Act.33
「いい加減、そこどいてもらえますか?滝壺~」
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「ちょっと滝壺さん、聞いてます?」
「おなかすいた・・・」
「分かったからそんなに寄りかからないでくれ」
空腹に耐えきれず、当麻の背中に寄りかかりながら彩花月祭の会場へと向かう滝壺。
その姿が羨ましく、悔しい最愛は先ほどから執拗に滝壺を当麻から引きはがそうとする。
「滝壺さん、そこは私の定ポジを奪わないでください~!」
「うん、ちょっと待て、いつから最愛の定ポジになった?」
さも当たり前のように言う最愛に、当麻は堪らずつっこむ。
と言うのも、そうしていないと滝壺の雰囲気に飲み込まれてしまいそうだから。
全体的にブカブカな滝壺の浴衣姿は、思春期まっただ中の当麻には辛いものがある。
ましてや・・・
「お兄ちゃん、まさか滝壺さんをそういう目で・・・?」
なんて凄いジト目で見てくるものだから、
兄としての尊厳とか、男としての意地とか、
色々背負込んでる状態で、滝壺に意識を向けないように会話で誤魔化しているわけだ。
「別に、私はそういう目で見られても構わないけど?」
「そういう事を普段から言ってるからお兄ちゃんが調子付くんですよ、滝壺さん」
「きぬはただって、いつも上条に言ってるんでしょ?」
だったら私もいいでしょ?というニュアンスの滝壺。
「そうなんだ滝壺、なんか言ってやってくれ」
当麻的には滝壺にビシッと言ってほしかったらしいのだが・・・
「じゃあ私が言ってもいいってこと?」
「うん、違うな」
色々ズレていたようだ。
そんな話をしていると、小さい影がぴょんぴょん跳ねながら近づいてくる。
「そうそう、私とフレメアの定ポジションなんだよ!って、ミサカはミサカは精一杯に身体を伸ばしながら自分のポジションだって主張してみたり!」
「そうだそうだ~!! あ、でも肩車は私だけの特権だから、にゃあ」
若さ溢れる子供二人はここぞとばかりに声を上げる。
「私はどこに・・・って訳よ」
「あると思ってるの?」
そんな光景を見て嘆くフレンダに現実を叩き付ける麦野。
「ムキーッ!流石の麦野でも許さない!!」
「ま、お前のその無いような胸じゃ、当麻に振り向いてはもらえないわよ」
この一言に、
「「若さがある!!」」
そう声を上げたのはフレンダだけでなく、御坂と御坂妹、初春の四人。
「あのー、ちょっとよろしいでしょうか?」
と黒子。
「それを言ってしまうと、滝壺さんと吹寄さん、佐天さんが全ての条件を兼ね備えてる、ということになりませんか?お姉様方」
言ってる黒子だって兼ね備えてないほうだというのは重々承知しているわけだが、
「ま、とりあえず牛乳でも飲んでればいいんじゃないか?」
なんて、好意を向けられてる者からの無関心な返答を聞いて、すかさずテレポートキックをかます。
ぐっ・・・と不意打ちを食らって軽く吹っ飛ぶ当麻。
「上条さんって・・・鈍感とかそういうのじゃなくてもしかして・・・無関心?」
「ええ、佐天さん。何言ったってこのお猿さんに私たちの気持ちが伝わることないですわ」
吹っ飛ぶ当麻を、腰に手を当てて仁王立ちしている黒子。
「お猿さん言うな」
いてて・・・と言いながら、さほど痛そうではなさそうに立ち上がる当麻。
「ミサカに一つ妙案が。みなさん、少しこちらへ」
当麻と最愛を残し、他の面子は御坂妹についていく。
「・・・?なんだ?」
「何か企んでるんでしょう」
「ふーん、ま、いっか」
「若干何するのか想像つきますけどね・・・」
危ない事さえしなければ大丈夫だろう、なんて二人で考えてるのはお互い知らない。
「あ、そうそう、今のうちに飲み物買いに行ってきます」
「出店で買うとボッタくられるからな」
「あの上乗せ料金は気分が高まってると妥協しちゃいますよね」
「お祭りマジック・・・恐るべし」
「て事なんで、今のうちに近くのスーパーでそろえてきます」
「俺も行こうか?」
「あー大丈夫です。1ℓのを3本くらいなんで」
「そっか」
「はい、なのでお兄ちゃん、はぐれない程度に先行っててください」
「おう、ゆっくり行ってるよ」
この先まだ調整中なので、次の更新に時間かかると思います。