妹の手を引き残った手で無駄にでかい剣を担ぎ。
例の隊の駐屯所まで歩いている。
このまま妹と二人+一本で生活を続けるのは現実的じゃないからだ。
「・・・」
妹は先程から口を開かない。
元々人見知りが強い子なうえ大人に会いにいくのだかなり緊張をしているみたいだった。
「大丈夫。もし、何かあったら兄ちゃんが守ってやるから」
「…うん」
「小童の癖に粋がるよるのう」
「うるせぇ!」
「タロちゃんも小さい子供じゃないの?」
「だからタロちゃんと呼ぶでないとあれ程…そして、妾はお主らより何百年も長く生きておると言っておろう!」
「ご、ごめんなさい…」
「おいおい、妹をいじめるなよ」
「なぬ!?妾が悪いのか!?」
「お、ミルム。猫がいるぞー」
「本当だ。かわいいー!」
「無視するでないのじゃ!」
そんなこんなでふざけあいながら歩いていると見張り兵と一緒に駐屯所が見えてきた。
見張りの兵もこちらの気づいたようでっというかどっかのでかい剣のせいでかなり警戒されてる。
「なんか、睨まれてるぞ」
「まぁ妾達はあの者とは顔も知らぬ他人じゃ。警戒されても不思議ではないないじゃろう」
「いや、どう考えてもこの剣のせいだろ」
「妾のせいと申すか!?」
「あはは・・・」
そして見張りさんとお互い会話ができる距離まで近づく。
「そこの子供三人組。止まってくれ、どこからきたんだい?」
「エルフの村。ベオルフさんから話を聞いてないんかな?」
「確かにそういえばそんなことを・・・。ただ、俺が聞いたときは男女の二人の兄妹と聞いたしそんな不釣り合いな大剣を担いでるなんて聞いていないんだ」
「うーん、これらは拾ったんですよね」
「妾をそのへんの石ころのように言うでない」
「なんの騒ぎだ?・・・・ん、あぁ、来たか。そうか」
そういって奥から歩いてきたベオルフは笑顔を見せる。
「あの時見てない子もいるが他にも生存者がいたってことか?まぁ立ち話もなんだ俺のテントまで来るといい。・・・その剣についても聞きたい」
素直についていった。
そしてひときわ大きなテントの中につく。
「改めて自己紹介だ。俺はこのベオルフ。この隊を率いてる騎士のはしくれだ。君たちの名を聞きたいがいいかな?」
「俺はエルス。こっちが妹のミリム。こっちはなんて言えばいいのか・・・タロちゃんって呼んであげてくれ」
「よ、よろしくお願い・・・します」
「妾はクリュスタロスという立派な名前があるじゃろ!そっちを紹介せんか!」
「エルスにミリムにクリュスタロス・・・。一つ聞きたい、エルス君が持ってるその剣。もしや、その剣の名もクリュスタロス。そしてそちらの少女は剣精ではないか?」
「む、妾を知っておるのか?」
「あぁ・・・えーっと・・・いや、この際正直に話そう。先日、俺が洞窟で二人に会っただろあの時本来の目的はクリュスタロスの捜索だったんだ。可能なら回収するまでが極秘の任務だった。あの時はお前たちがいる事と湖より先に道がないことを確認したから引き返したんだ」
「ふむ、残念じゃな妾はこのとおり既に所持者がおるのじゃ」
「そのようだ、しかしまいったな。上には剣は見つからず回収できなかったと報告するつもりだったのに見るからにその現物が現れちまったからどう報告したものか」
「ありのまま報告すればよいじゃろ」
「多少強引にもとまで指示されてしかも所持者がこの通り子供だから厳しいと思うんだ」
「ならば強引に奪ってみるがよい。その結果、都市が万年凍結しても文句は言えぬじゃろうな?」
「・・・やれやれ、そう言われたら手を引くしかないじゃないか」
「え、お前そんなことできるの?」
「妾を侮るでないぞ。その程度造作も無いぞ。まぁおぬしはまだまだ未熟者じゃから妾が自力ならともかくおぬしが操ってそこまでの冷気を出すのは無理じゃろうな」
「へー改めてすごい剣だと思った」
「ふふん、もっと褒めてもいいのじゃぞ」
「エルス君はこのクリュスタロスについてはどれくらい知ってるんだい?」
「でかい、重い、冷たい、なんかすごいらしい」
「つまり全く知らないんだね」
「クリュスタロスは聖剣クラスの特別な剣なんだ。その冷気は龍の灼熱の吐息も凍らせ溶岩溢れる火山すら雪山に変えるとまで伝えられてるんだ。聖剣というのはそれくらい規格外の剣たちに与えられる称号みたいなもので冷気を司る剣はこれを超えるものは無いってほどだ。もちろんそんな剣を扱えたらその人は周りと圧倒する優位にたてる。だから国は聖剣の回収にちなまこになってるわけだ」
「まるで戦略兵器みたいだ」
「国よっては悪事に使われないように封印をしたり逆に戦争の道具にしたりと様々だ。我が国の王は前者の考えだがしかし君のようなまっすぐな少年が剣を扱ってるなら心配はあまりいらないようだな。それにしても剣精が実在してたとは」
「剣精ってのは?」
「一部の剣に司る形を持った意思ってところだな。文字のそのまま件の精霊って感じだ」
「ふむ、妾についてよもやそれほど知識が深いとは驚いたぞ」
「いろいろ調べたからな。しかし、いや、また後日でいいか。そろそろ食事時だ」
そう言ってこの場での会話はお開きになった。q