まさかこいつに憑依するとは   作:Aqua@D

29 / 37
1日投稿が遅れてすみません。
オリジナル設定乱立注意。
誤字脱字報告お願いします。

※h26 6/21 加筆修正


What is an Excalibur? Ⅱ

 

休日……一誠と姫島がデートの日、俺はイリナと待ち合わせの為に休日に駒王学園に集合していた。

 

因みに、今日の一誠と姫島のデートには何故か部長たちが尾行する事になったらしい……尾行の為の変装が全く変装になっていなかったが言わぬが仏か。……俺たちは何かって? 普通に用事があって天界に行く。

 

内容は、俺のデュランダルとジュワユースの事でミカエル様から話があるそうだ。何故、イリナも居るのかと言えば、彼方は転生天使の健康診断だかなんだかで用が有るらしい。

よって、二人である方を待っているんだが……

 

「待たせたかな、イリナちゃんにゼノン?」

 

そう懐かしい声で呼ばれたので、振り返ると、ミカエル様のQ(クイーン)かつ、この地域で展開する天界側のスタッフを統括する転生天使であり、俺の幼少期の世話を担当してくれたグリゼルダ・クァルタが其処にはいた。

 

「お久しぶりです……いや、久しぶり、グリゼルダ」

「お久しぶりです、グリゼルダさん!」

 

現在は、この三人だけなのでフランクにお互いに言葉を交わす。因みに、グリゼルダは俺の憑依云々の事を知っている人物でもある。……まあ、知らなきゃ世話の担当なんて任されないしな。

 

「こうして顔を合わせるのは……聖剣エクスカリバーの件以来かしら」

「ああ、夏休みは冥界で、その後はディオドラの件も有ったからな」

 

グリゼルダがこの地域にスタッフとして来たのは、三勢力会談後だが、俺は其処から夏休みの冥界に帰省までは留学生手続きやら、悪魔の仕事とかあったからな。ディオドラの件が無ければ挨拶に行けたんだがな……。

 

「さて、それでは行きましょうか」

 

積もる話はあるが、今はその為に会っている訳ではない。よって、俺たちは天界側のスタッフでも統括者であるグリゼルダしか使えぬ天界への転移魔法陣で天界へと色々すっ飛ばして転移した。

……流石に正式ルートで行くとなると、悪魔が通るには色々と面倒がある。しかも、今回はミカエル様の呼び出しだからこういうことが出来るだけだ。でなきゃ、一日でこっちに戻って来れないからな。

 

転移の光が収まると、そこには既にミカエル様とガブリエル様、ラファエル様にウリエル様と早々たる方々が俺たちを迎えていた。横にいるイリナを見ると、明らかに動揺している。そんなイリナは、グリゼルダに連れられてこの場を去って行った。

後で聞いた話では、この転移の許可は四大天使総員の許可が必要である為に全員が万が一に転移に割り込まれた場合を考えて集合していたそうだ。

 

そして、俺はミカエル様に連れられて盗聴防止などの厳重な施しがかけられた部屋へと入り、ミカエル様と対面する様にソファーへと腰を下ろした。

 

「さて……今日は、呼び出しに応じて頂きもらいまして有難うございます」

「いえ、ミカエル様の呼び出しとあれば……というより、何か事情があるんですよね……?」

 

そうでなければ、こんな微妙な時期にわざわざこんな転移魔法陣まで使うわけがない。詳しい事情は知らされなかったが……。

すると、ミカエル様は本題へと話を進めた。

 

「……前置きは要りませんね。先ず今回伝えたい事が二つ有ります。最初に、貴方のデュランダルについてですが……」

「……」

 

ミカエル様が言葉を止めた瞬間、場が静まり返る。ミカエル様と俺しかいないので、何方も言葉を発しなければ、そうなるのは当たり前なのだが、今回はそういう静けさとは別のものだと感じた。

そして、ミカエル様が衝撃の真実を口にした。

 

 

 

 

「──貴方のデュランダルは本物ではありません」

 

 

 

……どういうことだ? 突拍子もない事実に頭がついていけていない。

 

すると、ミカエル様は俺の心境を察したのか、言葉を言い換えた。

 

「いえ、言い方が悪かったですね……そのデュランダルは不完全であると言っていいでしょう」

 

今の言葉で、少し落ち着いた。偽物……とか言われたのかと思ったからな。……しかし、不完全?

 

そして、ミカエル様が話を続けた。

 

「順を追って説明しましょうか。先ずは昔にも話しましたが、三勢力の戦争にまで時は遡ります。第一に、エクスカリバーが折れたのはご存知ですね」

 

それは教会所属は勿論ながら、裏に属する奴らなら一般常識といっても過言ではない話である。……一誠という例外は極稀だからな。

 

「この折れた原因は、表では詳しくは説明されていませんが……その戦争でデュランダルと同時に扱った事による聖なるオーラの容量越えが原因というのが真実のようです」

 

ミカエル様が何と無く自身がなさそうに告げた言葉は、なんともいえないエクスカリバーの真相だった。

思わず、言葉が口から漏れる。

 

「……つまり、自爆?」

「そうなりますね……そもそも、聖剣と魔剣というのは表裏一体なのです。使い手によっては、聖剣となり、ある時には魔剣となる……というのは可笑しくは無いのです。……話を戻しましょう、その後にエクスカリバーの破片を教会が回収し、錬金術を用いて七つの特性を七本の聖剣に分けて作り直されました。……そして、同時にデュランダルも危険性から二つの聖剣に分けられました……一つが貴方の持つ『不滅』を象徴とするデュランダル、もう一つが『慈悲』を象徴とするカーテナへと」

 

確かにそれが事実ならば、エクスカリバーすら耐えきれぬ程の増幅させる聖剣をわざわざ野放しにする筈はないな。だが、ここである疑問が生じた。

 

「……しかし、何故今更?」

 

そう、知っていたのならばわざわざこんな時期に話すよりかは、もう少し前にも話す機会が有った筈である。こんなデュランダルに関する事ならば、少年時代の時にでもよかった気がするのだが……。

 

すると、ミカエル様がその答えを話して下さった。

 

「エクスカリバーの方の錬金術についての詳細はあれど、此方の方の情報が意図的に隠されていた為です。最近になって、ある錬金術師の別荘を発見し、其処にこの事が記載されていた書記を発見した為に貴方にも話す事にしたのです」

 

意図的に隠されていた……? 確かに、デュランダルについての裏の情報は全くといっていいほどなかったが……。

 

「それに、あの戦争ではエクスカリバーが折れたというのは終幕後に分かったのです。そして、その錬金術師の元で教会が回収した破片を再生させた訳であって、デュランダルについての行方は貴方が現れるまで不明でしたからね」

 

更に、衝撃の真実が告げられる。しかし、そうなると……

 

「……それを持っていた俺って……?」

 

今更ながら理解した。何故、デュランダルがここまで狙われる事が有ったのか。まさか、俺という天然の聖剣使いとはいえ、餓鬼と共に大昔から再発見された最強クラスの聖剣されたのならば、狙う輩も増えるわけだ。

 

「そこまでは、わかりませんが……今は悪魔ですが、私たちが拾った時点では天然の聖剣の少年としか判断出来ませんでした。検査もしましたが、特には……」

 

だが、俺自身が何者なのかという事についてはより一層疑問が深まった。……本当に俺は何者なんだ?

 

「……」

 

長考する俺に、一先ず話を戻すミカエル様。それに応じて俺も、今はこの考えても考えても答えのでない問いを置いておいて、話に耳を傾ける。

 

「話を戻しましょう……その書記には大昔のデュランダルの力について書かれていました。それは、今のよりも扱い易い反面、エクスカリバーすら耐えられぬ程の爆発的な増幅力を秘めていたようです」

 

さらにミカエル様の話では、昔でもデュランダルの増幅力は評価されていたが、このような爆発的な増幅による惨事は大戦が始めてだったらしい。そして、この後の錬金術師の調べでこの増幅力は年を重ねる程に強化されていくことが判明したという事で、デュランダルを二振りにしたとの事だ。

 

「……だから、その錬金術師は二つの聖剣へと分けたというわけですか……しかし、何故エクスカリバーとデュランダルを二振りも持とうと思ったんでしょうか……?」

 

わざわざ、最強クラスの聖剣を二振りも持つ必要性が感じられない。……其処までの強敵が出たのならば、多少なりとも騒がれている筈だが……。

 

「ええ、それが不思議なのですが……あの時には別々の所有者が聖剣をそれぞれ扱っていました。それなのに……当時の事の真相を知る者は恐らくこの錬金術師くらいでしょう」

 

何でも、教会が回収した際には既にエクスカリバーの破片しかなかったようで、目撃者も聖なるオーラの暴発で存在しないとの事。ありえるのが、その当時のエクスカリバーを錬金した錬金術師だけだそうだ。

 

「その錬金術師の名は?」

 

よって、その名を訊ねるがミカエル様は重々しく口を開いた。

 

「……ヘルメス・トリスメギストス」

 

まさか!? と叫びたくなるのを堪え、その人物について思考を巡らせる。

 

ヘルメス・トリスメギストス。

書物などでは、ギリシャ神話の神ヘルメスとエジプト神話の神トートが習合して生まれた神人であると言われており、錬金術の祖である。

まさか、そんな奴がエクスカリバーの再生を請け負ったなんて思いもしなかった。

エクスカリバーを再生した錬金術師は、不明となっていたことから、有名どころの錬金術師のニコラ・フラメルやパラケルスス辺りが請け負ったと思っていたが……予想外だったな。

 

「ですが、現在の行方は不明。この別荘も幾重の魔術によって秘蔵されていた事から、エクスカリバーの件を請け負った事すら奇跡としか言いようがありません」

 

この件も、三勢力の協力体制の元で捜索を進める予定ということでこの話を終わらせた。少なくとも、別荘の魔術を調べた結果ではその魔術の使用者は生きている可能性が高いらしいからな。

 

そして、一旦ミカエル様は先程までの空気とは一転して明るめの声色で次の話へと移った。

 

「……さて、次にエクスカリバーについてですが、現時点で『支配の聖剣』の所有者がアーサーだという事は貴方の報告で分かっています。……そして、エクスカリバーの担い手の数が全くいないのは理解していると思います」

 

しかし、明るめの声色のわりには出だしは結構問題のある話だ。

実際問題、天然の聖剣使いというのは昔と比べても数少なく悪魔や堕天使に絶大なる打撃を与えられる聖剣が使えないのは教会側としては由々しき問題で有った。そこで、十数年前にパルパーの指揮のもとで人工の聖剣使いを生産する計画『聖剣計画』が成された。だが、その計画では信徒を犠牲にした為に、三勢力会談までは規模を縮小して人体に多大な影響を与えないようにミカエル様の元でおこなっていた。

現在では、会談の取り決めにより中止となり、実質人工の聖剣使いは途絶えた。

 

以上の事から聖剣を扱える人物というのは少ない。『御使い(ブレイブ・セイント)』……転生天使になることで聖剣を使えるようになるらしいが、扱えるまでに至るかは別のようである。

その為に、名のない聖剣ならまだしも、エクスカリバーというほどの有名どころのものとなると候補者を探すのにも一苦労なのである。

 

しかし、ミカエル様は思い切った決断を告げる。

 

「そして、私たちで話し合った結果、紫藤イリナを最終的なエクスカリバーの担い手にする事に決まりました。ですが、現状の彼女では六本結合のエクスカリバーの担い手になるのには、正直実力不足です。よって、行く先を見据えてイリナさんが中級天使へと昇格するまでは、ゼノン、貴方にエクスカリバーを任せたいのです」

 

確かに、イリナならば人工とはいえ聖剣使いである上に「擬態の聖剣」の元使い手でもあるからな。

しかし……

 

「大丈夫なんですか? また、過去のような事が……」

 

流石に六本結合の本物に近いエクスカリバーとデュランダルとなると、不安が残る。

 

「今のデュランダルでは例の書記によれば暴発の危険性は無いようです。それに、万が一……と言うこともあり得ますので、此方側である試みをします」

「成る程……」

 

詳しくは説明しないが、エクスカリバーをデュランダルの『鞘』……つまり補助パーツとするらしい。

 

「デュランダルを数日預かる事になりますが……」

 

だが、その為にミカエル様が言ったデュランダルを預ける事になる。

確かに、英雄派の構成員及び龍型の異形との戦闘がある可能性があるのに自身の武器を手放すのは危険だが……。

 

「大丈夫です。アスカロンを借りるという手も有りますし、近日に何か起きる……なんてことはないでしょうし」

 

なんだか、フラグを建てた気がするのは置いておくが、確かにアスカロンを実戦で使っておくのも有りかもしれないしな。

 

「そうですか……ッ! ゼノン、すみませんが、早急に戻っていただきます」

 

すると、急にミカエル様の耳元に魔法陣が輝くと表情を変えたミカエル様が言葉を強くかけた。

 

まさか……英雄派の襲撃か!?




イリナが大々的に出世する予定になりました。
まあ、ミカエルのAなんだから、これくらいはね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。