この世界で己が魂を《固有霊装_デバイス》として顕現させ、多種多様な異能を操る者たちは《伐刀者_ブレイザー》と呼ばれている。
そしてその《伐刀者》たちは国の認可を得て《魔導騎士》として世に進出するが為に、《魔導騎士制度》に則り国際機関が認可した専門学校を卒業し、『免許』と『魔導騎士』という社会的立場を手に入れ、能力の使用を許可された責任を負う騎士となるのだ。
まあ、前置き的なサムシングはこの辺にして本題に入ろうか。
今現在、オレこと《剣崎吉亜_ケンザキ ヨシア》は俺が在学中の破軍学園の理事長室に居るのだが………何故かって?それは、
「……アホだなお前は」
今年から理事長に就任した黒スーツ姿の麗人、新宮寺黒乃が目の前の男子生徒に呆れながらセリフを放る。
「あの時はあまりの出来事に僕も気が動転していて…自分も脱いでフィフティーフィフティーにしようとすることしか思いつきませんでした。」
この言い訳をしている男子生徒が恥づかしながら共にこの学園を昨年度落第した、我が級友、黒鉄一輝である。
オレはこの馬鹿の愚行における参考人としてこんなトコロにおるのである。ちなみにその愚行とは、ヴァーミリオン皇国の第二皇女の裸体を見て キャストオフ! してしまうというものである。
「発想が性犯罪者じゃねえか」
呆れを通り越して悲しくなりつつオレは一輝にツッコミを入れておく。
「あの時はお互い痛み分けってことで紳士的なアイデアかと……」
「まあ確かにある意味紳士的ではあるがな」
「変態紳士ですね。わかります」
「婦女子の裸体に我を忘れて思わずキャストオフとは」
「うっ、その言い方はやめていただけませんか。それだと僕が相当ヤバイ奴に」
「だがなあ一輝、当の本人の身にもなってみろよ。いきなり押し入ってきた見ず知らずの野郎に裸を見られたなんざ一生のトラウマもんだぞ」
「……失礼します」
ガチャッ
と理事長室の扉が開く音がした。
そうこう言っている内に当の被害者がご到着のようである。
被害者のステラ=ヴァーミリオン姫はまだ怯えが残っているようである。
先程まで泣いていたようであり、目元は赤く腫れている。まだ15歳だもんなぁ、はぁ〜一輝のド阿呆。どうせキャストオフするならハイパーキャストオフからのハイパークロックアップで時間を巻き戻すぐらいしろよ。無かったことにしろよぉ。まあ、ムリだろうがな。
「さっきは本当にごめん」
おっ、男らしく直ぐに謝る辺り一輝らしいな。
「もちろん僕もステラさんの着替えを覗こうとしてあんな事を起こした訳じゃない。でも過ちは過ちだ、ケジメはつけさせて欲しい。僕を煮るなり焼くなり君の気が済むようにしてくれ」
やっぱりコイツは真っ直ぐだな。
「潔いのね。私だって皇族としてあなたのその誠意に報いなくてはね」
おっ、なんだこの皇女様意外に話しのわかる良いヤツじゃんか。
「イッキ、あなたのその誠意に免じてハラキリで許してあげるわ」
oh…前言撤回だぜ。
「グッバイ一輝」
オレは友との別れをソッコーで受け入れることにした。
「いやちょっと!せめてもう少し吉亜は食い下がろうとしてよッ!友達として!!」
「性犯罪者の友達は僕にはいないですよ。黒鉄サン」
「なんでこういう時だけ都合良く他人事なんだよ!!しかも初対面の時より心の距離があるじゃないか!!最初から苗字呼び捨てだったくせにッ!」
「やめてくださいッ!僕まであなたのように前科モノ扱いされるじゃないですか!!」
「ドンドン距離が開いていくだと!?というか、僕は前科持ちなんかじゃないッ!」
「良い加減にしなさいよアンタ達ッ!!アタシを無視して痴話喧嘩してんじゃないわよ!!」
「どこが痴話喧嘩だ!どこが!!痴話喧嘩ってのは恋人同士の喧嘩じゃボケェ!!日本語拙い外タレですかぁーコノヤロー!!」
「なッ!姫である私に対してコノヤローですって!?アンタもまとめて国際問題にして死刑にしてやろうかしら!!」
あっ!しまった、ついカッとなってオレもトラブルに巻き込まれた!コイツ仮にもお姫様様だった!?
その時である。
「ふぁ〜あ。もう学生騎士らしく決闘でシロクロつけたらどうだ?」
もうこの騒動に飽きてしまい投げ槍な物言いをなさる教師の鑑、新宮寺理事長の鶴の一声により部屋は静まりかえる。