明日への道標〜砲撃は誰が為に〜   作:メビウス1提督

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艦娘は兵器であって兵士ではない。

 

軍直下の専門育成学校で日常的に言われた事だ。

 

人の形をしていようと、人ではない。

 

そりゃそうだ。普通、人間が海を滑って行くわけがない。

 

そんな能力があるのは大昔の忍者くらいなものだろう。

 

滑るというよりは浮くに近いと思うが。

 

どちらにせよ、人であっても認められる事はないってことだ。

 

そういう意味では俺自身も認められる事はないだろう。

 

軍人なんてのは認めていいものではない。

 

国を守るとはいえ、殺しをしなくてはならない。それも、命令一つで。

 

そもそも軍が表立つ時点で…いや、己の存在意義とかの考察なんて今すべき事じゃないな。

 

しかし、軍はそこまで人手不足なんだろうか。

 

卒業してわずか30分で異動命令とは。

 

それも着任日まで指定するあたり、切羽詰まってるどころの話じゃなさそうだ。

 

第124海上防衛部隊…Oil Field Line Defense Troops(油田ライン防衛部隊)か。

 

よくOLDとは言ったもんだ。

 

艦娘が建造されてようやく取り返した場所が東南アジア諸国。

 

まあ油は大切だよな。なきゃ動かす事もままならない。

 

だがこの部隊、この数年の間に10人もの人間が戦死、または辞職とされている。

 

最前線というわけでもないのに、だ。

 

敵がそんなに強いのか、はたまた内部のいざこざか。

 

噂じゃ艦娘が司令官を殺すだの、実は既に深海棲艦に乗っ取られてるだのと実情は見えない。

 

どっちにしても巻き込まれるのは勘弁して欲しい。

 

明日になれば、それに巻き込まれるのが俺ーー大渡上一(おおわたりじょういち)ーーか。

 

可もなく、不可もなく、保身というか事なかれというか。

 

いったい何が待っているのやら…。

 

 

 

 

 

ーー時は育成学校卒業式後まで遡る

 

 

「よう、大渡。あのOLDに配属だってな。」

 

「そうだな。本当に油田ライン防衛ってことか、文字通り旧式なのかがさっぱりなんだが。」

 

「お前さんの運もここまでなのかねぇ。」

 

「そういうお前はどうなんだ、稲葉。」

 

「俺は第87海上防衛部隊。北陸だな。」

 

「87って…日本海側じゃん。封鎖作戦ってことか。」

 

「そうなるねぇ。要は敵を通さなきゃいいわけだ。」

 

稲葉という男から渡された紙には異動命令とは別に作戦参加命令書もあった。

 

幼少の頃から腐れ縁の稲葉一清(いなばかずき)とも今日で別々か。

 

「お前は昔から実技だけは何かと得意だったからな。即実践か。」

 

「そりゃぁな。俺が真面目に座学を受けてるなんてのは気持ち悪いだろ。」

 

「自分で言うのか?それ。」

 

「昔からいうだろ?即戦力が求められるってな。」

 

一体いつを指しての昔なんだか。

 

「俺から一言。OLDは危険な部隊の一つだ。文字通り命に関わる。…死ぬなよ?」

 

「事なかれ主義もここまでになるのかな。面倒ごとは嫌いなんだよ。」

 

「超好戦的だった奴が何言ってんだか。売られた喧嘩を3秒で買う奴がよ。」

 

「やめろ、昔の話だろ。今は一般的な生徒なんだからよ。」

 

「まあ、何にしても命あっての物種ってこった。引き際間違えるとお釈迦だぜ。」

 

「ご忠告どーも。その言葉そっくり返してくれる。」

 

「はっはっは!違いないな!」

 

 

 

ーー時は現在

 

 

で、ここがその第124海上防衛部隊駐屯基地ってねぇ…。

 

地図は…ここで間違いないよな。GPSと照らし合わせても合ってるし…。

 

1、2、3、4…プレハブが6個のこの場所が基地なのか?

 

その向こうにはやたらと瓦礫が積み上がってるが、改装ってわけでもなさそうだしな。

 

一体何がどうなってやがる?

 

こんなので防衛とか無理難題ってもんじゃないな。

 

艦娘も見当たらない…。場所を間違えたんだろうな。

 

GPSもずれてたに違いないだろう…。

 

目の前の看板に所属先が書いてあるのも何かの間違い…な訳ないな。

 

…しばらく待つか。




はい、メビウス1提督です。

結構この時点で無理矢理感が否めないですね…。

まぁまだ出だしですし、修正は可能ということで…。

とりあえずサクッと考えた設定をどうぞ。

主人公 大渡上一 23歳

高校卒業後、周りに流されるようにして育成学校へ入学。

成績は座学、実技共に中の中止まり。

以前は喧嘩っ早いということだったが、今ではその影はない。


友人 稲葉一清 23歳

上一とともに育成学校へ入学。

成績は実技は中々の高評価だが、座学はやや危険水域。

よくありがちな「どこからか情報を仕入れてくる友人」である。

その情報は大概嘘となっている。



プロローグの研究者云々は出すつもりないです。

伏線になってればいいですが今後の展開次第で…(笑)

こんな感じで短いですがお楽しみいただけたらと思います。
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