まさかこいつに憑依するとは   作:Aqua@D

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此方の投稿は、約半月ぶりになりました。
……本当にお待たせいたしました、七巻始まります。


放課後のラグナロク
What is an Excalibur?


 

一誠の家の地下一階にある大広間でとある作品の観賞会が行われていた。……今更だが、一誠の家が豪邸というか、要塞になっているのはグレモリーの所為らしい。

 

『遂に貴様の最後だ、乳龍帝よ』

 

巨大スクリーンには、青髪に素顔を隠すための黒い仮面をした男が映っている。

 

『何を! この乳龍帝が貴様ら闇の軍団に負ける筈がない! 行くぞ! 禁手化(バランス・ブレイク)ッ!』

 

すると、映像が移り変わると一誠そっくりのヒーローが変身を遂げた。変身の形態は、まんま赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)だ。

 

説明すると、巨大モニターに映る作品は「乳龍帝おっぱいドラゴン」と言う特撮作品で、冥界で絶賛放送中の子供向けヒーロー番組らしく、放送開始から視聴率が五割を超えたとかいう話らしい。

……例の歌もしっかりEDの曲として、収録されてる。

 

「……気になったんだが、あれは誰だ?」

 

先程、“遂に貴様の〜”と言った人物が余りにも誰かさんに似ているので訊ねた。

 

「勿論、ゼノン先輩です。設定では闇の軍団の幹部ですが、その正体及び名前は不明らしいです」

 

すると、何故か俺の隣に座る塔城が俺の問いに答えた。

 

……というか、勿論って俺をどう思ってるんだお前は……?

因みに、先ほどの情報も塔城から教えてもらった。他にもグレモリー眷属が全員参加しているらしい。

 

『さて、スイッチ姫は奪わせてもらう。助けたくば、我が居城へと来るんだな……』

『助けて! おっぱいドラゴン!』

 

ふと、目を画面に戻すと場面は終盤で、俺の偽物がスイッチ姫と呼ばれた紅髪の女性を抱えていた。その脇には裕斗をモデルにしたキャラの「ダークネスナイト・ファング」が控えていた。

 

「……これは、俺なんだよな? それと、スイッチ姫は……」

「……もう、冥界を歩けないじゃない……」

 

思わず呟いた俺の言葉に反応して、スイッチ姫……もとい部長が悲観の声を漏らす。というか、このスイッチ姫という命名は美猴だよな。それがこの番組に使われているということは、あの時にいて、この番組の製作に関わった奴の所為でこの名前がついたのか……。

となると、該当する奴はアザゼルしかいないな。

今度、サーゼクス様に「閃光(ブレイザー・シャイニング)と暗黒(オア・ダークネス)の龍絶剣(・ブレード)総督」と言う中二要素満載のキャラを出して貰うか? ……まあ、こうやって知名度が上がるのは悪くないがな。

 

「でも、幼馴染みがこうやって有名になるって鼻高々でもあるわよね。……そういえばイッセーくんって小さい頃は特撮ヒーローが大好きだったよね。私も付き合ってヒーローごっこした覚えがあるわ」

 

ふと、アニメが終わると塔城とは逆隣のイリナが俺の考えに似たことを言った。

……今更だが、このゼノンとしての人生で子供らしいことはしてないな。多少は肉体に精神が引っ張られることはあったが、全体的には殺伐とした世界だったからな。

 

「確かにやったなぁ。あの頃のイリナは男の子っぽくて、やんちゃばかりしてた記憶があるよ。それが今じゃ美少女さまなんだから、人間の成長って分からないな」

 

一誠の言葉を受けたイリナは、余裕のある笑みを浮かべて口を開く。

 

「もう! イッセーくんったら……そんな風に口説くのは、リアスさん達だけにしてよね!」

 

これが天然か……と呟くと部長たちがうんうん、とうなづいていたのは見なかった事にしよう。

 

 

 

 

 

 

次の日の昼休みに駒王学園の教室で一誠たちと昼飯を食べている最中に俺は箸を止めて切り出す。

 

「そろそろ修学旅行だ、班を決めないとな」

 

余談だが、俺の昼飯は大抵は自作の弁当だ。エクソシストの育成機関で過ごしていた時は……まあ、食事があれだったからな。その為、自炊できなきゃ別の意味で死んでたからな。

 

「だな……男女それぞれ三、四名で組むんだっけ?」

 

一誠が訊いてきたので返す。

 

「そうだな、泊まるところが四人部屋だ。問題が無ければ、俺に一誠、松田、元浜を入れた四人で良いだろう」

 

京都で何が起こっても良いように、こいつとは同じ班にいなくちゃならないしな。松田や元浜は……一般人だが最悪、魔術で暗示をかければ何とかなるのは既に検証済みだ。あとは、イリナとアーシアだが……。

 

「そうだな、ゼノンがいれば現地の女性ともお近づきになれるかもしれん!」

「そうだな! 頼むぞ!」

 

すると、松田と元浜が謎のテンションで肯定をする。

 

……こいつらは……。

扱いやすいから楽といえば、楽なんだが……。

 

「エロ三人組とゼノン。修学旅行のとき私たちと組まない? 美少女三名でウッハウハよ」

 

すると、桐生……桐生愛華が声をかけてきた。しかし、ウッハウハって、女性が使う言葉か? それに自分から美少女って……。

 

そんな事を考えていると、アーシアが一誠に話しかける。

 

「イッセーさん、ご一緒していただけませんか?」

「もちろんOKに決まっているだろ!」

 

そのアーシアの頼みに一誠は即答した。そして、二人の世界に入っているので桐生がそちらを見ぬように俺に声をかける。

 

「そういうことで修学旅行はこれで決まりね。アーシアを兵藤以外の男子に任せられないから。イリナさんもそれでいい? ……まあ、彼がいるから良いとは思うけど……」

 

と、桐生は此方とイリナを交互に見て言う。

 

「き、桐生さん!」

 

桐生のその言葉に、アタフタするイリナを見て俺は苦笑いをする。

 

「それじゃ修学旅行はこの七人で行動しましょう! 清水寺や金閣寺、銀閣寺が私たちを待っているわ!」

 

その後、桐生を班長とする男子四人、女子三人の班が結成した。流石に外国人である俺たちには班長になれとは言われなかったのは安心した。

 

今後、祐斗に匙や他のシトリー眷属のメンバーと非常時に備えて予定やらなんやらを確認し合わないとな。

 

 

 

 

 

 

そして、その放課後に部長たちと去年の修学旅行や、文化祭について話をしていると、全員の携帯が同時に鳴った。このアラームは、グレモリー領地内に侵入者が入った事を知らせるものである。

 

そして、侵入者を確認した町外れにある廃工場へ向かうと、一人の男が現れた。

 

「……グレモリーの眷属か。嗅ぎつけるのが早い」

 

その男は黒いコートを着ていて、口を開くと同時に周りに無数の龍をベースにした異形と他の戦闘員が現れた。

 

「英雄派ね? ごきげんよう、私はリアス・グレモリー。三大勢力からこの町を任されている上級悪魔よ」

 

部長が前に出て丁重に挨拶をすると男は口を開く。

 

「ああ、よく知っている……我々の目的は貴様たち悪魔を浄化し、この町を救うことだからな」

 

英雄派構成員はゴミを見るような目で俺達を見る。

 

最近、英雄派が各勢力の重要拠点を度々襲来してくる事件が多発しており、俺達はそれらを迎撃している。そこまで強くは無いが最近はテクニックタイプの神器所持者も現れ、瞬殺……別に殺しちゃいない……が面倒になった。

 

恐らく、こいつら英雄派の目的は俺たちのデータ取りか、構成員のレベルの底上げだろう。倒した神器(セイクリッド・ギア)所有者は戦闘で負けた瞬間、英雄派としての記憶を消されている。まあ、組織としちゃ当然の対応だとは思うが……。ただ、俺たちを倒そうという気は現状では無いようだ……オリヴィエの所為かも知れないが、理由は不明だ。

 

すると、先述した男の横に二人の男が出てきた。

 

……因みに、龍をベースにした異形は下手な神器(セイクリッド・ギア)所持者より強い上に段々と強い個体になってきている。

そいつらの相手は基本的には俺だ。何故なら龍型の異形は、魔法や魔力に抵抗が有る上、数が多いからだ。魔法や魔力に抵抗が有るので部長や姫島、ギャスパーは無理、数の関係上仙術が不安定な塔城は無理。一誠はアスカロンを十全に使いこなせてない……祐斗の方はあるものが完成次第、龍型の相手をして貰う予定だが、今の所は消去法で俺が相手をしている。まあ、対人戦闘経験が積める今、そちらを積んだ方が良いから譲っている部分もあるが。

 

そして、黒いコートの男が突如二人に増える。魔術や魔法の類では、ないことから神器だと判断して呟く。

 

「また、神器所持者か……?」

 

分身する能力の神器か? 忍者の可能性も無きにしも非ずだが……これまでの統計上で考えるとその線は薄いか。

 

「困ったものね。ここのところは、神器所有者とばかり戦っているわ」

 

部長は嘆息するが、瞳には決意が漲っている。

 

二人に増えた男が攻撃を仕掛けた瞬間、一誠は魔力噴出口から火を噴かすことで一瞬で詰め寄り片方を殴り飛ばし、もう片方を速度重視で放った魔力弾で吹き飛ばす。

そして、俺は龍型の異形に向かって走り出し、叫ぶ。

 

「何時も通り、異形は任せろ!」

 

デュランダルの聖なるオーラを込めて、ジュワユースで強化した斬撃を飛ばし、それを分断させ龍型の異形に降り注がせて、大半を消滅させる。そして、間髪入れずに異形へと近づきジュワユースで斬りつけて一体、追撃でデュランダルでもう一体を消滅させる。

 

別の個体が消滅した事など気にせず、異形が噛みつきや、突進、黒色の炎を口から放つ。

 

しかし、攻撃はデュランダルとジュワユースの聖なるオーラを流用した魔術障壁で防ぎ、そのまま斬り倒していく……。

 

 

 

 

「……終わったか……」

 

やけに数の多い異形を消し終えた俺は、部長たちの方に向かう。そして、部長たちと合流すると既に彼方は戦闘が終了しており、捕らえた英雄派の構成員を魔方陣で冥界に転送させている所だった。

 

「これで、冥界への移送も終わり。あとはゼノンだけど……あら、終わったのね」

 

そして、部長が此方に気付き皆が此方を迎える。部長たちは若干手間取ったようだが、傷も大したことなかった。

 

「ああ、で……今回はどうだった?」

 

一段落ついた所で、部長に問う。

すると、部長は少し顔を曇らせて告げた。

 

「一人、あの分身する神器使いに逃げられて……恐らく禁手に至られたわ」

 

前々回も、一人逃げられていることもあって悔しげな表情だ。すると、裕斗が思っている事を呟く。

 

「やはり、あの異形は兎も角として英雄派の狙いはそちらか……」

 

「……そうね。赤龍帝、聖魔剣、時間停止の魔眼を持つ吸血鬼、仙術使いの猫又、雷光の使い手、優秀な回復要因。このメンバーを相手にするのは人間にとっては尋常じゃない戦闘経験を詰める筈……禁手に至るのも不思議ではないわ」

 

それに肯定する部長。しかし、今わかった所でやることは変わらない。

 

「とにかく、此方が出来るのは打ち倒すだけだ……アザゼルにも打診する必要があるか……」

 

よって、今回はお開きとなった。

さて……明日の準備でもしておこうか。

 




次回は、オリジナル+オリ設定回となります。
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