まさかこいつに憑依するとは   作:Aqua@D

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今回は会話のみ


When is a talk? Ⅱ

 

「失礼します」

 

部長が会議室の扉をノックしてから入り、他の俺たち部員逹も後に続く。

 

今日は三大勢力が集まって会議を行う日で、会談は駒王学園の新校舎にある職員会議室で行う。

 

学園も強力な結界に囲まれているので誰も中へ入れなくなり、会談が終わるまで外には出られない。

 

因みに、ヴラディは神器(セイクリッド・ギア)を未だに扱いきれない為、何らかのショックで邪魔をしたら大変な事になってしまいかねない、という理由から彼は部室で留守番をしていて不在である。

 

室内には豪華なテーブルがあり、それを囲む様に各陣営のトップ逹が座っていた。

 

悪魔側は、サーゼクス・ルシファー殿にセラフォルー・レヴィアタン殿……何でも例の魔法少女があの方らしい。そして、給仕係としてグレイフィア・ルキフグス殿。

 

天使側はミカエル様とガブリエル様。

 

堕天使側には堕天使総督アザゼルと白龍皇のヴァーリ。

 

と、俺にはとってはレヴィアタン殿以外は交流のある方たちが集まった。

 

流石に大事な会議だけあって、アザゼルやレヴィアタン殿にルシファー殿は皆、装飾が施された衣装を着ていた。

 

「私の妹と、その眷属だ」

 

俺たちが入ると、すぐにルシファー殿が他の陣営に紹介する。

 

コカビエルの件に関して、リアス・グレモリー眷属に対してミカエル様は謝礼をしていただいたが、アザゼルはあまり悪びれた様子を見せなかった。

 

「そこの席に座りなさい」

 

ルシファー殿の指示を受け、壁側に設置された椅子に向かうと、既に席の一つにソーナ・シトリーが座っていた。

 

その隣に部長が座り、その横に兵藤、姫島、木場、アルジェント、塔城、俺と順番に座った。順番に意味は無い……と思う。

 

「全員が揃ったところで会談の前提条件を一つ……ここにいる者逹は、最重要禁則事項である“神の不在”を認知しているという事。

 

 

……では、それを認知しているとして、話を進める」

 

ルシファー殿の一言で三勢力の会談が始まった。

 

 

 

 

 

 

あれから、それなりの時間が経った。

 

今は、部長とシトリーに姫島が立ち上がり、先日のコカビエル戦での一部始終を各陣営に話している。

 

「……以上が、リアス・グレモリーとその眷属悪魔が関与した事件の報告です」

 

そして、話が終わる。

 

「ご苦労、座ってくれたまえ」

「ありがとう、リアスちゃん」

 

ルシファー殿の一言で部長は着席し、レヴィアタン殿は部長にウインクを送った。

 

「……さて、今の件とはあまり関係性がないが、はっきりさせておきたい事が一つ。ゼノンくん、君は一体?」

 

言いたい事はわかるが……

 

「失礼ですが、どういう意味ですか?」

 

「ああ、ミカエルからの君についての報告には色々疑問に思う事があってね。特に、神の不在について以前から知っていた……というのが驚きでね」

 

ミカエル様……どんな報告してたんですか?まあ、色々ぼかす事もあったでしょうし、サーゼクス殿にはその事は報告しなければいけないしな。

 

「私は、孤児でした。そこで教会に拾われ、天然の聖剣使いである事がわかり教会で暮らすようになったのです」

 

立ち上がり、一礼してから語り出す。全員の視線を浴びているから、口下手な俺じゃ話せなくなってしまうよ(大嘘)

 

「……しかし、突然私は私ではなくなったのです」

 

「あん?どういう事だよ?」

 

俺も言われたらそう突っ込むだろう台詞にアザゼルは突っ込んだ。流石はアザゼルだ。

 

「憑依……というのはご存知ですか?それにより、私は五歳の時にある日本人と思われしき記憶と経験を得ました。ですから、歴史書などを読んで直ぐに至りました」

 

実際、知識は無駄にあるが俺自身の個人情報については大半がわからない。まあ、今では吹っ切れてゼノンとして生きてるし、今の生活に満足してるからそこまで(・・・・)気にしてないけどな。

 

「まさか……だが、有り得ない話ではないな……」

 

やっぱり、そういう奴もいるらしくサーゼクス殿やアザゼルはすんなりと納得したみたいだ。反面、部長たちやシトリーは驚いている。

 

「そういう理由から、あの時は利があると感じたので貴方に協力したんですよ」

 

おっと、口が滑った。

 

「……あの時?なんですか、アザゼル」

 

ミカエル様が冷たい目でアザゼルを見つめる。

 

「おい、ゼノン!何喋ってんだよ!」

 

「……つい、うっかり。すみません、アザゼル総督。ミカエル様、決して『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』のあの件には全く関与していません」

 

そういえば、成功したのか?五大龍王の一角「黄金龍君(ギガンティス・ドラゴン)」ファーブニルと契約はしたみたいだけども、そこから人工神器(セイクリッド・ギア)にできたのかはわからないからな。

 

「うっかりってレベルじゃねーよ!」

 

「……アザゼル、この後お話が」

 

「わかりました……」

 

このやり取りが終わっても、グレモリー眷属はポカンとした表情を浮かべるのは収まらなかった。

その為、サーゼクス殿が咳払いをしてから話始めた。

 

「……そろそろ本題に戻ろう。先程の報告を受けて、堕天使総督の意見を聞きたい」

 

先程の報告……コカビエルの件だな。

 

「先日の事件は、我が堕天使中枢組織『神の子を見張る者(グリゴリ)』の幹部コカビエルが、他の幹部及び総督の俺に黙って単独で起こしたものだ……というか、その辺りの説明はこの間転送した資料に全て書いてあったろ?それが全部だ」

 

アザゼルの説明になってない意見にミカエルが嘆息してからおっしゃる。

 

「説明としては最低の部類ですが……貴方個人が我々と大きな事を起こしたくないと言う話は知っています。それに関しては本当なのでしょう?」

 

「あぁ、俺は戦争に興味なんてこれっぽっちも無いぜ」

 

そこで、サーゼクス殿がアザゼルに問いかける。

 

「一つ訊きたいのだが、どうしてここ数十年神器の所有者を集めている?最初は人間達を集めて戦力増強を図っているのかと思っていた。天界か我々に戦争をけしかけるのではないかとも予想していたのだが……」

 

「そう、わかってはいましたが、いつまで経ってもあなたは戦争を仕掛けてはこなかった。しかし、白龍皇を手に入れたと聞いた時には、少し警戒心を抱いたものです」

 

ミカエル様は、一応俺の自論とアザゼルから聞いたテロ組織の情報を知っているから警戒は幾分少ない。

 

神器(セイクリッド・ギア)の研究の為だよ。なんなら、一部の研究資料もお前達に送ろうか?第一、俺は今の世界に充分満足しているから戦争なんか仕掛けねぇよ……ったく、俺の信用は三竦みの中でも最低かよ」

 

「「「その通りだ/ね/です」」」

 

ルシファー殿、レヴィアタン殿にミカエル様の三方の意見が見事に一致した。

 

アザゼルがよっぽど信用されていないのを改めて実感できた。

 

「……神や先代ルシファーよりもマシかと思ったが、お前らもお前らで面倒臭い奴らだ。こそこそ研究するのもこれ以上性に合わねぇか。なら、和平を結ぼうぜ。元々そのつもりもあったんだろ……天使も悪魔もよ?」

 

まさかアザゼルが和平を一番に提示するとは思っていなかったのか、俺以外の皆が驚いた。

 

すると、アザゼルの発言に驚いていたミカエル様が微笑む。

 

「ええ、私も悪魔側と貴方たち(グリゴリ)に和平を持ち掛ける予定でした。これ以上、三竦みの関係を続けていても、今の世界の害となる。天使の長である私が言うのも何ですが……戦争の大本である神と魔王は消滅したのですから」

 

というか、実際過去にあった覇権を求めた戦争も利益はほとんどなく、失ったものが多いみたいだしな。まあ、過去は変えられないからとやかく言うつもりは無いが。

 

「あの堅物ミカエル様が言うようになったな……昔とは大違いだぜ」

 

昔は、ミカエル様も神を過度に崇拝していたらしい。

 

「……失ったものは大きい。けれど、いないものをいつまでも求めても仕方がありません。人間達を導き、神の子らをこれからも見守って先導していくのが一番大事なことだと私達の意見も一致しています」

 

「おいおい、今の発言は堕ちる……と思ったが、システムはお前が受け継いだんだったな。俺らが堕ちた頃とはまるで違っていい世界になったもんだ」

 

実際、昔のシステムがわからないが、俺が天使だったら直ぐに堕ちてたんだろうな……。すると、サーゼクス殿が口を開く。

 

「我らも同じく魔王がなくとも種を存続する為、悪魔も先に進まねばならない。戦争は我らも望むべきものではない……次の戦争をすれば、悪魔は必ず滅ぶ」

 

確か悪魔は、72柱の半分以上が断絶し軍勢と共に滅びるか、生活が立ち行かなくなったりして冥界辺境や人間界の奥地に隠棲しているらしいな。しかも、出生率は低く増えにくいんだよな。それで悪魔の駒(イービル・ピース)が出来たらしいが。

 

「次の戦争をすれば、三竦みは今度こそ共倒れる。そして、人間界にも影響を大きく及ぼし世界は終わる。……俺らは戦争をもう起こせない」

 

先程までふざけた調子だったアザゼルが一転し、真剣な表情となっていた。こう、真面目になるときはしっかりやる人物だから、嫌いじゃないんだよな。

 

「神がいない世界は間違いだと思うか?神がいない世界は衰退すると思うか?残念ながらそうじゃなかった。俺もお前達も今こうやって生きている。……神がいなくても世界は回るのさ」

 

神がいなくても、世界は回る……か、だが、神がいない事で世界は少しずつ“ズレ”始めている。

聖魔剣は、それが顕著に出ている……昔からの疑問だったが神器(セイクリッド・ギア)とは何のために存在しているんだ?それが未だに謎だ、他にも色々疑問は尽きないがな。同様に俺が(ゼノン)に憑依した事も関係しているのか……?

 

「さて、そろそろ俺達以外にも……例えば、世界に影響及ぼしそうな無敵のドラゴン様に意見を聞こうか。まずはヴァーリ、お前は世界をどうしたい?」

 

アザゼルの問いに白龍皇は笑みながら答えた。大体察しはついてるが……。

 

「俺は強い奴と戦えれば、それで良い」

 

だよな、戦闘狂はそれだよな。

 

「お前らしいよ、ヴァーリ。じゃあ赤龍「聖剣使い、お前は?」……ヴァーリ?」

 

次は赤龍帝か?と思ったが何故か俺に振られた。どういう事だ……?

 

「こいつにも、聞く価値は有るだろう?今、俺はこいつの方に興味がある。別に順番なら赤龍帝が最後でも良いだろう?」

 

戦闘狂に興味持たれるとか、最悪だな。というか、何か引っかかるな……何だ?

 

「……それもそうだな、ゼノン。お前はどうだ?」

 

「そうですね……!?」

 

俺が話そうとした途端に、嫌な感じと共に周りの時が止まった。

 




次回、戦闘?
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