一色からの猛攻と駅員からの説教を聴き終えた俺は近場の公園に入る。
ちょっと。お母様方、俺は不審者じゃありませんよ。
朝から立て続けにヤンデレと遭遇したため俺の精神は疲弊しきっていた。恐らくいつも以上に目が腐っているように見えるのだろう。
小町は日に日に狂気が増しているな…そろそろ風呂や部屋の鍵を強化した方がいいかもしれん。
由比ヶ浜はグイグイくるが1番実害がない。俺を傷つけることはしないみたいだし現状まだ放っておいても大丈夫だろう。
一色は…あの感触は…思い出すとまた変な気分になってくるな。うん。思い出しちゃだめだ。ただ、あいつからのアプローチも日に日にエスカレートしている気がする。
俺が誰か1人を選べばいいのだろうが、それはそれで事件が起きそうだな。1度誰かに相談した方がいいのだろうか?…まあ相談する相手なんかいないんだが。
メールが来る。
どうせ迷惑メールだろうと思い開くことなくそのままゴミ箱へ移動させる。
…変な誤解を生んでも嫌だしマナーモードにでもしておくか。
ベンチから立ち上がり公園を後にする。
…決して通報されたからとかじゃないからな。
その4 雪ノ下雪乃
しばらく歩くと大きなホールが目に入った。
どうやらここで東京わんにゃんショーのような動物との触れ合い体験をやっているらしい。
…猫。いや、まさかな。いくらあいつでもこんなところにいるわけが……。ってなんだよフラグだったのか。目が真剣そのものですね。さすが猫大好きフリスキー。
それにだれかを探しているようにも見える。
まぁいい。わざわざ死地に赴く必要もない。このまま離れてフェードアウトするのが最善策だ。じゃあな雪ノ下。この散歩は1人用なんだ。
そのまま元来た道に戻ろうとすると突然携帯が鳴る。
知らない番号だ…。
普通ならなんてことない表示でもヤンデレに囲まれて生活していると、とても恐ろしいものに見える。
知らない人について行ってはいけないようにこの番号にも出ないほうがいいだろう。お、切れた。なんだ、ただの間違い電話か。
再び携帯が鳴る。番号は先ほどの表示と同じ。
……ふぅ。意を決して電話に出る。
「もしもし?比企「どうしてすぐに出ないのかしら?私からの電話よ。いつから貴方はそんなこともできなくなってしまったの?」…雪ノ下?」
なぜ雪ノ下が…。あいつの番号は昨日再び着信拒否にしておいたはずだ。
…まさか。
「お前、また携帯変えたのか?」
「ええ、そうよ。前の携帯では貴方に繋がらなくなってしまったもの。そんなことよ」
あまりの恐怖に通話を切る。
また機種変だと⁉︎一昨日変えたばかりじゃないのか?こんなことのためだけに携帯を買い替えるなんて普通じゃないだろ。…そういえばあいつら、もれなく全員普通じゃねえよ。
「貴方も大概普通ではないけれどね。」
「いいんだよ。英語でいえばスペシャルだ。って…。」
ナチュラルに思考を読んで話しかけてきた雪ノ下に今更ながら気づく。
え?あの短時間であそこから?
…そういえばこいつ完璧超人だったな。
「あまり褒めないで貰えるかしら。まあ、事実なのだけれど。」
「だからナチュラルに思考を読むなっての。んで?お前そこの猫を見に来たんじゃないの?早く行った方がいいと思うんだが。」
事実、人はどんどん増えている。結構大きな規模のもののようだ。
「あら、ごめんなさい。あまりにも考えてることが分かりやすかったものだから、つい…ね。…そうね。そろそろ行きましょうか。」
「おう…って。え?」
聞き間違いでなければ今のこいつのニュアンスからはまるで俺と雪ノ下が一緒に行くように聞き取れる。
ちょっと。突然手を握らないで。
こいつの手、すべすべして…って違う。
「は、離せって。それに、俺はそんなこと聞いてないし行く気もないぞ。」
「何を言っているのかしら?貴方は私からのメールを見たからここに来たのでしょう?」
なん…だと…⁉︎
慌てて携帯を確認するとそこには先ほど迷惑メールだろうと思い破棄したものと同じメールアドレスからで、複数のメールが届いていた。
「貴方の様子から察するに私からのメールを見ていなかったようね。私のメールを無視するなんて…。これはまた調教が必要かしら?」
それを聞いた途端、背筋がゾッとした。
雪ノ下の言う調教。以前部屋に連れて行かれた際にそれは行われた。危うく監禁されるところだったが雪ノ下の部屋にカメラを仕掛けていた雪ノ下さんによって助けられそれには至らなかった。
…あの人シスコン過ぎでしょ。妹の家にカメラ仕掛けるとか正気の沙汰じゃない。
いや、独り暮らしを心配しての行動なんだろうけど。
あれ?あの人が1番ヤンデレっぽくないか?まあ俺に被害がないし1度助けてもらってるから強くは言えないが。
「いつまで貴方は姉さんの事を考えているのかしら?」
だ か ら 思考を読むなっての。
って、こんなこと言ってる場合じゃねえ。
見るからに雪ノ下は不機嫌になっている。
「…すぐにでも調教しなければ…いえ、すぐにでも監禁してしまいましょうか。」
俺別に難聴スキルとかないから!聞こえてるから!
このままでは確実にBAD ENDになってしまう。
「な、なぁ。悪かったって。ここにいるのもなんだし、猫でも見に行くか?」
「…そうね。元はと言えばそのためにここに来たのだし、行きましょうか。…調教は後でも出来るものね…。」
駄目だ。助かってない。
終わったら速攻で帰ろうと思いながらも雪ノ下とともにホールへ向かって歩き出した。
4話目になります。
ゆきのんです。
まず初めに思ったよりも長くなってしまいそうだったので話を分けたいと思います。ごめんなさい。
ゆきのんがヤンデレを発揮するのはここからです。
お楽しみはこれからだ‼︎ってやつですね。
次の投稿までしばらく時間がかかりそうです。
続きを待ってくださっている方には申し訳ありませんが今しばらくお待ちください。
感想をくださった方々、ありがとうございます。
今のところ戸塚、めぐりん、さーちゃんは出そうと思っております。出番までもうしばらくお待ちください。
応援のメッセージがとても励みになっております。
長くなりましたが今後ともよろしくお願いします。