やはり俺の日常はまちがっている。   作:黒甜郷裡

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その7 戸塚彩加

 

 

激動の土曜を終え、今日は日曜日。

いつものようにプリキュアを見ようと思っていたが昨日の疲労が想像以上に酷かったようで起きた時には10時を回っておりすでに後の祭りだった。

はぁ…不幸だ。

そういえば、昨日車の中で寝る前に何かを考えていたような気がする。うーん…思い出せん…。

まあ忘れてしまったということはそれほど重要なことでもなかったのだろう。

 

小町も昨日の今日で疲れているのだろうか珍しく起きてこない。

…たまには俺が作ってやるか。

まだ少し重い体を引きずりながら俺は台所へ向かい朝食を作り始める。

簡単なものでいいだろうと思いベーコンと卵を適当に焼き、皿に移し野菜を盛りつける。

4人分の食事を作り終え、自分の分の食事を食べる。自分で作ると嫌いなもの入らないからいいよなぁ。まあそれ以上に働きたくないんだが。

そういえば昨日は1日外出しててマッ缶を飲んでないな。

マッ缶を手に取り口に含む。

この甘さが五臓六腑に染み渡るぜ…。ただでさえ人生ブラックだってのにヤンデレへの心労のせいかいつも以上に美味しく感じるな…。マッ缶最高!

 

半分ほどマッ缶を飲むと机の上にマッ缶を置き書庫から幾つか本を見繕い再び椅子に座る。

本を読みながら適度にマッ缶を啜る。思えばこんな静かな時間も久しぶりだ。っていうかさっきからマッ缶って言い過ぎじゃない?俺。ゲシュタルト崩壊しちまうよ。

 

そんな俺の休息も長くは続かないようで、小町がリビングに入ってくる。

昨日と同じ手錠を持って。

 

「お兄ちゃん、おはよう。リビングに居たんだね。部屋に行っても返事がなかったからてっきり無視されてるのかと思っちゃったよ。」

 

おいおい、何を言ってるんだこのマイシスターは。俺がそんなことをするはずがないだろう。だからその手に持っているものをすぐに置きなさい。ポイッてしなさい。っていうかあれは昨日小町を気絶させた後に片づけておいたはずなんだが。

 

「お、おう小町。おはよう。俺がそんなことするわけないだろう?飯は俺が作っといたから勝手に食っとい「お兄ちゃん!食べさせて!」…はぁ…しょうがねえな。でもその手錠はどっか置いてこいよ。」

 

「あ、ごめんね。怖かった?昨日の事を考えたらすぐにでもお兄ちゃんを小町のものにしなきゃって思ったんだけど…。」

 

可愛い顔で何恐ろしいこと言ってんのこの子⁉︎そんな可愛い顔してもお兄ちゃんは監禁なんてされてあげませんからね!…ちょっといいかなとか思ってないからな。

 

小町は俺と食事を摂る時は必ず食べさせてもらおうとする。なので俺は普段からなるべく食事の時間を意図的にずらすようにしている。わざと時間をずらすことでこういった要求をされないようにしているのだ。

小町も親の前ではあの異常性を表に出さないしな。

 

「ほら、ここ座れ…って膝の上じゃねえよ。」

 

「小町はここがいいの!お兄ちゃんの温もりを感じながらごはんを食べられるなんて小町的に超ポイント高いんだからね!」

 

頭を擦りつけながら力説する小町。

八幡的には超ポイント低いけどな。

 

そんなこんなで小町に朝食を食べさせていると玄関のチャイムが鳴った。

 

「小町。友達でも来たんじゃないのか?」

 

「えぇ?今日はそんな予定はないんだけどなぁ……。…お兄ちゃんとの時間を奪う子なんて小町の友達にはいないしね。」

 

不満を垂れ流しながら玄関のモニターを確認しに行く小町。

最後の方はよく聞き取れなかったが。ほんとだよ?ハチマンウソツカナイ。

 

「あれ?戸塚さん?」

 

何?戸塚だと⁉︎天使が俺の家に‼︎

って、戸塚は今旅行中なんじゃないのか?

半信半疑の状態でモニターを見るとそこには確かに俺の天使もとい戸塚彩加が立っていた。

 

 

その7 戸塚彩加

 

 

気づいた時には走り出していた。小町の横を走り抜け、流れるような動作で鍵を開け扉を開く。

するとそこには…

 

「あ、おはよう八幡。」

 

天使がいた。

私服の戸塚かわいい。側から見たら本当に女の子にしか見えない。休みの日にも戸塚に会えるなんて最高だぜ。神様ありがとう。今日から超信じちゃう。

 

「おう。おはよう戸塚。今日は一体どうしたんだ?わざわざ家まで来るなんて…」

 

「突然ごめんね?今日は旅行のお土産を持ってきたんだ。それと、もしよかったら今から一緒に遊べないかなって思って…。」

 

由比ヶ浜の口ぶりから勝手に泊まりだと思っていたがどうやら日帰りの旅行だったらしい。

そんなことよりも戸塚からのお誘いだと⁉︎行くっきゃねえだろ‼︎

 

「そうか。ありがとな。すぐに準備するから中に入って待っててくれ。」

 

そう言って戸塚をリビングへと案内する。

リビングへ入ると小町が頬を膨らませていた。あざといなお前。

 

「小町。俺今から戸塚と出かけてくるから。」

 

「うー…………。……お兄ちゃんといちゃいちゃしたいけど戸塚さんとの仲を邪魔したらお兄ちゃんに嫌われちゃうかなぁ…。」

 

しばらく唸った後何やら小町がブツブツ言ってるが距離があるため何を言っているのかは聞こえない。

 

「うん、わかった。でも帰ってきたらいっぱい構ってもらうからね。」

 

意外にも小町は承諾してくれたようだ。小町が病んでなきゃ大歓迎なんだがなぁ…。

 

 

 

自分なりの最大限のお洒落をしてリビングへ戻る。センスがないと度々小町に言われる俺だが今日はかなり頑張ったと思う。風潮に乗っかって伊達眼鏡もかけてきたし。

 

「悪い、待たせたな。さあ行こう。今すぐ行こう。」

 

自分でも気持ち悪いぐらいに気分が高揚している。

大丈夫かな?戸塚に引かれたりしないかな?戸塚にまで距離を取られら俺は多分生きていけない。

 

様子を見ると、小町はぼーっとこちらを見つめていて、その顔は心なしか紅潮している。

 

「お兄ちゃん…その格好…。……うまく言えないけど、とにかくやばいよ。」

 

やばいのはお前の語彙力だ。大丈夫か受験生。っていうかやばいのかよ俺の格好。…なんか心配になってきたな…。

 

「戸塚…その……。おれの格好変じゃないか?」

 

ここで変とか言われたらきっと八幡泣いちゃう。

 

「うん。変じゃないよ。普段からかっこいいと思うけど今は知的な感じのかっこよさになってるよ。」

 

そう言って俺の方に歩み寄ってくる戸塚。戸塚はそのまま俺の顔に手を伸ばすと眼鏡を外した。

 

「でも、僕はいつもの八幡の方が好きだな。」

 

結婚しよう(迫真)。

なんなのこの子。俺の好感度もうMAXなんだけど。…もう戸塚ルートでいいよね。

 

「イケメンさんになったお兄ちゃん…。…だめだよ…。戸塚さんが見てるよ…。」

 

なんか赤面しながら体をくねくねさせている小町。あっ、倒れた。どうやら妄想でオーバーヒートしてしまったらしい。

しょうがない奴だな…。小町をベッドにソファに寝かせようとして気づく。

今の…戸塚に見られてるんだよな。

 

 

「戸塚…今のは…その……、ただの兄妹愛の延長であって決してやましいことがあるわけではないんだ。」

 

「え?……ぼくは気にしてないよ。小町ちゃんが八幡のこと大好きなのは知ってるし。やっぱり2人はとっても仲が良いんだね!」

 

天使は心まで天使でした。

純粋無垢ってのはこういうことを言うんだろうな…。

 

 

*****

 

 

小町を1人残して家を出る俺たち。

念願の戸塚とのデート。俺の物語はここから始まるんだ!

 

「そういえば八幡。昨日は大変だったんでしょ?」

 

「ん…まぁな。って、なんで戸塚がそのこと知ってんだ?」

 

「え?ええと…その…、由比ヶ浜さんからメールがあったんだ。由比ヶ浜さんは雪ノ下さんのお姉さんから聞いたみたい。」

 

あの人が…?妹が監禁未遂とかそういう世間体に関わることを広めるとは思えないが…。まあ由比ヶ浜には伝えておいた方がいいと思ったのだろう。つまり、悪いのは由比ヶ浜。どんどん拡散してんじゃねえよ。

 

「そっか。んで、戸塚はどっか行きたいところとかあるのか?」

 

「うーん…。ぼくは八幡と一緒にいられればどこでもいいんだけど…。」

 

嬉しいこと言ってくれるじゃねえか!あの病んだ子たちも戸塚を見習いなさい。

 

「じゃあ…。ぼくのお家はどうかな…?」

 

と…戸塚の家だと…⁉︎

 

「い…いいのか?」

 

「うん…ぼく…八幡なら……いいよ。」

 

何だろう。すっごく…うん。なんか変な風に聞こえちゃうな。それだけ俺の心が汚れてるってことか。

 

「じゃ…じゃあ行くか。」

 

「うん!…その……手を繋いでもいいかな…?」

 

とつかわいい。

ほんとなんで戸塚ルートないの?戸塚が男で女はヤンデレって。この世界バグってんの?待てよ…。戸塚も女だったらヤンデレになるのか…?

戸塚のヤンデレなら見てみたい気もするがやっぱり監禁はごめんだな。うん。

 

 

 




7話目です。
戸塚が出てきました。まだ黒い所はあまり見えませんね。
戸塚もゆきのんと同じように何話かに分かれそうです。
年内の投稿は恐らくこれが最後になります。
年始もいつ頃の投稿になるか分かりません。
というか年が明けたら一気に投稿ペースが落ちそうです。
先に謝っておきます。ごめんなさい。
最後にこの作品を読んでいただいているみなさま。これからもよろしくお願いします。
それでは、良いお年を。
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