異世界転生というのを知っているだろうか?そう、現実にいる一般人が神の手違い、はたまたは何かのいたずらで死んでしまうなどになって異世界にいくというあれだ。
大抵、その場合は神によるチート能力とか、気付かずとも付いた特殊能力でなんとかするものが多い。
なぜ、いきなりそんな話をしたのかと言うと、俺がその当事者だからだ。
たが、俺にはそんな都合の良い出来事は起きなかったらしい。強い能力なんて持ってなかったし、身体能力だって普通だった。
幸運だったとすれば、転生した場所が村の近くで村人達の温情によってなんとか住まわせてもらったことだ。
そして、その村に馴染む数年間まで村八分とか、そういうことをしてくれなかったことは本当に幸運だと思っている。
畑を耕し、森で採集をし、村人達に教えてもらってなんとかここまで食い繋いでいる。
「おーい、ユウキ!今日も森で採集か?」
「あ、はい。でないと自分で食べるものがなくなってしまうかもしれませんからね」
「おめぇは本当に熱心だなぁ。ま、頑張れよ!」
「はい、行ってきます」
村人達に挨拶しながら、俺は日課の森での採集に向かった。さて、今日も頑張るか!
『みぃ・・・みぃ・・・・』
今日も今日とで森での採集を終わらせ、いつもの道を歩いていた俺だが、近くから鳴き声が聞こえ始めた。
「・・・?なんで鳴き声が?」
この辺りには危険な動物などいない、ゆえに鳴き声が聞こえたことに疑問を覚えた俺はその鳴き声を辿っていきはじめた。
『みぃ・・・みみぃ・・・』
そこにいたのは赤い翼を持った小さな鳥・・いや・・
「ど、ドラゴン!?」
それは、俺がよく知っているドラゴンそのものの姿であった
だが、その小さなドラゴンは身体中が傷付いていて、いまにもその小さな鳴き声が途絶えそうだった
『みぃ!?みぃみぃ!!』
そのドラゴンは俺の声で誰かがいることに気付いたらしい。足や翼を引きづりながら、必死に逃げようとしている。
『み・・・・みぃ・・・』
このままほっといていれば、ドラゴンもどこかに行き、そして死ぬのだろう
¨ほおっておけ¨ 頭のなかでそんな声が響いてくる。
ほおっておくのが正解だろう、無視するのが無難だろう
『みぃ!みみぃぃぃ!!』
「落ち着いてくれ、俺は・・・お前を傷付けない』
そんな思考と反するかのように、俺はいつのまにかその小さなドラゴンを抱き締めていた
なせ、そんなことをしてしまったのか俺にも分からない。だけど、なぜかほおっておけないと思ってしまった
「俺はお前の味方だ、傷付けたりなんかしない、恐れさせなんかさせない、だから・・・落ち着いてくれ」
『みぃ・・・みみぃ・・・』
・・・俺の言葉を信用したのだろうか、ドラゴンはゆっくりと瞼を閉じ、眠ってしまった。
俺はドラゴンが眠ったのをみたのち、いつのもの帰路へと戻り自分の家へと帰ることにした。
その手に小さなドラゴンを抱えたまま