ソードアート・オンライン Desire Of DragonKnight   作:光陽03

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この作品はソードアート・オンラインと仮面ライダー龍騎のクロスオーバーです。
両作品が好きではない、あるいはどちらかが嫌い、という方もいるでしょうが、どうかよろしくお願いいたします。


SAO編
一枚目 ゲームスタート


RPGというジャンルのゲームにおいて、選択肢はたいてい「はい」と「いいえ」の二つしかない。

よくラスボスとの戦闘前に「世界を半分やるからこちら側につけ」みたいな会話で目にする。

大体はどちらを選んだところで、結局は戦闘になるのだから意味はない。

くだらないだろうがこんなラスボスは可愛い方だと思う。

戦闘前に今まで障害となった主人公に生かすチャンスを与えてくれるのだから。

だが今俺が…いや俺たちがプレイしているゲームのラスボスはそんなラスボスとは少しばかり変わっていた。

ちゃんと「はい」「いいえ」どちらかを選ぶと異なる結末を用意してくれたのだ。

ただ、選択肢を提示するタイミングが違った。

戦闘前ではなくゲームをプレイする前だったのだ。

そう最悪な「はい」と最良の「いいえ」を

 

 

 

 

2022年11月6日、日曜日

ついにこの時が来た。

VRMMORPG『ソードアート・オンライン』

従来のゲームのように画面の中のキャラクターを操作するのではなく、自分が…正確には自分の意識をゲームの中へダイブさせることにより実際にその世界に入ってプレイができるという新時代のゲームだ。

発表されてからというもの一刻も早くプレイしたい思いをどうにか抑え、ただでさえ少ない貯金に貯金を重ねて今ようやく俺--井上信司の手にある。

βテストに運良く当選した友人からは会うたび何度も自慢されたのがムカついたがそれももうおさらばだ。

 

俺は早速ナーヴギアにソフトを入れ、柔らかいベッドに寝転ぶ。

時刻は午後の2時なので夕食までには4時間近くプレイできる。

もし夢中になって時間を忘れても親父か弟がケーブルを抜いてでも起こしてくれるだろう。

何せこの家の家計を支えているのは俺なのだから。

間違ってもそのまま放置なんてことにはならないはすだ……たぶん

不安を残しながらも起動を告げる言葉を口にする。

 

 

「リンク・スタート!」

 

 

 

 

 

 

 

様々な色の光のラインが流れ意識を別世界へ誘っていく。

その過程で数々の設定画面が現れOKの表示になっては消え、キャラメイクの段階へと進む。

ゲームなんだから地味な外見より派手な方がいい。モチベーションも上がるしな。

 

 

「名前は、どうするか…」

 

 

さすがに現実の名前を使うのは避けたいところだ。

というか実際にいるのか?ゲームで現実の名前を使うやつ。

初心者かよっぽどのキラキラネームでもなければ、まずいないだろう。

もしいたら顔を拝んでみたい

…あれこれ悩んだ結果俺が決めた名前は

 

 

「これでよしっ!」

 

 

-RYUKI-

 

 

当て字で書くと龍の騎士。

名前も決まり、YESのボタンを押すと目の前に英文字が出現した。

いよいよ待ち望んだ世界へと足を踏み入れるのだ。

 

 

 

 

Welcome to Sword Art Online

 

 

 

 

「うぉ~すげー」

 

 

まさにゲームの世界にしかない風景が俺を囲んでいた。

デザイナーやクリエイターもだが、ナーヴギアを設計しこのSword Art Online通称SAOの開発ディレクターにしてナーヴギア基礎設計者である茅場晶彦を柄にもなく尊敬してしまう。

おっと、いつまでも立ちっぱなしでいるわけにはいかないな。

 

 

「さてまずは…」

 

 

まずはこの世界に慣れるついでに、RPGの基本レベル稼ぎからだ。

いい加減だと思うかもしれないが俺はこのスタンスがしっくりくるからしょうがない。

そう考え新感覚の期待と興奮に胸を躍らせ走っているとある人間に目が止まる。

 

 

「あれは、そこの人ちょっといいか!」

 

 

この町の構造を熟知しているかのように迷うことなく歩く紅色の髪をした男。

あいつ、もしかして

 

 

「なんだ?」

 

「悪いな、呼び止めて。あんたもしかしてβテスターか?」

 

「そうだが」

 

「やっぱりそうか!やけに動き慣れてるなあ~って思ってさ」

 

 

俺の目に狂いはなかった。

目の前の男はβテスター、

すなわち俺よりもずっとこのソード・アート・オンラインの世界を体感しているのだ。

そうだとわかればするべきことは一つ

 

 

「その、もしあんたがよかったらでいいんだけど俺に色々教えてくんねえかな?」

 

「……」

 

 

あれ?どうして無言?何か不味かったか?

何か気に触ること言っちゃったのか俺?

まさか引かれた?

 

 

「俺でよければ構わない。初心者なら右も左もわからないだろうしましてやこのゲームなら尚更だ」

 

「本当か!?助かる!」

 

 

よかったー!!

静かで怖そうなイメージだったけど全然そうじゃなかった。

むしろその真逆のむっちゃいい人だった。

 

 

「よかったー、これでひとまず安心だ」

 

「お前1人だけなのか?」

 

「ああ、他にも持ってる友だちがいるにはいるんだけど待ちきれなくてさ。あ、俺はリュウキこれからよろしくな」

 

「俺はライアだ。じゃあさっそく説明するぞ」

 

 

 

 

 

 

 

--------

 

 

 

 

 

 

「あだぁ!」

 

 

そうして俺はライアの指導の元フィールドに出て戦闘をすることになった。

フィールドに出てしばらくはライアから戦闘の基礎を学んだり、あいつの戦いを間近で見たりした。

そしてようやく俺が戦う時が来た。

記念すべき初戦の相手は牛のモンスター『フレンジーボア』というらしく、ライア曰く某スライムと同程度の強さのようだが、それに俺は手こずっている。

 

 

「だあ~、てんで当たんねえ」

 

「冷静になってもう一度やってみるんだ。お前は焦りすぎて、モーションがてんで取れていないからソードスキルが発動しないんだ」

 

「そうは言ってもこいつやたらと動き回るしよ」

 

 

俺が口を尖らせそう言うとライアは短刀を抜き放ちフレンジーボアの突進を手慣れた動きで回避。

攻撃が失敗したフレンジーボアはそのまま俺に向かって来る。

 

 

(落ち着け、落ち着け俺。ライアの言ってた通りにすれば上手くいく)

 

 

腰を落とし片手剣を水平に構えると刀身が青い輝きを帯び始め、一気に地を蹴って走り出す。

フレンジーボアとすれ違い様にその体に青い軌跡が横一直線に入り込み、体力を示すゲージが緑から急速に緑から赤へ…そしてなくなるとフレンジーボアは絶叫し四散するのが背中越しでもわかった。

 

 

「よっしゃー!!」

 

「どうだ?初めてソードスキルを決めた感触は」

 

「スッゲーよ、スッゲーこうズッバーンってきてピカッてなってスッてモンスターに決まる感じ」

 

「……すまん日本語で頼む」

 

「あ、わりぃ。でもとにかく気に入ったよ」

 

「…そうかそれなら俺も満足だ」

 

 

興奮混じりに語ってしまったがライアはにっこりと笑い返してきた。

やっぱりライアはいい奴だ。

 

 

「ソードスキルは教えたホリゾンタルの他にも山程ある、単発のスキルだけでなく2連撃のスキルもあれば噂では4連撃のスキルもあるらしい」

 

「へえ~やっぱ奥が深いな。βテストに当選してずっと前からこんな体験をしたお前が羨ましいよ」

 

「それは悪かったな。だがこれからは飽きるぐらい楽しめるぞ」

 

「馬鹿言うなって、飽きるわけないだろ。この感覚、慣れることはあってもそれはないって」

 

 

俺の言葉を聞いてライアは涼しい顔をしつつ、嬉しそうに右手で拳を作っていた。

それもそうだ。何せβテストを経てソフトを買ったんだ。

俺なんかよりよほどこの世界に見いられたんだろう。

 

 

「とりあえずどうする?まだ狩りたいなら」

 

「もちろん!って言いたいところだけど、俺用事があるからそろそろ落ちないといけないんだよな」

 

 

気付けばもう5時30分を回っていて夕飯の支度があるので、もうじきログアウトしなきゃならない。

家族が父と弟しかおらず料理もろくすっぽに作れないために俺が毎日家族の料理を作っているのだから。

 

 

「そうか、あらかた教えたがもしわからないことがあればフレンド登録は済ませてるから気軽にメッセージを飛ばしてくれ」

 

「本当に何から何までサンキューな。いつか必ず借り返すから」

 

「ああ、期待している」

 

 

人差し指と中指を密着させた格好で振り下ろしメニュー画面を発生させログアクトへと移行する。

…だが

 

 

「あれ?」

 

「どうかしたか?」

 

「ログアウトボタンがない」

 

「そんな馬鹿な。よく探して見るんだ、下の方にあるはずだ」

 

「いや、どこ探しても見当たらない」

 

 

半信半疑にメニュー画面を探っていたライアであったがやがて目を見開き硬直した。

どうやら向こうも同じみたいだな。

 

 

「お前もないのか」

 

「こんなことはβテストではなかったぞ」

 

「だったらバグかもな。あー最悪だ、もうすぐ親父帰ってくんのに」

 

「ただのバグならいいが…しかし、バグにしては運営の対応がおざなりすぎる。いざとなればサーバーを一時停止させてプレイヤーを強制ログアウトそればいい話だ。」

 

 

俺が落胆しライアが何事かを呟いていると突然鐘の音がフィールド一杯に響き渡る。

普段ならば好意的に受け取れるであろうその音色もこの状況では不安感を煽らせるしかない。

それが何の合図なのかわからないままの俺たちを青い光が包み、光が消失した時には別の風景が飛び込んで来た。

俺たちを取り囲んだのはフィールドの草花ではなくファンタジー風の建造物…SAOにおいて最初に俺が足を踏み入れた『アインクラッド第1層始まりの街』と蟻のように群がった大勢のプレイヤーたち。

 

 

「な、何だよこれ!?」

 

「転移か……この人数まさかSAOプレイヤー全員がここに呼び寄せられたのか」

 

「一体何のために!?」

 

「さすがにそこまでは俺にもわからないが、どうやらログアウトができないのは皆同じようだ」

 

 

あくまでも冷静なライアの発言に俺は眉を潜めながらも動揺を押し殺して周りの会話に耳を立てると、確かに「ログアウトできない」だの「何が始まるのか」だのといった内容が聞こえてくる。

事態が飲み込めていないのが俺たちだけでなくてとりあえずはホッとした。

そう一安心したのもつかの間、突如空が不気味な紅に変わり『Warning』『System Announcement』の表示がいくつも現出した。

そしてそのすぐ直後血の雫のような液体になるも、滴り落ちはせずそれは真紅のフードを纏ったまるで特撮の世界に出てくる巨人の姿へと変貌し、ますます俺は身の毛が逆立つのを感じている。

 

 

『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』

 

 

私の世界?ってことはあれは運営側のプレイヤーなのか。

このログアウトが不可能な状況についての説明だろうかと俺は考えている間に赤いフードの巨人は衝撃的な発言をした。

 

 

『私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ』

 

「!茅場…晶彦」

 

 

茅場晶彦、さっきまで俺が内心尊敬の意を抱いていた人物の名前。

それをあの巨人は自分だと言ったのだ。

 

 

『プレイヤー諸君は、すでにメインメニューからログアウトボタンが消滅していることに気付いていると思うりしかしゲームの不具合ではない。繰り返す。これは不具合ではなく、ソードアート・オンライン本来の仕様である』

 

「仕様…本来…何のつもりだ…!」

 

 

ライアが僅かながらに怒気を含めた声色で茅場晶彦を名乗った巨人を睨み付けるのが、目の端でも捉えられた。

だが戸惑うならまだしろ怒りが涌き出ているのは何故だろうかと、俺はそんな場合ではないと理解していながらも思った。

まだ知り合って間もなく互いを深く理解してないのは当たり前だが、これまでの言動と仕草からライアからはクールかつ優しい印象を受けた。

その彼がいくらログアウトできないからとはいえ、こんな訳がわからない演説を聞かされたぐらいでこうまで怒りを露にするとはどうしても腑に落ちない。

たぶんこいつは理解したんだ。巨人の言葉から誰よりも先だってその意図するところを悟ったのだろう。

 

 

『諸君は今後、この城の頂を極めるまで、ゲームから自発的にログアウトすることはできない……また、外部の人間の手による、ナーヴギアの停止あるいは解除も有り得ない。もしそれが試みられた場合-』

 

 

瞬時に嫌な予感が頭をよぎる。

やめろ、言うな。その先は口にするな

 

 

『ナーヴギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが、諸君の脳を破壊し、生命活動を停止させる』

 

 

一瞬何を言われたのか

生命活動の停止、つまりそれは死ぬということか

たかがゲームで?ここにいる俺たちの命が消える?

そんな馬鹿な話があってたまるか

 

 

「ライア、あいつの言ってることって…」

 

「…不可能ではない」

 

 

振り絞るように吐かれたその言葉が俺の脆い希望を打ち砕く音が聞こえたような気がした。

そこに続いて巨人は畳み掛けるように冷酷な情報を与えてくる。

 

 

『ちなみに現時点で、プレイヤーの家族友人等が警告を無視してナーヴギアの強制助装を試みた例が少なからずあり、その結果……残念ながら、すでに213名のプレイヤーが、アインクラッド及び現実世界からも永久退場している』

 

「嘘だろ?ゲームが始まってもう213って…無茶苦茶だろ」

 

『今後、諸君の現実の体はナーヴギアを装着したまま2時間の回線切断猶予時間のうちに病院その他の施設へと搬送され、厳重な介護体勢の元に置かれるはずだ。諸君には、安心してゲーム攻略に励んでほしい』

 

「ゲーム攻略…100層攻略を目指せという訳か」

 

『しかし、充分に留意してもらいたい。諸君にとってソードアート・オンラインは、すでにただのゲームではない。もう1つの現実というべき存在だ……今後、ゲームにおいてあらゆる蘇生手段は機能しない。ヒットポイントがゼロになった瞬間、諸君のアバターは永久に消滅し、同時に…諸君らの脳はナーヴギアによって破壊される』

 

「ふ、ふざけんな!」

 

 

死んだらゲームオーバーどころの話じゃない。この世界でゲームオーバーになることは現実世界からもゲームオーバーになることに直結する。

そう奴は言ったのだ。

 

 

『諸君がこのゲームから解放される条件はたった1つ。先に述べた通り、アインクラッド最上部第100層まで辿り着き、そこに待つ最終ボスを倒してゲームをクリアすればよい。その瞬間生き残ったプレイヤー全員が安全にログアウトされることを保証しよう』

 

「100層ってたってベータじゃそこまでいけたのか?」

 

「いいや。それどころか2ヶ月でクリアできたのは6層までで100層なんて夢物語だった」

 

 

突きつけられる事実に俺は混乱していく。

βテストでさえ半分も到達できなかったのにその5倍…いや4倍?…そこはどうでもいい。とにかく100層まで到達しろなどと一体どれだけの時間がかかるのだろう。

下手したらずっとゲームに囚われたままなんてのも有り得るなんて冗談じゃない。

 

 

『それでは最後に諸君にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。諸君のアイテムストレージに、私からのプレゼントが用意してある。確認してくれたまえ』

 

 

今度は何だ。

そう勘繰ったところで従わなければならないのは明確だ。

渋々俺はメインメニューからアイテム欄の所持品リストからアイテムをタップさせ、具現化させる。

出現したのはごくごく普通の手鏡だった。

とんでもない代物かと危惧していたために危うく拍子抜けしかけた時、恐る恐る鏡を覗き込むとそれは急に発光し俺の視界を光が支配する。

光が収束し眩しい輝きに一時的に使い物にならなくなった目が元通りになり、再び手にした鏡の鏡面を見る。

 

 

「これって俺!?」

 

 

鏡面に映ったのは俺ではあったが俺ではなかった。

ブラウン色の肩までかかる髪、弟とは若干違うワイルドな顔立ち。

紛れもなくそこにはこの数時間使った『リュウキ』ではなく、現実世界の『井上 信司』の顔。

まさかと思い周りを見渡すとどんどん俺と同じように光に包まれ、少し前とは違う顔になっていく。

 

 

「どうやらこの鏡の効果のようだな」

 

 

背後からの声に振り返ると黒髪の俺と同じくらいの年代の男がいた。

 

 

「顔と髪がブラウンに近い色に変わっているが、リュウキか?」

 

「ってことはお前、ライアか!?」

 

「そうだ。正確には現実の俺といったほうが的確だろうがそれは今はいい」

 

 

俺だけでなくライアまで…いやおそらくここにいる全員が残らず現実の顔になってしまった。

何故こんなことをした

 

 

『諸君らは今何故と思っているだろう。何故私はSAO及びナーヴギア開発者の茅場晶彦はこんなことをしたのか?と』

 

 

考えていたことを見透かされたようで俺はビクっと背筋が凍るような、今まで感じたことのない恐怖にただ無言で立ち尽くすしかなかった。

 

 

『この状況こそが、私にとっての最終的な目的だからだ。この世界を創り出し鑑賞するためにのみ私はナーヴギアを、SAOを造った…そして今、全ては達成せしめられた』

 

 

短い静寂の後、茅場晶彦らしい巨人は無情なまでに無機質な声質で締めくくる。

 

 

『以上でソードアート・オンライン正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の健闘を祈る』

 

 

一言、そう一言だけ残すと巨人は跡形もなく消え何もかも元通り、ゲーム開始時と変わらぬ風景になっていった。

ただし、

 

 

「ふざけんなよ!ここからすぐにここから出せよ!!」

 

「いやあぁ!いやあぁぁ!?」

 

「この後約束があるんだよ!帰らせろよ!!」

 

 

違うのは楽しそうにゲームをプレイしたプレイヤーたちが、チュートリアルが終わったと同時に荒れ狂った点だけだ。

理不尽に怒る者、死を間近に涙する者、やり場のない感情を晴らすように叫びを上げる者、反応は様々だった。

 

 

「こっちへ来い」

 

「ちょっ、何だよ」

 

 

ずっと黙っていたライアがいきなり俺の手を掴み人混みをすり抜けて人気のない路地へと連れ込む。

 

 

「どうなってるんだよ…なんでこんな目にあうんだよ!俺たちただゲームを楽しみにしてただけだぞ!」

 

 

俺たちが何をした?何の罪がある?

こんな簡単に実験動物みたいな扱い…ふざけてるとしか言い様がない。

 

 

「……」

 

「なんでそんな落ち着いてられんだよ!お前悔しくないのか!?巻き込まれた皆に何も思わないのか!?」

 

「悔しくないはずがないだろう!」

 

 

掴んだ肩を逆に掴み返された俺は唖然として、おそらく間抜け面をしているであろう顔でライアを見る。

 

「あんな納得のいかない理由でここに閉じ込められて何も思わないはずがないだろ…俺だってお前と同じ思いだ。だがそうやって悔やんだってこのゲームからは脱け出せない、歩みを止めたらそれこそずっとこの世界に居続けることになる。だったらどれだけ小さくとも進むしかないだろう!」

 

「……ごめん」

 

「すまない。俺も熱くなりすぎた。だがこれから先何があってもアインクラッド第100層まで辿り着かなければならない…そのためにも俺と行動してくれないか?」

 

「お、俺も?なんで!?だって俺は」

 

 

俺は初心者だ

それはライアが一番良く知っているはずなのに

 

 

「-初心者だから…か?だからこそ利点があるんだ」

 

「どうしてだよ」

 

「あくまでも推測だが、ここから先βテストと同じ感覚で動いたら俺はいずれ死ぬ。命が懸かっているとわかっていても、どうしてもベータ時代の固定概念が捨てきれないはずだ。だがお前がいれば下手な真似をすることもなく安全かつ慎重ながらも効率的に進める」

 

「でも俺、お前の足を引っ張るんじゃ」

 

「最初はそれでもいい。徐々に実力をつけて俺を助けてくれればそれで、それまでは絶対にお前を死なせない…約束する」

 

その双眸で俺を見つめるライアはパーティー申請の通知を送ってくる。

なんて自分勝手だったんだ俺は。

なんでもない風に装おってはいるがライアだって本当は苦しいはずなのに、自分の命を守るだけでも荷が重いはずなのに俺の命まで背負う覚悟でいる。

足手まといを承知の上で俺とパーティーを組もうというのだ。

ここまで俺を信頼してくれる奴の期待には答えたい

パーティー申請を許可しライアに俺は宣言する。

 

 

「わかった、必ずこのSAOを攻略して俺たち2人で茅場晶彦に一発お見舞いしてやろうぜ!」

 

 

 

 

 

 

アインクラッド第1層「始まりの街」

ここからデスゲームが始まり、ここで俺たちは生き残って現実に帰ることを誓った。

 

 

 




今回は全て一人称でしたが、次回からは三人称が基本の文体になります。
私は基本三人称なので一人称は…難しかった
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