ログ・ホライズンー十色の冒険者ー   作:荒谷 音欺

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再開

ー(前回の終から)数十分後ー

「おっ待たせー!」

「遅いですよ翡翠さ...ん?」

シロエは『翡翠』と呼ぶと同時に口ごもってしまう

「お、翡翠ようやく来たのか」

「直継...驚かないでね...」

「やー悪かったね服買ってたら遅くなっちゃった☆」

「うわっ美少女だぜ。ホンモノだ」

直継が口を半分開けて呟く

シロエもそれは同感だった

 この世界では、容姿の基本的な造形や髪型などを〈エルダー・テイル〉のモデル設定から引き継ぐらしい。けれど、ここ最近の観察結果に寄れば、その容貌はおそらく現実世界のプレイヤーの要素を継承する。

 

「いやーそれほどでも〜あるかな?」

翡翠は自信ありげにそう呟く

 

「やっぱり狐尾族の男よりも狐尾族の女だな。うんうん」

と直継が独り言を言ってると

 

「そういえば直ちゃん復帰したんだね。仕事安定してきたんだ」

「まぁ、なんとかな。いやぁこの1年は大変だったぜ」

「そっか〜あの時からもう1年か〜」

そもそも直継やシロエと出会ったのは4年ほど前になる

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

当時の翡翠も〈エルダー・テイル〉ではすでに古参プレイヤーだった。

 高校に上がり、大学に進学しても、毎日のように仮想空間での旅を繰り返していたのだ。

 

 〈エルダー・テイル〉はすでに翡翠が高校生の頃からオンラインゲームの中では一種別格の地位を持っていた。歯ごたえのある本場のゲームがしたければ〈エルダー・テイル〉をやれ。ゲーマーの中ではそう評価されるほどのゲームだった。

 

 直継とシロエが出会ったのは、シロエが腕を上げ、そしてギルドという人間関係以外のまた違った人間関係を求めて一人旅をしていた頃、そんな時だった

 

直継やシロエとは、あの〈放蕩者の茶会〉で出会った。

 〈放蕩者の茶会〉はギルドでは、無い。

 

 〈放蕩者の茶会〉は〈放蕩者の茶会〉でしかなくて、他の言葉では表現のしようがないものだった。

 

 客観的に見れば、それは「たまたまそこにいたプレイヤー達」にすぎなかっただろう。

 「たまたま」なのに彼らは「いつも」、「いつでも」そこにいた。

 

ギルドや性格など共通点など何も無いメンバーだったが、みんなある日は廃ビル、ある日は星降る丘だったりといろんな場所で集まり冒険した。

 

翡翠はそこで『ギルドでは得ることが出来なかった人間関係』を得ることが出来た。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「まぁお仕事落ち着いて良かったね」

 

〈放蕩者の茶会〉は2年程活動していた。翡翠はそこで、ギルドに居た時には味わえなかった楽しみを味わっていた

 

しかし、色んな事情が重なって〈放蕩者の茶会〉は幾つかの伝説を残してその活動に幕を閉じることになった

 

 その事情のひとつが、直継のゲーム活動休止だった。

 就職関係で忙しくなった直継がしばらくゲームが出来ないとなったある冬。タイミングも悪く、そのほかの何人かも様々なプライベートな事情でゲームを離れることになった。

 

〈放蕩者の茶会〉はギルドではない。

だからこそ、損得感情だけで結びついた関係ではなかった。茶会のメンバーはみないい歳をして恥ずかしいからと口には出さなかったが、仲間を大切に思っていた。

 

だから誰からという訳ではなく、〈放蕩者の茶会〉の活動を無期限で休止したのだ。新しい仲間を招いて活動を続けることももちろん考えた。けれども、それはそれで別の冒険であり、別の物語だ。

確かに〈放蕩者の茶会〉が終わるのは寂しいけれど、何よりも楽しい出来事を送れた。報酬はそれだけで十分だったのだ

 

「やっと仕事にも慣れたし。お陰さんでぼちぼち上手く行ってるっちゃ、行ってるよ。まぁ悩みの種と言えば、会社にはナイスおぱんつが全然、まったく、微塵も居ないって事なんだけどなっ」

 

「可愛い子がいない訳ね」

 

シロエが直継の言葉を翻訳して軽くながしてるのを翡翠は笑顔で見守る。

 

「なんだよその視線。このむっつりスケベ祭りめ」

「僕はむっつりスケベじゃない」

「いーや、むっつりスケベだね。この世界には二種類の男がいる。開放的なオープンすけべと、内向的なむっつりスケベだ。俺はオープンだ。そしておぱんつが好きだ。シロはむっつりだ。そしておぱんつが好きに違いない」

 

「はいはい、そういう話は2人きりになった時にしましょうね〜」

 

「あ〜すまんすまん」

「まぁ直ちゃんはあれだね、仕事が一段落ついたから神様がバカンスにつれてきてくれたんだよ」

「いやいや、仕事が一段落したとか云ったって、別に異世界バカンスまで世話してくれ無くってもさぁ。だいたい元に戻れるのかよ、コレ」

 

茶化したように軽口を叩く直継。

多分この世界に取り残された無数のプレイヤーが一様に考えてる疑問だけど、おそらくその誰よりもおちゃらけて口に出してくれたのは、直継の精神的なタフさとシロエや翡翠に対する優しさのせいだ。

 

「やっぱり神様の世代交代かね〜」

「容赦のない状況だな、絶望祭りだ」

「まぁそうだね、帰還はしばらく諦めた方がいいと思う」

 

「容赦ない現状認識だな」

「現状認識に容赦を入れるのは自殺志願者だから」

「さっすが〈茶会〉の参謀だね」

 

「よし、当分のところは諦めた。ってことはあれだ。これはファンタジー小説の定番的な状況で、オレ達は今後サバイバルしなきゃならんって云う訳だ」

直継が直継なりに出した答えは簡単かつ的確だった

 

シロエは決して喜んでという訳では無さそうに頷いた。

「まぁ、そういう事になるかな」

「シロちゃん楽しみじゃないの〜?」

「まだ楽しめる状況ではないと思うんだけれど...」

「いやいや、こういうね<ゲームの世界>っていうのがいっっちばん心が燃えるんだよ!」

「そ、そういうものなんですか...」

「そ、そういうものなの!それとシロちゃん私に敬語禁止ね!」

「え...」

「き・ん・し・ね・?」

「...はい」

「よし、じゃあご飯食べに行かない?」

「急にどうしたんですか?」

「だってお腹すかない?」

「まぁ、確かに」

「直ちゃんは?」

「俺もそこそこに空いてるぜ」

「じゃあ決定だね!」

 




音欺「どもども主です」
翡翠「どもども翡翠です」
「なんなんです?あの前書きは」
音欺「いや、なんか色々と挨拶したら全部に『です』ついたから、なんか面白そうでやっちゃった☆」
翡翠「☆とかあなたいい年して何言ってるんですか」
「それと私やられてないじゃん」
音欺「翡翠、あんたがやられると言ったな...」
翡翠「そうだよ」
音欺「あれは嘘だ」
翡翠「そりゃあの本文見ればわかるよ」
音欺「まぁホントは説明が多すぎてそこまでいかなかったんだけどね。それに今回の終わりも中途半端だったし...ほんとすいません」
翡翠「ほんとですよ」バシッ
音欺「イッタ!なにも叩かなくてもいいじゃないか!」
翡翠「もうあなたとはやってられませんよ」
音欺「それ本気で言ってんのか?」
翡翠「本気で言ってたらとっくにやめてるよ」
2人「エヘヘへへ」
音欺「そんな事はおいといて、今回の様に次回予告が違うことがありますがご了承ください」
「そして、長くなりましたがこれにて2話完結です。」
翡翠「次回!『知りたくなかった事実』(のはず)」
2人「お楽しみに!」
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