DIGIMON・STRATOS   作:龍気

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今回はピンチの・・・ピンチの・・・ピンチの連続、そんな話・・・。

太一が”アレ”を纏う!!


第5話『目覚める魂』

Side・箒

 

一夏・・・一夏・・・。

 

謎のISが管制室を攻撃した後、私は気を失い、気が付いた時私は、謎のISの攻撃によって空いた穴から会場の方を見ると、

謎のISと戦う一夏の姿が見えた。

 

 

「一夏!!」

 

 

一夏は謎のISの攻撃に圧されていて危険な状況だった。

 

私は必死に叫んだが、此処からでは私の声は届かない。

 

如何すれば・・・。

 

辺りを見渡した私は、扉に穴が開いている事に気付いた。

 

私は一夏の手助けがしたくて、その穴から管制室を出て走った。

 

何か・・・何か一夏の力になれる事を・・・そう思いながら当てもなく走った。

 

そして私は実況室の前に来た。

 

此処ならひょっとしたら一夏に私の声が届くかもしれない。

 

そう思った私は室内へ入っていった。

 

実況室の扉は開けっ放しで、中に誰も居なく、私は難なくはいる事が出来た。

 

そして実況室の窓から会場の様子が見えた。

 

 

「一夏っ!!」

 

 

一夏は最後に見た時と同じ様に謎のISに圧されていた。

 

このままでは一夏が負けてしまう・・・そう思った私は、目の前にある実況用のマイクを手に、

ボリュームを最大にして大声で叫んだ。

 

 

「一夏ぁっ!!」

 

 

頼む一夏・・・勝って・・・諦めないでくれ。

 

 

「男なら・・・男ならそのくらいの敵に勝てなくてなんとする!!」

 

 

頼む・・・私の言葉で少しでも一夏に力を・・・。

 

 

「篠ノ之!!何をしている!?」

 

「!?千冬さん?」

 

 

突如入って来た千冬さんに私は驚き、千冬さんもそんな私を気にも留めず詰め寄ってくる。

 

 

ヴァシュンッ!!

 

「「!?」」

 

 

微かに聞こえた何かを発する音・・・その音がした方を見ると・・・閃光が此方に迫って来ていた。

 

 

「箒いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!」

 

 

あぁ・・・一夏の声が聞こえる・・・私の言葉は・・・届いたのかな?

 

 

Side・太一

 

まずい・・・あのISは間違いなく篠ノ之を狙っている・・・。

 

織斑の白式の能力なら彼女を救えるが・・・同時に奴を倒す決め手を失う事になる・・・如何すれば・・・。

 

 

ヴァシュンッ!!

 

「!?」

 

「箒いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!」

 

 

どうこう考えている内に、奴は篠ノ之に向けてビームを放っていた。

 

その瞬間俺は、奴を倒すのに絶好のチャンスだと思った、だが同時に篠ノ之が命を失う事を意味していた。

 

今奴を倒さなければ奴の暴走でどれだけの人が・・・だが、そうしたら篠ノ之が・・・。

 

またか・・・また俺は命の選択を・・・。

 

だが・・・俺はそんな考えは頭の中から殴り捨て、声を大にして叫んだ。

 

 

「織斑!!」

 

「!?」

 

「彼女を助けろ!!お前なら出来る!!」

 

「!!分かった!!」

 

 

俺には出来ない・・・例え、この後に多くの人が傷付き、命を落とす様な事になったとしても、

今目の前のたった1つの命を見捨てる事は・・・出来ない。

 

そして・・・大事な人を失う悲しみを・・・俺と同じ悲しみを・・・誰にも・・・。

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

バシュンッ!!

 

『ギッガ・・・!?』

 

「よし!!」

 

シュウウウウウウウウウウウウウウウウンッ・・・・

 

「あっ・・・あれ?」

 

 

ビームを零落白夜で消滅させた後、白式のエネルギーは尽きた。

 

 

「織斑早くそこから離れろ!!凰奴に追撃させるな!!」

 

「分かってるわよ!!」

 

ばっ!!

 

『ギルルル・・・』

 

ガキンッ!!

 

「ああっ!!」

 

「凰!!」

 

 

奴に追撃させまいと迫った凰だが、奴の回し蹴りを喰らい逆に弾き飛ばされてしまった。

 

 

「ちっ・・・八神俺も行くぞ」

 

「主任!?」

 

「このまま黙って見ていられるか!!」

 

 

そう言って主任は奴へと向かって行く。

 

 

「くっ・・・俺は・・・結局俺は・・・何もできないのかよおおおおおおおおおおおっ!!」

 

 

Side・恵

 

違うぞ八神・・・お前は良くやった。

 

お前の指示があったから、あの2人はあのISを追いつめる事が出来た。

 

お前はこの先もまだまだ成長できる・・・整備や開発だけでなく、戦闘に関しても俺や千冬を超えられる位にな・・・。

 

だからそんなお前を・・・あの2人が残していったお前を・・・辛く苦しい過去と今を真っ直ぐ歩こうとするお前を・・・。

 

 

『お父さあああぁぁぁぁぁん!!お母さあああぁぁぁぁん!!』

 

『ごめんなさい・・・守るって・・約束したのに・・・ゴメンな・・・守ってやるって・・・お前と約束したのに・・・』

 

『約束する・・・絶対・・・幸せになってやるから・・・』

 

『お願いします・・・こいつの・・・こいつの初めての願いで・・・わがままを・・・叶えてやってください・・・』

 

 

多くの涙を流したお前をここで死なせはしない!!

 

 

「でやあああああああああああああああああああああっ!!」

 

ガキンッ!!

 

『・・・・・・・・』

 

「何!?」

 

ギュルルルルル・・・・

 

 

Side・三人称

 

恵が放った一撃は、無人ISの“右腕”に防がれた・・・一夏が切り落とした右腕によって。

 

 

「なっん・・・だ・・と・・・?」

 

 

無人ISの切断された筈の右腕は、切断された箇所から薄緑色の光を発しながら修復されていった。

 

 

「自己再生?バカな・・・幾らなんでもそんな技術が・・・」

 

「ちっ・・・だからって・・・」

 

『ギルル・・・』

 

「お前程度問題無いんだよ!!」

 

 

恵は体勢を立て直し、再度無人ISへ攻撃を仕掛ける。

 

しかし・・・。

 

 

ズキンッ!!

 

「ぐっ!」

 

「主任!!」

 

 

激しい胸の痛みに襲われ、恵はその場に崩れる。

 

 

「ちっきしょお・・・こんな時に・・・」

 

『ギギギッ・・・・』

 

バキンッ!!

 

「ぐあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ドガアアアアアアアアアアアァァァァァァァンッ!!

 

「恵ねえええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

 

無人ISの攻撃に吹き飛ばされて、恵はアリーナの壁に激しく激突した。

 

そして恵に向けて更に攻撃をしようとする無人IS。

 

 

「止めろおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

『ギュルル・・・・』

 

ヴァシュンッ!!

 

「うああああああああああああああああああああああああっ!!」

 

「織斑!!」

 

「「一夏!!」」

 

ドガシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!

 

 

攻撃を阻止しようと迫った一夏も、無人ISのビーム攻撃によって吹き飛ばされ、実況室に激突した。

 

そして実況室内では倒れた一夏に箒と千冬が駆け寄った。

 

 

「一夏!!一夏!!」

 

「うっ・・うぅ・・・」

 

「揺らすな篠ノ之!!頭を打っているかもしれないのだぞ!!」

 

「しかし!!」

 

「元を言えばお前が原因なんだぞ!!」

 

「!?わ・・・私の?」

 

 

千冬の言葉に信じられないと言った表情になる箒。

 

 

「お前の放送で織斑は動きを止めた・・・お前が止めなければ織斑の攻撃であのISを活動停止出来たかもしれないのに・・・」

 

「そっ・・・そんな・・・」

 

「そして先程私達・・・いや、お前を助ける為に最後のエネルギーを使ったんだ・・・」

 

「わっ・・・私は・・・一夏の力に・・・」

 

「・・・一夏を心配してくれた事に関しては姉として感謝する・・・しかし、こいつの事しか頭になく、

周りを見ていない為にこの様だ!」

 

「私・・・私は・・・」

 

「ちっ・・・ふゆ・・ねえ・・・」

 

「一夏!?」

 

「大丈夫か?」

 

「ちふゆ・・・ねえ・・・ほお・・きを・・怒らないでやって・・・くれ」

 

「一夏・・・」

 

 

「確かに・・・箒のした事は、間違った事かもしれない・・・でも・・・それは俺を・・・心配・・・しての事なんだ・・・だから・・・」

 

「・・・分かっている、でもだからこそ・・・それで誰も・・・なによりも自分自身が傷付かない為に叱るのが私の仕事だ」

 

「千冬さん・・・」

 

「千冬姉・・・」

 

 

間違った事をしたから叱るんじゃない。

 

間違いを起こして自身と、それを取り巻く誰かが傷付かない為に叱る・・・今後そんな事の無いように。

 

そんな千冬の厳しくも、どこか思いやりと温もりの籠った言葉に胸を打たれる2人であった。

 

 

『ギュルル・・・』

 

「「「!?」」」

 

 

だがそんな彼等の前に、暴撃の機人が現れる。

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!

 

「織斑!!篠ノ之!!」

 

 

無人ISの攻撃に、実況室は激しく崩れ落ちた。

 

 

「くっ・・・織斑はまだ白式を纏っている筈だから何とかなるかもしれないけど・・・篠ノ之は・・・」

 

「いっちち・・・」

 

「恵姉!!」

 

「主任って呼べ・・・八神・・・俺は大丈夫だ・・・それより・・・八神・・お前はあそこに行け・・・」

 

 

そう言って恵は崩れ落ちた実況室の方を指差した・・・正確にはその下に有る格納庫の方を。

 

 

「!!・・・でも!!」

 

「馬鹿野郎!!あそこに何かあるのか忘れたのか?」

 

 

恵の言葉に太一の表情は沈んだ。

 

 

「・・・分かってる・・・しかしそれでも!!」

 

 

其処に有る“物”は太一にとっても大事なものであった。

 

だがそれでも負傷した恵をほおってはおけないのだ。

 

 

「八神・・・確かにあれは物だ・・・だけどな・・・あれは俺達の夢の一欠片だ」

 

「・・・・・・」

 

「お前の11年はあんな訳の分からない機械人形なんかに潰されてもいい位軽いものなのか!!」

 

「くっ・・・」

 

「頼む・・・太一・・・俺とお前・・・そして、あの人達の夢を・・・お前が守ってくれ」

 

「恵姉・・・分かった」

 

「・・・無茶はするなよ・・・お前が死んでも同じなんだからな」

 

「はい!」

 

 

太一は駆け足で格納庫へと向かった。

 

 

「・・・太一・・・頼んだぞ・・・」

 

 

Side・千冬

 

・・・生きているのか?

 

突如あのISの攻撃を受けて・・・その後どうなった?

 

 

「大丈夫か千冬姉?」

 

「・・・一夏か?」

 

「よかった・・・無事だったか」

 

 

目を開けると私は一夏に抱えられていた。

 

私の反対側には篠ノ之が同じ様に抱えられていて、如何やら一夏に救われた様だな。

 

まったく・・・こんな日がこう早くも来るとはな・・・。

 

しかし此処は・・・格納庫の様だな。

 

実況室が崩れて此処まで落ちて来てしまったのか?

 

 

「ぐっ・・・」

 

どさっ・・・

 

「一夏!!」

 

 

突如一夏が倒れた。

 

 

「少し・・・無理をしたかな?」

 

 

無理もない、あのISの攻撃を真面に受けたのだからな。

 

 

「無理をするな・・・後は私に任せてゆっくり・・・」

 

ガシャンッ!!

 

「「「!?」」」

 

『ギュルル・・・』

 

 

こいつは・・・暴走をしていると言え、一体何が目的でこの学園に送り込まれたんだ?

 

 

「千冬姉達は逃げろ・・・こいつは俺が・・・」

 

「馬鹿者!そんな体で何が出来る!!」

 

「それでも・・・何もしないよりはマシだ!!」

 

「一夏!!」

 

 

白式にはもうエネルギーは残されていない。

 

そんな事は一夏も分かっている。

 

しかしそれでも一夏はISへと向かって行った。

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

『・・・・・・・』

 

ガキンッ!!

 

ドガシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!

 

「ガッ・・・ハッ!!」

 

「「一夏!!」」

 

「・・・・・・・」

 

 

一夏は頭を掴まれそのまま壁へと叩きつけられ、纏っていた白式も消えてしまった・・・それを見た私は・・・。

 

 

「っ・・・きっ・・さまあああああああああああああああああああああ!!」

 

 

怒りが一気に頂点に達し、近くに立て掛けてあった打鉄用のブレードを手にして斬りかかった。

 

 

ガキンッ!!

 

『・・・・・・』

 

「くっ!」

 

 

しかしあっさりと掴み取られてしまった。

 

やはり生身でISに挑むには無理があるか・・・感情的になったせいで突発的に動いてしまった・・・。

 

所詮私も人の子か・・・。

 

 

『ギュルル・・・』

 

ブウンッ!

 

「うわっ!!」

 

ドガシャアアアアアアアアアンッ!!

 

「ぐあっ!」

 

「千冬さん!!」

 

 

私はそのまま投げ飛ばされ、そのまま陳列されている打鉄の中に突っ込んだ。

 

 

「くっ・・・ん?何!?」

 

 

打鉄が足の上に倒れ込んでいて、足が抜けず動けなくなった。

 

 

「くっ・・・何か私にも何か・・・!?あれは?」

 

 

篠ノ之が何かを見つけた様だが一体何を・・・!?なっ・・・何故あれが此処に!?

 

 

「あれは・・・小さいがISなのか?」

 

「零式・・・恵が此処に持ち込んだのか?」

 

「れい・・しき?では・・・あれはやっぱりIS・・・なら、使わせてもらう!!」

 

「!!止せ!篠ノ之!!」

 

 

篠ノ之が零式に触れようとした・・・その時。

 

 

バチチッ!!

 

「うあっ!?」

 

 

零式はまるで篠ノ之を拒む様にシールドを張った・・・やはりこうなったか・・・。

 

 

「なっ・・・何だこれは!?」

 

「零式・・・今まで誰も起動させる事の出来なかったISだ・・・触れようとすれば今の様にシールドが張られ、

触れる事すらできない・・・」

 

「なっ!?それでは欠陥機ではないですか!!」

 

「違う!!」

 

「!?」

 

「違う・・・それは決して欠陥機なんかでは・・・」

 

 

先生達が残したISが・・・欠陥機などである筈が・・・あってたまるか・・・。

 

 

『ギュルルル・・・』

 

ドシュンドシュンドシュン!!

 

「「!?」」

 

 

あのISは突如零式を攻撃しだした。

 

零式は先程篠ノ之が触れようとした時とは違い、シールドを張ってはおらず、ビームを真面に受けている。

 

 

「やっ・・・めろ・・・・」

 

 

これ以上それに・・・そのISを・・・。

 

 

ガスンッ!!

 

「「!?」」

 

『ギュル・・・』

 

 

突如ISの頭部に瓦礫が落ちて・・・いや、あれはどちらかと言えば投げられた瓦礫が当たったと言う感じだ。

 

 

「止めろ・・・そいつに・・・」

 

「太一君!?」

 

「ゼロに手を出すな!!」

 

 

そう叫び太一君はパイプを手にISに飛び掛かった。

 

 

Side・太一

 

「ゼロに手を出すな!!」

 

 

無謀だとは分かっていた。

 

だがそれでも・・・ゼロを破壊される訳にはいかなかった。

 

 

ガキンッ!!

 

「くっ・・・」

 

 

俺の力一杯に振り下した鉄パイプが奴に当たり・・・その衝撃が鉄パイプを伝い俺の手に伝わる。

 

俺は思わず鉄パイプを手放し、そして奴の方を見た。

 

 

『ギュルル・・・・』

 

「へへ・・・そりゃそうだ」

 

 

鉄パイプの攻撃位じゃISの装甲に傷なんて付けられるわけない・・・でもそれでも・・・。

 

 

「てりゃあああああああああああ!!」

 

ガスンッ!!

 

 

俺は素手で奴に殴り掛かった。

 

 

「うりゃああああああああああああああああああ!!」

 

ガシンッ!!

 

「せいやああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

ドゴンッ!!

 

「止めろ太一君!!素手でそいつの装甲は!!」

 

 

千冬さんの声が聞こえる・・・分かってる・・・分かってるけど・・・。

 

 

びちゃっ・・・・

 

「くっ・・・」

 

 

奴を殴る拳から血が噴き出してきた・・・でも、そんなの関係あるか!!

 

 

ガスンッ!!ドゴンッ!!

 

「俺が・・・俺が守らないといけないんだ!!父さんと母さんが残したこいつを!!2人の意志を継ぐと誓った俺が!!」

 

ガキンッ!!

 

「俺が守らなくて・・・誰が守るってんだ!!」

 

「太一君・・・くっ!うぅ・・・」

 

「千冬さん!!」

 

「太一君・・・その思いは・・・その思いは私も・・・恵も・・・同じだ!!」

 

「・・・・・・」

 

「だがそれで君に何かあったら如何する!!君にもし何かあったらあの人達の思いは!!」

 

「分かってる!!」

 

「!!」

 

 

分かっているさ・・・千冬さん・・・だけどそれでも・・・それでも・・・。

 

 

「遣らなくちゃいけないんだ!!」

 

『・・・・・・・』

 

ガシッ!!

 

「ぐうっ!!」

 

「八神!!」

 

「太一君!!」

 

 

奴に首を掴まれ俺は軽々と持ち上げられた。

 

そして奴は徐々に俺を掴む手に力を籠める。

 

 

ギリギリ・・・・

 

「がっ・・・あっ・・・・・」

 

『ギュルルル・・・・・』

 

 

やばい・・・意識が・・・・でも・・・。

 

 

ガスンッ!

 

『・・・・・・・』

 

「このやろ・・・離し・・やがれ・・・」

 

 

無駄の足掻き程度に奴の手を殴りつける・・・だが奴はビクともしない。

 

それでも俺は殴り続けた。

 

 

「あれは・・・お前みたいな訳の分からない奴が壊していいもんじゃない!!あれには人類の新たな発展と夢を実現する為に、

全てを掛けた人達の思いが宿っているんだ・・・それをお前なんかに・・・潰されてたまるかああああああああああっ!!」

 

『ギュルル・・・・』

 

ギリリ・・・

 

「ガハッ!!」

 

「太一君!!」

 

「あき・・らめ・・る・・・かっ・・・たと・・え・・・・・あ・・い・・えすが・・・つかえな・・・くて・・・も」

 

『ギュルルルル・・・・・』

 

「絶対に諦めるものか!!」

 

キュイイイイイイイイイイン・・・・・

 

「「「!?」」」

 

ドガンッ!!

 

『ギュルル!?』

 

 

突如ゼロが眩く輝きだし・・・その輝きは俺を包み込み、俺の首を掴んでいた奴の腕を弾き飛ばした。

 

光に包まれた俺は、その眩しさに目を瞑り・・・そして目次に目を開けた時・・・。

 

何もない空間に俺は浮いていた。

 

 

「・・・ここは?」

 

『初めまして・・・って言うべきかな?』

 

「誰だ!?」

 

 

俺が問いかけると、俺の前にゼロが・・・人の形を表す形で浮遊して現れた。

 

 

「お前は・・・ゼロ・・・零式なのか?」

 

『そうとも言うが・・・そうでもない』

 

「如何言う事だ?」

 

『僕はこの鎧の中で存在する2つの意志の1つ』

 

「2つの意志の1つ?」

 

 

ISには意志があるとは聞いているが・・・それが2つだと?

 

 

「ではそのもう1つの意志は?」

 

『そうだな・・・彼女の方がゼロかもしれないな、でも一応僕もゼロでもあるかな』

 

「ややこしいな・・・てかもう1つの意志ってのは何してるんだ?」

 

『う~~~ん、彼女は恥ずかしがり屋と言うか、何と言うか・・・そして今は眠っている状態かな?』

 

「如何言う事だ?」

 

 

彼女って事は・・・その意志は女性なのか?

 

今俺に語りかけている声は・・・どちらかと言うと子供っぽくて女なのか男なのか分からないが・・・何処となく男の子と言う感じだ。

 

 

『彼女はまだ幼い子供みたいなものでね・・・さっき女の子が触れようとした時に勝手にシールドを張ったから疲れちゃって』

 

「ん?と言う事はいつもゼロを使おうとしたらシールドを張って拒んでいたのはその彼女が?」

 

『ん~~~ん、それは僕・・・今回はあの彼女が勝手にやった事』

 

「・・・如何して拒むんだ?」

 

『それは・・・君が一番知っている筈だよ?』

 

 

俺が・・・そう言う事か・・・。

 

 

「ゼロの力を扱う資格が無い・・・そう言う事か?」

 

『そんなとこだね』

 

 

父さんと母さんが言っていた・・・力や物には意志があったとしても、強弱はあっても善も悪も無い、善悪を決めるのは扱う者しだいだと。

 

だから力を持つ者は、それ相応の覚悟と、その力に呑まれない為の強い心が必要なのだと・・・。

 

 

「なら・・・俺もそうかな?」

 

 

俺も一度ゼロを起動させようと触れた事がある・・・その時もシールドで弾かれたっけ・・・。

 

それは俺もゼロを使う資格が無いと言う事か・・・。

 

 

『確かにそんな事があったね・・・でも・・・それはちょっと違うんだよな・・・』

 

「何だって?」

 

『いや・・・何でも無い・・・さて、ここから本題だけど』

 

「・・・何だ?」

 

『君も分かっていると思うけど・・・零式には今の世界のバランスを崩す程の可能性を秘めているのは知っているよね?』

 

「詳しくは知らないけど・・・」

 

 

ゼロはその殆どがブラックボックスみたいで、詳しくは調べられずに、どんなスペックで、どんな機能が搭載されているのかが不明だ。

 

もしゼロが父さんと母さんの理想を可能としたISなら・・・そして父さんは言った、「完成した」と・・・。

 

 

「もしそうなら・・・確かにゼロ・・・零式はそうなる可能性はあるな」

 

『そう・・・そこで君に問う』

 

「何だ?」

 

『このままでは君は死んでしまう・・・そして君の周りの人達も・・・』

 

「・・・・・・・」

 

『だが・・・君が僕を・・・零式を纏えば、少なくとも君は助かるし、周りの人達も助ける事が出来るかもしれない』

 

「俺が・・・零式を・・・」

 

『だがさっきも言った様に、零式には世界のバランスを崩す程の可能性を秘めている・・・それを纏う事は、

必然的に争いの渦に巻き込まれる事になる』

 

「・・・そうだな」

 

『それでも君は生きたいか?あらゆる争いや災いが降りかかるかもしれない僕を纏ってまで今を生きたいか?』

 

 

これは・・・重い選択だな・・・俺が生き延びるには、その先に起きるであろう争いの全てに巻き込まれる事となる。

 

それは辛く苦しい茨の道だ・・・。

 

だけど俺の答えは決まっていた・・・もう11年以上前から。

 

 

「俺はお前を纏う・・・」

 

『・・・本当にいいのかい?』

 

「確かにお前は争いを生む存在かもしれない・・・だけど、俺は・・・俺達はお前の可能性に夢を託したんだ」

 

『・・・夢・・・』

 

「父さんと母さんは夢を実現する為にお前を作った・・・恵姉も千冬さんも・・・そして俺も、お前に夢を見た」

 

『人類の発展と・・・宇宙への旅立ち・・・』

 

「そうだ・・・そして俺は・・・ISを兵器としてだけでなく、本来の姿に戻したい」

 

『IS本来の・・・姿・・・』

 

「俺にはその責任がある・・・だから俺は死ねない・・・そして・・・これ以上あんなISで誰かを傷付けさせはしない為に!!」

 

『ひょっとしたら僕は君に災いを齎す悪魔かも知れないよ?それでもいいのかい?』

 

「構わないさ・・・何ならその悪魔の力で、ISを悪用する奴等の悪魔になってやる」

 

『決意は固い様だね・・・太一・・・やはり君は・・・君だったね』

 

「?如何言う事だ?」

 

『いや・・・独り言だよ・・・じゃあ・・・いくよ』

 

「あぁ・・・」

 

 

そして俺は意識を零式・・・ゼロに委ねた・・・。

 

 

Side・三人称

 

「太一君・・・一体何が?」

 

『ザザッーーーち・・ザーーふゆ・・・・千冬聞こえるか?』

 

「!?恵か?」

 

 

格納庫に設置されていた通信端末から恵の声が流れ、千冬はそれに反応する。

 

 

『何があった?突然格納庫の中が光った様だが・・・』

 

「それが・・・零式が突然輝きだして・・・」

 

『!?零式が!?それで太一は如何した?』

 

「太一君は・・・」

 

『ギュルル・・・』

 

ドシュンドシュンドシュン!!

 

「『!?』」

 

 

無人ISは光に向けて・・・正確にはその中に有る零式に向けビームを連発しだした。

 

しかしそのビームは光に弾かれ中までは届かない。

 

そして光は輝きを増してゆく。

 

 

「光が?」

 

『おい!如何なっているんだ千冬!?』

 

「光が激しく・・・」

 

 

光は輝きを増すにつれ大きく・・・まるで何かが誕生するかのように膨れ上がっていった。

 

そして・・・。

 

 

カッ!!

 

「「!?」」

 

『ギュルル!?』

 

 

光が弾け・・・そして。

 

 

バキンッ!!

 

『ギギッ!?』

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!

 

「「!?」」

 

 

閃光の中、何かが殴られる音がした後、何かが壁をぶつかった様な音がした。

 

千冬と箒は何が起きているのか全く分からなかった。

 

そして光が徐々に収まっていくと・・・彼女達の目に映るのは・・・。

 

 

「・・・あっ!あれは!?」

 

「これは・・・まさか・・・・」

 

 

箒は信じられないと驚愕し、千冬も同じ様子ではあるが、何処か歓喜に打ち震えているようであった。

 

 

『おい!!千冬如何した!!今の音は何だ!!』

 

「恵・・・すまないな・・・」

 

『あぁ?』

 

「ちっ・・・千冬さん?」

 

 

千冬の声は震えていて、その瞳には涙があふれていた。

 

 

「今私の目の前で・・・お前も信じられない事が起きて・・・お前が最も見たかった光景が・・・姿が・・・」

 

『何だと?』

 

「お前より先に見てしまって・・・すまないな・・・」

 

『おい・・・何を言って』

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!

 

『おい!何だ!?あの機械人形が飛び出してきたぞ!!』

 

「あぁ・・・今お前の前にも現れる・・・お前が待ち望んでいた姿でな・・・」

 

『だから・・・それは・・・な・・んだっ・・・て・・・・』

 

 

通信端末の向こうから聞こえる恵の声が途切れ途切れになる。

 

 

『そう言う事か・・・俺が先に見たかったんだがな・・・』

 

「分かっている・・・だから先に謝ったんだ」

 

『本当は・・・あの2人に・・・いや、“3人”に見せたかったな』

 

「本当に・・・」

 

 

恵と千冬の声が若干涙声となる。

 

 

『八神先生・・・空の上から見ていますか?』

 

「アナタ達の息子さんが・・・太一君が・・・」

 

「『私(俺)達皆が夢見た零式を纏っています』」

 

「『さあ!お前の罪を数えろ!!』」

 

 

全身を覆う灰色の鎧・・・零式・・・ゼロを纏い太一は無人ISと対峙する。

 

To be Continued

 

 

 




最後の台詞に関しては・・・ゼロの意志がデジマギの彼と同じ性格と言う事で。

元々デジマギの続編として書いてましたから・・・。

ええ!!好きですよ!!あの台詞!!使いたくもなるさ!!かっこいいんだもん!!

俺の腐った脳みそじゃあれ以上この場面に合った台詞が思い浮かばねえええええええええええええええええ!!

はあはあ・・・落ち着け落ち着け・・・。
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