ログ・ホライズンー十色の冒険者ー   作:荒谷 音欺

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数少ない私のを待ってる人がいるとしてすみません
言い訳をさせていただくと部活で段を取るための勉強だったり、県大会があったりテストの勉強中(現在進行形)だったりでまともに続きをかけなくてこんなにかかってしまいました。
何でもはしないけど許してくださいm(_ _)m
長くなりました!今回も楽しんでいってくださいね!


新たな冒険者

マリエールさんと別れてから数日が経った

 

「「はぁ〜」」

 

翡翠と直継のため息が被った

 

「2人ともそんな大きなため息ついてどうしたの?」

 

「私は湿気た煎餅の味をした何かをこれからもずっと食べなくちゃいけないのか〜って」

「俺もそんな感じだぜ」

「あぁ〜それか...その事は僕も思ってたよ...」

 

3人とも思いは一緒だった

別に3人ともグルメを気取っている理由ではなく、ヤマトではなく日本の食べ物の味を覚えてる3人にとっては湿気た煎餅の味しかしない食べ物を食べ続けるのは1種の拷問のようなのだ

 

「今思うとジャンクフードとかって安いのにあんなに美味しいんだからすごいご馳走だよね」

「「確かに」」

 

そんな他愛もないというか軽く現実逃避が混じった会話をしていると「カツン」という音がした

音がした方を見ると上から...石が降ってきた

 

視線をあげたシロエは、元は何かの商店だった3階建ての崩れかけた建物の入り口に立つ長身の男を見つけた

 

「アカツキだ」

黒髪、黒装束で目鼻が整った長身の男は口元をスカーフの様な布キレで隠したままシロエに視線だけで礼をする

 

「あの人シロちゃんの知り合い?」

「はい。あの人はアカツキさん〈暗殺者(アサシン)〉ですよ。」

アカツキに近づきながら翡翠と直継にアカツキを紹介する

 

「アカツキさん、どうしたんですか?」

アカツキは顎をわずかに振ると崩れ落ちそうな建物に入っていく

おそらくさっきの言葉は「ついてこい」という意味なのだろう

 

「ねぇ、シロちゃんあの人どういう人なの?」

「あの人はロールプレイヤーだよ。だから無口なとこもあるけど良い人だよ、腕もいいし」

 

そう、アカツキはロールプレイ重視のプレイヤー。職業も〈暗殺者〉の〈追跡者〉というのもあって雰囲気はまさにプロの暗殺者なのだ

 

「でも、やっぱりアカツキさんも落ち込んでるな〜」

「え、シロ...あんなに表情...というか顔がよく見えないのによくわかるな」

「ん〜まぁ雰囲気とかでね...」

 

そんな会話をしながらアカツキについていってたのだが姿は見えない、1人でどんどんと入っていったのだろう。その行動は普段のアカツキからはあまり想像出来なかった。

 

廃墟に入るとそこにはこの建物が何かの店、まぁ飲食店か何かだったのだろう。そんな事を思わせるような広い空間だった。しかし、中にあるものは色々とひっくり返ったりした場所だった

 

アカツキはそこで振り返ると直継と翡翠を困ったようなどこか咎めるような視線で睨む。

 

「アカツキさん、こちらは直継と翡翠さん。直継は〈守護戦士(ガーディアン)〉翡翠さんは〈武士(サムライ)〉で僕の知り合い。2人ともとても頼りになるし信頼できる人だよ」

「俺は直継。よろしくなっ! お前がオープンだろうとむっつりだろうと、おぱんつは全てを歓迎するぜっ」

「はぁ直ちゃんは初対面の人になんていうこと言うのさ...私は翡翠。気軽に翡翠とかスイちゃん呼んでくれていいよ。よろしくね」

 

アカツキの視線にシロエは二人を紹介し二人も挨拶する。翡翠は直継に少し注意しながらだが。まぁシロエも翡翠の意見にはとても同意するが。

 

(あれ?アカツキさんってこんなにピリピリした人だったっけかなぁ...)

挨拶の後の沈黙の中シロエはそんな事を考えていた

 

「...探してた」

しばらくの沈黙の後、アカツキは聞き取れるかどうかと云う幽かな声でそんな言葉を漏らした。それはひどく細く頼りない声だった

 

「僕に用事?」

その言葉にアカツキはコクコクと頷く

彼はしばらくとても悩む動作をした後に、意を決したように告げる

 

「〈外観再決定ポーション〉を売って欲しい」

アカツキの声は細かったが内容自体はよく理解出来た。しかし、その言葉がシロエの頭に届くまでは酷いタイムラグがあった。

 

「あ、あのアカツキさん。も、もしかして...」

そこまで言ってシロエは固まる。その言葉の続きを言うように翡翠が

 

「あ、えーと...アカツキさんって女の人ですか?」

その言葉にアカツキはコクリと素直に頷いた。

いつもの職人気質な感じから『男』という性別に違和感がなかったのでとても以外だったその行動でシロエは現実に引き戻された。

 

「これまたビックリだわ...」

直継もシロエの横で硬直していた

 

 

シロエが銀行の貸金庫から〈外観再決定ポーション〉を持ってきてそれをアカツキに渡す。

薄いオレンジ色をしたその瓶を渡されたアカツキの表情は少しホットしていた。

 

「少し待っていて欲しい」

「そのポーション飲むと体痛くなるから覚悟してから飲んでね」

「承知した」

 

そう言うとアカツキは店の奥に消えた

奥とは言っても別の部屋ではなく厨房のような場所だ

 

「ぐぅ...うぅ」

「だ、大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫だ。ただ、先程翡翠殿が言ってたように体が痛い」

 

その返答が返ってくる時割り箸を折るようなバキバキという音が響いた

 

「え...これ本格的にやばいんじゃないか?」

「大丈夫だよ。その証拠に私大丈夫だったし」

「まぁ翡翠さんとアカツキさんが一緒とは限りませんが...大丈夫と信じましょう」

「何よその私だったから大丈夫みたいな私が頑丈みたいな言い方は」

「え、いやそういう訳では...」

 

そんな気まずい空気になっていると後ろから

「あ、あの終わったのだが...」

「あ、そう?体は大丈夫そうですか?」

 

シロエは明らかに焦った様な口調でアカツキに心配の言葉をかける

そして、アカツキを見ると同時に一瞬固まる

 

「うわっこっちも美少女だぜ!」

直継が硬直を解くと同時に翡翠に対して驚いたのと同じように驚いた

これにはシロエも同感の様だった

 

「駄目だな、お前」

アカツキとの間の言い難い空気をまた直継がやぶり

「さっきの言葉は訂正だ。お前はオープンスケベにもむっつりスケベにもなれない。なぜなら男じゃないからだ!お前はパンツを履く側だ!身分をわきまえr ブッ」

最後まで言い切る前に翡翠とアカツキから腹を蹴られる

 

「すまないシロエ殿この無礼な者を蹴り飛ばしてもいいだろうか?」

「そういうのは蹴る前に聞け!」

「ごめんね直ちゃん。ちょっと足がすべっちゃった」

「あれはすべったっていうレベルの蹴りじゃなかったぞ?」

 

「シロエ殿この者は頭がおかしいのか?」

「頭がおかしいわけじゃなくて、えーと...おかしな人だよ?」

「なんでそうなる!?」

「おかしいという点では同じだな」

 

(いやぁ普段から男の人だと思ってたから声が可愛いと戸惑うなぁ)

 

シロエは全くもってやましい気持ちはなくそう思っていた

 

「誰がおかしいっていうんだ!おパンツを愛好するのは男子の崇高なる使命なのだ。まぁお前ら女子供にはわからないだろうがな」

意味もなく胸を張る直継に翡翠が

「そんなものわからないしわかりたくないな」

と言ったのは本人しか聞こえてないことだろう

 

「でもま、苦しそうだったしこれ飲めよ。単なる井戸水だけどな」

直継がひょい、と水筒を投げ渡す

翡翠達はもうどの飲み物を買っても同じ水の味しかしないと諦めて一番安い井戸水を買って水筒に入れ替えている

 

「世話をかける」

直継の今までの行動から少し意外だったのか少し不思議な顔をしていたが、随分と喉が乾いていたのか結構な分量を一気に飲み干す

 

それぞれ好きな所に好きな体制で陣取り話し始める

 

アカツキはこの5日間人目を避けてろくに飲み食いしていなかったという

その理由はひどく単純で、現実と身長差がありすぎてまともに歩けない、といってもゆっくりとなら歩けるがその場合トラブルに巻き込まれた場合対処が出来ない

そして、文字チャットが無くなってしまった今、買い物をするにせよ誰かと行動を共にするにせよ音声を使わないではいられない。筆談をすればなんとか意思疎通は出来るが不審者扱いをされるのが関の山だ。

別段声を出すのがペナルティという訳では無いが高身長の男の暗殺者から女の声がするというのは何にも不似合いで興味を引かないではいられない

そういったトラブルをも予想したアカツキはおそらく正しい。

 

「それで、以前パーティーを組んだときにシロエ殿が話していた〈外観再決定ポーション〉を思い出した。それがあれば……とりあえずこの苦境は脱出できると」

「なるほどね」

と直継が相槌をうつ

 

「なんだかなぁ。そもそも、最初からこのちみっこモデルでプレイしてれば良かったのに」

「ちみっこ云うな」

彼女は鋭い目つきで直継を睨む。

アカツキの視線は強い。それは以前からであったけれど、こうして自分自身の姿を取り戻したいまでは、その意志力を乗せた生真面目な視線は雄弁で、岩をも穿つほどだとシロエは思う。

 

「ちみっこはちみっこじゃん」

「おかしな人に言われたくはない」

しかし、そのアカツキの視線を直継はものともせずにからかう。

もっともただからかうだけじゃなくて、荷物から飲み物や食料を出して勧めたり、さり気なく気を使っているのが直継らしい。アカツキもそれが判っているから、本気で噛みつけないで、どうも勝手が違うようだ。

 

「現実には出来ないことが出来るからゲームは楽しいのだろう? ファンタジーだろうがSFだろうがそうではないか。私にとっては高身長がそれだったんだ」

アカツキは拗ねたように少し口を尖らせて答える。

そう言われてみればそれはそれで正論だ。

 

「あー、そりゃまぁ、仕方ねぇか」

直継は同情したような声でアカツキと翡翠をちらりと交互に見る。

「……」

「うん、仕方ないよな。アカツキも翡翠も悪くない。俺はお前らの味方だ。人間誰だって夢見る権利はあるもんな」

そういうと、何もかも判ったというような笑顔で親指を立てる直継。次の瞬間アカツキは華麗なポーズで飛び膝蹴りを直継の顔面にたたき込み、翡翠は剣の鞘で直継の鳩尾を綺麗に突いていた。

 

「ごめん直ちゃん今度は手がすべっちゃった」

「いや、今のもすべったっていうレベルじゃないぞ!あと、お前!膝はないだろっ! 膝はっ!」

「シロエ殿、おかしな人に膝蹴りを入れて良いだろうか?」

「だから入れたあとに聞くなよっ!!」

三人のやりとりにシロエは笑いを堪えることが出来ない。

三人とも仲が悪い様には見えなくて、それが一層笑いを誘う。

 

シロエが笑い終わったあたりにアカツキが

「幾ら払えば良い? わたしの全財産で良いかな?」

アカツキは一途な視線でシロエを見つめながらとんでもないことを言い出した。

 

「3万くらいしかないんだが...これで許して欲しい」

「そんなの、良いよ」

「そう言う訳にはいかない。さっきのポーションはイベント限定アイテムだと云っていた。と、云うことはもう入手不可能な希少アイテムだ。本来であれば値段なんてつけようのないアイテムのはず。3万なんてはした金なんだろうけど」

「んーー。無料じゃダメ?」

「私が納得いかない」

 

「そんなに気になるならおパン がっ」

また直継の顔面に綺麗な飛び膝蹴りが入る

 

「アカツキさんは運動神経いいんだねぇ」

「私羨ましいなぁ」

 

「おい!むっつりスケベ!お前はどっちの味方なんだ!」

「シロエ殿この者に膝蹴りを御見舞して良いだろうか?」

「だーかーらーそういうのは蹴る前に相談しろよ!」

 

「まぁ、いいや。んなポーションの値段よりもよアカツキ」

「呼び捨てするな」

「そんな事よりもよ、ちみっこ」

「そんな事よりとはなんだ。私にとってこれはとても大事な話なんだ」

口を尖らせながら頑なに言い張るアカツキを直継はシロエに振り向き、アカツキと見比べて、続ける

「いや、それはまさに『そんな事』だ。そんな事よりもよ、アカツキこれから俺達と一緒に行動しないか?」

 

「......え?」




主「はい、みなさんお疲れ様です。今回結構長いものになってしまいました」
翡翠「それもそうなんだけどさ...主...今回私の出番全然無いんだけどどういうこと!?」
主「あ〜それはですね。この作品はできるだけ原作の流れを重視してやっている訳ですよ」
翡翠「それはわかってるよ」
主「そしたらですね...翡翠さんを入れる隙が無いんですよねw今までは何とかなったんですけど今回ばかりは」
翡翠「ぐぬぬ...だったらこれからはもっとちゃんと私を使えるように頑張りなさいよ!」
主「善処します」
翡翠「はぁ...とりあえず!今回の『ログ・ホライズンー十色の冒険者ー』は楽しんでいただけたでしょうか?」
主「次回は大きなシロエ達が初めての戦闘になるかも?」
主・翡「次回!死の恐怖」
「お楽しみに!」
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