まさかこいつに憑依するとは   作:Aqua@D

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連日投稿。次回は来月未定。

また、What is a chaos brigade? Ⅲ の内容を改稿。
理由は、プロットの変更による設定の変化。


What is practice?

「シトリー家と対決か……」

 

若手集会からグレモリーの本邸に帰ってきた俺達をアザゼルが迎えた。そしてシトリー家とレーティングゲームをすることになったことを話すと修行の話を持ち出した。

 

「修業……まあ、予想通りだな」

 

「そりゃ、当然だ。明日から開始予定で既に各自のトレーニングメニューは考えてある」

 

「でも良いんですか?俺達だけが堕天使総督のアドバイスを貰って」

 

一誠の質問にアザゼルは問題ないと言う顔をしながら口を開いた。

 

「俺はいろいろと悪魔側にデータを渡したつもりだぜ? それに天使側もバックアップ体制をしているって話だ。あとは若手悪魔連中のプライド次第で、強くなりたい、種の存続を高めたいって心の底から思っているのなら脇目も振らないだろうしな。うちの副総督も各家にアドバイス与えてるぐらいだ。まあ、俺よりシェムハザのアドバイスの方が役立つかもな!」

 

「確かに……」

 

「ゼノン、お前な……とにかく、明日の朝に庭に集合。修行内容はそこで教える」

 

その直後にグレイフィア様が現れ……

 

「皆様、温泉のご用意が出来ました」

 

と言った。温泉……入るのは久しぶりだな。ジュリオさんの甘露巡りに同行したときにふと日本に寄って入ったのが最後か?

 

 

 

 

ーーグレモリー領にある温泉

 

 

鼻歌を口にしているアザゼルを筆頭に俺たちは温泉を楽しんでいた。アザゼルから聞いた話では、冥界屈指の名家グレモリーの私有温泉は名泉とも言えるらしい。前世含めて温泉は大して入ったことがない俺には名泉云々はわからないが、気持ちが良いのは確かだ。

 

「……ってあれ? そう言えばギャスパーはまだ来てないのか?」

 

すると、一誠が疑問の声を上げる。確かにギャスパーが来てないな。

 

一誠が周りを見回す。つられて視線を動かすと、入り口の辺りでウロウロしているギャスパーが目に入った。一誠も目に入ったようで、仕方ない……いう様子で一誠は一度、湯から上がり……

 

「おいおい。ほら、温泉なんだから入らなきゃダメだろう」

 

ギャスパーを一誠が捕まえる。それに対してギャスパーは、キャッ と女の子のような甲高い悲鳴をあげた。しかも、タオルを胸の位置で巻いている。且つ、こちらの視線に気付いたのか若干涙目になりながら……

 

「あ、あの、こっち見ないでください……」

 

と言った。情けないなぁ……まあ、それがウケる奴もいるのがこの世の中だからな……。俺にはそのような嗜好はないから良くわからんが。

 

「お、お前な! 男なら胸の位置でバスタオル羽織るなよ! 普段から女装してるからこっちも戸惑うって!」

 

「アザゼル……俺は一誠のあの反応を見るたびにあいつに男色疑惑をもつんだが……」

 

「ははは! 確かにあんな反応じゃあな! それに、何時だったか忘れたし、思い出したくもなかったが歴代の赤龍帝にいたな……思い出しただけで寒気がする」

 

「そ、そんな、イッセー先輩は僕の事をそんな目で見ていたのですか? 身の危険を感じちゃいますぅっ!」

 

このままでは話が不味い方向により進んで行くと感じた一誠は、ギャスパーをお姫様抱っこで抱きかかえ、一気に温泉へ放り投げた。

 

「いやぁぁぁん! あっついよぉ! 溶けちゃうよぉ! イッセー先輩のエッチィィ!」

 

ギャスパーの絶叫が木霊し、隣の女湯からクスクスと笑い声が聞こえてくる。

 

「ところでイッセー」

 

再び温泉に浸かりに来た一誠の元にアザゼルが近づいてきた。あの顔はロクな事は言わないな。俺はあの二人を無視して祐斗に声をかけ、早めに上がった。……ギャスパー? 大丈夫だろ。

 

そして、更衣室で服を着ていると先程のギャスパーが放り込まれたのよりも激しい着水音が響き、ニヤニヤとした笑みを浮かべたアザゼルが更衣室に入ってきた。とりあえず何をしたのか聞く。

 

「おい、何した? 碌でもない事だろうが……」

 

「女子風呂の方に放り投げてやった」

 

したり顔をしたアザゼルに俺は溜息を漏らし、同時に一誠の健闘を祈った。ハーレム王ならなんとかなるだろ。まさか、あそこで……ってことはないな。

 

「……部屋に戻るか……」

 

とりあえず、考えることを放棄して寝ることにしたので、部屋に戻ることにした。この面子は飽きはしないが……アザゼルが水をえた魚のように生き生きしてるのは問題有りだな。あった時に、ミカエル様に密告しとくか……久しぶりにゲスい考えしたな。

 

……っと、忘れないうちに例の日記? に軽く目を通しておくか……。

 

 

 

 

翌朝、俺達は広い庭の一角に集まっていた。服装は全員ジャージだ。資料やデータが書かれているであろう紙媒体を持ったアザゼルが口を開く。

 

ちなみに、例の日記は一見するとただの日記にだったが、一部内容が封印+隠蔽の魔法が施されていて、読めない点がある……までは解析し終えた。流石に少しの時間で解析できるほど甘くはないみたいだ。

 

「先に言っておく。今から俺が言うものは将来的なものを見据えてのトレーニングメニューだ。すぐに効果が出る者もいるが、長期的に見なければならない者もいる。ただ、お前らは成長中の若手だ。方向性を見誤らなければ良い成長をするだろう。さて、まずはリアス。お前だ」

 

アザゼルが最初に呼んだのは部長だった。

 

「お前は最初から才能、身体能力、魔力全てが高スペックの悪魔だ。このまま普通に暮らしていてもそれらは高まり、大人になる頃には最上級悪魔の候補となっているだろう。だが、将来よりも今強くなりたい、それがお前の望みだな?」

 

「ええ。負けたくないもの」

 

アザゼルの問いに部長は力強く頷き、それを見たアザゼルは部長のトレーニングメニューが記された紙を渡す。しかし、部長はその内容を見て首を傾げた。

 

「……これって、特別凄いトレーニングとは思えないのだけれど?」

 

「そりゃそうだ。基本的なトレーニング方法だからな。お前はそれで良いんだ。全てが総合的にまとまっているから基本的な練習だけで力が高められる」

 

「……要はそれ以外に大切なものがあるってことか」

 

「そうだ、リアスには戦況分析力が圧倒的に足りない……「(キング)」としての資質が欠けている。「(キング)」は時と場合によっては、力よりも頭脳が求められる。フェニックス家との一戦は見せてもらったが……他にもリタイヤしていった奴もいるってのに、そいつらに勝ちを持っていくのも「王」の務めだ。お前はそれにも関わらず投了(リザイン)しやがった。そんなんじゃ、これからのゲームには絶対勝てねぇ」

 

確かに、結構あっさり投了した感じがしたような気がする。あの一誠が痛めつけられていた状況では完全に不利だったが、機転を効かせれば……勝つことは難しかったかもしれないが、一泡は吹かせられたはずだ。……というか、一対一の勝負を受け入れたのが問題有りだったような気がする。あそこは逃げ一択だったような。

 

 

「ええ、十分理解してるわ……」

 

そして、次に姫島に向き合うアザゼル。

 

「次に朱乃」

「……はい」

 

姫島は「神の子を見張る者(グリゴリ)」幹部のバラキエルの娘だが、事情は知らないが親を憎んでいるらしい。よって、父が総督アザゼルの部下であるから、それ絡みでアザゼルに対しても良い気持ちは持っていないのだろう、返事の声色が沈んでいた。

 

「お前は自分の中に流れる血を受け入れろ」

「ッ!?」

 

直球に言われた事に、姫島は顔をしかめた。まあ、事情は知らんが率直に言った方が良いんだろうというのは理解した。

 

「お前のフェニックス家との一戦も、記録した映像で見せてもらったぜ。本来のお前のスペックなら、敵の「女王(クイーン)」を苦もなく打倒出来た筈だ。何故、堕天使の力……光を雷に乗せ、雷光にしなかった? そうでなければ、お前の本当の力は発揮出来ないし、雷だけでは限界がある」

 

「……私は、あの様な力に頼らなくても」

 

「否定するな。自分を認めないでどうする? 最後に頼れるのは己の力だけだ、決戦日までにお前の弱さ……自分自身の力を受け入れろ。さもなければ、お前は今後の戦闘で邪魔になる。「雷の巫女」から「雷光の巫女」になってみせろよ」

 

アザゼルの言葉に姫島は黙ったままだった。そして、次にアザゼルは木場の方を向く。

 

「次は木場だが、お前は聖魔剣……禁手(バランス・ブレイカー)の維持時間の向上がメインだ。確か剣術は師匠がいたな?」

 

「はい」

 

「それを見越したメニューがこれだ。少し目を通しておけ、質問はあるか?」

 

すると、アザゼルはそれなりの厚さに重なった資料を祐斗に渡す。祐斗はすぐに目を通すと、最後の方で手が止まりアザゼルは問いかけた。

 

「……この修行の後半にある空白は?」

 

「ああ、それはその時になったらのお楽しみだな。安心しろ、いい経験になるだろうからな」

 

「わかりました」

 

その後もアザゼルは各トレーニングメニューを告げて行った。

 

ギャスパーは……とにかく恐怖心を克服するためのプログラム。

 

アルジェントは神器(セイクリッド・ギア)の回復範囲と回復力の向上。そして魔力及び身体能力の増加。

 

そして、次に塔城に向き合う。今日の塔城は前日の沈み具合が一転して気合いの入った様子だった……恐らく空回りしそうだが……。

 

「次は小猫」

「……はい」

 

「お前は申し分ない程、オフェンス、ディフェンス。「戦車(ルーク)」としての素養を持っているし、身体能力も問題ない。だが、リアスの眷属には「戦車(ルーク)」であるお前よりもオフェンスが上の奴が多い」

 

「……分かっています」

 

ハッキリ言うアザゼルの言葉に塔城は悔しそうな表情を浮かべていた。

 

「リアスの眷属でトップのオフェンスはゼノンと木場。禁手(バランス・ブレイカー)の聖魔剣、聖剣デュランダルに聖剣ジョワユース。まあ、凶悪な武器を有していやがるからな。ここで禁手(バランス・ブレイカー)状態のイッセーが入るとな……」

 

確かにな……言ってはなんだが、今の塔城はこれといって突出した能力はない。……俺も聖剣なければ同じような感じなんだがな。

 

「小猫、お前も他の連中同様に基礎の向上をしておけ。その上で、お前が自ら封じているものを晒け出せ。朱乃と同じで、自分を受け入れなければ大きな成長なんて出来やしねぇのさ」

 

このアザゼルの一言に塔城も黙ったままだった。しっかし、この眷属は色々裏持ちすぎだろ……。

 

「さて、次はイッセーだ。お前は……ちょっと待ってろ。そろそろなんだが……」

 

空を見上げたアザゼル。一誠はそれに釣られる中、上空から何かが急降下してきた。

 

「ドラゴン!?」

一誠が叫ぶ。しかし、悪魔領でドラゴン? 順当に考えるなら……

 

「……タンニーンか」

「そうだ、イッセー。こいつはドラゴンだ」

 

俺の呟きとアザゼルの発言が被った事で俺の呟きは誰の耳にも入らなかったみたいだ。すると、タンニーン様……一応最上級悪魔だからな……がアザゼルに話しかけた。

 

「アザゼル、よくもまあ悪魔の領土に堂々と入れたものだな」

 

「ハッ、ちゃんと魔王様直々の許可を貰って堂々と入国したぜ? 文句でもあるのか、タンニーン」

 

アザゼルとタンニーン様が会話する中、冷や汗をかいている一誠がアザゼルに問いかける。

 

「……先生、もしかしてこのドラゴンが俺の?」

 

「あぁ、こいつがイッセーの先生だ」

 

「ええええええええっ!?」

 

「ドラゴンとの修業は昔から実戦方式だ。目一杯鍛えてもらえ」

 

「そんな……俺のハーレムの夢が……」

 

タンニーンは意気消沈している一誠を片手で捕まえ、離陸体勢に入る。一誠はようやく気づいたのか驚いている。そんな中で、タンニーン様は部長に話しかけた。

 

「リアス嬢、あそこに見える山を貸してもらえるか?こいつをそこへ連れていく」

 

「えぇ、鍛えてあげてちょうだい」

 

一誠の意思が尊重される事なく話が進んで行く。そして、一誠に部長から死刑宣告? が告げられる。

 

「イッセー、気張りなさい!」

 

そして、タンニーンは山の中に飛んで行った。一誠の「部長―――!」ていう叫びが段々と消えていく様は何とも言えない感じだった。

 

「で、最後はゼノンだが……」

 

何だかまた悪巧みしてそうな笑みで俺に話しかけて来たアザゼル。そして……

 

「お前のメニューは、ちょいと特殊だ。詳しくはこいつを見ろ」

 

と言ってアザゼルは一際薄い内容にしか見えない紙を一枚だけ渡してきた。格差酷いな……。

 

何々……

 

ーーーーーーーー

 

 

ゼノン修行内容

 

アザゼル

タンニーン

木場

木場の師匠

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「……は?」

 

箇条書きより酷いものをみた俺は少し呆然と言葉を吐いた。すると、アザゼルは翼を広げると……

 

「さて、解散だ。各々の修行に移れ」

 

と言ってアザゼルは空に飛んで何処かに飛んで行った。最後に俺に「ついて来い」とだけ言って……




グレモリー眷属魔力量表(通常時+5巻現在)

リアス>朱乃≧ギャスパー>アーシア>ゼノン≧祐斗>小猫>>>一誠

ゼノンは、眷属で比べると少ないです。眷属で……なのでそれなりには持っていますが。
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