神友のために異世界転生   作:雪と氷

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今回は街について初めてのできごとです!よろしくおねがいします!


指名手配

俺は今まずい状況におちいっている。

非常にまずい……

 

「ぁぁん?貴様この俺にぶつかっておいてただで済むともうのかよ?ぁぁん?」

 

身長は190くらいの大柄で鍛え上げられた体。

それを強調するような黒のジャケットである。

そして手には人の丈くらいある大剣のような物が……

 

 

どうやら悪いやつに絡まれたらしい……

 

「い、いやぁ。すみません。ちょっと周りを見ていなくて」

 

さっきからこれしか言っていない気がするが言い直す言葉もでてこない。

 

「百輝、あの人この街アルスで殺人をした指名手配犯ですよ!あそこに壁紙があります」

 

ユースが縁起でもないことを言うのだが、言われた方をみると確かにそのまんま男が写っていた。

 

「おいおい、やばくないか?」

苦笑いしながら俺はいった。

転生して一日目でお亡くなりとか勘弁して欲しい。

 

「お前さっきから誰としゃべってんだよぉ!!――」

 

ついに男がしびれを切らして手に持っている大きな大剣を振り下ろしてきた。

 

慌てて俺は後ろに下がる。

大剣が振り下ろされたところコンクリートは粉々になっている。

 

「ありゃくらったら即死だな」

自分の体を見ると服に大きな傷がある。

俺のお気に入りが……

 

「なあユース男にはユースが見えてないのか?」

 

先ほど【ひとりで喋っている】と言われたのが疑問になった俺はユースに尋ねる。

もし仮に見えないのだとしたらこれはチャンスだ。

神であろうユースならこの男くらい――

 

「見えませんが、私は何もできません……神の理で自分が襲われた時以外は手出しをできないのです」

 

俺が助けを求めているのをまるで知っているかのように俺の希望を打ち砕いてきた――

 

瞬間、男は再度大剣を持ってこちらへ走ってくる。

あのがたいの割に動きは早い。

 

「クッッッ」

武器も何も持っていない俺では避けることしかできないが、もう既に体に複数の傷をおっていた。

 

ユース助けてくれよ……

そんなことを思っていた時だった――

 

「神の契約に従いて我、汝を召喚す」

なにかかっこいい台詞を言うユースの手元が激しく光る。

 

男も俺も目を瞑らずにはいられなかった。

光が収まり俺はすぐユースの方を見直す。

 

そこには白銀に輝く一槍の槍があった。

白銀の光がまだ槍の周りを舞っている。

 

「百輝!これを!」

白銀に輝く槍をおれの元までユースは持ってきた。

 

「これを使ってください」

どうやって使うのかわからないがとりあえず受け取る。

 

「うおおぁぁぁぁ!!」

男が大剣を上に振り上げそれをブンッと振り下げる。

 

白銀の槍を使い攻撃をガードしていく。

剣道を少ししていたので受け位はできる。

 

「クッッッ!」

男に疲れの表情がみえる。

そりゃああんな大きな大剣をふりまわしてれば疲れは出るだろう。

 

今だと思った俺はまず男の持っている大剣の手元を狙い何発か連撃を決めた。無意識のうちに勝手に手が動く。

これは便利だ。

 

ついに男の手から大剣が離れた。

人の丈くらいもある大剣は、宙を舞い地面のコンクリートに突き刺さる。

 

「ヒィィ!」

男は危険を感じたのか狼狽えた様な声を出す。

 

殺人犯ということもあり野放しにしておくのもあぶない。

 

「俺とついてこい。」

白銀の槍を男に突きつけ俺は言い放った。

 

「わ、わかった、わかったから殺さないでくれ!」

最初の威勢はどこに行ったのかわからない位の狼狽えっぷりだ。

 

「ユース犯罪を取り締まるとこはあるのか?」

ついてこいとは言っても場所をしらないのでユースを頼る。

 

「【ギルド】という施設がありますよ」

 

「よし、そこに行くか」

そう言って俺は男を【ギルド】まで連れていった。

 

ギルドの中は広々としていて、巨大なロビーのようだ。

カウンターには冒険者を待っているであろう受付嬢が沢山並んでいる。ここは素晴らしいな。

 

そんな愉悦に浸りながら俺は1人の受付嬢の元へ行った。

 

「あの、この男が指名手は――」

指名手配と言おうとしたが目の前にいる受付嬢を見て衝撃が走った。

 

透き通るような水色の髪と目を持ったショートカットの女の子がたっている。異世界2回連続美少女エンカウントである。俺が女の子に見とれていると、返事が来た。

 

「はい、なんでしょうか?」

まだ幼さが残る可愛げのある声。年は中学生くらいか。

俺もこんな可愛い妹がほしかった。現実と比べてしまうと悲しくなる。

 

「こ、この男が指名手配されていたので連れてきたんですけど」

我にかえりながらも少し緊張した声が混じった。

 

「そうですか。少々お待ちください」

そう言って女の子は手元にある人の顔写真が載っている資料に目を通し始めた。多分指名手配リストだろう。

 

何分かその資料をみて、それを閉じると、

 

「はい。確かに書いておりました。後はこちらで承りますのでもう大丈夫ですよ」

そう言うので暗い表情の男を女の子の元へと連れていく。

 

「気をつけてね」

一応殺人犯なので女の子に言っておく。

 

「大丈夫です」

無機質な返事が返ってきた。気に触っただろうか?

 

「そのまま少しロビーに待機していてください」

 

まだなにかあるかもしれないので言うことをきき、ロビーで待機することにした。

 

数分後……

 

「お待たせ致しました。こちらが今回の謝礼です。」

女の子は袋いっぱいに詰まったお金を持ってきた。

 

「え、これ頂けるんですか?」

欲にまみれ期待したような声で女の子に聞いた。

 

「はい。指名手配犯を捕まえていただいたのでその報酬金ですよ」

 

報酬金でもなんでもお金がない俺にとっては思いもよらぬ収入。これでボロボロの服ともおさらばである。

 

「今回はありがとうございました。では!」

そういいながら俺は女の子の元をあとにした。

 

「百輝デレデレでしたねぇー」

ニコニコしながらユースが言ってくる。

 

「う、うるさい」

否定したいがすることもできない。

 

「そ、それよりご飯たべないか?」

話を変えるためと本当にお腹が空いて来たのでご飯の提案をする。

 

「いいですね〜!今夜は百輝のおごりですね!」

嬉しそうにユースが言う。

どうせお金持ってないだろユース。そこはあえて突っ込まない。

 

「よしそうと決まれば行くか!」

俺達は日の沈んできた街を走って駆け抜けた。

 

 

 




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