上条with絹旗   作:たけんちゅ

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Act.20

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

<最愛side>

 

 

 

“暗闇の五月計画”。

 

 

 

それは学園都市最強の第一位の演算能力を人為的に脳に送り込む実験。

 

 

 

私はその被験者だった。

 

 

 

何故か。

 

 

 

そのために親に棄てられた。

 

 

 

いや、

 

 

 

売られたのだ。

 

 

 

 

父は金使いが荒く借金に嵌り、

 

 

闇金に手を出し、賭けに溺れ、

 

 

人の理を外れて、闇に落ちた。

 

 

 

その時から、父は家族に関心が無くなっていった。

 

金、金、金、金、金、金、金。

 

金を得るために何でもした。

 

そう、私を学園都市に売ったのだ。

 

実の娘が、実験材料になる事を知った上で。

 

というよりもそんな誓約書など見ていなかったのだろう。

 

資料に書かれた数字に、まだ幼い私は負けたのだ。

 

 

 

 

親に学園都市に売られ、

強制的に運ばれた施設送られた。

 

 

 

それから何年だろう、

幼稚園にも小学校にも行かせてもらえなかった。

遊ぶ物も少し古めの物しか支給されないしテレビという娯楽も無い。

同じ施設の子と施設内でのみ遊ぶ事しか許されない。

だから私は、施設の裏にあるゴミ置き場から雑誌を拾い、

女の子らしい服装だったり、口調だったりを学んだ。

 

 

そこで私のこの見えそうで見えない服装と「超~」という口癖が付いた。

 

 

 

 

 

 

そんなある日、

施設に客が来た。

身なりのいい男だった。

 

 「凄い力を使ってみないか?」

 

それが男の最初の言葉。

 

同じ施設の子が聞いた。

 

 「どんな力?」

 

男はニヤッと笑い、

 

 「君達、アニメや漫画は読んでる?」

 「うん、漫画は」

 「それに出てくる人みたいに凄い力だよ」

 

そう言われて気を悪くする子供は居なかった。

ある子供は手をかざし見、ある子供はどんな力が欲しいと期待した。

 

 「よし、じゃあ荷物をまとめて。今日中に出発しよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、施設にいる全ての子供が、研究施設へと身を移した。

 

 

 

着いてすぐ、服を着替えさせられ、変な薬を飲まされ、24時間監視の部屋に入れられた。

 

 

 

それから毎日、一定時間ごとに薬の投与と脳開発を行われた。

 

脳を弄るとどうなるか、それを嫌でも思い知らされる。

 

まず同室の子が暴れ始めた。大人しくて綺麗だった子が汚い言葉を吐く。

 

同じ実験室の子が大量の血を吐いた。白くて綺麗だった肌が赤く染まる。

 

能力が暴走し、皆が自分を傷つけ始める。

 

マトモじゃ無かった。

 

 

 

文句を言っても聞き入れてくれない。

 

それどころか薬の量が増やされた結果、ボロボロになる。

 

 

 

 

外を見るための窓は無く、鉄の扉と鉄の壁。

外部からの情報を一切遮断し、陽の光は照らさない。

鉄は鈍く光り、その様はまるで"暗闇"だった。

 

 

その一室。

私たち子供は、鉄で出来た冷たいベッドに横にされ、

頭や腕、身体全身に色々なケーブルをつなげる。

 

 

 

それはまるで怯えている子猫のような。

 

 

 

 「では始めよう」

 

そんな声が、部屋の隅のスピーカーから聞こえると、

私の脳に強い衝撃が加わった。

 

 

 

 

 

 

 

幾度目かも分からないぐらいに脳開発され、

その日もまた、脳開発をした時だった。

その最中、意識は普通無いはずなのにガラスの向こうの声が聞こえた。

 

 

 「もうこれで何人目だ?」 

 「185人目です。そろそろ”材料”を増やした方がいいんじゃないでしょうか」

 「じゃあ次は候補6の施設で」

 「了解しました。一応念のため候補7にも連絡入れておきます」

 

ここで初めて理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      私達は”置き去り”から”使い捨て”になったんだと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

13歳だった私はその日施設を飛び出した。

 

13という年齢になると比較的実験には参加させられない。

私は周りの子に比べ、実験回数は少なかった。

幼い頃の脳の方が開発しやすいという理由らしい。

 

しかしそれでも私は能力を発現した。

その惨めな研究で得た能力を使い、私は研究施設を逃げ出した。

 

 

 

 

部屋の扉を窒素で覆った拳で破壊し、駆けだす。

 

けたたましく鳴る警報、追ってくる警備員。

 

攻撃を避け、時に反撃しながら私は必死に逃げた。

 

 「ここから・・・追手の来ないところまで逃げなきゃ…」

 

他学区へ逃げる、それだけを考え人目のつかない路地裏を選んだ。

 

暗い路地、朝も夜も変わらないその環境に慣れ始めた頃、

 

 「痛っ・・・」

 

三日も逃げ続け薬の投与が無い事で、蝕まれていた脳が薬を欲しがる。

 

それは欲求だけに収まらず、"自分だけの現実"を乱し能力を暴走させる。

 

それが痛みになって私を襲い、さらに”自分だけの現実”を乱し暴走させ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

血を吐き、涙を流しながら、力無く路地に倒れこむ。

 

 

 

 

 




"置き去り(チャイルドエラー)"だという事だけを元に、作ってみました。
ここで散々書いた揚句、本編では180度違うとかだったら笑えるw

それと、最愛の服装と口癖の原点も盛り込んでみました。

最愛の母は多分最愛に似て美人&可愛いと思うので、悪者には父親をw
今頃母親はどうしているのでしょうか。今後書けたらいいなぁ。




今回の話のミソは、"置き去り(チャイルドエラー)"は"実験道具"だという事。
原作ではこんな書き方をしてはいないでしょうが、自分はそう捕えました。

"学園都市の闇"というのは、"子供を実験鼠(モルモット)にする"ということなんじゃないかなと。

そしてそこに最愛がいたので、自分なりの解釈を書いてみました。


浮ついた話が全くないですが、どうして最愛と出会ったのか、それをしっかりと明記する必要があるかなと思ったんです。

だからこそ、暗くても残酷でも、書くべき事は書くと。
暗い事があっての、今の当麻と最愛だと思うんです。

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