DIGIMON・STRATOS   作:龍気

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皆さんお待ちかねええええええええええええええええ!!

えっ?そんなに待ってない?そうですよね・・・。

かなりお久し振りです。

リアルが忙しかったりと色々とあって更新が遅れてしまいました。

前回の後書きでも書いていた通り、デジマギも書いていたのですが、先月から放送を開始したIS2期を見ていて気晴らしに書いていたデジストの方が先にできてしまったと言う始末。

しかも終わりが中途半端。

多分勢いに任せて次もデジストの更新になるかと思われます・・・デジマギの更新を待っていた皆様には本当に申し訳ありません。




第11話『世界初のIS戦開始』

Side・太一

 

「うぅ・・・ここは?」

 

 

記憶の最後にある曇り空と違って太陽が見える・・・。

 

この感じ久し振り・・・って訳でも無いな、ついこの間も、その前も、その前の前も、更にその前の前の前も・・・ず~~~~っと前から、

どちらかの師匠、もしくは両方から気絶させられてきたな。

 

 

「あっ!気が付いた?」

 

 

そんな嘆く俺をのぞく顔が・・・それはまるで・・・。

 

 

「・・・女性は苦手だけど、気持ち的に男じゃなく女性の天使にお迎えに来てもらいたかったな」

 

「!?//////////////・・・冗談が言えるなら・・・・大丈夫だね」

 

「ツッコミありがとうシャルル」

 

 

自分で言ってクサいなと思ったよ・・・。

 

しかしやっぱり隠していても実は女の子・・・少し嬉しそうだ・・・。

 

でも・・・素で今天使ってこんな顔なのかなって思ったよ・・・男としてでなく、ちゃんと女の子として来ていたならあんな事言わねえな。

 

 

「どれくらい気を失ってた?」

 

「5分ほど、今オルコットさんと2組の凰さんのタッグと山田先生が模擬戦を行うとこだよ」

 

 

5分か・・・思ったより短いな。

 

両頬に痛みはまだ残って、若干腫れている・・・あっ、顎も外れそうだ。

 

 

「ふん!」

 

ゴキンッ!!

 

「!?」

 

 

よしっ!上手くハマった、若干シャルルが引いている様な気もするが、気のせいじゃないな。

 

 

「ところで山田先生と2対1の模擬戦って、織斑先生がやれって言ったのか?」

 

「うん・・・最初は2人共、先生相手でも2対1って事に乗り気じゃなかったんだけど、織斑先生が一言言った途端、2人とも急にやる気になって」

 

「何て?」

 

「それが・・・「安心しろ、今のお前達ならすぐ負ける」って」

 

「あ~・・・そりゃあねぇ・・・織斑先生もなんちゅう事を言うんだ・・・」

 

 

我が師匠の物言いに思わず頭を抱える俺。

 

あの2人の性格ならそう言えばカチンと来て、まぁ模擬戦で手を抜くなんて事は無くなるが・・・。

 

 

「そうだよね・・・いくらIS学園の教師が相手でも、専用機持ちの代表候補生2人を相手にして負けるだなんて・・・」

 

「あ~~シャルル、そう言う意味じゃなくて、ドストレートに本当の事言うあの豪快さと言うか違う意味で素直と言うか、

そう言う物言いにさ・・・もっとオブラートを十重百重に包めないものかねえって、嘆いていただけだよ」

 

「え?」

 

「そろそろ始まるようだし、行こうぜ」

 

「ちょ・・・太一!今の如何言う事?」

 

「・・・1+1は必ずしも2じゃないって事だ、特に今のあの2人じゃあな」

 

 

正直言うと、9:1でオルコットと凰は負けると思う、残りの1はあの2人しだいだ。

 

 

Side・シャルル

 

1+1は2じゃないって、如何言う事だろう?

 

オルコットさんと凰さんの戦闘は見た事ないけど、代表候補生に選ばれているならそれなりに強い筈。

 

でも太一はまるで織斑先生の言った通りになるって、自信を持って言ってる。

 

織斑先生のお弟子さんだけあって、やっぱり織斑先生が言った事は絶対なのかな?

 

それとも・・・。

 

 

「あっ!ちふ・・・織斑先生、八神が起きたみたいです」

 

「起きたか八神、デュノアもすまないな」

 

「あっ!いえ・・・そんな事は・・・」

 

「もう少しマシな起こし方があったと思うんですけど?結果的に起きてないですし」

 

「ならその女癖(女性と一定以上接すると気絶する癖)を治せ」

 

「その言い方やめてくれません?」

 

「言われたくなければ治せ、治せば言わない、只それだけだ・・・せめて目を見て赤面しない様にはしないとこれから先大変だぞ」

 

「(ちっ・・・そう言うテメーも治さないといけない所だらけだろ、せめて片付け位できないと嫁の貰い手あら「ぐさっ!!」)

ぎいやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」

 

「太一いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!」

 

「スマン手が滑った」

 

 

織斑先生が手に持っていた出席簿が太一の眉間に刺さった・・・。

 

と言うか織斑先生・・・そんなアンダースロー投法の格好で清々しく手が滑ったと言っても説得力無いです。

 

 

「そこのバカはほっといてデュノア、山田先生が使っているISについて説明してみろ」

 

「はっはい!!」

 

 

でもここでそれについて言える人は誰も居ない・・・ゴメン太一、無力な僕達を許して。

 

僕は今山田先生が使っているIS,「ラファール・リヴァイブ(疾風の再誕)」について説明を始めた。

 

あの人(父)の会社が制作しているISだし、僕自身も使っているISだから説明するのは簡単だけど・・・何でだろう?

皆の見る目が少し怖い・・・まるで獲物を狙う狩人の目みたいだ・・・。

 

 

「もういいぞデュノア、さて・・・そこで蹲っている整備員」

 

「うぬお~~~~~~~~~~!!」

 

スポンッ!!

 

ブシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

 

「「「「「「「「「「きいやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」」」」」」」」

 

 

太一が頭に刺さった出席簿を引き抜くと傷口から真っ赤な鮮血が噴水の様に噴出した。

 

太一の血と女子達の悲鳴でグランドは惨劇と変わろうとしていた。

 

 

「その血をさっさと止めて、お前もラファール・リヴァイブについて説明してみろ」

 

「この惨劇の首謀者がよく言いますね・・・」

 

「あれは事故だ、私だってたまに手が滑る時はあるさ・・・特によからぬ事を思っている輩がいる時等は・・・な?」

 

「そんなもの屁とも思わないくせに」

 

「私とて女だ・・・心無い事を言われ、思われたら心も不安定になってミスする事もあるさ」

 

(この鬼畜教師が・・・核爆弾でもビクともしないオリハルコン制の心のくせに・・・)

 

「あぁ・・・肩が凝って来たな、投球練習でもして・・・」

 

「安定と汎用性と武装の後付けが特徴なラファール・リヴァイブ、そのオールマイティーな性能と簡易性で・・・」

 

 

何事も無かったかの様にラファールの説明を始めた太一・・・もうあれは喰らいたくないんだね。

 

でも今太一が説明しているのは、さっき僕が説明したのと変わらない内容・・・だけど、その先は違った。

 

 

「操縦者の得意不得意で武装を選べる事から、ラファール・リヴァイブ自体の形状は近中遠距離のどのタイプに対応できるようバランスよく作られています。

ですがその結果、各面での基本スペックがどの量産型に比べ若干の衰えがあり、操縦者の得意分野によっては大きく性能を持て余してしまう機体でもあります」

 

 

太一は僕でも気付いてなかったラファールの短所とも言える指摘をスラスラと答えだした。

 

でも今思うとそうだね・・・僕もラファールをカスタマイズし始めた頃、その持て余す部分を如何にか補おうとして、

頭を悩ませていたな。

 

 

「よし・・・説明はそれ位で十分だ、もうそろそろ決着が着く」

 

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!

 

 

織斑先生が言い終えると同時に、オルコットさんと凰さんのペアと山田先生の模擬戦に決着が着いた。

 

勝ったのは太一と織斑先生が言った通り山田先生だ。

 

 

「やっぱりな・・・山田先生は織斑先生が現役時代からの元代表候補生・・・年季が違う」

 

「上手く凰さんが構えている所にオルコットさんを誘導させて2人いっぺんに落とすなんて・・・かなりの腕が無いとできないよ」

 

「と言うか、あの2人のコンビネーションが最悪なんだよ・・・つかコンビネーションですらねぇ・・・」

 

「・・・・・・ひょっとしてあの2人が組めば絶対ああなるって先生達と太一分かってたの?」

 

「当然」

 

 

うわぁ・・・僕達の会話に気付いたのか山田先生は申し訳なさそうにしているけど、織斑先生は太一同様悪い笑みを浮かべているよ・・・。

 

 

「まあ例え1対1でも山田先生が勝っていたと思うぜ、アイツ等は現役代表候補生と専用機持ちだから強いって驕りがあるからな」

 

(成程・・・言われてみればそうかも)

 

「それでもあの2人相手に余裕で勝ったあたり、山田先生って凄いんだな」

 

「織斑居たの?」

 

 

一夏の声に心底驚いた様子の太一・・・ずっと近くに居たのに。

 

 

「居たよ!授業中だからいるに決まってるじゃん!と言うかお前が起きった時から居たぞ!!」

 

「じゃあ気付かない位影が薄いんだなお前・・・幻のシックスマン狙えるんじゃないか?」

 

「ひどっ!!俺ってそんなに地味なのか!?影薄いのか!?」

 

「大丈夫・・・すぐに濃くなる」

 

「え?」

 

ズゴンッ!!

 

「げぎっ!?」

 

「授業中だバカ者!!」

 

 

織斑先生の出席簿による一撃を頭に受けた一夏は蹲ってしまい、周りの皆が一夏に注目した。

 

確かに・・・注目されて、ある意味では影が濃くなったかもしれないけど・・・。

 

 

「根本的に意味が違うからね」

 

「まあまあ・・・それに授業中に騒ぐコイツが悪い」

 

「お前もだバカ者!!」

 

ドゲシッ!!

 

「うごああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!?」

 

ドンッ!ガンッ!ゴンッ!ガゴッ!ドシャッ!ゴスッ!ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!

 

「太一いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?」

 

「ちっ・・千冬姉の後ろ回し蹴り・・・いっ・・痛そう・・・」

 

 

いや・・・あれは痛いでは済まないよ一夏。

 

太一は織斑先生の後ろ回し蹴りを腹部に綺麗にきまって、5~6バウンドした後壁に激突して壁にめり込み、

ぴくぴくと痙攣しているかの様に動かなくなった。

 

と言うか僕今日1日だけでどれだけ叫んだんだろう?

 

 

「織斑とデュノア」

 

「「はっはい!!」」

 

「お前達2人、どちらかが次の模擬戦に出るか決めろ、方法は何でも構わん」

 

「えっ?俺とシャルルのどっちかって・・・相手は?」

 

「相手は・・・授業中に迷惑をかけたバツとして、あそこでめり込んでいるバカだ・・・聞こえているな?」

 

ドゴンッ!!

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

「勿論!俺は何時でもいけますぜ」

 

 

壁から勢いよく這い出して太一は、何時でもいけると言い、ウキウキとした表情で僕達のもとに歩いて来る。

 

 

「でも・・・織斑先生、太一は今織斑先生の一撃をまともに受けて・・・」

 

「心配するなデュノア、アイツはお前達が思っているほどのダメージは受けてはいない」

 

「えっ?」

 

「当たる瞬間に合わせて後方に飛び、受けるダメージを最小限に抑えている、バウンドした時も受け身を取っていたしな・・・壁にめり込んだ時は分からんが」

 

「そんな事・・・」

 

「出来る・・・そう鍛えたからな」

 

 

織斑先生の表情は、弟子に対する信頼と言ったもので満ちていた。

 

正直太一は織斑先生の弟子だと知った時・・・いや、最初の挨拶の時ボーデヴィッヒさんとの攻防を見た時から強いとは思ってはいたけど、

この織斑先生の表情からして、僕の想像を遥かに超える実力を太一は秘めているのかもしれない。

 

 

「シャルル・・・すまないけど、俺に行かせてくれないか?」

 

「一夏?」

 

 

僕は一夏の申し出に少し悩んだ。

 

僕がこのIS学園に来た・・・いや、送り込まれた理由を考えれば、太一と一夏の模擬戦は願ったり叶ったりだけど、

太一は底が知れない事と僕らが使うのとは一風変わったISの事から、僕自身が戦って検証しないと・・・。

 

でも一夏の方も気にならないと言ったら嘘だ。

 

でも一夏は如何して急にこんな事を言い出したんだろう?

 

織斑先生から誰が出るか決めろって言われた時は如何するか悩んでいる意様子だったのに。

 

 

「いや・・・八神が戦っているところを見て、強いって事は分かっているんだけど・・・やっぱり実際に戦ってみたいなって・・・」

 

 

そうは言ってるけど目は僕の方・・・それに太一を見ていない。

 

その視線の先には・・・。

 

 

「何をしている?さっさとどっちが出るか決めろ」

 

「あっ・・・あぁ・・・」

 

 

織斑先生が居た・・・成程・・・さっきの織斑先生の太一に対する信頼の言葉に、弟として嫉妬心を抱いたわけだね。

 

 

「分かった、一夏に譲るよ」

 

「本当か?」

 

「うん、僕より一度太一の戦いを見てる一夏の方が良い戦いになると思うし・・・模擬戦はやろうと思えばいつでもできるからね」

 

「サンキュウ―シャルル!!千冬姉!俺がやります!!」

 

「分かった・・・それよりも・・・」

 

ゴンッ!!

 

「いぎっ!?」

 

「織斑先生と呼べと何度言えばわかるバカ者!!」

 

「すっ・・・すみません・・・ちふ・・・織斑先生」

 

「織斑君頑張って!!」

 

「八神君なんかに負けるな!!」

 

「1組のクラス代表の実力を見せてやれ!!」

 

「一夏お前の力を見せてやれ!!」

 

「一夏さん応援してますわよ」

 

「負けたら明日の朝昼晩ご飯奢ってもらうからね!」

 

 

如何やら1組2組の全員が一夏を応援する様だけど・・・太一には誰も応援が付かないみたい。

 

何だかこういうの嫌だな・・・僕自身がやっている事もそうだけど、こう言う贔屓と言うかイジメって言うかそんな感じの・・・。

 

太一は気にしていない様子だけど・・・本当は如何なんだろう?

 

 

「デュノア君はどっちを応援するの?やっぱり織斑君?」

 

「えっ!?ぼ・・・僕はどっちも応援しないよ」

 

 

1人の女子・・・確か相川さんだったかな?彼女が僕に、太一と一夏のどちらかを応援するかと聞いて来たから、

僕はどちらも応援しないと素直に答えた。

 

 

「えっ!?如何して?」

 

「何何?如何したの?」

 

「デュノア君織斑君と八神君のどちらも応援しないんだって!」

 

「「「「「「「「「「えぇ~~~~~~~~~!?何でえ~~~~~~~!?」」」」」」」」」」

 

 

これはちゃんと説明しないといけないな・・・僕個人としては、色んな意味で太一の応援についてあげたいところだけど、

これは授業で行う模擬戦だからね。

 

 

「これは授業で行う模擬戦だからね、僕達はどちらかを応援するんじゃなくて2人の戦闘を見てISの操縦方法や動きに技術等を知って学んで、

自分達の今後に活かせるようにするのが目的だからだよ・・・さっきの山田先生達の模擬戦で性能だけじゃ勝てないってのを教わった様にね」

 

「「うっ・・・」」

 

 

言い方は悪いかもしれないけど、本当の事だからね・・・実際あの2人も今後最初の様な・・・太一が言っていた様な驕りを出すのは少なくなるはずだし。

 

納得してくれたかな?

 

 

「お前達!よもや今が授業中だと言う事を忘れてはいないだろうな?」

 

 

織斑先生の一言で全員「そんな事ありません」といった感じで大人しくなった。

 

 

「ふん・・・下らん・・・」

 

 

そんな中でボーデヴィッヒさんだけは皆の輪の中に入らず、何だか忌々しそうにしていた。

 

太一とは少し違うけど・・・僕としてはやっぱりほおっておけないかな?

 

 

「ボーデヴィッヒさん」

 

「・・・何だ?」

 

 

う~~~ん・・・そんなに睨まないでよ・・・。

 

 

「あのね・・・軍人のボーデヴィッヒさんから見て、あの2人の対決を如何思うか聞きたくて・・・駄目かな?」

 

「・・・・・・」

 

 

うぅ・・・気難しそうだからなボーデヴィッヒさん・・・気を悪くしたかな?

 

 

「私から見れば、八神太一の圧勝だろうな」

 

「えっ?」

 

 

こっ・・・答えてくれた!?

 

 

「最初の平手打ちの時、織斑一夏は怒気や殺気を放ちながら迫る私に対して何も警戒せず無防備に見ていただけだった、

しかし八神太一は大して警戒していた訳でも無いにも関わらず私の奇襲に対して即座に反応し防いだ、

それだけでも両者の実力の違いは明らか・・・何なら賭けようか?」

 

「いっ・・・いいよそんなの、それに賭け何かしたら織斑先生に怒られそうだし」

 

「ふむ・・・確かにそうだな」

 

「あの・・・1つだけいいかな?」

 

「何だ?」

 

「うん・・・さっきの質問に如何して答えてくれたのかな?ボーデヴィッヒさん、僕も含めて皆と交流を持とうとしなさそうなのにって思って」

 

「別に深い意味は無い・・・只の気まぐれだ、本来なら私自らどちらかと戦いところだが、あの2人の実力がどの程度のものか、

同時に見られるから良い機会だからな、今回は大人しく見させてもうおう」

 

「そっ・・・そう・・・」

 

「そう言うお前は如何思う?あの2人の対決は?」

 

「僕は・・・僕も太一が勝つって思うな、ボーデヴィッヒさんと同じで生身での実力もそうだけど、

さっきのラファールの説明内容を聞く限り、ISの知識だけじゃなく観察力も有るんだと思う・・・短所をあえて書く企業なんて何処も無いからね」

 

「ふむ・・・2人共よく見ているな」

 

「織斑先生!?」

 

「教官!?」

 

「ボーデヴィッヒ・・・ここでは織斑先生だ」

 

「はっ!失礼いたしました!」

 

 

多分これからも言っていくんだろうな・・・ワザととかじゃなくて癖みたいなもので。

 

 

「そこにいると模擬戦の邪魔になる、さっさと皆の所に行け」

 

「はい!」

 

「了解しました!」

 

 

絶対言うね・・・これ。

 

 

「さて・・・私も諸注意だけしてくるか」

 

 

ん?織斑先生・・・太一の方に向いて歩いて行ったけど・・・何かあるのかな?

 

 

Side・千冬

 

「ふぅ・・・」

 

「安心した・・・と言った感じだな」

 

「っ!?」

 

 

太一君は誰にも気付かれない様に安堵の溜息をついていたが、私には丸分かりだ。

 

 

「何の事ですか?」

 

「大方デュノアと戦わずに済んだ事に安心しているんだろ」

 

 

他の生徒達とは距離が離れているから聞かれている事は無いと思うが、あまり声を大きくせずに太一君と話す。

 

これはあまり聞かれていい事ではないからな。

 

 

「そんな事・・・俺がシャルルを恐れているって言いたいんですか?確かにアイツは代表候補生で、

実力はあるでしょうけど・・・」

 

「お前が恐れているのはデュノアの実力等ではない・・・デュノアと戦う事自体・・・そしてデュノアと戦い攻撃できるかもしれない自分を恐れている」

 

「くっ・・・」

 

「・・・君の気持ちは分からなくもない・・・だが何時かは何らかの形でデュノアと戦う時が来る・・・その時君は・・・」

 

「それは・・・その時にならないと分かりません・・・それに、あの時織斑先生に言われた事は間違ってはいませんから・・・」

 

 

まったく君は・・・そうやっていつもいつも溜め込んで。

 

 

「・・・ストレスを溜め込みすぎると何時か爆発するぞ、自分を保ちたかったら尚更だ」

 

「そんなにストレス溜めこんでいる様に見えます?」

 

「私や恵から見たら明らかだ・・・他の者からは悟られない様にしているのはさすがと言うべきかな?」

 

 

こいつは溜め込む事は多くとも、それを発散する事は極端に少ない・・・。

 

だから・・・時折こちらで発散する為の場や機会を与えなければならない。

 

今回の模擬戦もその1つではあるが・・・あまり遣らせ過ぎると・・・。

 

 

「八神・・・本気で動くなよ・・・本気で戦うのは構わないが」

 

「え~~~~?」

 

「お前が本気で動く必要があると判断したら出しても構わないが、それまでは出すな・・・早めに終わらせても構わないが、

さっきデュノアが言った通り、これは授業で行う模擬戦だからな」

 

「分かってますよ・・・でも久し振りに全力全開の本気で暴れたいな・・・」

 

「それは勘弁してくれ・・・君の全力は素人目には学べないし真似できない」

 

 

これは事実、この子の本気の動きは素人だろうが武術に長けた者でも容易に分かるものではないし、真似できる代物ではない。

 

私や恵でも手古摺るからな・・・。

 

 

「・・・まあそうですね」

 

「では準備を始めろ・・・“新しい武装”を早く試したいんだろ?」

 

「ありゃ?気付いてましたか?」

 

「体を動かせるからと言って、あれだけウキウキとしないだろう?」

 

「まぁ・・・そうですけど・・・」

 

『はは・・・全部見抜かれているね太一』

 

 

昔から新しい玩具や何やらを手にしたらさっきみたいにウキウキとしていたからな。

 

 

「因みにどんな武装なんだ?」

 

「2つあるんですが・・・武装と言うよりも強化か補助パーツですね」

 

『1つは前回の戦いから得た経験値を基に創り上げた脚部の強化パーツだよ』

 

 

経験値から創り上げたパーツか・・・それが零式・・・第0世代、ISの完成系の特性だったからな・・・。

 

戦う以外でも経験を積むことで進化をするパワード・スーツ・・・それが先生達が目指したISだ。

 

これから先、太一君の成長と共に零式も進化をしていくだろう・・・この模擬戦も、その為の布石となる。

 

 

「もう1つは以前から政府機関で俺が企画を出して開発していた物が出来上がったので、そのモニターついでに」

 

「それはひょっとして救助用の装備として作っていたやつではないのか?」

 

「えぇ・・・でも戦闘でも使えると分かれば量産化まで漕ぎ着けられるかもしれませんから、

これも試作で開発に行きつくまで結構苦労しましたよ」

 

「今や何処も彼処もISを戦闘面で強化する方に力を入れているからな・・・世知辛い世の中だな・・・私としてもそれは使えると思うのに・・・」

 

 

本当に・・・破壊兵器なんぞを作るより・・・太一君が進める救助そして医療関係にも力を入れてくれればな・・・。

 

 

「まっ・・・これで特許を取れれば恵姉共々奢りますよ千冬姉さん」

 

「ふっ・・・織斑先生だ・・・と言いたいところだが、今の会話はプライベート兼仕事の話だ、その時は奢ってもらうとするか」

 

『こういう時生身って良いよね』

 

「何だよ?お前も飯食いたいってのか?」

 

『まぁ・・・そうだね、興味とかそう言うんじゃないけど・・・』

 

「如何した?」

 

『生きているって・・・ご飯を食べる事で言い表せない?』

 

「「・・・・・・・・・・」」

 

 

エックスは時折こう言った機械らしくない・・・いや、人間や動物臭い事を言う事が多々有る様だ。

 

ISの意志はコアの中に何処かに存在するAIなのか何なのかは不明だが、機械である事に変わりない。

 

束が作ったコアは如何かは分からんが、エックスは先生達が開発したコアの意志・・・だと思われる・・・。

 

故に色々に謎に思う事は多々あるが、怪しさやきな臭さは感じられない・・・隠し事はあるがそれに関しても嫌な気がしない。

 

それは恐らく隠し事はしていても、嘘は言っていないと確証できるものが言葉に含まれているからだろう。

 

だから私や恵、そして太一君もエックスを疑いもしないし、無理に調べようともしないのだ。

 

 

「お前って時々そんな事言うよな」

 

『うん』

 

「じゃっ・・・昼飯が美味くなる様運動してきますか」

 

「では後3分で始められるように準備をしておけ」

 

「『はい!』」

 

 

太一君達はやる気は十分・・・一夏の方もやる気には問題は無いが、予め言っておくか。

 

 

「織斑先生、八神君に何を?」

 

「あぁ・・・大した事ではない山田先生、只本気で動くなと言って来ただけです」

 

「「「「!?」」」」

 

 

予測通り一夏をはじめ、想いを寄せる3人も今の言葉に喰い付いたな。

 

実の姉からこんな事を言われれば当然だろな。

 

 

「千冬姉!!如何言う事だよ!?」

 

「織斑先生だと言うのに・・・如何言う事も何もない・・・デュノアの様に代表候補生ならまだしも、

今のお前では八神相手に本気で動かれては1分も持つか・・・」

 

「そんな事ない!!俺は千冬姉の弟だ!!例え八神が千冬姉の弟子でも!!」

 

ガスッ!!

 

「いでっ!?」

 

「お前は本当に学習能力ないのか!?その話をこんな大勢いる所でするな!!」

 

 

太一君が一夏の頭に石をぶつけて怒声を上げる。

 

我が弟ながら、この何も考えず物事を言うのはどうにかならないものか・・・知らなかった2組の生徒も騒いでいる。

 

まあ感情的にさせたのは私にも責任はあるが・・・この世渡りの下手さ加減に、社会に出た後の一夏の将来が不安になる。

 

 

「はぁ・・・全力で戦ってもらいたいなら、全力を出してもらえるように粘れ・・・そうも言ってある」

 

「くっ・・・」

 

 

これで一夏は本気でやるだろうが、感情的になり過ぎるだろうが・・・それも経験か。

 

ん?太一君がこっちをジトッとした目で見てる。

 

言いたい事は分かるが・・・これも姉心と教師心、未熟な生徒に経験を積ませたいな。

 

 

Side・三人称

 

(さて・・・我が師匠はホトホト面倒事を押し付けるな)

 

「・・・くぅ・・・」

 

(織斑の奴、嫉妬や悔しさが入り混じった眼で睨んでやがる・・・取り巻き3人も如何思っているかは知らないけど睨んでくるしな・・・)

 

 

太一は今対峙している一夏だけでなく箒、セシリア、鈴の3人にも睨まれている。

 

理由は簡単、想いを寄せる一夏より太一の方が断然強いと実の姉で世界最強の織斑千冬の口から言われたのだ、

逆らう事や異論を唱える事はできないが、好きな男の事をそんな風に言われ穏やかに出来るのは無理であった。

 

 

「文句なら私に言え・・・アイツは関係無いぞ、そう指示したのが私なのだからな」

 

「「「・・・・・・」」」

 

「・・・別に私は織斑が負けるであろうと言う光景を見せたいわけではない、八神は最初に言った様に授業中に騒いだバツで、

オルコットと凰は先程の模擬戦が終ったばかり、山田先生も同じだ、ボーデヴィッヒは軍人だから軍で教わった動きは、

まだ素人同然の他の生徒ではあまり参考にならない・・・消極的に残ったのが織斑とデュノアだっただけだ」

 

「あの・・・因みに僕が相手だったらどうしてましたか?」

 

「・・・・・・」

 

「あっ・・・あのぉ・・・織斑先生?」

 

(ある意味で一番見たかったと言えばデュノアとの模擬戦だな・・・如何なるか私も恵、そして太一君自身も分からないからな、

まず・・・太一君がこの娘と戦えるのかどうかも・・・)

 

「織斑先生?」

 

「対して指示は変わらん・・・本気で戦えとしか言わん」

 

「「「「えっ?」」」」

 

「何だ?」

 

「あの・・・指示は変わってないって・・・本気で戦うなって・・・」

 

「成程・・・私が八神に制限をかけたのは動きだ、それ以外は本気を出しても構わないと言ったのだ」

 

「「「「「「「「「「???????」」」」」」」」」」

 

 

千冬の言葉にその場にいる全員が意味が分からずに頭の上に?を浮かべていた。

 

 

「本気とは全力と似て非になるものと言う事だ・・・私の持論だがな」

 

「本気と全力は似て非になるもの?」

 

「如何言う意味でしょうか?」

 

「箒分かる?」

 

「いや・・・まったく」

 

「なら八神の戦いを見ておけ、アイツの本気は全力よりも厄介だぞ」

 

 

千冬の言葉の意味が分からずに、只これから始まるであろう世界初の男性同士によるIS戦を待つのであった。

 

 

「織斑、そんなに肩に力を入れても無駄に疲れるだけだぜ」

 

「うるさい!そんな事分かってる!」

 

(いや・・・分かってねえだろ)

 

 

気持ちは分からないでもないが、そんな時こそ頭は冷静に保つ必要があるのだが、そんな様子を微塵も見せず、

相手を油断させる為の演技でもなく、一夏はもはや千冬に自分が太一にも劣っていない事を証明する事しか頭に無い事が目に見えていた。

 

 

「これは授業で行う軍でもやるような模擬戦ではあるが、今やスポーツとしても取り入れられているIS戦だ、

スポーツは選手観客共に楽しむものだ、楽しくやろうぜ」

 

「じゃあ最初っから本気で来い!そして勝ってやる!!」

 

(いや・・・楽しみたいから本気でやるよ、只動きは制限するけどね)

 

「それでは両者とも用意は良いか?」

 

「『何時でも』」

 

「行ける!」

 

「では・・・3」

 

 

模擬戦開始のカウントが始まった。

 

 

(まったく・・・多分千冬姉さんの事だから、そう言う事だと思うけど・・・)

 

(俺だって白式で訓練して来たんだ)

 

「2」

 

(それもやりつつ、俺は楽しませていただきます)

 

(八神が千冬姉の弟子でも、引けは取らない筈だ!!)

 

「1」

 

「ISファイト!!」

 

「!?」

 

「「「「「「「「「「はぁ!?」」」」」」」」」

 

『レディーーーー』

 

「開始!!」

 

「『ゴォォォォォォォォォォォォ!!』」

 

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!

 

 

千冬の開始の合図と共に、太一とエックスは自身達の戦闘開始の掛け声を叫び、一夏へと迫った。

 

 

「ふっ・・・ふざけるなああああああああああああああああああああああああ!!」

 

ブアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

 

 

だがそれを一夏はふざけている様にとらえた様で、怒号と共に雪片弐型を展開し速攻で斬り掛かった。

 

そして・・・。

 

 

「はああああああああああああああああああっ!!」

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

ズガンッ!!

 

 

世界初の・・・男性操縦者2人の戦いが始まった。

 

 

To be Continued

 

 

オマケ

 

これは今朝、太一がIS学園に向かう前の事・・・。

 

 

『太一、完成した装備をゼロに組み込みたいんだけど・・・』

 

「如何した?」

 

『・・・タイチよ、カプセルを作りそこに追加装備のデータを入れた後、タイチ自身がカプセルに入るのじゃ』

 

「エックス・・・」

 

『そうすればその装備をゼロに組み込み、新たな力を・・・』

 

「めんどくさいわ!!」

 

『えぇ~~~~~~~~?』

 

「第一カプセルに入るのは名前的にお前の方だろうが!!」

 

『でもパワーアップには何らかのアクションかイベントが必要だよ!』

 

「俺だってそんな風にしたいって思った事はあるけど、めんどいし手間がかかって仕方がないんじゃ!!」

 

『太一!!君には男のロマンが無いのか!!』

 

「有るぜ!合体風に装甲を変形させつつ装備を纏うとか!メモリーやスイッチにカードを使って装備を展開するとか!!」

 

『じゃあ何故!?』

 

「あまりネタに走って、詰め込みすぎた結果収集するして上手く纏められる程の腕が作者に無いからだ!!」

 

『確かにそうだ!!今の台詞も何処となく日本語としておかしい気がするし!!』

 

「と言う訳で理解をお願いします!!」

 

『イエッサーーーーーーーーーーー!!』

 

 

うるさいよ・・・本当の事だけど。

 

 

オマケ2・『NG』

 

花澤で天使と言ったら彼女ですよね。

 

太一「うぅ・・・ここは?」

 

シャルル?「あっ!気が付いた?」

 

太一(ん?この声はシャルルか?まだ少し視界がぼやけているが・・・)

 

 

視界がハッキリしていくにつれ、目の前の人物が天使の様に見えてくる(太一は声からしてシャルルだと思っている)。

 

 

太一「・・・女性は苦手だけど、気持ち的に男じゃなく女性の天使にお迎えに来てもらいたかったな」

 

シャルル?「ん?私は天使じゃないわ・・・生徒会長」

 

太一「へっ?“私”!?“生徒会長”!?」

 

 

そこで意識が覚醒し、目の前の人物を見る。

 

 

少女「それに男子生徒じゃなくて、女子生徒」

 

 

そこには金髪ではなく銀髪ロングの小柄な少女がいた・・・しかし、その声は見知った人物と同じだった。

 

 

少女「アナタ転校生ね・・・案内するからこっちに来て」

 

太一「いやいやいや・・・えっ?シャルルと同じ声で銀髪小柄で生徒会長って・・・」

 

 

その頃・・・IS学園では・・・

 

 

シャルル「太一!!目を覚ましてえええええええええええええええええええええっ!!」

 

千冬「太一君!!起きろ!!動け!!息をしろ!!」

 

パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン!!

 

太一「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

本体蘇生に勤しんでいた。

 




次の更新は今月までに・・・この勢いを逃したくないので・・・。
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