まさかこいつに憑依するとは   作:Aqua@D

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レーティングゲーム後半〜終了です。


What is a rating game? Ⅱ

そして、時間と場面は戻る……

 

「なんてね……」

 

突然、鏡に当たるのを避けるように、聖剣が消える。そして、あいつはそのままの勢いで相手の「女王(クイーン)」の背後に回り込む。

 

「な!? 聖剣が……デュランダルが消えた!?」

 

狼狽える「女王(クイーン)」を尻目にあいつは高らかに叫ぶ。

 

「……咲き乱れろ、聖魔剣よ!」

 

「え? きゃぁぁああ!」

 

そして、鏡を縫うように避けた聖魔剣が相手の「女王(クイーン)」に突き刺さる。カウンターで決める気だったのか相手の「女王(クイーン)」は隙だらけだった。まあ、それは……

 

『ソーナ・シトリーの「女王(クイーン)」リタイア』

 

「「え!?」」

 

「おいおい、敵を目の前に余所見とは余裕だな?」

 

あんた達も同様何だがな!

 

「「しまっ……」」

 

『ソーナ・シトリーの「騎士(ナイト)」・「戦車(ルーク)」リタイア』

 

アナウンスが聞こえた所で、ある魔術を解いて、ジュワユースを残してデュランダルを亜空間に仕舞う。

 

「上手くいったね」

 

そういうのは、ゼノン……になりすました祐斗。今の話のタネを話すと俺と祐斗はあの合間の時間にお互いに魔術によって変装したわけだ。実際、修行終わりにアザゼルに見せてOKだったからな。で、祐斗には「魔剣創造(ソード・バース)」ではなく「聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)」を使ってもらった。それによって創られた聖剣に俺がデュランダルの聖なるオーラを纏わせる事で、本物に見せた、っていう訳だ。

 

「まあな、大丈夫か? 結構消耗したとは思うが……」

 

「実を言うとかなりしんどいかな。神器(セイクリッド・ギア)の高速切り替え、魔術による擬態と変声……一杯一杯だったよ」

 

そう言って肩を竦めながら、擬態を解き、聖魔剣を消す祐斗。俺は特に何もしてないな。動揺した相手を無慈悲に斬っただけだからな。

 

『ソーナ・シトリーの「兵士(ポーン)」二名、リタイア』

 

すると、アナウンスが響く。

 

「一誠たちか? これで、こちらはギャスパーのみのリタイアに対して相手の残りは「僧侶(ビショップ)」二名に「(キング)」のシトリーだけか」

 

「そうだね、連絡取ろうか」

 

確認する様に言うと、祐斗が提案する。確かに、連絡を取るのがベストか。交戦はしてないだろうしな。

 

無線を弄り、部長と連絡を取る。

 

「部長、そちらの戦況は? こちらはアナウンス通りだ」

 

『やったわね。今は一誠側のルートを通って本陣に進んでいるわ』

 

……部長自らですか……まあ、有利だからいいか。足元救われなきゃ良いが、そこは俺たち「騎士(ナイト)」の役目ってか?

 

「合流するか?」

 

『ええ、残りは三人。気を抜かずにいきましょう』

 

「当然だ」

 

そして、無線を切ると祐斗に向き合って口を開く。

 

「という事で、部長たちと合流する。行けるか?」

 

「うん、行けるさ」

 

そして、祐斗と俺は相手側の本陣に向けて走り出した……

 

 

 

 

そして、ショッピングモールの中央広場に辿り着いた俺たち。

周りを見ると、三人の影が映った……「僧侶(ビショップ)」の花戒 桃(はなかい もも)草下 憐耶(くさか れや)(キング)」のソーナ・シトリーがいた。それに結界も貼られているな。

 

……不味いな、合流する前に出くわすとはな。祐斗に無理させるわけにはいかないし、三人を相手に取るのは厄介だな。とりあえず時間を稼ぐか。

 

まあ、シトリーは実体がここにいないから実質は二体一だがな。

 

「ごきげんよう、ゼノンくんに木場くん。貴方たちには一杯食わされました。まさかあんな手を使ってあの三人を倒してくるなんて思ってみませんでした」

 

おっと、精神というか見かけだけでは無いんだな。悟られないように話すか。時間稼ぎを兼ねてな。

 

「貴方に賞賛を受けるとは光栄だな。さて、一誠たちがくる前にやるか?」

 

といって、デュランダルとジュワユースを構える。

 

「そうですね……とりあえず、兵藤くんはここに来ませんよ。私の策に嵌まりましたからね」

 

「策……?」

 

俺の疑問の声にシトリーがバッグを持っている「僧侶(ビショップ)」に目で指示を出す。頷いた僧侶の女性がバッグから何かを取り出した。それは、病院で点滴の際などに使うパックだ、しかも中身は誰かの血で赤く染まっている。

 

「血液……? 一誠のか?」

 

武器でも出すんじゃないかと思っていたが、出されたものを冷静に考えて言う。

 

「ご名答です。兵藤くんは人間がベースとなっている転生悪魔。人間は体に通う血液の半分を失えば致死量です。レーティングゲームのルールとして、ゲーム中に眷属悪魔が戦闘不能状態になると、強制的に医療ルームへ転送されます」

 

……誰も考えねぇよ、そんな事をして倒そうと何てよ。

 

「レーティングゲームのルールで倒したというわけか……しかし、どうやって?」

 

匙の仕業だと、分かっちゃいるが、時間稼ぎの為に言う。

 

「サジは神器(セイクリッド・ギア)を用いて、兵藤くんの血を少しずつ少しずつ吸い取っていたのです。対象のエネルギーを吸い取るのが本来の能力である神器(セイクリッド・ギア)で血液を吸い続けるには、相当な修業と緻密なコントロールがいりました。しかし、サジはそれを完遂させたのです。もう手遅れです。兵藤くんは医療ルームへ転送されるだけの血を失いました」

 

「すると、匙は相撃ち覚悟で任務を果たした訳か……」

 

「本来ならば、貴方たちをカウンターで倒す予定でしたが……失策でした」

 

すると、此方に近づく影が見えた……部長たちだ。一誠と塔城もいるが、一誠は血液を搾り取られ、フラフラとしていた。

 

「驚きましたね。半分も血を取ったのにここまで来るとは」

 

「どうしても……リタイア前にとっておきの見せてやろうと思ってな……」

 

すると、一誠の身体にオーラが現れ、包み込んだ……何故か嫌な予感しかしないのは俺だけか?

 

「高まれ、俺の欲望! 煩悩解放! 貴方の声を聞かせて頂戴!」

 

……口上に対して、呆れて何も言えん。何だ今のは?

 

すると、一誠は部長を見ると意味深に頷いた。どうした?

 

「部長、いま俺の事を心配してくれましたね? 変な事ばかりすると身体に障ると……」

 

一誠の言葉に部長が驚愕の表情をする。……読心か? 口上的にはそうだと思うが「洋服破壊(ドレス・ブレイク)」という前例が有るからな……。

 

「イッセー、どうしてそれを!?」

 

「一誠、凄くしょうもない事をしているように思えるのだが……」

 

取り敢えず、思ってる事を言う。すると、一誠が血の気が無いのに無理して声を荒げる。

 

「しょうもないわけがない! 俺は心じゃなく胸の内に聞いたんだ! 否、おっぱいの声を!」

 

一誠はふらつきながらも、堂々としたポーズで新技を続けて叫んだ。

 

「相手の胸を読み取る「乳語翻訳(パイリンガル)」! 女性限定で相手が何をするのかを読み取る事が出来る! ……質問すれば相手のおっぱいは嘘、偽りなく応えてくれる! ……相手の心が解る、最強の技なんです! ……あう……血が足りねぇ」

 

……しょうもない技かと思ったら最強クラスの能力だった。女性限定だが、先読み可能。相手の心ではなく胸に問いかけるわけだから洗脳された相手や、魔術等で読心を防いでいる相手の行動も把握できる……一誠は対女性戦闘では無敵級の技を覚醒させたのか……。

 

まあ、能力は強いが……一誠が変態なのは変わらないな。

 

「一誠、倒れる前にシトリーの実体の居場所を教えてくれ」

 

「「「な……!」」」

 

シトリー眷属たちが驚きの表情を見せる。……塔城は何か納得した表情を見せていたが、仙術で奴らの人数を探った結果に疑問でも持っていたのか?

 

「気づいてないとでも? 部長の様に有利な立場で出向くなら兎も角、不利な状況で出向くのは貴方みたいな方はしない筈だしな」

 

その言葉を聞いた後に、一誠が最後の仕事にかかる。

 

「会長のおっぱいさん! いまの作戦はどういう感じか教えておくれ!」

 

……一誠には何が聞こえているんだろうか。すると、一誠が俺たちにこう言う。

 

「会長のあの結界は……「僧侶(ビショップ)」二人の術による囮で……ここで無駄に結界を攻撃させて少しでもこちらを疲弊させる作戦なんだ……。本物は屋上で、映像に精神だけ移しているみたいだ……」

 

その言葉と共に、一誠は力尽き膝をついた。後は、任せておけ。

 

「イッセーさん!!」

 

アーシアは一誠の下へと走り、神器(セイクリッド・ギア)を発動させて回復させようとしたが……

 

「それを待っていたわ! 反転(リバース)!」

 

僧侶(ビショップ)」の一人がシトリーの立体映像を解く。結界とシトリーの映像が消えるが、相手の「僧侶(ビショップ)」はかまわずにアルジェントの回復領域に足を踏み入れた。

 

それにより、アルジェントの神器(セイクリッド・ギア)から発する淡い緑色の光が、赤色の光りとなり……

 

「キャッ!」

「グアッ!?」

「クッ!」

 

『リアス・グレモリーの「兵士(ポーン)」「僧侶(ビショップ)」、ソーナ・シトリーの「僧侶(ビショップ)」リタイア』

 

一誠とアーシア、相手の「僧侶(ビショップ)」にダメージが入り、三人はリタイアされ、アナウンスが三人の脱落を告げる。

 

……チッ、「反転(リバース)」か。……迂闊だったな。

 

そして、ムードメーカーの一誠が消えたのは大きい。何故なら……

 

「こ、小猫、気は感じる?」

 

部長の動揺が物語っている。同じく祐斗や姫島、塔城にも影響はあるだろうな。……全く動揺しない俺は薄情なのかね。

 

「……はい。彼処の屋上に会長の気を感じます」

 

そして、塔城はある店の屋上を指差す。その方向を見ると、悪魔の視力でだが、人影を確認した。

 

「残りの「僧侶(ビショップ)」は誰が相手をする?」

 

俺が他のメンバーに問うと、俺の視界に黄金のオーラを全身から放つ姫島が映った。……オーラの性質は雷と光か。

 

「……イッセーくんに私の決意を見てもらおうとしたのに……」

 

おぼつかない歩き方で一歩前へ出る姫島。その瞳は涙で濡れている。

 

……これは一種のホラーじゃないか? まあ、オリヴィエと比べたらどうってことは無いが。

 

「……この嫌な力を彼の前で使うことで……乗り越えようとしたのに……許さない」

 

姫島の手から大出量の光の混じった雷……雷光が生み出され、相手の「僧侶(ビショップ)」草下に襲い掛かる。

 

というか、雷光を嫌な力と言う事は完全に受け入れた訳では無いのか……まあ、それは一誠の役目だな。

 

「ッ! 「反転(リバース)」!」

 

相手は「反転(リバース)」で迎え撃つも流石に雷と光を同時に反転するのは不可能だったようで、激しい雷が彼女を包み込み、消えていった。

 

『ソーナ・シトリーの「僧侶(ビショップ)一名、リタイア』

 

「これで、後はソーナのみね……」

 

部長がそう呟く……と、瞬間的に第六感による危険を感じて上を見ずに、叫ぶ。それと、同時にデュランダルとジュワユースに聖なるオーラを極限まで高める。

 

「部長ッ! 上だッ! 全力で相殺しろッ!」

 

何故なら……上空から水で創られた鷹や大蛇、獅子、狼、巨大な龍などが迫ってきていたからだ。

 

「「「「なッ!?」」」」

 

「部長は右、姫島は左、塔城は仙術でサポート、祐斗は聖魔剣で撃ち零しを防げッ! 真ん中は俺がやるッ!」

 

驚いている時間は無い! 命令気味に指示を全員に出すと、デュランダルとジュワユースの斬撃を飛ばす!

 

「はぁッ!」

「デュランダル! ジュワユース!」

「雷光よッ!」

「咲き誇れッ! 聖魔剣よッ!」

 

滅びの魔力が鷹や狼を消滅させ、

雷光が大蛇や獅子を水に還し、聖剣による斬撃が龍を滅し、聖魔剣と仙術による結界が小型のものを防いだ。そして、僅かに水が地面に残るが、炎の聖魔剣により蒸発させて再利用を防いだ。

 

「……凌いだか。大丈夫か、お前ら」

 

と言って周りを見ると、部長、姫島、祐斗は肩で息をしている。比較的に負担が少ない塔城は、結界を解いた。

 

……祐斗には無理させ過ぎたな……。今回の功労賞はグレモリー眷属は祐斗、シトリー眷属は匙だろうな。

 

「ええ、また次がくる前にソーナを……」

 

「その必要はありません」

 

直ぐに回復した部長がそう言うが、現れたシトリーによって言葉を遮られる。

 

「ソーナ!」

 

それを見て、俺は本心を告げる。

 

「最後の一撃はお見事でした、ソーナ・シトリー殿。魔力で創られた貯水槽の水を使っての一撃。危うく一網打尽となる所でした」

 

マジで危なかったな。少し遅れたら、部長を抱えて退避するしか不可能だったぞ……。直感が優れてて良かった……。

 

すると、シトリーは俺を見て口を開く。

 

「……いえ、先程も言いましたが、貴方は侮れない。一瞬で機転を効かせて指示を出して相殺するなんて……」

 

「それで、どうしますか?」

 

こっちは、大分消耗したが……それは相手も同じ筈。というか、あれだけの大量の水をコントロールして、魔力に余裕があるか……?

 

すると、シトリーは首を横に降ると、こう言った。

 

「あの一撃が私の最後の手です。よって……」

 

『ソーナ・シトリーの投了(リザレイン)を確認。リアス・グレモリーの勝利です』




とまあ、vsシトリー眷属でした。若干、ソーナ強化した感じが有りますが……戦術家ならこれくらいは出来ますよね?
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