DIGIMON・STRATOS   作:龍気

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ゼロ(零式)はスパロボZのシュロウガを白くし、飾りっ気と翼が無いのをアーマーにした物を思ってください。

あと・・・ネタを結構ぶっこんでいます。

そして私の心の声と言うか願望を・・・。

しかもかなり久し振りの戦闘だから駄文・・・。

そんなこんなですが宜しければどうぞ。


第6話『白き無限』

Side・ゼロ?

 

やはりこうなってしまったか・・・彼だけは巻き込みたくは無かったのに・・・この“世界の”彼だけは。

 

だけど・・・これが彼自身の定めでもあり、自身で選んだ道なら・・・僕は彼を守る為に・・・。

 

また・・・もう一度君と・・・。

 

 

「如何したんだ?さっきから黙り込んで」

 

『ん?いや・・・こんな時に似合った決め台詞をちょっとね』

 

「こんな時に余裕だな」

 

『いやいや・・・物語的には決め台詞は必要だよ』

 

「まったく・・・で?どんなんだ?」

 

『結構乗り気だね』

 

「最初だからな・・・カッコは付けたい」

 

『じゃあ・・・・・・これで』

 

「・・・それより今が旬の「さあ・・・SHOW TIMEだ!」の方がよくないか?」

 

『う~~~ん、それも良いんだけど、物語の設定的には別次元の君が言った方が合うかも』

 

「何だそれ?」

 

『気にしないで、今のは殆ど話しに関係ない感じだから』

 

「じゃあ・・・取り敢えずそれでいくか・・・奴さんも臨戦態勢に入っている事だし」

 

『OK太一』

 

「そう言えば・・・お前の事は何て言ったらいい?」

 

『そうだね・・・君の言うゼロはどちらかと言えば彼女の事だから、僕は・・・』

 

 

今僕の本当の名を出す訳にはいかない・・・。

 

本当の“その時”が来るまで・・・。

 

 

『僕の事は「エックス」って呼んで』

 

「エックス・・・“未知”って意味か?」

 

『うん、無限と未知の可能性を秘めたISの意志だからね・・・ピッタリじゃない?』

 

「まあいいけど・・・ゼロにエックスか・・・そこに加速まで加わったら・・・そろそろ新作出してくれねえかな・・・」

 

『?何の話?』

 

「いや、何でも無い・・・じゃあ、行こうか」

 

『うん』

 

 

さあ・・・この世界で初の戦闘だ、何時もとは逆で今回は僕がサポートで彼が戦う形だけど・・・。

 

はは・・・如何したんだろう?

 

巻き込んでしまったのに・・・申し訳ないとも思っているのに、また彼と共に戦える事が・・・。

 

 

「『さあ!お前の罪を数えろ!!』」

 

 

嬉しいと思えるのは何故だろう?

 

 

Side・恵

 

まったく・・・千冬に先を越されちまったな、アイツが零式を纏うのを、俺が最初に見たかったのにな。

 

だがしかし・・・。

 

 

「千冬、零式が先生達の話していた通りのスペックだと・・・」

 

『あぁ・・・全ては太一君自身にかかっているな』

 

 

零式の正確なスペックは不明だが、生前先生から聞かされた零式のスペックは、今で言う第1世代の初期型にも劣っていた程の筈だ。

 

それにまだ一次移行も済んでいないだろうし、現状が相手にダメージを与えられる様になって、ある程度の攻撃を防げる様になった程度。

 

纏う事でどのような事が起きるのか全く分からない零式だ、纏っている太一自身が如何にかするしかないな。

 

まあ・・・心配なのは零式のスペックだけだがな・・・。

 

 

「あの・・・主任・・さん?」

 

「何だ?凰鈴音」

 

「あっ・・・鈴でいいです」

 

「なら俺の事は恵でいい・・・それで、何だ鈴?」

 

「あの・・・あれって八神・・・ですよね?」

 

「そうだが?」

 

「じゃあ援護に行かなきゃ!男がISを動かせたこと以前に、素人がいきなりISをまともに動かせるわけがない!」

 

「心配するな鈴」

 

「えっ?」

 

「太一自身は心配ない・・・何故なら」

 

 

Side・千冬

 

「うぅ・・・こっ・・ここは?」

 

「一夏!!」

 

 

一夏が目を覚ましたか、意識もはっきりとしている様だし、大事には至らないだろう。

 

 

「目が覚めたか織斑」

 

「ちっ・・ふゆ・・ねぇ・・・」

 

「織斑先生だ!大人しくしていろ、あれだけの攻撃を受けたんだ・・・大人しくしてなさい・・・」

 

「千冬姉・・・」

 

 

それに・・・まだ何も終わっていない。

 

 

「織斑先生・・・あのISは・・・八神が纏った零式と言うISはどれ程の力を持っているのですか?」

 

「なっ!?八神が・・・ISを!?」

 

「織斑、その疑問については後だ・・・篠ノ之、零式のスペックは正直言って第1世代の初期型にも劣る」

 

「なっ!?では白式の零落白夜の様な、特殊な機能があるとか・・・」

 

「それは知らん、単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)が有るのか無いのかもな」

 

「そんな!?」

 

 

何せあれは保々全体がブラックボックスだったからな。

 

確か今の所、一次移行も済んでない分戦闘面に関しては不安が残るが・・・それを纏っているのが太一君なら・・・。

 

 

「織斑先生、八神を援護しに行くべきでは?」

 

「あぁ・・・俺も手伝う・・・」

 

「お前達は大人しくしていろ!邪魔になる!!」

 

「「!?」」

 

「すまない・・・しかし今の状態ではむしろ1人の方が戦いやすい」

 

「何故?何故そこまであいつを・・・弟の一夏よりも信頼しているのですか?」

 

 

篠ノ之の言う事も尤もだろうな・・・だが別に私は一夏より太一君の方を信頼している訳ではない。

 

一夏は本来なら動かしてはいけない程のダメージを負っている。

 

これ程まで言わなければこいつは大人しくしないからな・・・納得はしてはいないだろうがな。

 

 

「篠ノ之・・・ケガ人を無理させて戦わせる程私も鬼ではないし、一夏を信頼している訳ではない・・・たが、

彼にこの場を任せられる事を、私自身熟知しているのも事実だ」

 

「何故・・・彼はISのメンテナンスなら兎も角、扱う事に関しては・・・」

 

「それについては心配はいらん」

 

「「えっ?」」

 

「何せ彼は・・・」

 

 

Side・三人称

 

「「ISの扱いに長けた、俺(私)の弟子だからな」」

 

 

恵と千冬の、何処か誇らしげな言葉を聞き、一夏、箒、鈴の三人は呆けた。

 

そして丁度その時、こちらも動きだした。

 

 

グアッ!!

 

「おっと!」

 

ドガアアアアアアアアァァァァァァァァァァンッ!!

 

「ふぃ・・・危ない危ない・・・」

 

 

無人ISの攻撃を難無く避けた太一であったが、その動きはぎこちなさがあった。

 

 

「う~~ん・・・やっぱり一次移行が済んでないと動き辛いな、エックス、一次移行にはどれ位かかる?」

 

『動き続けていれば1時間・・・正確には58分23秒かかるね』

 

「予想はしていたが長いな・・・」

 

 

普通のISならば一次移行に掛かる時間は約30分程だが、零式はその特異性の所為か倍の時間が掛かるのであった。

 

その間も敵は攻撃を仕掛けてくる。

 

太一は不慣れな動きでそれを何とかかわし続け、時折攻撃を繰り出しているが、徐々に追い詰めらて行った。

 

 

「只殴っているだけじゃダメか・・・備え付の武器と言えば両腕の『アームドナイフ』に頭部の低威力のビーム兵器だけ」

 

『しかも一次移行が終らないと空も飛べないとなると・・・ピンチもいいところだね』

 

「・・・なあ、俺の記録端末に、ある“データ”があるんだが・・・」

 

『え?』

 

 

太一はエックスに自分の持っている“あるデータ”について話した。

 

 

『・・・それをインストールすれば、質によってはかなり短縮できる筈だ』

 

「よし・・・だけど問題はどうやってそれが置いてある場所に行くかだが・・・」

 

『ねえその記録端末は通信できる?』

 

「ん?一応できるけど・・・まさか・・・」

 

『僕がハッキングを掛ける・・・その間サポートはできなくなるけど』

 

「・・・IS同士の交信は出来るのは知っていたけど、市販のパソコン機器へのハッキングまで可能だなんて初めて知ったぜ」

 

『まあそれは僕だからできるんだけどね』

 

「まさかそれがこいつのワンオフって言うなよ?」

 

『心配ご無用・・・零式・・・ゼロのワンオフは、これから創られるんだ・・・君達の手で・・・』

 

(“君”達・・・となるとこいつはやはり・・・)

 

 

エックスの言葉に太一はある確信を得た。

 

しかし今はそんな事を気にしている場合ではないと、再び敵に視線を向けた。

 

 

「エックス、俺の端末へのアクセスコードは・・・“Dod0801”だ」

 

『!?それって・・・分かった、少しの間だけ頑張って太一』

 

 

そしてエックスは太一の記録端末へのアクセスを開始した。

 

その瞬間太一は纏っている零式が重たくなるのを感じた。

 

 

「くっ・・・予想以上に負担がかかるな・・・」

 

『ギルリュルウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!』

 

「ちっ!」

 

ドガアアアアアアアアァァァァァァァァッ!!

 

「ぐうっ!!」

 

 

無人ISの攻撃を受け、太一の体は大きく後退する。

 

咄嗟に腕でブロックしたので大したダメージは無いが、本来発生する筈のシールドは出ていない。

 

エックスがハッキングしている事により、本来ISが自動張る筈のシールドが出なかったのだ。

 

 

「うおおおおおおおおおおっ!!」

 

『ギュルッ!?』

 

 

しかし太一はバランスを取り直すと、すぐさま無人ISに接近し懐に潜り込む。

 

無人ISも太一に攻撃を加えるが、太一はそれを只受け続けるのだった。

 

 

「何をやっているんだ八神!!」

 

「一旦距離をおけ!そのままではなぶり殺しに・・・」

 

「いや・・・あれでいい」

 

「「えっ!?」」

 

「あの位置なら奴はビームを放てない、それに打撃による攻撃も見切れ、防げば殆どダメージを受けない距離だ」

 

 

千冬の言った通り、無人ISは先程から手の平のビーム兵器は使わず、腕と足による打撃のみであった。

 

そして太一は無人ISの打撃に対して的確にブロックし、受けるダメージを最小限で抑えていた。

 

 

「一次移行が済んでいないいじょう、動きがどうしても疎かになる・・・ならばあえて相手の懐に潜り、

最小限のダメージで抑える方が、一次移行の時間も稼げる」

 

「たっ・・・確かに八神はあのISの攻撃を的確に防いでいる・・・」

 

「でも・・・それでもかなりの時間が必要じゃ?」

 

「俺の時でも30分位かかったのに・・・」

 

「・・・それについても考えているみたいだぞ」

 

 

千冬がそう呟いた時、太一も動きだした。

 

 

『お待たせ太一、今君の持っていたデータを持ってきた、今インストールを開始するよ』

 

「分かった!で・・・如何だった俺のデータは?」

 

 

『十分!今までの動きで蓄えられたデータを合わせても・・・インストールが完了次第一次移行もされる』

 

ピキュンッ!

 

『データインストール完了、一次移行を始めるよ』

 

「いよっしゃああああああああああああああああああああああああ!!」

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!

 

『ギュルッ・・ル・・・・・・!!』

 

 

太一は無人ISの腹部に正拳突きを当て、無人ISを大きく後退させた。

 

 

「へへっ・・・恵姉直伝の正拳突きは如何だ?」

 

『そして・・・』

 

「ここからが・・・本番だ!!」

 

 

次の瞬間、零式(ゼロ)は白く激しく輝きだした・・・。

 

 

「あれは・・・まさか!?」

 

「一次移行!?でも早すぎる・・・・・まだ10分位しか経ってないのに」

 

「一体どんな魔法を使ったのか・・・いつもいつも彼には驚かされるな・・・」

 

 

その光景に一夏と箒は驚愕し、千冬は何処か嬉しそうにその光景を眺めた。

 

 

「まさかあいつ・・・“あれ”を使ったのか?あれは仮にも日本政府が管理している代物だぞ!!勝手に使いやがって!!

あぁ・・・もう!!監督不行き届きで上に怒やされるのは俺なんだぞ!!」

 

「あっ・・・あの恵さん・・・一体八神は何を使ったんですか?その・・・政府レベルで管理している物って・・・一体?」

 

「・・・一言で言えば、機密データだよ・・・まあ、“あいつ自身”のデータでもあるがな」

 

 

恵の言葉に鈴はよく分からないと言った表情で若干の困惑も有るも、愚痴を言っている恵を宥めるのであった。

 

 

「まったく・・・これで万が・・・いや、兆が一零式を壊しでもしたらキン〇マンの超人必殺技のオンパレードをくらわせてやる」

 

(それって・・・八神死んじゃうんじゃ・・・でも、この人八神が負ける事なんてこれっぽっちも思ってないみたい)

 

 

そして・・・ついにその時が来た。

 

 

「・・・これが、一次移行を終えたゼロ・・・」

 

 

光が治まると、灰色だった全身は純白の白となり、所々にオレンジ色のラインが入っており、額にはエメラルドグリーンに輝く結晶が埋め込まれた、

完全に太一専用の機体となった零式(ゼロ)へと変貌していた。

 

 

『初期化、最適化共に無事完了・・・ちょっと荒業だったけど問題無かったみたいだね』

 

「あぁ・・・さっきまでと違い体が軽い・・・」

 

『これでゼロは完全に君の相棒となった・・・その力を奴に見せつけてやろう!』

 

「おう!!」

 

『ギギィ・・・ギギュルルルルルルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!』

 

 

無人ISはまるで追い詰められ自棄になった獣の様に太一へと襲い掛かった。

 

 

(単なる暴走かと思っていたが・・・改めてこいつの行動を見ると、最初は手当たりしだい破壊している様だったが、

ゼロを目にしてから明らかにゼロを破壊しようとしている様に見えた・・・まるで、最初からゼロを破壊するのが目的かの様に・・・)

 

『ギアアアアアアアアアアアアアアアッ!!』

 

「でも・・・残念だったな」

 

 

太一は迫りくる無人ISを前に、落ち着いた様子だった。

 

そしてその魔手が届きそうになったその時。

 

 

ドガンッ!!

 

「・・・・・・・・・」

 

『ギギュ・・・』

 

「ハアッ!!」

 

バギンッ!!ドゴンッ!!

 

『ギギョアハッ!!』

 

「破壊されるのは・・・お前だ」

 

 

太一は迫る無人ISの腕を紙一重で避け、そのままカウンターで無人ISの顔面を殴りつけた。

 

そして続けざまに腹部と腰の間へと拳を突き、くの字と曲がり、頭を下げた無人ISの後頭部に肘を下し、

それによって無人ISは地に打ち付けられたのだった。

 

 

『太一・・・こいつをコアごと破壊するんだ』

 

「でも、こいつは調べる必要があるから、コアは残しておいた方が・・・」

 

『駄目だ、こいつのコアに宿っていた意志は既に“喰い尽くされて”いる』

 

「何?」

 

『下手に調べようとしたらこいつの様に喰い尽くされて暴走するISが続出する恐れがある』

 

「・・・ウイルスか?」

 

『・・・・・・・・・・』

 

 

太一の問いにエックスは答えなかった。

 

答えたくないのか、それとも答えられないのか・・・はたまたそのどちらか。

 

どちらにせよ、目の前のISを狂わせた元凶はとんでもない物か、ろくでもない物か・・・どちらにしても、

そんな物を残す訳にはいかなかった。

 

 

「分かった・・・」

 

『ギギギッ・・・・・』

 

「そうと決まれば・・・」

 

『ギイッ!!』

 

バシュンッ!!

 

 

無人ISは咄嗟にビームを放つ。

 

だがそれを太一は飛び上がってかわす。

 

 

「プロミレンドレーザー!!」

 

ズバーーーーーーンッ!!

 

『ギッ・・・ガァ・・・!!』

 

 

太一は空中で体を捻り、額の結晶部分から黄色い螺旋状の光線、「プロミレンドレーザー」を放ち、

無人ISの背中に当てた。

 

 

「手加減は必要ないな・・・本気でいく!!」

 

『ギギョオオオオオオオオオオオオッ!!』

 

ズババババババババババババッ!!

 

「行くぞエックス!!」

 

『任せて太一!!』

 

 

無人ISは太一に向かい連続でビームを放った。

 

その一発一発が、並みのISなら戦闘不能に陥りかねない程の威力がある。

 

だが太一はそんなビームの群に真っ向から突っ込んで行った。

 

 

「無茶だ八神!!」

 

「死にに行くつもりか!?」

 

 

一夏と箒は、太一の無謀とも思える行動に静止の声を上げる・・・。

 

しかし事態は彼等の予想通りにはいかなかった。

 

 

「・・・・・・・・」

 

サッ!サササッ!サッ!

 

「「なっ!?」」

 

 

太一は無人ISが放つビームの雨を、全て紙一重でかわしながら前進している。

 

スピードを落とす事無く前進する太一が、無人ISの懐に入るのに時間はかからなかった。

 

 

「おおおおおおっ!!」

 

『ギギッ!?』

 

ズガアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!

 

『ゴギガガガガッ!!』

 

「・・・お前の攻撃は全て見切った」

 

 

太一はビームを放とうとしていた無人ISの右腕の銃口にパンチを当てた。

 

すると無人ISの右腕は、放とうとしたエネルギーが腕の中で行き場を失い、自らのエネルギーで右腕は大破した。

 

反対に太一の腕は無傷だった。

 

太一はパンチを繰り出す前に、拳の前に重層のシールドバリアーを纏い、無人ISのシールドバリアーをシールドバリアー同士で相殺し、

残ったシールドで拡散するビームから守ったのだった。

 

本来なら自動(オート)で常に全体に張り廻られているが、それは操縦者ではなくIS自体が行っている事、

そのISの意志でもあるエックスに太一は、シールドバリアーを展開する位置や厚さを指示したのだ。

 

これはISと乗り手間での対話できる彼等だからできる芸当なのだ。

 

シールドエネルギーの波長を合わせ、シールド同調相殺させる事で、威力を殺さずにダメージを与えられるが、

その分シールドエネルギーの消耗は激しく、この攻撃でゼロのシールドエネルギーの約3分の1消費した。

 

腕を失い思わず後退する無人IS、先程の様に切断した腕と違い、腕そのものを破壊しているので再生するそぶりは無い。

 

もしくは腕その物を再生させるのに時間が掛かるのか。

 

そして太一の猛攻は始まった。

 

 

「アームドナイフ!セット!!」

 

ガシュン!!

 

 

両手首から返しの付いたナイフを出し、無人ISに斬りかかる。

 

 

「てやあああああああああああああああああっ!!」

 

ザシュッ!!ガキンッ!!

 

『ギルルルルッ!!』

 

バシュンッ!!ガゴンッ!!

 

 

太一はアームドナイフで斬りつけながらも、隙をついてはプロミレンドレーザーで足の関節部分を撃ち、

無人ISのバランスを崩し、倒れ込む方向に合わせ蹴り技を繰り出す。

 

次第にボロボロになっていく無人IS、その姿にアリーナを破壊しつくそうとした時の面影は既にない。

 

 

『ギギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!』

 

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!

 

「うおっ!?」

 

 

無人ISはとても機械とは思えない獣の様な音を出し、自身の周りに強固なシールドバリアーを展開し、

苦し紛れに太一を押し出した。

 

それにより太一は跳ね飛ばされ、再びお互いとの距離が開いた。

 

 

「やろう・・・」

 

『苦し紛れもいいところだね・・・でも太一、さっき腕を破壊させる為にシールドエネルギーを結構使ったから、次位で止めを頼むよ』

 

「OK・・・と言っても、あのシールドを破るのは少し骨が折れるかな?」

 

『さっきと同じ方法をしても、あのシールドを相殺する程のエネルギーは残ってないよ』

 

「・・・・・・・・」

 

 

太一は少し思考し、直ぐに行動に移す。

 

 

『如何するの?』

 

「考えても何も思いつかなかった、だから強行突破でいく」

 

『ちょ!?』

 

 

そう言い太一は無人ISへと突っ込んで行った。

 

アームドナイフで何度斬りつけても、プロミレンドレーザーを撃ち込んでも、無人ISのシールドを破る事はできない。

 

続けていれば何時かはエネルギーが切れ、シールドは消えるであろうが、そんな時間は無い。

 

 

(下手に長引けばあの時の様に自己修復される恐れがあるし、こいつも攻撃の準備を終えそうだし・・・こうなれば)

 

『太一・・・如何するの?』

 

「エックス・・・」

 

『何?』

 

「俺は・・・今からバカをやる」

 

『・・・・・・はっ?』

 

 

太一の言葉に意味が分からないと言った声を出すエックス。

 

そして何をしようとしているのか・・・それを太一の口から聞いた時、エックスは理解した。

 

本当にバカだと・・・。

 

 

『それは非常に危険な賭けだよ・・・タイミングもそうだけど、こっちの出力のどちらが欠けても失敗する・・・』

 

「そうだな・・・だけど、何もしないよりも、何かをして死ぬ・・・死ぬつもりはないけどな」

 

『まったく・・・君って一見冷静(クール)に見えるけど・・・本当はどうしようもない位に熱くて、

それでいて無謀な博打打ちみたいだね』

 

「博打というか・・・少しの可能性があるなら、それを思いついたのなら自分を信じてやりたいだけだ、

熱いってのは・・・師が師だからかな?」

 

『いや・・・君は間違いなく根っからの熱血系だよ、そして君の師匠のどちらかもね』

 

「いや・・・実を言うとあの人も結構熱いよ・・・本人は認めてないけどね」

 

『まったく・・・そんな2人に鍛えられちゃあ、こんなバカが出来上がるのも当然か』

 

「バカバカうるせえ・・・」

 

『まあ・・・君の作戦に乗ろうとしている僕も、多分バカなんだろうけどね』

 

「・・・・・・・ふっ、なら・・・バカ同士」

 

『うん・・・似た者同士』

 

「『勝ちに行こうか!!』」

 

 

太一は腰を下して構えを取って静止した。

 

暫しの静寂が場を支配する。

 

そこに対峙するは、片や必殺の一撃を繰り出そうとエネルギーを溜める機械、片や何をしようとしているか不明な少年。

 

何をしようとしているか分かる者と対峙する、何をしでかすか分からない者、故にそれを見守る者達は不安になる。

 

特に・・・昔から彼を・・・太一を知る者達は。

 

 

「太一・・・組手の時とかでも熱くはなるが、頭では冷静に物事を考えている・・・だがそれで導き出した答えはどれも・・・」

 

 

太一が幼い頃から格闘技を教えていた恵は、こういう時太一がどの様な行動をとるか大方の予想が出来る故。

 

 

「太一君は状況の分析や、作戦の発想は天性の才と経験によって、今や私や恵をも凌いでいる・・・しかし、

それ以上にその行動力や決断力が問題だ・・・そしてこういう状況では必ず・・・」

 

 

“あの時”より太一を気にかけ、ある事を教えて来た千冬だから分かる、太一のどんな事をやろうとする事を・・・。

 

 

「「大方が危険でも成功率が少しでも高い作戦と行動をとる!!」」

 

 

2人が声を上げたと同時に、それは動きだした。

 

 

キュイイイイイイイイイイイインッ・・・・・

 

 

無人ISのエネルギーが溜まり、今にも発射しようとしていた。

 

しかし太一はそれでも未だに動こうとはしない。

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

只じっと構え、無人ISのみを見ているだけで、決して動こうとはしないでいた。

 

 

(・・・集中・・・)

 

『カウント・・・3・・・』

 

(俺は今ISを纏っている・・・だが俺は俺で・・・)

 

『・・・2・・・』

 

(ゼロはゼロ・・いや、エックスはエックスで・・・)

 

『・・・1・・・』

 

(互いを信じて成すべき事を!!)

 

『0!!』

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

 

太一はカウントが0になると同時に走り出した。

 

その一歩一歩が力強く、それでいて左足に力を溜め込むかのように、無人ISに向かって走る。

 

だがこのままでは狙い撃ちされる。

 

それでも太一は走る、只倒すべき敵・・・無人ISに向かってひたすら真っ直ぐ走るのみ。

 

そして・・・無人ISが渾身のビームを放とうとした瞬間。

 

 

『今だ!!』

 

「おう!!」

 

バシュッ!!

 

『ギュッ!?』

 

 

太一は地面を蹴って高く跳び上がった。

 

 

Side・太一

 

この瞬間・・・発射する寸前、コンマ数秒のこのタイミングならギリで・・・。

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

 

跳びあがった俺は空中で姿勢を変えて左足を突き出した。

 

それと同時に・・・。

 

 

ドシュウウウウウウウウウウウウウンッ!!

 

 

ビームが放たれた。

 

だが俺はそれに構わず、ゼロのブースターを展開し、最大出力で突っ込んで行った。

 

 

「おおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

 

俺とビームとの距離が次第に短くなっていく。

 

周りから見れば一瞬の出来事かもしれないが、俺にとってはまるでスローモーションの様に感じた。

 

これが死の直面、周りが遅く感じる現象なのか?

 

しかし・・・さっきも言ったが俺は死ぬつもりなんてない。

 

あのバリアーを突破するには、一旦奴がバリアーを張り続ける思考を止めさせるか、弱めるまでの動揺を起こさせる必要がある。

 

だが機械である奴にそんな事は保々不可能だ・・・だが、修正を行わせる事なら出来る筈。

 

 

ズバアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!

 

「くっ!!」

 

『ギュル!?』

 

 

当たると思われた奴のビームが俺をかすめた、シールドバリアーを張らせないようにしたから、装甲の一部を削ってしまった。

 

今の奴は完璧に当たると計算していた筈・・・それがかすめる程度に終わって、今頭の中で修正を行っている筈だ。

 

でもその修正が終るのはほんの一瞬だろう・・・だが、その一瞬こそが。

 

 

「うおりゃああああああああああああああああああああああああああっ!!」

 

ガギンッ!!

 

『ギギュ!?』

 

 

バリアーが弱まる一瞬だ!!

 

俺はエックスにさっきの要領で左足の先にシールドバリアーを張る様に指示した。

 

だが残りのエネルギーでは、多少弱まったと言えこのバリアーは相殺できない・・・だから。

 

 

ゴオオオオオオオオオオオオオッ!!

 

「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

バチバチバチバチッ!!

 

『ギッ・・・ギギガッ!!』

 

 

シールドバリアー同士の対消滅+勢いで無理やり突破してやる!!

 

 

ギリギリギリッ・・・・!!

 

「ぐうううううっ・・・」

 

『ギガ・・・ギギギッ!!』

 

 

このままじゃこっちのエネルギーが先につきちまう・・・なら、後は気合で・・・。

 

 

「やってっやるぜ!!」

 

バキバキバキッ!!

 

『ガガギガガッ!!』

 

「貫けええええええええええええええええええええええっ!!」

 

バキンッ!!

 

『ギッ!?』

 

 

気合を籠めた渾身の蹴りはついに、奴のバリアーを砕き、辺りにはバリアーを砕いた音が鳴り響いた。

 

そして・・・バリアーが砕ける音に続き。

 

 

ガシャガンンンンンンンンンンンンンンンンンッ!!

 

『ガッ・・・ギゴギガ・・・・』

 

「・・・・・・・俺達の勝ちだ」

 

 

俺の蹴りで奴が砕かれる音が鳴り響いた。

 

蹴り貫かれた奴の体は上下に分かれ、胸から上が無残に持ちに落ち、残った下半身のみが立ちつくした。

 

 

ドグアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!

 

「・・・これはまた派手に・・・」

 

 

少し間が空き派手に爆発した奴を、俺は少し哀れに感じた。

 

大して変わらないだろうが、奴は本来別の目的で此処に来たが、ウイルスによって大きく狂わされ、

本来なら破壊されずに行動不能にして回収される筈だったのにな・・・。

 

 

「・・・・・・・・・」

 

ガシュ・・・ガシュ・・・

 

 

俺は静かにその場を去ろうと歩き出した・・・。

 

 

『・・・・・・・・・ギッ・・・』

 

『っ!?太一!!』

 

「ん?」

 

 

エックスの声に俺は歩くのを止めた・・・そして。

 

 

『ガガアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!』

 

「「太一(君)!!」」

 

「「八神!!」」

 

 

あの音声と皆の声が聞こえた・・・。

 

 

ザシュ!!

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

まったく・・・。

 

 

『ガッガ・・・・・』

 

 

そう慌てるなって・・・。

 

 

「成程・・・コアはそこだったか」

 

 

不意を突いて俺に襲い掛かって来た奴の上半身。

 

完全に不意を突いたつもりだろうが、残念だったな・・・伊達に幼い頃から“あの2人”から鍛えられて(弄ばれて)いないぜ。

 

気配に気付き、俺は振り返らず右腕だけを後ろに伸ばした。

 

迫って来た上半身はそのまま頭部にアームドナイフを突き刺される事となった。

 

 

「・・・じゃあな・・・っ!!」

 

ザシュンッ!!ガシュンッ!!

 

『・・・・・・・・・・・・・・!!』

 

 

俺は突き刺さったアームドナイフを振り下し、体を一回転させて横一文字に奴の頭部をコアごと切り裂いた。

 

そして・・・今度こそ奴は完全に機能を停止・・・壊れたのだった。

 

To be Continued

 

 




中途半端・・・マジでヤバイ位の中途半端感。

次回は今回の話しの補足と太一の今後を予定してます。
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