DIGIMON・STRATOS   作:龍気

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出来れば昼食と部屋割りまで行きたかったのですが、実習の所だけで1万文字を超えてしまったので、予定を変更して実習までとなっています。

あと注意として、私は別に一夏と箒の扱いが酷いかもしれませんが、私はこの2人アンチではありません。

そして前回のオマケの続きも有りますので、お楽しみに。

一夏・・・南無阿弥陀仏。


第13話『嫌われ整備員の実習』

Side・三人称

 

太一と一夏の模擬戦が終り、一方的にやられた一夏は軽い脳震盪だけで済み、その後の実習にも問題無く参加できた。

 

 

「ではこれより専用機持ち、織斑、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、八神、そして凰、

各専用機持ちをリーダーに8人グループを作れ」

 

「グループリーダーの人達は、グループの人達の実習を見てあげてくださいね」

 

「今日はISの装着と起動、そして歩行のみで構わないがPICは使うな、最後にグループ別に競争をさせる。

そして最下位になったグループは実習で使った全てのISの後片付けだ」

 

「「「「「「「「「えぇ~~~~~~~~~~!」」」」」」」」」」

 

「嫌なら最下位にならない様に頑張れ・・・以上だ」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「如何した織斑、やはり体調がすぐれないと言うのなら見学に回っても構わないぞ」

 

「いっ・・いや・・・大丈夫・・です・・・」

 

(余程太一君に負けたのがショックの様だな)

 

 

先程から一夏が見詰める先には、女子達を見ない様に目を瞑って何やらブツブツ言っている太一が居る。

 

先程の模擬戦の敗北が相当ショックだった様だ。

 

 

「なら構わないが、あの模擬戦の後だ、きつくなれば私達を呼べ」

 

「・・・はい」

 

「無理はするなよ・・・ところで・・・お前はさっきから何をブツクサ言っている!!」

 

「あれは実習服・・・あれは実習服・・・断じて水着っぽい服ではない・・・あれは実習服・・・あれは実習服・・・断じて水着っぽい服ではない」

 

「現実を受け入れろ、あれは水着みたいな実習服だ」

 

「だあ!もうやめてくださいよ織斑先生!そう言われたらっ・・・てあう!?」

 

ビキンッ!

 

 

千冬に抗議しようとした太一は誤って女子達を見てしまい硬直してしまった。

 

 

「はあ・・・まったく、本当にその癖と言うか弱点は治さないとな」

 

「はっ・・・はひい・・・」

 

(俺は・・・こんな奴に負けたのか・・・)

 

 

先程の模擬戦の時とあまりに違う太一のギャップに、自信を失いそうになる一夏。

 

 

「まぁ・・・実習が始まったらある程度は大丈夫か、では分かれろ」

 

 

千冬が言い終るといなや、予想通りと言うか何と言うか・・・9割方の女子達は一夏とシャルルの方へと向かって行った。

 

 

「織斑君、一緒に頑張ろう!」

 

「分かんないところ教えて~~」

 

「デュノア君の操縦技術を見たなぁ・・・」

 

「ね、ね、私もいいよね?同じグループに入れて」

 

「織斑君大丈夫?後で医務室に一緒に行こ?」

 

「無理だったら私が膝枕してあげるよ」

 

「あ~~~!ズルいズルい!私も私も!!」

 

「このバカ者共が!!出席番号順に1人ずつ各グループに入れ!!順番はさっき言った通りだ、次にもたつく様なら、

ISを背負ってグランド100週させて、レポートを10枚に増やすからな!!」

 

(同情します師匠・・・まぁ、俺の所に好き好んで来るような奴はいないだろ・・・お?)

 

「にへへ~~~」

 

 

しかし意外に1人、太一の前に子供っぽいと言うかのんびりとした雰囲気を醸し出している女子が立っていた。

 

 

「え~~~とっ、君は確かクラスメイトの・・・」

 

「布仏本音だよ~~~よろしくね~~~“やがみん”」

 

「・・・やがみん?」

 

「うん、八神太一だから~~~やがみん~~~」

 

「何だかツンデレ代表キャラを思い出すあだ名だな」

 

「嫌?」

 

「別に構わないが・・・何で此処に居るんだ?」

 

「やがみんに教えてもらいたいから♪」

 

 

この様な事を言われるのは初めてな太一は戸惑った。

 

 

「・・・えっ?何で俺?」

 

「ん~~~っとね、さっきの模擬戦もそうなんだけど~~~やがみん整備科でも働いていたから~~~ISの事詳しいだろうな~~~って」

 

(成程・・・言われてみればそうだな・・・、普通なら俺も彼女と同じ事を思う・・・あれ?そう言えばこの娘、

よく整備科に来てた様な・・・)

 

「やがみん?」

 

「いや・・・そう言ってくれるのは嬉しいけど・・・今織斑先生が言ったとおり、出席番号順で入れって・・・」

 

「それなら大丈夫~~~出席番号順でも丁度やがみんのグループだよ~~~」

 

「・・・ならしゃ~ないか」

 

 

女がある意味で苦手な太一、会話が長く続かない。

 

そうこうしている内に、太一のグループとなった残りの女子達がやって来た。

 

 

「はぁ~~~織斑君のグループがよかったな・・・」

 

「私も・・・」

 

「私はデュノア君のグループが・・・」

 

「よりによって・・・八神君のグループ」

 

「如何して私の苗字は木之本なの!?」

 

「うぅ~~~嫌だよ~~~」

 

「よう・・・1/6のハズレを引いた運無し共、お前等はまずISの操縦を覚える前にマナーとか人として大事な事を学ぶ必要があるな」

 

 

予想はしていたと言え、あまりの言い様に額に青筋を浮かべ、ひきつった笑顔で毒を吐く太一。

 

それを聞き女子達の機嫌も悪くなり、太一を睨む。

 

 

「まあまあ~~~やがみん落ち着いて~~皆も楽しくやろうよ~~~」

 

 

そんな中本音だけはのほほんと両者を宥めた。

 

そのおかげか、毒気が抜けたか呆然としだした。

 

 

(・・・アホらし・・・実習中にこんな事してても、叱られるだけだな)

 

「如何したのやがみん?」

 

「別に・・・布仏の言うとおり、楽しくやろって思ってな」

 

「ふ~~~ん、あっそうだ!私の事は本音か、のほほんさんでいいよ」

 

「・・・のほほんさん?」

 

「うん、皆よく私の事そう言うし~~~私も気に入ってるから~~~」

 

「そうか・・・じゃあ俺の事m「やがみん!」・・・それ定着してんの?」

 

「うん!やがみんは~~~やがみん!」

 

「Oh my・・・了解本音、もう好きにして」

 

「おぉ~~~やっぱり・・・」

 

「ん?何?」

 

「ん~~ん~~~別に~~~」

 

「?まあいいか・・・準備始めよ」

 

 

本音の様子に疑問を感じるも、実習の準備を始める太一だった。

 

 

「ねえ・・・本音さん」

 

「な~~に~~~?」

 

「あのね・・・あまり八神君と話さない方がいいわよ」

 

「あの人・・・先輩達からも嫌われているから、仲良くしているなんて思われたら目を付けられるわよ」

 

「実際・・・私達も“あの噂”は聞いてるけど、そこまで嫌っいる訳じゃないわ・・・でも・・・」

 

「うん・・・先輩に目を付けられたら・・・」

 

「でも・・・本当なのかな?あの噂って・・・」

 

 

太一が生徒達から嫌われている理由・・・それは女尊男卑に染まった女子生徒達に逆らっている事。

 

ISの扱い方に問題があればそれを真正面から正すように言い、反論すれば正論で返す。

 

それまでは単に気に入らない程度だったが・・・ある噂が広まってから太一は本格的に毛嫌いされる様になった・・・その噂とは・・・。

 

 

「八神君が女性を殴った・・・って」

 

 

詳しい詳細は不明だが・・・ある女子生徒が、太一が女性を殴ったと言いふらし始め、それは瞬く間にIS学園全体に広がり、

その日から太一の風当たりはひどくなったのだ。

 

勿論全ての女子からではない。

 

そして女尊男卑に染まった、若しくは噂を信じた女子達からは敵視され、そうでもない女子達はそんな女子達から目を付けられる事を恐れ避ける様になった。

 

そしてそうなった理由も太一は理解している。

 

だが彼も人間でまだ少年だ、そうだとは分かってはいるが心無い事を言われれば腹も立つし言い返したくなる。

 

だがそのおかげと言えばおかしいのだが、太一と親しい女子生徒が居ると言う話は無く、今の所はそんな事は無かった。

 

しかし今回の様に本音は親しそうに話してきた・・・その事で彼女に目を付けられるのではないかとクラスメイトと2組の女子、

勿論太一も心配しているのだ。

 

 

「大丈夫だよ~~~やがみんって、噂通りの様な酷い事をする人じゃないよ~~~それに皆が心配している様な事も無いよ~~~」

 

「・・・如何してそう思うの?」

 

「う~~~んとね~~~分かんない」

 

「「「「「「何じゃそりゃ!」」」」」」

 

「それにね~~~やがみんって、私と同じ感じがするんだよね~~~」

 

「「「「「「八神君と・・・のほほんさんが同じ感じ?」」」」」」

 

「うん、何となく」

 

 

本音の言葉にグループの女子が頭上に沢山の?マークを浮かべ混乱する。

 

一見冷静であり活発そうな太一、そして見たまんまのほほんとした子供っぽい雰囲気を出しっぱなしの本音、

それが同じ感じがすると言われれば困惑もする。

 

 

Side・太一

 

さてと・・・やる気が無いのは・・・ある意味で仕方がないとして、如何するか・・・。

 

 

「「「「「「・・・・・・・」」」」」

 

「やがみん如何したの?」

 

 

彼女達は別に俺を嫌っている訳じゃなく、先輩や他の生徒に目を付けられるのが怖いから避けている様だな。

 

“あれ”は俺の自業自得だから何も言わないが・・・出来れば早く何とかしたいな、彼女達の様な女子達にも悪いし・・・。

 

俺のクラスは織斑への反応を見る限り、重度の女尊男卑者は居ないみたいだし、2組もそうかな?

 

これは実習だから普通にしてればいいけど・・・彼女達は他の奴等からの視線を気にしすぎてそれが出来ない・・・懐が痛くなるが仕方ない。

 

 

「さて・・・アンタ等が俺と一緒に実習をしたくない気持ちは分かる・・・」

 

「「「「「「うっ・・・」」」」」」

 

「だが俺もこの後ある競争で最下位になって後片付けするのは面倒だ・・・だから俺は俺の持つ全てを持って、

お前等にIS操縦を教える・・・」

 

「「「「「「ごくっ・・・」」」」」」

 

「上位3位以内に入ったら放課後!もしくは夕飯後!お前達全員に食堂のデザート好きなだけ奢ってやる!!」

 

「「「「「「「なっ!何だってえええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」」」」」」」

 

 

これは痛い出費だぞ・・・1~2万は覚悟しておくか。

 

黙っていれば俺が彼女達に奢らされていると見せられるし、例え知っていても「それ位当然」と思うだろうしな。

 

 

「やっ・・・八神君・・・それ本当?」

 

「好きなだけって・・・全種類選らんでも良いって事?」

 

「お腹いっぱい食べても良いの?」

 

「私達2組だけど良いの?」

 

「「うんうん!!」」

 

「構わねえ!男に二言は無い!ただし付け加えるならその後のメンタル諸々は自己責任だからそこは自重しろよ!

責任が取れるなら満腹になるまで食ってもOKだ!!勿論今日以降でも構わねえ!好きな時に言え!

だが出来ればこのメンバー全員が揃った時にしてくれ・・・1人1人バラバラでやったら面倒だ」

 

「「「「「「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」」

 

「やがみん太っ腹♪」

 

「伊達に働いてねえぞおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

 

仕方がないとは言え俺は半分自棄になって叫んだ。

 

 

「たっ・・・太一、思い切った事するね・・・」

 

「働いているとは言え・・・財布はもつのか?俺にはできない・・・そんな事」

 

「でも何だかヤケクソになってない?」

 

「如何して自棄になるのですか?たった7人にデザートを奢る位でしたら大した事ないと思うのですが?」

 

「アンタは黙ってなさいお嬢様」

 

 

外野も騒いでいるが知った事か、俺はISに関わっている者として、ISの操縦をキチンと教えなければならない義務があるのだ!!

 

その為に必要なら何でもやってやらああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!

 

しかし・・・先人曰く、それを自棄と言う・・・。

 

 

「それで?真面目にやる?やらない?」

 

「「「「「「やりま~~~~~~すっ♪」」」」」」」

 

 

やる気は出た様だな・・・しかしPIC無しの歩行は結構難しいんだよな・・・。

 

 

「よし・・・じゃあ君から順に名前と、授業以外でISを何回動かしたか教えてくれ」

 

「はい!1組、木之本 友香(きのもと ともか)、授業以外だったら9回位かな?」

 

「同じく1組、月乃 雫(つきの しずく)、IS稼働は10~15回位?」

 

「私はもう言ったけど~~布仏本音だよISの稼働は~~~5回」

 

「同じクラスの和田 香美(わだ こうみ)よ、ISの稼働回数は約13回よ」

 

「私から2組よ、猪瀬 蘭子(いのせ らんこ)、回数は・・・2回しかないわ」

 

「瀧本 翔子(たきもと しょうこ)、私が多分一番稼働回数が多いわね・・・20回程よ」

 

「最後に山下 碧(やました みどり)、私は10回以上は多分・・・」

 

 

この時期の1年生って、ISの兵器としての認識と言うか、色々理解させる為に入学後暫くは、

専用機持ち以外は先生達の許可を取るまでは放課後の自主練はできない。

 

許可を貰えても、最初の頃だからあまり放課後来ないのや、使用できるISの数に限界があるから先を越されたり、

先輩に逆らえず等で、中々授業以外で動かせないって整備課の皆が言ってたな。

 

瀧本は多分積極的に練習しようとしたんだな・・・運もよかったんだろうけど。

 

 

「よし・・・瀧本、月乃、和田、山下、木之本、本音、猪瀬の順で歩行練習をしよう・・・使うISは打鉄だ」

 

「えっ?でもラファールの方が動かしやすいんじゃないの?」

 

「猪瀬、確かにラファールは扱いやすい、しかし今回はPICを使用しないでの歩行練習だ。

打鉄は接近主体で作られたISだから、足回りだけを見るとラファールよりシッカリしていて歩行しやすい作りになっているんだ」

 

 

あれは戦国時代の甲冑をモチーフにしているからな、そして基本武装が刀の形をしたブレードだ。

 

刀だけでなく剣を振るうには腕だけでなく、踏ん張ったり踏み込むための足腰も重要だ。

 

だから打鉄は量産機の中で最も足腰がしっかりしたISとも言える。

 

 

「だから只歩行するだけなら打鉄の方が断然やりやすい、それに頑丈だから倒れてもそうそう怪我はしないだろうしな」

 

「「「「「「へえ~~~」」」」」」

 

「さすが現役整備員詳しいね~~~」

 

「これ位出来ないとISの整備員はやってけないよ・・・他のグループも準備しだしたし、俺達もやるか・・・俺は打鉄を取ってくるから、

皆はその間軽く準備運動でもしててくれ」

 

「「「「「「「は~~~~いっ!!」」」」」」」

 

 

用意されていたISは打鉄3機、ラファール3機・・・やはりラファールは扱いやすいイメージがあるから打鉄が残ったか。

 

因みにラファールを選んだのはシャルルに凰とオルコット、まあシャルルはデュノア社の人間だから適任だろうな。

 

そして俺を含み織斑とボーデヴィッヒが・・・ってあれ?

 

何でボーデヴィッヒじゃなくてグループの女子が打鉄を取りに来てんだ?

 

当のボーデヴィッヒは・・・グループからも離れて腕組んで目を瞑ってやがる・・・まさかアイツサボる気か?

 

 

「おい・・・お前の所のグループリーダー何やってんだ?」

 

「あっ・・・八神君、それがその・・・ボーデヴィッヒさんが「勝手にしろ」って・・・」

 

 

何ともまあ・・・何考えてるのか分からないけど、このままじゃあ幾らなんでもグループの連中がかわいそ過ぎるな。

 

俺は今後の実習の事も想定してゼロを纏った。

 

 

「隣のグループだし、運んでやるよ」

 

「えっ?良いの?」

 

「構わないだろ?グループ同士で手伝うなとは言ってないし、只運ぶだけならゼロ纏っていれば簡単だ」

 

「・・・ありがとう」

 

 

・・・“ありがとう”・・・今思うとここに来て、はじめて言われたかもな・・・。

 

さて・・・打鉄も運び終えて、皆も準備運動を終えた様だ。

 

 

「よし、じゃあ瀧本は打鉄に乗りながら聞いてくれ、皆今からさっき言った順番で打鉄に乗ってもらう。

助言や補助は必要ならする、見学している奴はそれを参考にして、自分の番が来た時にそれが出来る様にしてくれ」

 

「「「「「「「は~~~い!」」」」」」」

 

 

経験が多い奴から先にやらせたら後からの奴等の時間もつくれるだろうし、見本となるからな、

皆個人の操縦技術が分からないならこの手順が妥当かな?

 

 

「瀧本準備は良いか?」

 

「OK」

 

 

瀧本は打鉄を纏って歩き出す。

 

一番稼働回数の多い瀧本でもPIC無しの歩行は難しいか・・・でも本人の運動神経が良いからか、それ程悪くは無いな。

 

 

「瀧本、綺麗に見せようとするのは良いけど、慣れてない内は不格好でもいいから歩き易い姿勢で歩け、

其処から修正して行けば良いから」

 

「そんな・・・事言っても」

 

「今のお前や皆は歩き方を覚えたばかりの赤ん坊と同じだ、別にカッコ悪い事じゃない」

 

「わわわっ・・・!」

 

「綺麗に見せようと意識した動きは不自然な動きになってしまう、だから逆に動きがぎこちなくなるんだ」

 

「おっ・・とと・・・」

 

「ISにはバランサーがあるから、倒れそうになったら身を任せろ、無理にバランスを取り直そうとしたらかえって危ないからな。

そうそう上手い上手い、危ないこけ方をしそうだったら受け止めるから安心しろ」

 

 

危なっかしさは少し残るが一度も倒れる事無く瀧本は戻って来た。

 

 

「「「「「きゃ~~~~~!!」」」」」

 

 

何だ!?織斑のグループの方から女子の嬉しそうな悲鳴が聞こえたぞ。

 

見て見ると前打鉄を動かしていた女子が立ったまま降りてしまって、次の女子を白式を纏った織斑がお姫様抱っこして乗せていた・・・。

 

抱っこされている女子は嬉しそうで、次の番であろう女子は「私も私も」と言っている。

 

織斑はその真意分かってないんだろうな・・・顔が仕方ないなって感じだし・・・。

 

ん?篠ノ之も同じグループだったのか、うわ・・・怒りや嫉妬でとても見られない顔になる一歩手前だよ・・・。

 

あっ・・・シャルルのグループの女子達も真似してお姫様抱っこを求めだして、シャルルが困り出した。

 

知っているからか分からないが、シャルルにお姫様抱っこを求める女子達が〇ズなのかと思ってしまう・・・俺疲れてんのかな?

 

 

「はぁ・・・あれはハッキリ言って時間の無駄だし乗り手のミスだ、時間に限りがあるし迷惑をかけたくないならやらない様に。

それともあれをやられたい?俺に?」

 

「「「「「「いっ・・いや、それはちょっと・・・」」」」」」

 

 

それでいい・・・ここであいつ等と同じ事をしたら、それこそ変な噂がたってコイツ等に飛び火するし、

あんな公開羞恥プレイなんか誰がするもんか。

 

 

「私は別に構わないよ~~~やがみんのお姫様抱っこ~~~」

 

 

だがコイツ・・・本音は何を考えているのか全く分からない・・・何故だ?

 

 

「あのな本音、さっきも言ったけどこれはグループ実習だから、それは仲間にも迷惑が掛かる。

上手い下手で時間が掛かるのは仕方がないが、あれは自身の不注意で起きるミスだ、それでお前はグループの仲間に迷惑かけたいか?」

 

「ん~~~~嫌!」

 

「ならそう言う事は言わない、それと・・・」

 

「何?」

 

「そう言ったセリフは本気で好きになった男性に言え」

 

「ん~~~~~~分かった♪」

 

「よし・・・じゃあ次、月乃準備は良いか?」

 

「もう少し待って・・・何だか乗りにくくて・・・」

 

「あぁ・・・しゃがんで降りたのは良いが前方に傾いているな・・・ちょっと待ってろ補助してやるから。

すぐ終わるけど、皆はその間に瀧本に質問があったら聞いとけ」

 

 

さて・・・こう言いうのは上半身が前に傾いていると乗り辛いんだよな・・・それを教えなかった俺のミスだ。

 

やっぱり人に何かを教えるのは難しい・・・そう思うと、感謝しないといけないな、俺に様々な事を教えて来てくれてきた人達に・・・。

 

 

Side・三人称

 

その後も順調とはいかないが、特に大きな問題無く実習は進んで行った。

 

 

「木之本、支えてやるから歩く感覚を先ずつかめ」

 

「うっ・・うん・・・」

 

 

稼働回数は多くても、練習した内用や個人の運動能力で、小さくとも大きい差が現れ、時折太一が補助をしながら教える事もあった。

 

その折、零式(ゼロ)は他のISと比べ、一回りどころか二回りも三回りも小さい、並べば子供と大人程の差がある。

 

だから浮かびながら両手を持って支えなければならないが、特に問題は無い。

 

問題があるとすれば・・・。

 

 

「・・・そう・・・そんな感じ・・今転ぶ事は無いからその感覚を覚えるのに集中して」

 

「うん・・ありがとう八神君・・・」

 

「うっ・・・」

 

「あの・・・八神君?」

 

「・・・何?」

 

「さっきからよく目を逸らしたりしてるけど・・・如何かしたの?」

 

「・・・・・・・」

 

 

太一の弱点である、この女性に対する反応と言うかある種の苦手意識である。

 

 

「・・・しょ・・しょうがないだろ・・・何と言うか・・小恥ずかしくて、目を合わせられない・・・。

それに同い年の女子に“ありがとう”なんて言われ慣れてないからその・・・」

 

 

同い年でISを纏ってはいるが、水着の様なISスーツを着ている女子と、IS越しとは言え手を握り合い、

正面で向き合っているこの状況は太一にとって最も辛い事この上ない。

 

それに同い年の女子にお礼を言われ慣れてない事から、思いのほか照れてしまっているのだ。

 

 

((((((えっ!?何この人、こんな可愛い反応する人だっけ?))))))

 

 

太一の言葉と反応に思わずキュンとなってしまったグループの女子達。

 

 

「やがみん照れ屋さん~~~♪」

 

「やかましい・・・それより歩く事に集中集中!(実習の方に気をまわしていればいくらかマシになるからな・・・)」

 

「うっ・・うん・・・」

 

「ねぇ・・・八神君って実は結構可愛い?」

 

「これがギャップ萌えってやつなのかしら?」

 

「それによく見たら、顔は織斑君には少し及ばないけどカッコいいかも・・・」

 

「えっ?私は織斑君よりはカッコいいと思うけど・・・」

 

「う~~~ん・・・私はさっきの模擬戦のイメージから太一君よりかな?少し卑怯だった気もするけど・・・」

 

「皆やがみんに夢中だね~~~」

 

「「「「「はっ!?」」」」」

 

「んっ?如何した?」

 

「「「「「いやいやいや!何でも無い!何でも無いです!」」」」」

 

 

今日初めてまともに太一と接したからか、彼女の中で太一の評価は大きく変わっていった。

 

太一の普段の態度や女尊男卑に溺れる者達の目に例の噂で、各自其々の理由で太一と距離をとっていた彼女達にとって、

今回の実習で太一と接する事は大きな変化をもたらすのだった。

 

そしてグループの全員が一通り終わった頃。

 

 

(ん?ボーデヴィッヒのグループ・・・リーダーのボーデヴィッヒが教えてないからかなり遅れているな)

 

 

ラウラがリーダーを務めるグループは、リーダーであるラウラがある種の職務放棄をしていて一番遅れていた。

 

それを見かねて千冬が真耶にサポートに回る様に指示を出した。

 

 

(グループの女子達が如何したらいいのか分からずに殆ど何もできてない・・・山田先生が手伝いに回ったけど、

それじゃ意味ないしあまりにも可哀想だな・・・)

 

「如何したのやがみん?」

 

「少し離れる・・・その間お互いに質問し合って、各自の良し悪しを確認し合ってくれ、もう1度乗りたいと言うなら呼びに来い」

 

「やがみん何所行くの?」

 

「ちょっとおせっかいを・・・火をつけたらすぐ戻る」

 

「「「「「「「?」」」」」」」

 

 

そう言って太一はラウラのグループの方へと向かった。

 

 

「よう」

 

「八神太一・・・何の様だ?」

 

「そう睨むなよ」

 

 

近付く太一を睨みラウラ・・・その瞳には敵意が含まれていた。

 

 

「それよりも、職務放棄は良くないぞリーダーさん、皆が困ってるじゃねえか」

 

「知らんな、あのような下らない考えを持つ奴等にISの操縦を教える価値もない」

 

(下らない考えねえ・・・コイツは軍人だし、多分あの事だろうな・・・それでも職務放棄はいかんですよ)

 

 

ラウラの言う「下らない考え」に心当たりがあるのか若干の納得がいった。

 

 

「そんな下らない事を言いに来たのか?」

 

「いんや・・・只忠告にな」

 

「何だと?」

 

「お前・・・俺と織斑に敵意と言うか・・・対抗心を持っているよな」

 

「・・・だとしたら何だと言うのだ?」

 

「ふっ・・・なら、お前は既に俺だけでなく織斑にすら負けている!!」

 

「なっ!?何だと!?」

 

 

突然大声を出した太一に視線が集中する。

 

だがそれどころではないのがラウラだった。

 

 

「如何言う事だ!私がキサマとアイツに負けているだと!?」

 

(予想通り喰い付いたな・・・)

 

 

太一はラウラの反応を見ながら言葉を続けた。

 

 

「グループ分けをして、専用機持ちをリーダーとして選んで、グループの皆にISの操縦を教えるように指示したのは誰だ?」

 

「・・・織斑教官だ・・・」

 

「先生な・・・そう、軍人のお前なら分かると思うけど、保々素人の人にISの操縦を教えるのは結構難しいのは分かるな?」

 

「・・・そうだな・・だがそれがさっきの言葉と何の関係がある?」

 

「そんな難しい事を只の生徒に任せると思うか?ましてやブリュンヒルデである織斑先生が」

 

「・・・・・・・・・」

 

「無いよな?そんな難しい事を教師が生徒に任せるとしたら、それが出来るだろうと信頼できる奴だ、

専用機持ちは知識と操縦技術も他の生徒より上だ・・・織斑は知識の方は兎も角稼働回数なら他の生徒より多いから、

教えられると思ったんだろう・・・まぁ見たところそこそこ教えれてはいるから問題は無いけど・・・」

 

 

“そこそこ”となっている主な原因は一夏ではなく、グループの女子達によるもので、実習よりも一夏とお近づきになりたい言動が多いが、

それを止められずに纏める事出来ない一夏にも原因があるので、何とも言いきれない太一。

 

 

「そしてお前なら教えられると思って、織斑先生はお前をグループのリーダーに選んだけど・・・お前自身がそれじゃあな・・・」

 

「くっ・・・」

 

「ガッカリするだろうな・・・織斑先生、久し振りに会った教え子を信頼してリーダーを任せたのに・・・」

 

「っ・・・!?」

 

(・・・いかん、これ以上は泣くかもしれない)

 

 

千冬に尊敬し憧れ、称え祀る勢いのラウラにとって、自分を信頼してもらいながらガッカリさせる事は耐え難い事であった。

 

しかも久し振りに会って早々となれば最悪である故、泣く数歩手前まで来ている。

 

 

(こいつ・・・思ったより純粋で素直だな・・・)

 

「私は・・・私は・・・」

 

「まっ・・・残り半分の時間で、この後行う競争で4位以内に入れる位まで教えられたら、織斑先生かなり見直すんじゃないかな?」

 

「何!?」

 

「言わば今はハンデがある状態だ、皆・・・それも各国の代表候補生がお前を除いて3人も操縦技術を教えているのに、

より少ない時間で教えて4位以内に入ったら・・・頭ぐらいなら撫でてくれんじゃないかな?」

 

「本当か!?」

 

「・・・怒る時は怒り、褒める時は褒める・・・飴と鞭がちゃんとできている人だから多分いけんじゃないのか?」

 

「教官に・・・頭を・・・っ!何をチンタラしている!!それで一人前のIS乗りになるつもりか!!」

 

「「「「「「「えっ!?」」」」」」」

 

 

いきなり大声を出し、やる気に満ちた顔で自分のグループの方へと向かうラウラ。

 

 

クル・・・

 

「ん?」

 

「キサマにだけは負けんぞ!!」

 

たたたたたっ・・・・・・

 

 

途中で振り返り太一に向かいそう宣言するとラウラは再び駆け足で自分のグループの方へと向かった。

 

そしてグループの女子達は、有無を言わず軍隊式スパルタ実習が開始され、半ベソをかきながら扱かれていった。

 

 

「これは・・・余計な事をしたかな?」

 

 

ラウラのグループの女子達に申し訳なさそうに同情の意を籠めて見てると、1人の女子が太一の方にやって来た。

 

打鉄を運ぶ時に居た女子だ。

 

 

「あの・・・八神君」

 

「君は・・・」

 

「同じクラスの帝 優衣(みかど ゆい)よ・・・その・・ありがとう・・・ボーデヴィッヒさんをやる気にさせて」

 

「余計な事じゃなかったか?あれ見ると同情してしまうよ」

 

「あれは確かにやり過ぎかもしれないけど・・・でも、グループ行動だもん、リーダーも居なきゃ意味ないからね」

 

「そうか・・・」

 

「うん・・・だからありがとう・・・八神君って、聞いてたほど嫌な人じゃないみたい」

 

「・・・早く戻れよ、スパルタ教官に何言われるか分からないぞ・・・」

 

「(あっ照れてる)うん、分かった・・・じゃあね」

 

「おう・・・さて・・・俺も戻りますか」

 

 

太一は照れ隠しのつもりなのか、自分のグループへと戻って行く。

 

だがその顔が照れて赤くなっているのを多くの者が目撃していた。

 

 

「八神はもっと女子と接する必要があるな、今後の為にも」

 

「ですが、面倒見の良い優しい子だと思いますよ。彼自身のグループは勿論ですけど、ボーデヴィッヒさんの所も纏めてあげるなんて」

 

「アイツは自分に出来る事を率先してするタイプだからな・・・自分ならボーデヴィッヒを焚きつけられると思ったんだろう」

 

「織斑君みたいですね・・・これを機に皆さんと仲良くなれればいいのですけど」

 

 

真耶も太一と女子との溝を如何にかしたいと思っていた様だが、今の様子を見ると心配はなさそうだと思いはじめる。

 

 

「いや・・・寧ろ織斑とは逆だ、それによってはどうなるかは分からない」

 

 

しかし、それに千冬は待ったをかける。

 

 

「と・・・言いますと?」

 

「見える優しさと・・・見えない優しさ・・・これが2人の決定的な違いです」

 

「?」

 

「何れ分かりますよ・・・それより、私達は私達の仕事をするとしよう」

 

「はっはい!」

 

 

その後、残り時間を其々の教え方で実習を熟していく各国の代表候補生と太一と一夏。

 

そして最後に行われるグループ対抗の競争が行われた。

 

ルールはリーダーを除く7人が順番で起動・50m往復・解除の順でリレーを行うもので、PICを使わないので可能なら走るのもOK、

何度転倒しても構わないが妨害は禁止の以上である。

 

競争の結果はリーダーで表すと、1位が太一、2位が鈴、3位がシャルル、4位がラウラ、5位がセシリア、最下位が一夏であった。

 

シャルルは教え方が上手かったがグループの女子が、一夏のグループと同じ状態になり、シャルルは困惑しつつも纏めながら教えた結果惜しくも3位に。

 

鈴のグループが意外だったが、感覚任せと言う教えがグループの女子達に合ったのか、そして鈴の積極的な教え方も甲斐あって2位に。

 

ラウラのグループは他のグループに比べ半分の時間しかなかったが、軍隊仕込みのスパルタ指導とラウラから発せられるプレッシャーに圧され、

太一が言った千冬に見直されるギリギリの4位に。

 

セシリアはまず理論やら何やらから教えるタイプの様で、難しい単語の羅列を延々と喋り、皆が理解出来たか確認してから動かし始めたので、

ある意味でラウラのグループより遅く実習に入った様な物で5位となってしまった。

 

そして最下位の一夏のグループは、原因は一夏とお近づきになりたい幸せ共通女子達と、それを止めさせ纏められなかった一夏、

そして女子に迫られる一夏に腹を立て暴行する箒、しかも実習で身に付きかけていた感覚等全てを、

一夏のお姫様抱っこ搭乗による至福により全てを消し去ってしまったのだった・・・一夏・・・色んな意味で・・・南無阿弥陀仏。

 

太一のグループは上位3位に入れば太一にデザート食べ放題のご褒美がもらえる事にヤル気を出し、

太一の指導方法もさることながら、仲間同士の意見の交換等でチームワークを向上、スムーズに事が進み、

見事1位とデザート食べ放題のご褒美を得たのであった。

 

 

「「「「「「「いやったあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」」」

 

「ご褒美!デザート食べ放題!」

 

「今日にする?今週ってどんなデザートあったけ?」

 

「う~~~楽しみ~~~♪」

 

「・・・ここまで喜ぶとは・・・教えた甲斐もあるが・・・おろさないとヤバいかな?」

 

 

これから自分のサイフがどれ位軽くなるのか、ちょっとした寒気どころか悪寒が太一を襲う。

 

 

「太一凄いね」

 

「何が?」

 

「いや何がって・・・普通代表候補生が操縦方法を教えているグループを抜いてトップを取るなんて凄い事だよ」

 

「別に大した事はしてないよ・・・只ヤル気を出させて、後は必要な事をしただけだから・・・おかげで財布は大打撃を受けるけどな」

 

「それでも凄いと思うよ!」

 

「お前の教え方も上手いと思うぜ・・・只仲間に恵まれなかったな」

 

「ははは・・・そこは僕の力不足かな?」

 

 

シャルルの言葉にグループの女子達が「そんな事ない」と口々に言うが、正直太一はどの口が言う思いだった。

 

 

「悔しーーー!!後もうちょっとで1位だったのに!!」

 

「私の教え方に問題がありましたのかしら?」

 

 

1位になれなかったことを悔しがる鈴と、自分の教え方に疑問を持つも自覚が無いセシリア。

 

 

「くっ・・・八神太一のグループに負けた・・・」

 

「それはお前自身の責任だ」

 

「教官!?」

 

「お前が最初からグループの皆に指導していれば、この順位は大きく変わっていたかもしれないぞ」

 

「くっ・・・」

 

「しかし・・・他のグループより少ない時間で、あれだけグループの操縦技術を上げるのは流石と言ったところか」

 

「あっ・・・」

 

「次からは真面目にしろよ」

 

ぽんぽん・・・

 

「教官・・・」

 

(褒める時は褒めなければ、廃れてしまうからな・・・良くやったぞラウラ)

 

 

世辞でも何でも無い千冬からのお褒めの言葉にラウラは笑みが零れた。

 

 

「では午前の実習はここまでにする」

 

「皆さんお疲れ様でした」

 

「では最初に言った様に、最下位のグループは手分けして今回使用したISを片付ける事」

 

「と言う訳で頑張れよ~~~」

 

「くぅ~~~~少しぐらい手伝ってくれる人は?」

 

「「「「「「「「「「いませ~~~~ん!!」」」」」」」」」」

 

「だよな・・・はぁ・・・」

 

「「「「「「はぁ・・・」」」」」」

 

「何でもいいから早く片付けろ!」

 

 

千冬の有無を言わせぬ声を前に、肩を落としてISを片付け始める一夏達。

 

その様子を意地悪そうに見る太一。

 

 

「アイツ等バカだね~~~」

 

「太一・・・そう言う言い方は良くないよ」

 

「違う違うシャルル、そう言う意味で言ってんじゃないよ」

 

「?じゃあ何?」

 

「織斑先生は「何でもいいから片付けろ」って言ったろ?これは如何片づけても良いって事・・・つまり・・・」

 

 

ちなみに今一夏達は使ったISをカートに乗せて人力で運んでいる。

 

 

「あっ!そうか、別に運ばなくても、纏って行けば良いんだ」

 

「そう言う事」

 

「教えてあげればいいのに」

 

「気付かないアイツらが悪い、それにもし違っていたとしても、言質をとってこうしたって言えなければ意味ない。

それにこの方が面白い」

 

「ひどいね・・・」

 

「何とでも、嫌われてますからね」

 

「だけど」

 

「ん?」

 

「僕は太一の事嫌いじゃないよ」

 

「っ!?・・・きっ・・着替えに行くぞ!」

 

 

シャルルの自然な笑顔とその言葉に、太一は思わずドキッっとしてしまい顔を手で隠してソソクサとその場を去ろうとする。

 

 

「あっ!待ってよ太一!」

 

(今のはちょっと・・・不意打ち過ぎるだろう・・・)

 

 

しかし太一は気付いてなかった。

 

この実習で自分の評価と言うか認識が大きく変わり始めている事を、彼自身まだ知らない。

 

 

To be Continued

 

オマケ・『嫉妬よ永遠なれ』

 

前回の太一VSいちk・・・いや、SITTOMASKとの対決が始まって・・・5分。

 

 

太一「うおおおおっしゃらああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

チーーーーーン・・・・

 

SITTOMASK「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

バカと主人公の対決時のお約束、主人候補生で手古摺りつつも勝った太一。

 

その内容をお見せしたかったのだが・・・SITTOMASKのあまりにもの汚い発言や嫉妬に塗れた怨み言の数々に、

見ている者全ての気分を害するのでお伝えできない事を悔やみます。

 

 

太一「はあはあ・・・色々と本当に色んな意味でヤバかったけど何とかなった・・・」

 

シャルル「お疲れ様太一・・・本当に・・色んな意味で・・・」

 

太一「あぁ・・・あれを多くの人達に見られ・・・と言うか聞かれたらこの作品終ってしまう・・・」

 

ラウラ「八神太一・・・」

 

太一「ボーデヴィッヒ?」

 

ラウラ「ごめんなさい!」

 

太一・シャルル「えっ!?」

 

ラウラ「その・・・あのSITTOMASKの嫉妬に溺れた姿と言葉に、今まで私がお前にしてきた事があまりにも醜く思えて・・・」

 

太一「あぁ・・・成程」

 

 

ラウラの太一に対する態度も、言わば嫉妬の様な物、それがSITTOMASKと化した一夏と同じものと感じ、

その考えを改める様になったのだ。

 

 

シャルル「確かこういうの、日本では人の振り見て我が振り直せって言うんだっけ?」

 

太一「あぁ・・・」

 

ラウラ「その・・・駄目だろうか?」

 

太一「いや・・・俺は別に怒ってないから、そんなに気にするな、これから仲良くやっていけばいいんだから」

 

ラウラ「そっ・・・そうか!ありがとう!」

 

ぎゅっ!

 

太一「なっ!?」

 

シャルル「えっ!?」

 

 

ラウラは突如太一に抱きついた。

 

 

シャルル「ボーデヴィッヒさん!何やってるの!?」

 

ラウラ「何って・・・仲良くなった異性とは抱き合うものではないのか?」

 

シャルル「それはもっと親しくなった異性でやるんだよ!!」

 

ラウラ「私は別に構わないぞ」

 

シャルル「そう言う問題じゃ・・って太一が固まってる!!」

 

ラウラ「ふむ・・・私も欲情の対象と言う事か」

 

シャルル「ボーデヴィッヒさん!!君の容姿からしたら太一危ない人になっちゃうよ!!」

 

ラウラ「〇学生は最〇だぜ、みたいなものか?」

 

シャルル「もっとダメーーー!!本当に大変な事になるから!!」

 

 

SITTOMASKの活躍により、1人の少女はある意味で救われた。

 

ありがとうSITTOMASK・・・多分君の事は永遠に・・・忘れたいであろう。

 

 

終わり。

 




競争の結果はある意味で太一のカリスマ性や、02での大輔からの慕われ具合から1位にしました。

サッカーが上手いだけじゃなく、教え方も上手くなかったら後輩から慕われないのが私の見解です。

鈴やセシリアもそう言った見解でこの様にしました。

あと原作であまりラウラのグループについて触れられていなかったので、今回の競争を加えました。

出来れば次回も今年中に・・・。
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