Aria on The Middle of Ahead   作:壊れかけ自動書記

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この世界で何がやばいと言ったら某武蔵のズドンが人をズドンできるということです。

二話までは書き置きがあったので投稿します。
では今回の配点は魔窟の馬鹿共


第二章 演説せし悪役

Silent night Holy night

静かな夜よ 清し夜よ

Shepreds first see the sight

牧人たるものが初めにこの光景を目にする

Told by angelic Alleluja,

それは天使の歌声 礼賛によって語られる

Sounding everwhere, both near and far

近く 遠く どこまでも響く声で

"Christ the Savior is here"

「救い手たる神の子はここに在られる」

"Christ the Savior is here"

「救い手たる神の子はここに在られる―ー」

 

そう鼻歌ながらも新庄・運切は歌いながら佐山・御言と共に早朝ランニングに来ていた。新庄が先頭で佐山は後ろにいる。

新庄は狙撃科、佐山は尋問科と身体をあまり動かす科ではないが、それでも武偵として身体は鍛えておこうと二人はランニングをしていた。ーー最も、佐山は新庄といるためにやっているのであろうが。

「ふむ、相変わらず新庄君の尻は素晴らしい物だね」

後ろから佐山はふむふむと勝手に納得しながら腕を組み言った。だがスピードを落とすことなく、息を切らすことなく新庄に付いて行く。

「佐山君はどうしてこうなのかなぁ...黙ってればただの凄い人で済むのに」

「ははは、何を今更言っているのかね新庄君、私は元々全生物の中で最も聡明で、世界、いや宇宙の中心な私は凄い人に決まっているじゃないか」

「もう...どうしてこうなんだろ」

新庄は溜息を吐く。もう慣れたことだが、やっぱり佐山はどこか、いや、全てが可笑しい人だと認識するしかなかった。

そうこう話しているうちに切り返し地点にしている浅間神社の分社に着く。それなりの大きさを誇る緋色の鳥居と、何段も存在する石段が目を惹く。

長い長い石段を歩き、そして歩き終わると一人の巫女がそこにはいた。こちらに気づいたようで、こちらに寄ってくる。

「運切、おはようございます」と巫女は言う。

「うん、おはよう浅間さん」

「ふむ、おはよう」と 二人は挨拶を返す。

「いつものランニングですか?」

「うん、一応武偵だし、鍛えておいて損はないしね。羞恥心的に思いっきり損してるけど」

「ああ...」と浅間は納得はしたくないが新庄の隣にいる佐山を見て、納得せざるおえなかった。

 

●画「悪役と運切はもう夫婦漫才を超えたカップルだし漫画のネタの塊にしか見えないわね」

金マル「だよねー〈浅間様が射てる〉並にネタが尽きないし」

まロ神「いつの間にかネタにされているんだと⁉︎」

中心男「ふむ、ではナイト、ナルゼ、後で続刊を全て頂こう。これから新刊も全て私の元に持ってくるように。後、新庄君の絵はまロい尻を強調して描くように。勿論無料とは言わん。幾らだ?」

守銭奴「金か?金の話か?金の話だな」

金マル「個人契約だから入り込む余地ないよ」

○べ屋「えー、うちと契約しようよ、ねぇ」

中心男「そこの金に汚い商人は今すぐ溜め込んだ物全て吐き出して帰れ。今は私が新庄君の成分を補給する手段を増やすところなんだ。邪魔をしないでもらおうか」

守銭奴「なんて酷いことを言うんだ貴様」

●画「じゃああんたの家に郵送しておくわ。これからもネタの提供をよろしく。代金は代引きにしておいたから」

中心男「任せたまえ」

まロ神「ネタの提供はしなくていいの‼︎」

あさま「ああ、御言君の頭が地面にめり込んで」

金マル「なんだ。いつものことじゃん」

●画「そうねマルゴット、いつもことね」

銀狼「地面にめり込むのがいつものことって...私ももう慣れましたけど」

あさま「慣れることが可笑しいのでしょうけどね...」

 

そう通偵に書きながらも目の前で起きた惨状に浅間は溜息を吐く。

目の前には神社の境内の地面の部分に頭が刺さった佐山と、佐山の両足を持ってぜぇぜぇと息を荒げている新庄が目の前にいた。

まだ早朝だというのにと浅間は思う。だがこれもいつもの、普段の日常の一部なのだ。

遠山が崩れかけてから数ヶ月、浅間のところにも巫女専用の術式しか用意されていない星伽神社と違って汎用術式、そして神様と契約する上位術式も存在するため、遠山はよく訪れていた。

そのせいか、星伽・白雪には一時期泥棒猫扱いされたことを思い出し、一瞬だが冷や汗をかいた。

日本刀でバッサバッサと切った張ったはするわ、機関銃をフルオートで撃つわといくらあの外道共でも通偵でのチャットも阿鼻叫喚と言える有様であった。

(キンジ君のことはそりゃ好きですよ...友達として)

そうあくまでも友達としてである。この外道ふためくグループで向井・鈴と並ぶ数少ない常識人の一人だ。少し前まで新庄も含まれていたが、段々と毒され、常識人からはだいぶ、いや宇宙の彼方まで離れた。

佐山はどうかと聞かれたら常識人から外宇宙の彼方まで行って、そこから亜高速で離れていく感じであろう。

(それに...まぁ巫女として不味いですけど)

きっと浅間は遠山でもなく、勿論佐山でもなく葵のことを気に入っている。だが葵にはホライゾンがいる。それは大変道徳的に不味いのではないかと浅間は思っている。

 

「ではそろそろ戻るとしよう。我々はバスなどは使わんがそろそろ帰らないと帰りのランニングの時間と用意の時間を含めても授業時間に間に合わんからな」

と佐山は腕の力で倒立をしながら地面に刺さった自分の頭を引っ張り出し空中でアクロバットな動きをして立つ。

それを見て浅間は「なんて才能の無駄遣い」と思った。

「うん行こうか。じゃあ浅間さん、学校で」

「ええ」

とお互いに別れの挨拶をして佐山と新庄は帰って行った。

 

 

 

時は飛び、場所は人工島に作られた東京武偵高校の体育館、始業式が行われていた。

生徒ほぼ全員が揃い、教務科の人達も揃っている。

「それでは、生徒会会長代理、生徒会副会長、佐山・御言君、よろしくお願いします」

そう司会に言われると佐山は壇上に立つ。

佐山は自分で自分をかっこいいだとか宇宙で最も聡明だとかいうナルシストの類に分類される人物だが、彼をよく知っている人はこう答えるだろう「そう言える才能、、見た目、能力があるからタチが悪いと」

そう佐山は世間でいうイケメンに分類される部類だ。彼を知らない人からすればただのかっこいい人なのだ。

だから新一年生などがいる始業式などで新一年生からは「あの人かっこいい」などの歓声が上がる。ーー数秒後にはそんな理想は簡単に崩れ去るのだが。

「私が生徒会会長、星伽・白雪の代理で演説をさせてもらう生徒会副会長の佐山・御言だ。代理というのは大変気に食わんことだがまぁ置いておくとしよう」

そう言うと佐山はネクタイを締め直し、言った。

「改めて言おう。私は宇宙の中心である佐山・御言だ諸君‼︎ この学校は正直に言って、馬鹿と馬鹿がひしめく魔窟だ。貴様らのようなひ弱な存在はすぐに淘汰されるかもしれん。だからこそ私は言おう、貴様ら、生き残るということを大前提して考えろ、周りに飲み込まれるな、そうして自分自信という存在を自分で認識しろ」

と一旦佐山は口を止める。

新一年生はポカーンとしており、既に佐山を知っている二年生と三年生は「なんだ佐山か」と呆れている。

ちなみに教務科の先生達は「あれと性格さえ治ればまだまともなのに」と言う。さらに言うならば強襲科の教員である蘭豹は腹を抱えて大爆笑しており、佐山が所属する尋問科の綴・梅子は「流石はSランクと言ったところか」と言う。

そして表示枠を開くといつもの外道共がチャットをしていた。

二年の方を見ていると何人か表示枠を開いていることが分かる。

 

あさま「相変わらずですね御言君。」

副会長「あの態度さえさえなければ同じ道を歩く友人として褒められるんだがな」

十ZO「もう今更でござろうよ。あの性格あって御言殿でござる」

まロ神「ごめんね、うちの佐山君が本当にごめんね」

労働男「そう言えば遠山の奴どうしたんだ?」

労働者「俺も知らないな」

幸雷娘「いないんですの?」

車両兄「そう言えばいないなあいつ」

元兵女「教務科には連絡はきてませんよ。皆さん何か分かりますか?」

十ZO「拙者には分からないでござる」

 

蘭豹は隣を見てみると遠山のクラスの担任予定の高天原・ゆとりが表示枠を開いていた。

おそらく高天原も生徒達が何人も表示枠を開いているのを見て、開いたのであろう。

貫通女「よぅテメェら始業式の最中に何やってんだ?」

車両兄「げぇ蘭豹」

貫通女「おい、武藤、私が来て何か悪いか?とりあえず死んどけ」

まロ神「相変わらず強襲科はバイオレンスだぁ...」

副会長「ところで蘭豹先生、遠山のこと知りませんか?」

貫通女「こっちにもきてないが、あいつだからうっかり事件に巻き込まれていたりしてな」

副会長「そうですか...遠山、表示枠にも反応しなくて」

あさま「うわぁ...嫌な予感ありありですよ。そう言えばトーリ君も見つからないようですが」

元兵女「弟の方の葵もいねーのか?」

あさま「ええ、今日はよっぽどのことがなければ任務は入らない日ですからトーリ君に前聞きましたけど確かCVRの任務も無いって言ってましたよ」

CVR、つまるところはハニートラップを専門とする科であり、所属する条件は美少女という点の他の科とは一線違う科だ。ーーだが葵・トーリは男子だ。だが彼はCVRに所属しているのだ。

 

十ZO「正直、トーリ殿の女装はハイレベルでござるから何か任務があっても可笑しくは無いでござろうが、その場合、他の人も必要でござるからなぁ」

 

そう葵・トーリは女装という手段を用いることでCVRに所属している。

葵の女装は術式を用いているからとはいえ、身内すら騙すことが可能なレベルの女装なのだ。

クロスユナイト曰く「もし自分がSHUDO初段なら寝技に持ち込むレベルでござる」と言う程だ。

 

そしてハニートラップとは誘い、油断させることが条件のため、相手を驚かすという点では女装というのは強いのだ。

美貌で相手を誘惑し、そして自分の正体を明かすことで動揺させる二重の強さがある。

そんなこともあってか葵・トーリはCVRでAランクを保持している。Sランクを保持してもいいと言う話は出たが、東京武偵高校のCVRのSランクの片割れが女装では示しがつかないため、Aランクとなっている。

 

未熟者「そう言えば葵君に表示枠かけた人いる?」

副会長「私はしていないが...」

あさま「私もです」

十ZO「自分もでござる。まぁトーリ殿でござるし平気でござろう」

あさま「そうですね」

 

遠山とはえらい扱いの違う葵であった。

表示枠を開いてチャットをしていることに気がついたのか佐山は此方を指差す」

 

「見たか? あれが貴様らの先輩共だ。宇宙の中心に立つ私のありがたい演説を無視し、チャットに勤しむ馬鹿共だ。尊敬することは無駄だと言ってもいいだろう。ーーだが安心しろ、私という尊敬すべき存在に尊敬を極振りするといい。そうすればきっとまだまともな武偵になれるだろう。

後、新庄君は誰にも渡さん‼︎、それだけははっきりとしておこう。新庄君を愛でるのは新庄君が可愛く、尊く、新庄君の尻がまロいから仕方がないこととするが触れるのは私だけの特権だ。羨ましいだろう貴様ら、尻神の尻に触れることが」

 

そう佐山が演説すると、新一年生は目が点となり、二年生と三年生は「知らんがな‼︎」と言わんばかりの声があがり、生徒会のメンバーから一人、巨大なメカメカしい砲塔、Ex-Stを持った少女が現れる。新庄だ。

 

「おやどうしたのかね新庄君? 君の出番は今回、無いはずだがーーはっ...もしや私に尻を撫でさせるために来たのかね?じゃあそうしようか」と佐山が両手を広げて言う。

新庄は「そんなわけないでしょ‼︎」と言い、Ex-Stで殴りつけ、首を絞め付ける。

 

「新一年生、ついでに言おう、この魔窟にようこそ。思う存分沈むといい‼︎」と佐山は言い、新庄の首絞めに耐え切れず昇天する。

 

「司会さん、もう終わりでいいから。僕が佐山君引っ張り出すから」

そう新庄は言い、佐山をズルズルと引っ張って体育館を後にした。

「これで始業式を終わりにします」

そう司会は何事もなかったように閉会の挨拶をする。そう、もうこの司会も慣れて、いや毒されていたのだ。

 

 

教室にそれぞれ戻ると二年A組の机に、一人の男子生徒が突っ伏していた。遠山・キンジだった。

「キンジ殿、どうしたでござるか?始業式に来なくて」

「遠山君、何があったんだい?随分と死んでいるようだけど」

とクロスユナイトとネシンバラは言う。

元々遠山は根暗な方だったため、落ち込む時は相当落ち込むのだ。

そうしたら遠山は小声で「アレを使った」と言い、クロスユナイトとネシンバラは「ああ...」と言う。そうアレというだけで二人には何が起きたのかなんとなく分かってしまうのだ。

「遠山君、何があったか話してくれるかい?」

「ああ、わかった...」

そう言い、遠山は先ほどまで遭遇していた事件について話し始めた。


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