上条with絹旗   作:たけんちゅ

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Act.17

 

 

 

 「そこまでーって、ミサカはミサカは命の恩人さんの命の危機に参上してみたり!」

 

おい、また増えたぞという皆の視線が病室のドアに注がれる。

そこには20001号、いわば妹達のネットワークの総括、打ち止めと呼ばれる子と、

 

 「おィ上条、お前は親から病室では静かにって常識も教われねェほど不幸なのか?」

 

白い髪、白い服、白い杖の一方通行がいた。

いつからなのか、病室の壁に寄りかかっているその様は、

そこにいる誰もが『モヤシ・・・』と思ったのは言えない。

 

 「さりげなく、お前ら今失礼な事考えてたなァ、オイ」

 

ギクッと、皆の心臓が跳ねる。

 

 「もー、そんな事はどうでもいいの、それより彩月花祭に行くんでしょ?」

 

くだらないこと言ってないで、打ち止めは一方通行を静止し、当麻と話を始める。

 

 「おう」

 「だったらミサカも連れてって欲しいかも」

 

頭のアンテナをクルクル回しながら、満面の笑みで聞いてくる。

 

 「あれ、だって一方通行が居るじゃん」

 

それこそ、いつもの仲の良さを見る限り、一方通行と行くと思っていたのだが・・・。

 

 「うーん、確かにこの人と行きたいんだけど、当日は精密検査があって病院から出られないの」

 「情けねェ話だよなァ」

 

ケラケラと笑う。

 

 「で、ヨミカワは当日警備で忙しいんだって。だからミサカは一人になっちゃうの」

 「それじゃあ仕方ねぇな、じゃあ打ち止めも参加っちゅー事で」

 

 

 

 

 

 「さて、久々に発言権を得た事なので、勢いついでにお兄ちゃんに聞きます」

 「なんでしょうか、最愛さん」

 「お兄ちゃんは彩月花祭、何人と一緒に行くんですか?」 

 

手を広げて指で数えていく。

1、2、3…9、10…

 

 「最愛だろ、御坂姉妹(多分三人)、白井、吹寄、麦野、滝壺、フレンダ、フレメア…10人だな」

 「お兄ちゃん、なんか変だと思わないですか?」

 

当麻は言われて気付く。

 

 「変…あ、男が俺しかいない事か? なら大丈夫、浜面が…」

 

いつから居たのか、ちゃっかり浜面も病室にいる。

もちろん、アイテムのパシリとして。

 

一同からものすごく刺さる視線を浴びる浜面。それは戦車を前にした蟻のよう。

 

 「いや、上条…俺は遠慮させてもらう。ちょっと駒場さんと飲み会があるんだその日。だから遠慮させていただきます」

 

当たり前だよね、と皆の視線を浴びる浜面。どれ程の威圧なのか。

 

 「まあそれが変って訳ではないんですが…まあ何言っても無駄ですね、もう」

 「?」

 「さて、そろそろ面会終了時間、もとい消灯時間です。皆さん今日は解散しましょう」

 

そう最愛が言うと、他のメンバーも帰り支度を始める。

 

 「そうね、そろそろ帰りましょうか、ほら黒子、行くわよ」

 「ついつい今日は長居してしまいました。これは寮監がお怒りになるでしょうね…」

 

 「今日は帰るか。貴様、おとなしくして彩月花祭に備えるんだぞ。体壊したら元も子も無いし」

 「そうですよ、夜は忙し…おっと、そろそろ調整の時間です。とミサカは覚悟しておくようにと言葉を残して今日は帰ります」

 

 「さー、片づけしてちゃっちゃと帰るぞ、おい浜面さっさと片付けろ」

 「えぇ、俺かよ…。あ、いえ、やらせていただきます」

 「おとなしくして元気になって、私の美脚をマッサージしてください」

 「私もやってもらう、にゃあ」

 「上条、病院抜け出してもすぐ私の能力で分かるからね。逃げ出しちゃ駄目だよ」

 

 「それまではミサカとモヤ…じゃなくて一方通行でお話ししてあげるから」

 「モヤってお前、次に来るのは“シ”か? オィ!」

 

捨て台詞のように各々が吐き捨てながら病室を後にする。

滝壺と吹寄以外、当麻の体調は心配していない。

何故こうも皆、自分に尽くしてもらおうと考えているのだろうか…。

そう考えるとなぜか当麻の景色が霞んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「…」

 

 

 

そしてやっと、

 

やっと、やっと病室が静かになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「いやいや、私は超いますけど」

 

 

 

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