神友のために異世界転生   作:雪と氷

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酒場での会話です!ではどうぞ!


これが神

〔アルスの酒場〕

そう書かれた中世の木の看板を感じさせるものの下に俺達は立っていた。

 

「はいるか」

 

「そうですね」

 

2人で確認をとりあう。

 

ガチャッ

 

俺は木で出来たどこか業を感じるドアを開ける。

 

ドアを開けると外の暗い街の通路を照らすように光が差し込んできた。

酒を飲む男や楽しげに話している者、そこはまさに『酒場 』という場所であった。

 

「へい、いらっしゃい」

酒場のマスターであろうか、男らしく低い声の持ち主が俺達を歓迎する。

 

俺はコの字になっているカウンターの端っこに腰を下ろす。

 

「注文は?」

 

先ほどの声だ。やはりマスターであった。

 

「んー、じゃあシチュー2人前とお冷で」

 

「はいよっ」

 

思わず2人分たのんだが、食い意地が張っていると思われただろうか……いや2人前ならふつうにいるはずだ。

そう自分に言い聞かせる。

 

「ところでユース、お前どうやって食べるんだよ」

 

「ふつうにたべるよ!」

 

目を輝かせて言うユース。

 

「ほかの人にみえないんだろ?それなら料理だけ減ってくことになるぞ」

 

的確なツッコミをいれていく俺。

 

「それはーー百輝がんばって!」

 

「うそだろ……」

 

まさかの人任せである。

俺にどうしろと。

もうどうにでもなってしまえと、思えてきたが運良く席が端っこのため視界にはいりにくい。

これはいける。これからは食事は端っこに決まりだ。

 

「ところでユース今日のあの槍はなんなんだ?」

 

なにかかっこいい台詞をいいながら出していたので気になる。

 

「あ、あれは百輝のこれから使う神具と言う武器ですよ」

 

神具!?なんだそれは、なんか強そうだぞ。

 

「神具って神が使うやつじゃないのか?」

 

「神が使うのに間違いはありませんが、正確には神が『持っている武器』ですね」

 

「ほおほお」

 

何じゃそら、と言わんばかりの表情が浮き出たまま俺は首を縦にふる。

 

「神具は普通は使えませんが、私はあの武器をもうあなたの物と契約しましたので使えますよ」

 

そんな簡単でいいのかよ。

 

「なら俺が自由に使えるということか?」

 

初めて武器を手に出来るかも、という期待に胸を踊らせながらユースに尋ねる。

 

「はい!でも……」

 

「でも?」

 

「壊したらあなたの責任ですので!」

 

ニヤニヤとしながらユースは外道のような発言をする。

 

「え……」

 

俺は先程まで幸せ10割だった心が幸せ1割、恐怖9割に変わったのが分かった。

 

「うそだろおおおおおお」

 

つい大声を出してしまった。周りの目線が気になる。

百輝よ今は目を開けてはいけない。開けたら終わる。

 

「私には、まだ神具ありますしー」

 

とてもニコニコとしたその笑顔はこの時は天使ではなく悪魔の微笑みにも見えた。というか、神具持ちすぎだよ。

チートですか?

 

「でもあなたに契約した【神槍白虎】は私の持っている神具の中ではトップクラスですのでそう壊れませんよー」

 

落ち込む俺を慰めるようなフォロー……

先にそれを言って欲しい。

こんな強そうな神具使っても勝てない【神殺し】とかいうやつらもうレベルが違うよな。

 

そんな悲しみと喜びに包まれている俺の元にシチュー2人前とお冷が出された。

 

「はいよ」

 

ふと見ると、確かに2人前だがお皿が1皿である……

うそだろ……

 

まだ聞きたい事はあるが、とりあえずシチューをたべよう冷めてしまっては、美味しさがかけてしまうし、全部食われたらたまったもんじゃない。

 

そう考え俺が2口目のシチューを口にほおばった時にはとなりのシチューの入っていたはずの容器は空だった……

 

「おいしかったーーー」

 

幸せそうなユース。食うのが速すぎる。

なんだこの神。最初は丁寧だったのに今はなんて有様だ。

 

途中から丁寧語から急に馴れ馴れしくなってるし。

 

まぁ堅苦しいよりは接しやすくてよいが、事の大部分を俺に押し付けてくるのはやめてほしい。

後、シチュー返して。

 

「ユース、俺まだ神具の使い方わからないから明日でも教えてくれないか?」

 

シチューを食われた怨みを我慢しつつ、俺は提案をする。

 

「いいですよー」

 

「なら今日は早いとこ寝ようか」

 

「そうですね」

 

ユースの同意が出たところで支払いへと向かう。

 

手持ち金は5千コル。シチュー2人前で10コルか。

余裕だな。あの犯罪者には少し感謝だな。これがないと俺達いまごろ飯も食えちゃいない。

 

してはいけない感謝をしつつ、支払いを済ませ俺達はアルスの酒場をあとにした。

 

酒場から50mもはなれるともう人気のない暗い通路が続いている。2人は宿へと夜道を歩き出した。

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます!
これからも精進いたします!
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