「さて、結局テスト勉強を一つも終わらせること無く、10時ですよもう!!」
当麻の心の叫びが吐露する。
「上条スマン…」
「お兄ちゃん、すみません…」
「申し訳ありませんでした、とミサカはお詫びに私を今日一日…いえ、一生自由に酷使できる権利を――あたっ」
ぺしっと吹寄がテキストを丸めたもので軽く叩く。
「馬鹿者! その歳で何という事をいう! これも全部貴様のせいだーっ!」
「凄い理不尽っ!! っと、そろそろ静かにしなきゃマズイな」
もうとっくに消灯の時間だったりするのだが、この部屋だけ堂々と電気が付いていたりする。
いつもこんな時間まで大騒ぎする上条兄妹の為に、この部屋だけいつでも電気がついているのを許可されているという特別仕様。
「でも流石に吹寄は帰らないとマズイな…。こんな時間に一人で帰らせるのは危ないし…」
紳士と自称するだけあり、無意識にでも働く親切。
「心配してくれるのか…」
「ムキーっ、さっきから私が超空気です!!」
「仕方ありません、私が家までお供します、とミサカは点数アップの為に名乗り出ます」
「点数アップとか言われたら超黙ってられません。私も超行きます!」
「すっごくありがたいんだけど、できればその点数アップを上条さんのテストにだな…」
「それでは超行きましょう、ダッシュで行きましょう」
「さっさと帰ってきて先ほどの続きを…とミサカは準備体操を終えてクラウチングスタートの体勢になります」
「「では(超)行ってきます」」ダッ
「もうね、俺の話は無視だね…」
街頭の明かりが等間隔で、夜道を照らす。
車は疎らに走り、モノレールは学園都市の他学区へと移動する人でごった返している。
そんな点々の明かりを頼りに、吹寄の家へと向かう三人の女の子。もちろんその途中で話はガールズトークへ。
「吹寄さんは…どうなんですか?」
「何を?」
「お兄ちゃんの事です」
「私も聞きたいです、とミサカはあの方との関係はどうなのかと尋ねます」
「吹寄さんは、お兄ちゃんと生活している私の次に一緒にいる時間が多いですからね」
「私なんて、各地の妹達と情報をリンクさせながら、エンカウント率上げに必死だと言うのに・・・」
二人とも気になっていた、当麻と吹寄の関係。
「そうねー」
誰かが唾を飲む音がした。
「「…」」
「私にとって、上条は大切な人」
「「…」」
「どうしてそう思うのかは…言えない」
「なるほど…」
「そこまで本気だと、ミサカは判断しますがよろしいでしょうか」
「ええ」
「それでは超恋敵っていう訳ですね」
「ふっ」
「何を笑っているのでしょうか、とミサカは不適な笑みに邪悪な念が含まれている事を察知します」
「上条はね、胸がある女の子が好きなのよ!」
所詮は雑誌やら友達から得た”一般論であろうモノ”なのだが、
「「な…!!!!!!!!」」
「残念ながらあなた達は無いように見えるから? 私の圧勝でしょうね」フフン
「「(グハッ!!)」」
それを真に受けている三人。
ただしこれに何の根拠もない。
「あら、なぜか丁度私の家に着いたわ。ここまで護衛、ありがとうね~」
軽く手を振りながら、自分の寮へと戻っていく。
「何故こうなった…」
帰ってきた最愛と御坂妹。
その目は何故か燃えていて、
「今日は徹夜です。もちろんピッタリキッカリ密着して超勉強しますよ、お兄ちゃん」
「この状況、病院に長く居れる私達だからこそ得られる高感度があります、とミサカは高らかに勝利宣言させてもらいます」
もちろん徹夜で徹底的に教わる。
今まで何回か勉強会(当麻への)が行われたが、ここまで気合が入った事は無かった。