「浜面、しつこいしうるさい。にゃあ」
「うぅぅ…えっ?」
上条が滝壷に背中を摩られつつ、その声をした方を見やるとそこには…。
「はじめまして、フレメア=セイヴェルンです。あなたが上条当麻、でいいんだよね?」
10歳前後の少女立っていた。
白やピンクのフリフリミニドレスに真っ赤なタイツ、腰に大きい赤いリボン、頭には赤いベレー帽。
THE・カラフルオシャレを纏う、まるで人形のような服装で、そこに金髪白肌青眼という最早パーフェクトなお人形さんスキルを持つ女の子。
「俺がそうだけど…ってセイヴェルンって事はフレンダの妹?」
「そうそう、私の妹って訳よ」
私に似て凄く可愛いでしょ!?と遠まわしに言っているフレンダ。
当麻がフレメアを姉と似てるなぁと思いながら見ていると、フレメアはとてとて歩いてくる。
「どうした、フレメア?」
当麻の前で立ち止まりじーっと品定めするように顔を見てくるフレメア。
「…浜面より全然強そう…」
「へっ…?」
「駒場のお兄ちゃん…よりかも」
「?」
「とりあえず基礎が違うもんね、浜面とは」
当麻自身は気付いてないが、不良や御坂とのヤケクソ徒競争や主婦との食料調達戦、数々の乙女の猛アタックなど、色々な修羅場を毎日のようにくぐってきているので、身体の筋肉の付き方が凡人のそれとは違う。性格の良さに合わせ、逞しい身体を持つ当麻、それは乙女を落とすのに申し分ない"能力"なのかもしれない。
「うん、決めた」
「は、何を…」
当麻の声を聞かずに、フレメアは靴を脱がずに上条のベットの上にポンと乗ると
「ちゅっ」
「っ!?」
「「「「「っ!!!!!!」」」」」
子供の悪戯程度だし、フレメアが金髪なのもあって外人特有の挨拶程度に見えた。それが頬ならば。
真正面、上条の顔を押えての唇へのキス。見方によっては犯罪者だ。
「「かぁ~みぃじょぉおおおおお!!!!!」」
声高々に叫ぶ麦野沈利と浜面仕上(更なる嫉妬から)。
「フレメア何やってんの!?」
色々と妹に先を越されて焦るフレンダ=セイヴェルン。
「(くっ…先にやられた…)」
下唇を噛みしめる滝壺理后。
「おぉおおぉぉ兄ちゃん! 何私以外の人とキスしてるんですかっ!?」
いきなり知り合いの妹に兄のセカンドキス(?)を取られてショックの最愛。
このカオスとなった戦場、普通の人間だったならばここで終わる。
というよりも、本当に普通ならこんなことにすらなっていないのだが。
しかしそこは安心設計の(株)上条当麻 不幸建設。それで終わるはずがない。
病室の入り口にはさらなる女の子の影が。
「ほう、なるほど理解した。貴様は根底から相当重症なようだ…」
今にも殴りかかろうとしている吹寄制理。
「ははは、そうよね、アンタに変な期待してた私がバカだった…」
バチバチを通り越して耳を塞ぎたくなるような音を発す御坂美琴。
「まさか…という事は、これは20001号の方が有利という事になるのでしょうか…? と予想だにしない候補に愕然とします」
最早何を言ってるか分からない御坂妹。
「どうやら貴方は…いえ、もはや類人猿と呼び名に戻した方がよろしいようで…ねぇ、そうですわよね」
鞄からガトリング銃の弾のような、鉄矢がいくつもついたベルトを出し始める白井黒子。
少年に幸せは長く滞在しない。
幸せとは一過性の物なのだ。
――――――――――――――
拝啓っていうかもうヤバイので前略親父。
不肖…それこそ超がつくほどの愚息な私上条当麻ですが、
どうやら陽の目を見る事はもう一生無さそうです。
PS,モテたかった…
――――――――――――――
その日、フレメアは「知ってはいけない学園都市の闇」を見た気がした。