DIGIMON・STRATOS   作:龍気

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何故こうなった?

1万文字以内に終わらせようと思ったのに・・・2万文字って・・・。

次回への布石とか色々詰め込んだ結果か・・・本当はもう一つ入れたかったけど・・・。

今回はオマケもあります。

それと今回の話に繋げる為に前回の話を少し編集していますので、そちらもよろしくお願いします。


第18話『手料理は気になる男子に』

Side・太一

 

楯無先輩と談笑(笑い)して少しスッキリできた・・・しかし、この先どうなるか分からない現状じゃ・・・俺自身も吹っ切れないといけないな。

 

それにしても・・・。

 

 

「俺に何か用か?ボーデヴィッヒ」

 

「・・・私の気配に気付くとはな・・・一応流石と言っておこう」

 

 

通路の陰から、不敵な笑みを浮かべたボーデヴィッヒが出てきた。

 

俺がピットを出て少しした辺りから、気配を消して着いて来ていたが・・・。

 

 

「まずは先の模擬戦全てを連戦で勝利するとはな、評価してやる。一応教官の1番弟子と言う事はあるな」

 

「一応褒め言葉として受け取っておく・・・しかし、そんな事を言いに来たわけじゃ無いだろ?」

 

「ふん!当たり前だ、今度は私と戦え・・・キサマを倒して、私こそがあの人の1番である事を証明する為に」

 

 

あれを見て火が付いたか?

 

元々織斑共々戦って潰そうを思ってたからなコイツ・・・。

 

しかし・・・コイツの目は、昨日までとは違う・・・明らかに強者に対する挑戦の目だ。

 

 

「昨日の織斑一夏との一戦、そして今日の代表候補生2人を交えての四連戦、キサマの立ち回りや不利な状況を一変させる思考の速さ、

教官を除いて私が見て来た者達の中では最高クラスの戦闘技術だ」

 

 

最高クラスの戦闘技術ね・・・目標は師匠達を超える事だけど、何だか当初の目的や夢を思うと悲しくなるな・・・。

 

 

「現役軍人のお前にそう言って貰えてある意味光栄だね・・・勝負は受けてやりたいが、今日はもうこのアリーナは使えないし、

先約があるんで後日で良いかな?」

 

「ふん!私を見縊るな、今しがた四戦して消耗した相手に勝負を挑む積りは無い」

 

「そうか・・・じゃあお互い都合がついた日、もしくはISの実習で機会があれば」

 

「良いだろう・・・キサマとの対戦、楽しみにしてる」

 

 

う~~~ん・・・勝負を受けてやるとは言ったが・・・もう少し年相応の女の子らしくできないものか・・・。

 

軍人と言っても未成年の子供なんだから・・・もう少しこう・・・学校に居る間は気を抜いてもいいと思うんだよな。

 

 

「しかし織斑一夏め・・・あのような無様な姿をさらして・・・これ以上教官の名に泥を塗る気か!」

 

 

ふむ・・・俺は強者と見始めた様だけど、織斑は・・・まあ現状を分からせる為に結構本気で叩き伏せたし、

最後の雪片奪ってのあれもな・・・まさかあそこまでビビるとは思わなかった。

 

 

「ボーデヴィッヒ、今の確かに織斑は弱い・・・しかし、これからのアイツの努力と心持次第では如何化ける事か・・・」

 

「そんなものは弱者の言訳だ、アイツにはそんな覇気も何も無い、強者とは生まれた時から強者なのだ、教官の様にな」

 

 

そいつは違うぞボーデヴィッヒ、生まれ付いての強者なんていない、弱いからこそ強くなる為に歩み続けるんだ・・・。

 

俺と恵姉も・・・。

 

普段は強がって弱さを表に出さないが、お前が尊敬し、俺の目標でもある千冬姉さんも・・・。

 

 

「お前・・・俺が織斑との模擬戦中に言ってた言葉を覚えているか?」

 

「ん?あぁ・・・キサマの祖母が言っていたとか言うやつか・・・たしか・・・」

 

『誰かを目標にするのは構わない、しかし自身を理解しない者は何者にも近づけない、所詮人は他人にはなれないのだから』

 

「だったかな・・・この言葉、織斑一夏だけでなく、客席に居た私に向けて言ってたようだが?」

 

 

そう・・・あの時俺は客席から、俺と織斑の模擬戦を厳しい眼差しで見つめるボーデヴィッヒを見つけ、

織斑と同じかそれ以上に千冬姉さんを意識しているこいつに向けても、俺はあの言葉を発した。

 

それに気付いて・・・と言っても当然か、あの時俺はこいつの目を見ていったんだ、こいつなら気付くはずだな。

 

 

「織斑一夏も言っていたが、私も教官の様にはなれないと言いたいのか?」

 

「別にお前や織斑に対してもそこまで言うつもりはない、只・・・」

 

「私は奴とは違い力も有るし、純粋な戦闘経験はこの学園の愚者共よりも熟している」

 

 

俺の言葉を遮り、自分はこの学園の誰よりも強いと主張するボーデヴィッヒ。

 

それにこの学園の愚者ってのは・・・生徒達の事だな。

 

 

「・・・織斑と同じように見るなって事か?」

 

「そうだ!奴は織斑教官の名に泥を塗り続けている愚弟だ!私は奴を許せない・・・そんな奴と同等などと・・・」

 

 

織斑千冬の名に泥を塗るか・・・お前の中ではそれが許せないかもしれないが、千冬姉さんは泥をかぶり、

強くなって輝いた・・・俺はそう思う。

 

 

「ボーデヴィッヒ、お前は織斑先生の様になりたいのか?」

 

「そうだ!教官の凛々しさと力は、軍人である私の目指すべき至高の境地、力を必要とする軍人ならあの人の様になりたいと願うのは当然だろう」

 

「確かに織斑先生は強い・・・誰もが敬い憧れる位に・・・しかし」

 

「ん?」

 

「それしか見てないお前は織斑どころか、お前が愚者と罵っているこの学園の生徒と同じだぞ」

 

「何だと!?」

 

 

俺の言葉に激高し、ボーデヴィッヒは俺の胸ぐらを掴み睨みつける。

 

 

「キサマ・・・事をかいて私があんな下らん思考しかしない者達と同じだと!!」

 

「そうだ・・・俺から見ればお前も他の生徒も変わりない」

 

「キサマ!!」

 

 

俺の顔面目掛け拳を振るうボーデヴィッヒ。

 

 

ガシッ!

 

「なっ!?」

 

「・・・この程度か?」

 

 

しかし俺はボーデヴィッヒの拳を受け止め、胸ぐらを掴む手を無理やり引き離した。

 

 

「お前が織斑先生を目標にするのは勝手だ・・・しかし、織斑先生は決して意味も無く力をつけたんじゃない、

織斑先生を目標とするなら、そこを理解してくれ・・・じゃないとお前は織斑先生を悲しませる事になるぞ」

 

「何?それは如何言う意味だ!!答えろ八神太一!!」

 

「お前自身で考えろ、答えは既にお前の中にあるかもしれないからな」

 

「くっ!意味の分からない事を・・・私はお前を倒す!!そして織斑教官の目を覚まし、我がドイツ軍へと戻ってもらう!!」

 

 

俺はボーデヴィッヒの言葉を聞きながらその場を去っていく・・・。

 

それにしても悲しいなボーデヴィッヒ・・・。

 

千冬姉さんを敬い、弟子であるお前が、千冬姉さんを悲しませる為に来たなんてな・・・。

 

 

Side・シャルル

 

「どっ・・・如何しよう・・・」

 

 

急いで部屋に戻った僕は・・・正直焦っていた。

 

僕自身料理が出来ないわけじゃ無い・・・よくお母さんと一緒か一人で作っていたから多分問題無い。

 

問題は太一の好きな味付けと、僕が和食の知識が無い事。

 

太一はフランス料理を期待している様だけど・・・今冷蔵庫にある材料(超大量)は兎も角、如何見ても和食用に思える調味料(大量)。

 

 

「はじめて見る調味料もあるし・・・知っていれば調味料を調整して近い味付けができるかもしれないけど・・・。

問題はそれで太一が満足する料理が出来るかどうか・・・うぅ・・・如何しよう・・・」

 

コンコン・・・

 

 

ん?誰だろう?こんな時間に・・・。

 

 

「は~~~い」

 

「あっ、ここ八神太一君の部屋で合ってるかな?」

 

「はい・・・そうですけど・・・」

 

 

ドアを開けると、割烹着を着た30代位の女の人が箱を持って立っていた。

 

 

「じゃあ君が太一君の同居者のシャルル君かい?」

 

「はい・・・そうですが・・・」

 

「じゃあこれ・・・太一君から頼まれた調味料渡しておくね」

 

「太一が頼んだ?」

 

「君まだ学園食堂を利用した事ない?」

 

「はっ・・・はい・・・」

 

 

学園食堂には2回行ったけど、料理を頼んだ事は無かったな・・・購買でサンドウィッチを買って、

太一のお弁当を食べるのに食堂に行っただけだね。

 

 

「私は学園食堂で働いているんだけどね・・・このIS学園は君みたいな外国からの生徒もいるから、

学園食堂には多種多様の国の料理も振る舞っているのよ」

 

「あっ・・・それは聞いてます。クラスの皆も美味しいって言ってます」

 

「そう?そう言ってもらえてると嬉しいね。それで・・・太一君から洋食で使う調味料を分けてほしいって頼まれたのよ。

彼聞くとこによると、自分で料理を作っているようじゃない・・・まあ彼のあの食事量を見るとね・・・。」

 

「はは・・・太一は破産するって言ってましたね」

 

「分かる分かる・・・ここのメニューを3食全てあの量で食べてたら、一番安いのでも一週間で6~7万の大台に乗るわ」

 

 

この人って太一の事知ってるのかな?

 

何だか親しそうな感じだし・・・太一の交友関係って今一分からないな・・・。

 

 

「あっ!こんな事してる場合じゃなかった、早く戻らないと。それじゃあこれお願いね」

 

 

そう言って女の人は僕に調味料の入った箱を渡して、急ぎ足で去っていった。

 

 

「洋食で使うって言ってたけど・・・」

 

~~~~♪~~♪~~~♪

 

 

携帯が鳴りだして、誰からかを確認すると・・・太一からだった。

 

 

「もしもし?太一どうかしたの?」

 

『あっ、シャルル?多分調味料が届いてると思うから、冷蔵庫の食材も勝手に使って良いぞ』

 

「えっ?良いの?」

 

 

実は料理を作るにあたってどうしても申し訳ないと言うか抵抗がある事があった。

 

それは太一が買った食材や調味料を、太一の了承無しに使う事。

 

一応それなりに僕も貰っているから買えない事は無いけど、時間的に食材を買ってる時間は無いし、

最終手段として使った分を太一に返そうと考えていたけど・・・。

 

 

『お前の事だ、俺の買った食材と調味料を使う事に躊躇いがあっただろ?』

 

「うっ・・・ご想像通りです」

 

『いや、言わなかった俺も悪い』

 

「でも本当に良いの?」

 

『じゃなかったら食事当番なんて作らねえよ』

 

「それはそうだけど・・・」

 

『なら・・・美味い飯を作ってくれよ。食材はそれに対する代価だと思ってくれ』

 

「それって何気にプレッシャーをかけてない?」

 

『そんな事ないって』

 

「そんな事あるよ・・・でも、じゃあお言葉に甘えて使わせてもらうよ」

 

『どうぞ使ってください。それと先輩との話は終ったけど、ちょっとゼロの稼働記録やメンテナンスで8時頃に帰れそうだ』

 

「1時間と少しか・・・分かった」

 

『じゃあ楽しみにしてるぜ』

 

 

太一との電話を終え、僕は届いた調味料と冷蔵庫の食材に目を向ける。

 

まず太一の食事量とキッチンの設備を考えると、シチューかスープを作った方が良いね。

 

今朝太一が作ったご飯はまだ残ってるけど、フランス料理に合うかな?お米は食べたいと思うからピラフも作ろう。

 

調味料を分けて貰えたから、言えばパンとかも貰えるかな?お金は僕が払えばいいし。

 

日本人ってお魚も好きなイメージがあるし、ムニエルとか包み焼きもいいかな?

 

野菜も・・・シチューで使うけど、サラダも必要だね。

 

 

「よ~~~しっ!大体のメニューも決まったし頑張って作るぞ!」

 

 

張り切って料理を開始する。

 

キッチンは備え付けだけど、この調理器具とかは太一が用意したのかな?手入れがちゃんとしてあるのかとても使いやすい。

 

でも本格的に料理をするのは久し振りだな・・・この2年は一度もやって無かったな・・・そんな時間があればIS訓練に回せって言われてたから・・・。

 

それまではよくお母さんと一緒に料理をしたな・・・あの頃は楽しかった・・・。

 

 

『シャルロット、お料理に一番大切なのは、気持ちなのよ』

 

『きもち?』

 

『うん、お料理はね、作っている人の気持ちがお味に表れるの。泣きながら作ったら泣きたくなる様なお味に、

怒りながら作ったら怒りたくなるようなお味になっちゃうのよ』

 

『じゃあ楽しく作ったら楽しくなるお味になるの?』

 

『そうよ。でも・・・一番は食べてくれる人の事を思いながら作るのが良いのよ』

 

『食べてくれる人の事?』

 

『ええ・・・お母さんは、シャルロットが笑顔に、そして元気でいられるように思いを込めてお料理をするのよ』

 

『そっか!だからお母さんのお料理、いつも美味しくって、笑顔になって、元気が出るんだね』

 

『ありがとうシャルロット、その笑顔と美味しいって言葉が、最高のご褒美よ』

 

『お母さんが嬉しいと、私も嬉しい!だから私もお母さんみたいにお料理が作りたい!』

 

『ふふ・・・じゃあ何時かシャルロットが、心から想う人の為にもお料理お上手になろうね』

 

『うん♪』

 

 

不意に甦った幼い頃のお母さんとの思い出・・・お母さんが教えてくれた大切な・・・最高の調味料・・・気持ち・・・。

 

うん!そうだよね!こんな暗い気持ちで料理をしたら、食べてくれる人に・・・楽しみにしてくれている太一に失礼だね。

 

太一が喜ぶ様な美味しい料理を・・・。

 

 

『何時かシャルロットが、心から想う人の為にも』

 

 

って・・・これじゃあ本当に僕が太一の事を好きみたいじゃないか!?

 

確かに太一の事は・・・気になるけど・・・。

 

うん!これはお互いが決めた決め事、それに僕が無理言って作らせたようなものだから、美味しく作ろうとするのは当然!

 

今朝も言ったけど、昨日色々あってお世話になったから、そのお礼でもあるし!!

 

それに・・・皆を騙しているこんな僕に、誰かを好きになる資格なんて・・・はっ!ダメダメ!!さっき暗い気持ちは駄目だって切り替えたばかりなのに。

 

少なくても・・・今はこんな気持ちは忘れよう・・・僕はそう自分に言い聞かせて調理を始めた。

 

 

Side・三人称

 

「出来た・・・量は・・・これだけあったら大丈夫かな?」

 

 

調理を開始して1時間半以上、途中シチューに合うパンを食堂に分けて貰いに行く等して、ようやく太一が満足するであろう量を作り上げた。

 

献立はピラフ超山盛り、野菜をふんだんに使ったミンチ入りのスープと付け合せのパン、魚のムニエル、それと春野菜のサラダである。

 

 

「味見はしたし・・・僕的には大丈夫だったけど、太一の口に合うかな?」

 

 

昨日の昼食時にセシリアのサンドウィッチを食べた時に、太一は味覚は人に国に文化で其々あるとは言っていたが、

やはり食べてもらう以上、美味しいと言ってほしい、美味しい料理を食べさせてあげたいと思うのは当たり前。

 

一抹の不安はあるものの、太一に食べてもらえる期待もあってドキドキしていた。

 

 

「もうそろそろ帰って来る筈だけど・・・」

 

コンコン・・・

 

「シャルル、入って大丈夫か?」

 

「あっ!うん、入って大丈夫だよ」

 

ガチャ・・・

 

「ただいま」

 

「おかえり、丁度ご飯が出来たところだよ」

 

 

時間通りに帰って来た太一を迎え入れるシャルル・・・その光景は完全に新婚夫婦の様であった・・・。

 

 

「おっ、良い匂いだな、これは味も期待できるかな?」

 

「ふふ~~ん、期待で終わらせない自信はあるよ」

 

「じゃあ食べようかって・・・言いたいけど、汗結構掻いたし、オイルの臭いが・・・」

 

 

メンテナンスの際、オイルを扱ったのか太一からはオイルの臭いがしていた。

 

 

「なら先にシャワー浴びてきなよ」

 

「でも・・・折角の料理が冷めちまわねえか?」

 

「その間に盛り付けるから大丈夫だよ」

 

「なら・・・先に食べt「待ってるよ。一緒に食べよ」・・・いや、でも・・・はい、10分で済ませる」

 

 

こうなって言い出したシャルルに弱いのか、甘いのか、押しきれずに太一は折れてシャワーを浴びに行った。

 

 

(俺って実はアイツに甘いのかな?そんな風にするつもりないのに・・・)

 

『只単に女の子にそっち方面でも弱いだけじゃないの?』

 

「おい・・・間違っても声に・・・お前の場合音声か・・・」 

 

『大丈夫、プライベートチャンネルみたいに、内容は外には漏れないよ』

 

「なら良いけど・・・」

 

『あのさ・・・さっきの生徒会長さんとの会話だけど』

 

「何だ?」

 

『僕は太一に昔何があったのかは全部は知らない、言いたくないならそれで良いよ』

 

「エックス?」

 

『でも・・・もし耐えられなかったら僕にも相談してね。僕は君の相棒なんだから』

 

「・・・あぁ・・・そんときゃ頼むぜ相棒」

 

(太一・・・君は仲間を、誰かを思うあまり1人で抱えてしまいがちになる淵がある・・・あの時みたいに・・・)

 

 

エックスは今の太一の様子に、ある一抹の不安を抱いていた。

 

それが何なのかは当人しかわからない・・・。

 

 

(もし君が・・・あの時と同じ事になったら、はたして今の僕で止められるだろうか?)

 

 

その不安が現実にならない事を願うエックスであった。

 

それから10分経った頃、太一はシャワーを浴び終え、シャルルが待つテーブルに座った。

 

 

「待たせたな」

 

「ううん、僕も今盛り付けが終ったところだから」

 

「そんじゃ・・・」

 

「いたd「Mangoes」えっ!?」

 

「何だ?“Mangoes”ってフランス語で、“いただきます”だろ?折角本場フランス人のお前が作ってくれたんだ、

ならフランスの作法でなと思って」

 

「そうか・・・いや、いきなり“Mangoes”って言うから驚いて・・・それに発音上手だったね」

 

「ガキの頃から・・・まあISが世に出てまだ10年しか経ってないけど、IS関係の仕事に就きたいと思ったからな、

多国語を覚えるのは必要なスキルだからな・・・かなり苦労したぜ、母国語と多国語合わせて4つを勉強するのは、

頭の出来は悪かったからな俺」

 

 

太一は恵が言った通り、勉強に関しては昔の熱血漫画の主人公並みに頭が良い方ではなかった。

 

しかし、それを補うほどの努力を彼はしてきたのだ。

 

 

「太一って努力家なんだね」

 

「たった1つの人生なんだ、無理だからと決めつけて何もしないで、後で後悔はしたくないからな」

 

(太一は凄いな・・・夢に向かって一歩一歩着実に歩いているんだもの・・・僕にはそんな事は出来ない・・・)

 

 

太一の目標に向かって歩む姿を羨み憧れると同時に、シャルルは自分の真逆な境遇に心が暗くなる。

 

 

「如何した?」

 

「うぅん・・・何でもないよ。あっ!冷めちゃうし早く食べようか」

 

「おぉ・・・じゃあ改めて・・・」

 

「「Mangoes(いただきます)」」

 

 

太一はまずスープを口へと運び、シャルルは料理には手を付けずに、じっと太一を見詰めていた。

 

 

「どっ・・どう?」

 

 

太一に味の感想を求めるシャルル。

 

美味しいと言ってくれる期待と、不味いと言われるかもしれない不安で一杯であった。

 

 

「うん・・・美味いよ」

 

「本当!?」

 

「おう、あっさりしていて美味いよ」

 

「良かった・・・味見はしたけど美味しくないって言われたらどうしようかと思ったよ」

 

「まあそこは互いの味覚の違いだからな・・・でも、例え不味くても、折角お前が作ってくれたんだ、全部食ってやるよ」

 

「あっ・・・ありがとう」

 

「ほれ、気になるのは分かるが、お前も食え食え」

 

「うん!あっ、このパンはスープに合うから一緒に食べるのもいいよ」

 

「そうか・・・おっ、美味い!」

 

「ふふ・・・スープとピラフは沢山用意したから一杯お替りしてよ」

 

「おっ?マジで?」

 

「でも食べ過ぎは体に良くないから程ほどにね」

 

「だが食べなさ過ぎも体に良くないぞ」

 

「「・・・・・・昨日もこんな会話したな(ね)・・・あっ!・・・はははっ(ふふふっ)」」

 

 

おい・・・何だこの雰囲気?

 

シャルル・・・いやシャルロットさん、素で乙女ですよ。

 

太一さん・・・この光景を観られたら、ホモと確定されますよ。

 

 

「ねえ・・・太一」

 

「んあ?」

 

「楯無先輩が、太一を次期生徒会長有力候補って言ってたけど、楯無先輩と何かあったの?」

 

 

本当はもっと気になる事があるのだが、それを直接聞く事が出来ず、楯無と何があったか聞くシャルル。

 

 

「あぁ・・・まっ、話しても良いって言ってたから良いか、あの人には妹がいてな、彼女もこの学園に通ってるんだ」

 

 

楯無の妹、更識簪は日本の代表候補生であるが専用機を持っておらず・・・いや、正確にはあるのだが未完成の段階で所持しているが正しいだろう。

 

本来は完成させてから渡される筈であった彼女の専用機は、一夏の白式と同じ倉持技研で開発を進められていたが、

世界初の男性操縦者の専用機の煽りを受け、全ての人材が白式の方に回され、彼女の専用機は完成されずにいた。

 

 

「ある意味で仕方が無い事とは言え、ひどいね・・・でもそれが太一と如何関係あるの?」

 

「簪は姉である楯無先輩に、強いコンプレックスを抱いてるんだ、あんなちゃらんぽらんな感じだけどロシアの代表候補生になる位、

頭と腕前は優秀だからな・・・あの性格を除けば尊敬できる先輩なのに・・・非常に残念だ」

 

「太一って・・・楯無先輩を残念な人の様に言ってる辺り、何気に先輩を代表に選んだロシア政府に喧嘩を売ってるよね?」

 

「別に政府に喧嘩を売ってるつもりはないが、あの人のペースに呑まれるとおもちゃにされるだけだからな。

遣られる前にこっちで主導権を握っておかないと後々面倒くさいんだよ」

 

「そうか・・・あっ、話の腰を折っちゃったね・・・続けて」

 

 

本来なら簪の専用機は完成するまで倉持技研で置かれる筈であったが、楯無が1人で自身の専用機を組み上げた事を知った簪は、

未完成の専用機を受け取り、姉に抱いていたコンプレックスを解消する為に、IS学園の整備所で組み上げようとしていた。

 

 

「まあ、それを始めたのは俺がここに来る前で、織斑が白式を受け取った翌日の話だそうだ」

 

「太一は確か凰さんより前にIS学園に来たんだよね」

 

「おぉ・・・っで、その鈴がここに転校してきた丁度前の日、俺がここで整備課に務めて3日目の事だ・・・」

 

 

Side・太一

 

当時俺は織斑が起こした、ある不祥事の後始末を、整備課の仕事と並行して行っていて、目の回る忙しさに見舞われていた。

 

 

『ったく、織斑の所為で余計な仕事が増える一方だ!昨日あれだけの事をして、今日は白式を半壊寸前までに追い込みかけただ?

訓練するのは良いが、素人なんだから先ずは基本的な・・・まてよ?確か千冬姉さんも居た筈・・・じゃあしょうがないか・・・納得いかないが』

 

 

千冬姉さんとの修行を思い出し、何処か白式が半壊しかけた事に、しょうがなさを感じてしまっていた時。

 

 

『あの・・・』

 

『ん?』

 

『その・・・この道具を借りたいんだけど・・・』

 

眼鏡をかけた水色髪の少女・・・これが俺と更識簪との出会いで、あの残念なシスコン生徒会長との血戦の火種のとなった。

 

 

『これって・・・使用するには技術者免許が必要だぞ』

 

『でも・・・これが必要・・・かもしれない』

 

『はあ?それに君1年だろ?整備するにしろこの時期は整備員か先生の付添が決まりの筈だ、その人は?』

 

『いや・・・私1人で・・・』

 

『・・・君、名前とクラスは?』

 

『えっ?・・・さら・・しき・・・簪、1年4組・・・』

 

『更識?まさか君、日本の代表候補生の?』

 

『うっ・・・うん・・・』

 

(それと対暗部用暗部の・・・只同じ苗字なだけかそれとも・・・)

 

『如何したの?』

 

『ふぅ・・・いくら代表候補生でも、決まりは決まりだ、この道具は貸せないのと、今すぐ出て行く事』

 

『そんな!』

 

『何をしたいのか分からないが、如何してもやりたいなら手の空いてる人を回すが?』

 

『それは!・・・駄目・・・・・私が1人でやらないと意味が無いの・・・』

 

『?』

 

 

この時まさか1人で専用機を組み上げようとしていたなんて思いもしなかったな、設備は整っているけど、

あくまで整備や修理と、パッケージを換装させるのに十分な位で、専用機を組み上げるにはあまりにも設備も道具も不十分だ。

 

それは簪も分かっていたが、そこには彼女の執念じみたものもあったんだろうな、一向に引こうとはしなかった。

 

 

『何かあってからじゃ遅いんだよ。さっきもこの道具をどの用途で使うか分かってない様だったし、

そんな素人を1人でいさせるわけにはいかないな』

 

『それでも・・・私1人でやらないと・・・ううん!やりたいの!』

 

『はあ・・・やる気は分かったけど・・・っ!?』

 

 

その時、俺は背後から刺すような殺気を察知し、咄嗟に振り向くと・・・。

 

 

シャッ!!

 

『うおっ!?』

 

 

突如目潰しで襲い掛かって来た指を寸前で避ける・・・しかし右頬をかすめて血が垂れ出す。

 

 

『ひゃ!?』

 

『手前・・・何のつもりだ?』

 

『はあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』

 

 

襲撃者は答えずにそのまま追撃して来た。

 

俺はそれを迎え撃つが・・・IS学園の制服を着ているあたりここの生徒だ、怪我をさせる訳にはいかないので攻撃を防ぎ、

組み伏せようとするが・・・。

 

 

(こいつ強い!?)

 

『でやあああああああああああああっ!!』

 

 

俺と渡り合える奴が、しかも歳の近い女子が要るとは・・・流石はIS学園と言ったところか?

 

その時俺は久しく俺と渡り合える奴と出会えて、少し・・・燃えて来ていた。

 

相手の攻撃を防ぐのに集中し、その所為もあったのか、襲撃者の髪が簪と同じ水色の髪をしていて、

簪と似た顔立ちだった事に、直ぐには気付かなかった。

 

 

『止めてお姉ちゃん!!』

 

『えっ!?お姉ちゃん!?』

 

『かんちゃんに何をしようとしたこの強姦魔あああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』

 

『でええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?』

 

 

この時俺は察した・・・こいつ、超の付くシスコンだと。

 

如何やら簪をストーキング中(おい!)に俺とのやり取りを見て、勘違いして暴走したそうだ・・・それにしても人を強姦魔って、

妹に関しては色々と過剰に捉えてしまうようだな・・・ほとほと残念な人に思えるよ。

 

 

『ある意味君も人の事言えない・・・かもしれない様な・・・』

 

「何だエックス?」

 

『いやいや、何でもないよ』

 

「?」

 

 

エックスが何か失礼な・・・それでいて確信突いた様な事を言おうとした気がしたが、気にせず話を進める。

 

相手が簪の姉である事を知り驚いた後も、攻防は暫らく続いていた。

 

どっちも一歩も引かない激しい攻防、相手は完全に殺しにかかっているので、こっちも必死に迎え撃っているので、

見る者が見ればそれは殺し合いか血戦であった。

 

しかし・・・それは突如として終わりを迎えた。

 

 

『はあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』

 

『でやああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』

 

『整備室で大暴れするなガキ共おおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!』

 

ゴチーーーーーーーーーーーーーーンッ!!

 

『『へぶっ!!』』

 

 

騒ぎを聞き付けた整備主任こと恵姉怒りの鉄拳を喰らい、俺と楯無先輩は地面にめり込んで気を失った。

 

そして次に目を覚ますと・・・目の前は自分の血で真っ赤に染まっていた・・・。

 

 

「っとまあ・・・これが俺と楯無先輩とのロマンの欠片も無い出会いの物語」

 

「一つ間違えれば惨劇だよねそれ?」

 

「まあな・・・その後、正気を取り戻した楯無先輩に事情を説明、勘違いで俺を半殺しにしようとした事と、

陰で簪を見ていた事を本人に知られた恥ずかしさに、勢いでその場で勝負を挑まれたって訳」

 

「よっぽど焦ってたんだね楯無先輩」

 

 

あの時の楯無先輩の顔は恥ずかしさで真っ赤だったからな・・・しかも目の焦点が合ってなかったし。

 

やべ・・・思い出したら笑いが込み上げてきた・・・。

 

 

「あぁ・・・まあ結果は1勝1敗1引き分けで勝負はついてないけどな」

 

「へえ・・・ん?そうか・・・だから楯無先輩、太一を次期生徒会長有力候補って言ったのか」

 

「まあその勝負内容はIS知識と生身での格闘・・・そして何の意味があったのか料理勝負だけどな」

 

「・・・何で料理対決を?」

 

「分かんねぇ・・・因みに俺が負けたのそれね」

 

「そうなの!?太一の料理美味しいのに・・・じゃあ勝ったのって?」

 

「・・・生身での挌闘・・・」

 

「えっ!?代表の人にIS無しと言え勝ったの!?」

 

 

シャルルは心底驚いているが、代表候補生のシャルルなら代表に選ばれる人たちがどれだけ凄いか知っているから仕方がないか。

 

 

「これ内緒な?俺は生徒会長になる気ないし、知られたら色々と厄介になるから」

 

「うん・・・それは分かるけど、生徒会長になる気は無いの?」

 

「・・・君はこれ以上俺に働けと?」

 

 

今はまだ来なくても大丈夫だと言われているが、これから先整備員としての仕事は来るだろうし、

ゼロのデータ整理や政府からの課題・・・これには日々の特訓も兼ねて熟せるが、今の俺は学生だ、

学園生活もあるし・・・そこに生徒会の仕事だと?

 

 

「ふっ・・・軽く過労死できるな」

 

「たっ・・・確かに」

 

「それに聞く限り、生徒会長の座を巡って辻斬り紛いに襲ってくる輩が毎日の様にって言ってたな・・・選挙を行うべきだ!

民主主義は何所行った!!」

 

「でも太一が生徒会長って案外似合ってるかもね」

 

「はあ?この俺が?」

 

 

俺が生徒会長・・・駄目だ、荒廃した世紀末な光景しか浮かばない。

 

 

「うん・・・太一って人を纏めるのが上手だし、リーダーシップも有る」

 

「そうかねえ?俺よりお前の方が良いんじゃねえか?女子に人気あるし」

 

「そうかな?女子達に人気ってのはよく分からないけど、僕じゃダメだって事は分かるよ・・・」

 

「・・・・・・そうか」

 

 

何時もの俺なら「やる前から決めつけるな」と言っているが・・・まあ今回は俺にも言える事なんだけど、

シャルルの場合は今の自分と照らし合わせての発言だと思うから、あまり口にはしないでおく。

 

この料理にしたって・・・味は確かに美味い、でも・・・どこか迷いと言うかそんな感情が伝わってくる気がした・・・。

 

 

「ふう・・・Merci beaucoup.(ごちそうさまでした)」

 

「満足してくれた様でなによりだよ」

 

 

飯も食い終り、今日の授業の復習や明日の準備、それと各自国政府への報告やデータ提出等にシャワーを浴びるなどで、時刻は11時を過ぎた。

 

 

「ねえ太一、明日は何時に起きるの?」

 

「ん?明日は・・・IS実習が多いから、今日みたいに早く起きないかな?ランニングはしておきたいから6時位には起きるかな?」

 

「そう・・・分かった」

 

 

シャルルが何でそんな事を聞くのか、それどころではない俺は聞き返さなかった。

 

忘れているかもしれないが・・・俺達の部屋にベッドは1つしかない・・・俺達は2人で1つのベッドで寝ているのだ。

 

そしてシャルルはシャルロットさん・・・昨日と今日、この時が一番心臓への負担がデカい。

 

 

「ねえ・・・朝の訓練、僕も行って良いかな?」

 

「別に構わないけど・・・お前が起きられたらな」

 

「それなら大丈夫だよ」

 

「じゃあ・・・もう・・・寝るか?早く・・・布団に入れよ」

 

「うっ・・うん・・・」

 

 

一緒に寝る状況にテンパって、後程良い疲れと眠気で早く寝たいからって、何を口走ってんだ俺は!?

 

シャルルも何か意識してかぎこちないんですけど!?

 

 

「じゃっ・・・じゃあ・・・・おやすみ・・・」

 

「おっ・・おぉ・・・おやすみ・・・」

 

 

俺がこの状況に慣れるのが先か、それとも俺の心臓と理性(こっちもある意味で死)が限界を迎えるのが先か、

等と小さくも大きな不安を抱いて無理やり就寝し一日を終えた。

 

 

Side・恵

 

「何だ恵?こんな時間に呼び出して?」

 

「こんな時間に呼び出したんじゃなくて、お前がこの時間じゃないと無理だって言ったんだろうが」

 

 

以前使ったBARに千冬を呼び、取り敢えず飲めとノンアルコールのドリンクを渡す。

 

 

「酒を飲む場でノンアルコールを渡されるとはな」

 

「前来た時も、結局飲まなかったじゃねえか」

 

「・・・太一君に関してか?」

 

「半分正解」

 

 

呼び出した要件の内容を察し、これまた以前使った個室に移動して話す事にした。

 

このBARは個室を完全防音で作っていて、客のプライベートには一切干渉しないのが売りであるので、

一部要人もよく利用する程だ。

 

俺や千冬もあまり世間に聞かせられない話をする時にここを利用する。

 

一応盗聴機等が無いか調べて・・・本題に入る。

 

 

「これを見てくれ」

 

 

そう言ってディスプレイに映し出されるデータを見せた。

 

 

「・・・これは零式か?成程・・・確かに半分正解だな」

 

 

そう、映し出しているデータは太一のIS、零式の稼働時のデータだ。

 

 

「お前これ見て如何思う?」

 

「・・・私も嘗て日本代表として、そして今では教師としてISの稼働データには目を通してきたが・・・このデータに何の問題がある?

零式のスペック、そして太一君の身体能力と技能を考えれば特に問題は無いと思うが?」

 

 

そう・・・最初に見せられた、零式の基本スペックと太一の実力をふまえれば特に問題無い様に見える・・・しかし。

 

 

「じゃあ次にこれを見てくれ」

 

 

そう言って切替た画像は零式の構造図、幾つか点灯している部分は、システムや機能が稼働している部分と、

エネルギーが一定以上発せられている箇所だ。

 

 

「これは・・・流石に私では何と答えればいいか・・・」

 

「まあそうだろうな、これが零式の各部稼働箇所、そしてこれが第1から第3世代の各部稼働箇所を表している。

これらを見比べてみてくれ」

 

「これは・・・また随分と各所に集中しているな・・・」

 

 

従来の・・・と言うよりは、束が作ったISコアを使用するISは全体的に機能が稼働しているのに対し、

零式はISのコアが有りうるであろう左胸周辺、PICが搭載されている背部、そして操縦者の脳波を伝達させる為の頭部が主に稼働していた。

 

零式は他のISとは構造が大きく違う。

 

PICにしても、その機能を十分発揮する為に小型化は難しく、脚部に搭載させるしかない、しかし零式は従来のPICと比べ物にならない程に小型で、

背部に搭載されている程だ。

 

その為にこれ程に稼働箇所が各所に集中している風にも思えるが・・・。

 

 

「無駄・・・だとは思はないか?」

 

「何?」

 

「この稼働していないスペースがさ」

 

「・・・確かに・・・しかしそれは今後零式が成長すれば・・・」

 

「70~80%」

 

「何?」

 

「プロのIS乗りが第3世代をワンオフを発動させずに乗り回す時の全体平均の機能稼働率だ。

素人でもその稼働率は50~75%と言われている」

 

「それは私も知っている・・・それが如何したというのだ?」

 

「同じように見たら、零式は全体の40%程も機能を発揮していない計算だ」

 

「何だと!?」

 

 

プロと素人との差は、全ての機能を意識して発動するか無意識に発動させるかの違いによってこの稼働率の差が表されている。

 

しかし太一もシミュレータとは言え、ISの機能を発揮する術は持っている・・・構造が大きく違うとはいえここまでとなると・・・。

 

 

「まだ零式が意図して機能をロックしているとしか思えん」

 

「太一君はこの事は?」

 

「知らないよ・・・いや、案外気付いているかもな」

 

「そうか・・・エックスに聞けば何か分かるのでは?」

 

「ん~~~俺もそう思ったんだけどさ、エックスはコアの意志じゃないって事は、多少なりには知ってても、

そのロックを解除する方法は知らない可能性が高いんだよな」

 

「確かにな・・・」

 

「それとさ・・・こっからが本題なんだが・・・」

 

「何?」

 

「仮に零式は全ての機能を起動させた場合、軍事用ISと変わらない・・・いや、それ以上のパワーが出る事が予想される・・・」

 

「何だって!?」

 

 

先生達と俺達の夢が込められた零式・・・それが軍事用のISを凌ぐかもしれない力を秘めている・・・。

 

確かに零式は成長するISだ、事実太一が初めて稼働させた時と今日とで、スペックは上昇している・・・まるで本物の生物の様に・・・。

 

しかし、それで軍事用を凌いだならまだ納得できるが、最初からそれだけの力を秘めているとすると・・・。

 

 

「何故先生はそんな事を・・・」

 

「分からねえ・・・だがこんな事は起動する前ならまだしも、起動した後なら調べたらすぐにわかる事だ」

 

「そうだな・・・」

 

 

正直言って信じたくないんだな・・・俺も千冬も。

 

先生達はISを戦闘兵器にだけはしたくないと言っていた・・・だが、零式にこれだけの力が秘められているとすると、

最悪の事実があるのではないかと思ってしまう・・・それが恐いんだ。

 

 

「真実が如何あれ・・・零式にこれだけの力が秘められているかもしれないのは事実だ」

 

「先生達が亡くなった今、真実を知る術があるか分からないが・・・私は先生達の言葉と夢を信じるぞ」

 

「俺だってそうだ、それに・・・真実はおそらくだが、零式の全ての機能が起動したら分かるかもしれない」

 

「それは勘か?」

 

「おう!勘だ」

 

「・・・信憑性は無いが、確かに今のところそれしかないな」

 

 

そうだ・・・真実を知るには零式を使い続けるしかないんだ。

 

 

「それとな、零式の装甲を調べてみたんだが・・・どうも新種のレアメタルで構成されているみたいなんだ」

 

「新種のレアメタル?」

 

「強度は従来のISと同じなんだがな・・・原子や配列は今までに見た事の無い物だそうだ」

 

「先生達が製造した可能性は?」

 

「無くはないが・・・可能性は低いだろうな」

 

 

謎が尽きない零式・・・何故これ程の力を?何を・・・いや、何と戦う為にか?

 

この世に存在する全てに意味がある・・・先生が言っていた言葉。

 

零式にも・・・その力も・・・意味があるのだと、俺も千冬も信じたい・・・。

 

それに・・・この何も稼動していない右胸部分、言い様の無い不安と期待のどちらも感じさせられるのは何だ?

 

ここに・・・ここに零式最大の謎が隠されているのか?

 

 

Side・三人称

 

深夜の都会、ネオンの光が僅かに届く裏路地に1人荒れる女性がいた。

 

 

ドガンッ!!

 

「フザケンナあの狸ジジイ!!この私が使えないだと!!」

 

『君ねえ・・・自分の力量分かって言っているのかね?』

 

「使えない男の分際で!上の役職に就いてるだけの豚が!!」

 

『女尊男卑の世の中と言ってもねえ・・・目の上の者や上司には態度を弁えないと』

 

「私の企画を通さなかった上層部も屑の分際で!!」

 

『君はこんな企画が通ると本気で思っているのかね?』

 

『中身も無いし、将来性にも欠ける、君は自分のポジションの意味分かっているのかね?』

 

「あろう事か私をクビにするなんて!!」

 

『我が社には、常識が無い人間も仕事が出来ない人間もいらないんだよ』

 

「クソッ!クソッ!クソッ!!」

 

 

彼女は骨の髄まで女尊男卑に頼って、学生時代からの10年間、社会を渡り歩いて来た。

 

そして女である自分は何でも出来て偉いと信じ込んでいた。

 

彼女が務めていた会社は、世間では上級企業であったが、彼女は殆ど脅しの様なコネで無理やり入社し、

女である事を利用してそれなりのポジションにまで席を置くまでにきた。

 

しかし会社とは上に行けば行くほどに見られ実績を上げなければならないもの、経験も無く、実力で上り詰めていない彼女の仕事などたかが知れていた。

 

メッキはボロボロと剥がれ落ち、上の人間は男性で構成されていたが、風潮に流されず、強くものを言える者達だったので、

彼女は彼等を嘗めて食って掛り反発し、ついにクビとなった。

 

何をしても赦され、優遇されて生きて来た彼女にとって、これ程の屈辱と転落はなかった。

 

 

「ちきしょう・・・ちきs・・うっ・・・うぶっ!?おべええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

 

クビになった後、彼女は浴びるように酒を飲み、酔いと怒りに任せて暴れまわった。

 

そして今は都会のネオンを避けて吐瀉物をまき散らして、ゴミ溜めに倒れている。

 

その姿は、彼女の今までの人生を見ると、仕方がないとも言える・・・しかし、彼女に反省も後悔も無かった。

 

 

「クソッ!ISの・・・ISの適応ランクが高ければ!私だってあの織斑千冬みたいになれたはずなのに・・・」

 

 

彼女はISランクは高い方ではなかった、しかしそれでISに乗るのを諦めた訳ではない。

 

只面倒くさかった・・・それだけの理由でIS関連の道に行かなかっただけだ。

 

今の彼女の言葉は、現実を突き付けられても、自分は天に愛された存在と勘違いしている故の妄言だった。

 

 

「ISが・・・専用機が有れば私は・・・『あげようか?』って?なっ・・何?」

 

『専用機・・・欲しいんだよね?あげようか?』

 

 

突如彼女の上にあった点かない街灯・・・それが突如明かりを灯し、全身を漆黒のローブを纏ったピエロの仮面を被った人物がぶら下がっていた。

 

 

「ひっ!?」

 

『そんなに驚く事ないんじゃなあい?あっ!それとも怖がっているのかな?どっちにしろ傷つくなあ・・・』

 

 

そいつは大人様な、子供の様な、機械的な女の声で話してくる。

 

 

『まあ・・・別にいいけど、それよりアナタ、専用機が欲しいんだよね?』

 

「おっ・・・お前は何なんだ?専用機をくれるったって、お前みたいな怪しい奴が・・・政府や企業の人間なわけが・・・」

 

『そうだよ・・・私はそんな日の光の当たる場所の者じゃない!あなたと同じ日陰者さ』

 

「日陰者?この私が!?」

 

『だって今の自分の姿を見て見なさいよ・・・とてもそんな風には見えないわよ』

 

「なっ!?」

 

『私はそんな同じ日陰者にチャンスを与える為に来たのよ』

 

 

そう言うとピエロは何処からか黒いクリスタルの様な物を出して、女に差し出す。

 

 

「そっ・・・それを手にすれば・・・私も専用機持ちに・・・あのブリュンヒルデ・・・ 織斑千冬の様に・・・」

 

『いや・・・それ以上の存在となれるわ』

 

「それ以上の・・・」

 

 

女はクリスタルをその手に取り、ピエロの言葉を真に受け、織斑千冬以上の存在となって世界に君臨する自分の姿を思い浮かべ、

表情は欲望と復讐心で歪んだ笑みとなった。

 

しかし・・・それは束の間の幻想と喜びだった。

 

 

『あぁそうそう・・・それは確かに専用機だけど、ISとは言ってないわよ』

 

「えっ?」

 

ビキキッ!!

 

「なっ!?何よこれ!?」

 

 

クリスタルは突如先端が鋭利に尖った触手を幾つも出し、それを・・・。

 

 

ザシュ!ザシュッ!!

 

「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」

 

 

女の腕を始め、体中にその触手を刺し込んで行った。

 

 

『それはISなんて玩具と違って超強力だから、とても普通の人間に扱える代物じゃないの』

 

 

痛みと苦痛にのた打ち回る女をごく当たり前のように見つめて言葉を続けるピエロ。

 

 

『だからさ扱う前に、扱えられるように肉体を改造する必要があるのよね』

 

「ああああああああああああああっ!!ぎひあああいいいいいいいいいいいっ!!」

 

『あらら・・・聞いてない様ね・・・折角説明してあげているのに失礼な女』

 

 

ピエロはもはや・・・いや、最初から女を人間と見ていなかったのだろう。

 

最初から女を“それ”を動かせる為の生きた肉人形としか見てなかったのだ。

 

 

『それにしても五月蠅いな・・・コイツを見られるのは拙いのに・・・そうだ!』

 

 

ピエロは何を思ったか、未だ苦しみ暴れる女の足を掴み、ズルズルと引きずった。

 

その向かった先には、マンホールの蓋があった。

 

 

『見つかるといけないから、ここに入っててね』

 

ボカンッ!!

 

 

ピエロが手を翳すと、如何言う事かマンホールの蓋が吹き飛び、下水道への入り口が口を開けた。

 

そしてピエロは片手で女を持ち上げて、下水道の入り口の上へと持って行った。

 

 

『大体1週間位で改造が完了すると思うから、それまで生きていたらめでたくアナタはその子の専用機だよ』

 

「ぎぎぎっ!!」

 

 

もはやまともに叫び声も上げられなくなった女。

 

そしてピエロはまるでゴミを捨てるかのように・・・。

 

 

『じゃあ頑張って生き延びてみてね♪』

 

 

女を下水道へ落した。

 

 

ボチャン!!

 

『じゃあその肉人形が死んだら自力で戻ってくるんだよーーーーーーーっ♪』

 

 

ピエロは女が下に落ちた事を確認すると、それだけ言って蓋を閉めた。

 

 

『今度の肉人形は耐えられるかな?これで8体目だけど、そろそろ成功させたいな・・・マスターの為に・・・』

 

 

ピエロはまるで最初からそこに居なかったかの様に、その場から姿を消した・・・災厄の種を植えて・・・。

 

そして新たな1日の始まりを告げる朝日が昇る・・・。

 

 

Side・太一

 

うぅ・・・眠れるか心配しても、ちゃんと眠れるもんだな・・・。

 

さてと・・・シャルルを起こさない様に着替えて・・・。

 

 

「おはよう!」

 

「・・・はっ?」

 

「おはよう太一」

 

「・・・おはよう」

 

 

目が覚めてまず目に入ったのはジャージ姿のシャルルだった・・・って!

 

 

「やべっ!!」

 

「うわっ!?如何したの太一?」

 

 

シャルルが先に起きているって事は寝坊したか!?

 

ヤバいぞ!今日は朝の筋トレついでにアリーナの定期点検をする予定・・・ってあれ?

 

 

「6時前・・・あれ?」

 

「まさか・・・僕が先に起きていたから寝坊したとでも思ったの?」

 

「いや・・・そんな事は・・・」

 

 

図星です・・・はい・・・。

 

それにしても・・・。

 

 

「シャルル・・・お前何時に起きた?」

 

「えっ!?その・・・太一が起きるよりちょっと前だよ・・・」

 

 

明らかに目を逸らすシャルル・・・。

 

ふと台所に目をやると、朝飯と弁当の下準備がしてあった。

 

 

「あれを見る限り、ちょっと前じゃないな」

 

「あうぅ・・・」

 

「・・・こっちを向け」

 

「ふえっ!?なっ・・・何で?」

 

「いいから・・・俺の目を見ろ」

 

「ええぅ・・・」

 

 

やっぱり・・・コイツ本当に何時に起きたんだ?

 

 

「目が充血してるぞ・・・本当は何時に起きた?」

 

「うぅ・・・5時前です・・・」

 

「何で?」

 

「それは・・・昨日朝食とお弁当を作ってくれたから、そのお返しと・・・僕も一緒に訓練をしようと思って・・・その・・・」 

 

 

その為に無理して早起きしたってか?

 

正直コイツが何を考えているのか・・・俺には分からない。

 

この2日で分かったコイツの性格上、最初のは分かるが後のは・・・一緒に行動して俺のデータを取る為なのか?

でもこの様子からしてそれは無い様な気もするし・・・。

 

 

「まあ・・・そういう事にしとくか・・・」

 

「うぅ・・・」

 

「代表候補生だしな、訓練は大事だけど、無茶して怪我しても知らねえぞ」

 

「体調管理も代表候補生の務めだよ自分の限界も弁えてるよ」

 

「さいですか・・・一緒に訓練したいなら、着替えたら行くぞ」

 

「うっ・・・うん!」

 

 

何か喜んでるし・・・昨日は猫みたいかと思ったが、今日は犬だな・・・耳と尻尾が有れば激しく動かす位に喜んでる。

 

 

「なっ・・・何?」

 

「いや・・・お前面白い奴だなと思って」

 

「ふえっ!?」

 

「それだけ、じゃあ準備をするから待っててくれ」

 

「ちょっ・・・ちょっと待ってよ太一!僕どこか変?何かおかしなとこあるの?ねえってば!」

 

 

そんな風にコロコロと表情や感情が変わるとこが面白くて・・・いとおs・・・って!?俺も何を考えてるんだ!?

 

俺はアイツをそんな風に思ってない!例えるなら・・・そう!マスコット的な・・・ってそうじゃねえ・・・その・・・何なんだろうな?

俺にとってアイツは・・・。

 

昨日の楯無先輩の言葉の所為か、変に意識しすぎかな?

 

そんな事・・・有り得ないとは言い切れないけど、少なくとも今はあり得ない、仮にそうだったとしても、

一目惚れなんてものは、俺はあまり信じないし信憑性も持たない。

 

そう言った感情は相手の良いところと悪いところを見て、知って、過ごしていく中で芽生えるものだと俺は思う。

 

良くて今の俺は、少し話しやすい男子ってところかな?

 

そんなもんだよな普通は・・・よく分からないが・・・。

 

 

「まっ・・・考えても仕方がない、今日のやる事を熟していくか」

 

 

この時の俺は、無意識に今の・・・表向きでのシャルロトとの関係や生活を壊したくないと思ったんだろう。

 

だから俺は考える事を止めて、忘れる為に訓練と仕事に行ったんだと思う。

 

本当・・・俺にとって・・・シャルロットと言う1人の女の子は・・・何なのだろうな?

 

 

To be Continued

 

 

オマケ・『お風呂?食事?それともわ・た・し?』

 

その後太一とシャルルは訓練を終え、シャルルの作った朝食を食べた。

 

その時食べたシャルルのガレットに、太一は不意に「これは毎朝食べたい」と思った事はシャルルには内緒だ。

 

食べた後は学園で何時もの一夏の鈍感KY発言と、太一が転入した事で加わったホモを思わせる発言に、

箒達と太一によるフルボッコ等を授業の合間や実習中にやりながら今日の授業は終り。

 

放課後に行われた一夏達の訓練にシャルルと参加、今後の訓練の為に何時もやっている訓練を見せてもらいその日は特に何も無く終わった。

 

そして部屋に戻る学園寮の廊下で・・・。

 

 

シャルル「今日は一夏の訓練を見せてもらったけど・・・」

 

太一「あれは訓練と言える?と聞かれたら俺はNOと答える」

 

シャルル「ははは・・・僕も・・・」

 

 

どうやら一夏達の訓練内容はお粗末にも訓練とは言える内容ではなかったようだった。

 

 

太一「まあ・・・改善すれば何とかなるだろう」

 

シャルル「僕も出来る限り手伝うよ」

 

太一「頼りにしてるぜ・・・ん?」

 

シャルル「如何したの太一?」

 

 

太一が部屋の前で何かを察した頃、その部屋の中では・・・。

 

 

???「ふっふっふ~~~ん♪そろそろ2人が帰って来る時間ね」

 

 

このIS学園最強のへんt・・・違う違う、IS学園生徒会長の更識楯無嬢が一見裸エプロンの姿で太一とシャルルの部屋に居た。

 

一見と言うのは、中に水着を着ていて、前から見ると裸エプロン姿に見えるから・・・。

 

そして何故太一とシャルルの部屋に要るかと言うと、不法侵入をしたから・・・。

 

うん・・・変態で間違いなかったな・・・後犯罪だねこれは。

 

 

楯無「人を変質者と犯罪者呼ばわりしないでくれない?」

 

 

いや・・・それ以外に如何言えと?

 

それと・・・素で文章を読まないでください!

 

 

楯無「さてと・・・帰ってきたらどんな反応するかしら?太一君はこの魅惑のプロポーションを前に気絶しそうね。

シャルル君は・・・そんな気絶した太一君を介抱しようとしてあたふたするかも・・・ふふっ・・・楽しみ♪」

 

 

如何やらこの人・・・太一とシャルルをからかいに来たようだ・・・何と悪趣味な・・・。

 

 

ガチャガチャ・・・

 

楯無(あっ!帰ってきたみたいね・・・よ~~~し・・・)

 

 

楯無は扉の前に立って準備を始める。

 

 

ガチャ・・・

 

楯無「おかえりなさい♪ご飯にする?お風呂にする?それともわ・た・・・・しぃえ!?」

 

 

最初は軽快でおちゃらけた口調でお約束な台詞を言う楯無であったが、最後の方は詰りって驚愕と恐怖の声に変わった。

 

それもその筈、開いた扉の前に立っていたのは、太一でもシャルルでもない・・・立っていたのは・・・。

 

 

???「ふむ・・・時間が惜しいからお前にしようか・・・なあ?楯無」

 

楯無「おっ・・・織斑先生えええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

 

 

そう・・・このIS学園真最強にして恐怖の象徴で魔王な、ある意味で地獄先生な・・・織斑千冬が立っていたのだった。

 

いかに生徒会長の楯無とて、この学園の生徒に変わりない、故に彼女にとっても千冬は怒らせてはならない、

逆らってはならない相手なのだ。

 

 

楯無「なっ・・ななな何故ここに織斑先生が?」

 

千冬「私がここの寮長をしている事を忘れたか?この部屋の住人に、怪しい気配を発している変態がいるかもしれないと連絡があってな」

 

 

そう言う千冬の背後に、してやったりとニヤケ顔の太一と、苦笑いしているシャルルの姿があった。

 

 

千冬「八神、デュノア、この変態は私が連れて行くから部屋に入ってなさい」

 

太一・シャルル「「は~~~い」」

 

千冬「では行くぞ変質者!」

 

楯無「ちょっ!ちょっと待ってください織斑先生!!これには訳が!!」

 

千冬「八神の弱点克服だと言うのなら無駄だったな、その程度ではこいつの初心さは治らない!!」

 

太一「そこまで強くハッキリ言う必要ないじゃないっすか?」

 

千冬「事実を言って何が悪い?ほらさっさと来い!!」

 

楯無「お慈悲を~~~~~!!」

 

千冬「変質者に慈悲は無い!!」

 

楯無「あ~~~~~~~っ!!」

 

 

千冬に引きずられる様に、裸エプロン(in水着)姿のまま連れて行かれる楯無。

 

それを若干哀れんだ顔で見るシャルル。

 

 

シャルル「楯無生徒会長も流石に織斑先生には適わないんだね」

 

太一「あの人は色んな意味で最終兵器だからな」

 

シャルル「でもよく分かったね・・・楯無先輩が部屋に潜んでいるって」

 

太一「あぁ・・・俺も部屋の前に来るまでは気付かなかったけど、ちょっと嫌な予感がしてな」

 

シャルル「第六感ってやつだね」

 

太一「まあそんなとこだ・・・さてと、何を思ったか飯まで用意してあるし、今日はこれにすっか?」

 

シャルル「そうだね・・・折角だし頂こうか」

 

 

2人は部屋には楯無が作った料理を楽しげに、そして美味しくいただきました。

 

そしてその後、その料理を作った本人・・・楯無の姿を見た者はいない・・・。

 

楯無・・・南無阿弥陀仏・・・。

 

 

楯無「私はまだ生きてるわよ!!」

 

千冬「まだ説教は終ってないぞ!!」

 

バゴンッ!!

 

楯無「きゃうん!!」

 

 

おしまい

 




オマケの方は、ある意味本編より書きたかった内容です(おい!)

ラウラが久しぶりに登場、一応太一側ヒロイン(予定)なのに・・・もう少しよ!もう少しでもっと出番増えるから・・・多分・・・。

太一と楯無、そして簪の出会いはこんな感じで、その後如何言った経緯で3本勝負になったかは、簪が出始めたら書きたいと思います。

そして謎のピエロ仮面・・・なんかよく敵にピエロ系を出す気がするな・・・。

しばらくはオリジナルと原作を混ぜていこうと思ってますが・・・オリジナルの比率が多くなりそう・・・次回もお楽しみに。
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