は女性とのある種でスキンシップでした!!

これしか思いつかなかった・・・。

次回は太一と一夏と戦わせようかと思いますが、デジマギの次の話を書こうと思うので、
少しデジストの更新は止まると思います。
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