まさかこいつに憑依するとは   作:Aqua@D

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連日投稿2


Whom and joint struggle?

 

ロキ襲来の翌日、兵藤家の地下一階の大広間にグレモリー眷属+イリナ、アザゼル、バラキエル、シトリー眷属にヴァーリチームと言う面々が集まった。

 

結局の所、ヴァーリたちの話を聞かないという選択肢はなく、サーゼクス様やミカエル様も特に反対意見などなかった為にこの顔合わせが実現した。

 

ヴァーリチームは、リーダーのヴァーリを含め五名が自然体でいる。一人だけアーサーの横に見知らぬ人物がいるが、ローブを深く被っている為に詳しくは判断できない。

座る椅子は全部で五席。ヴァーリ、アザゼル、部長、シトリー、オーディン様が座る。オーディン様の斜め後ろにはロスヴァイセさんが控えていて、同じように部長やシトリーの横には眷属の何名かが控えている。残りはアザゼルの後ろとヴァーリチームのメンバーを監視するように近くに控えている。因みに俺はヴァーリチームの近くに控えている。

そして、最初にアザゼルが話を切り出す。

 

「さて……ヴァーリ、話があるってなんだよ?」

「交渉をしにきた」

 

ヴァーリの口から彼らしくない台詞が出る。その為か、俺を含めて驚きや戸惑いの表情を隠し切れない。

……何をするつもりだ? 奴の性格からして交渉はほぼ無縁なものだと思っていたが……。

 

「交渉だと?」

 

現にアザゼルも訝しむよりも思わず、と言った形で言葉を漏らす。そんな反応は、百も承知といった風にヴァーリは口を開く。

 

「そうだ。こんなに人数は要らないがな」

 

と言って、辺りを見て苦笑いを浮かべるヴァーリ。

 

「……まあ、そりゃそうだが。で、内容は何だ?」

 

それに対し、肯定するもテロリストの一派が此方に来るのに警戒しない奴はいないと言わんばかりの含みのある言い方をするアザゼル。

そして、アザゼルに急かされたヴァーリは全員の視線を集めながらも語り始める。

 

「オーディンの会談を成功させるにはロキを撃退しなければいけない。が、赤龍帝を含めた現状のメンバーでは、ロキとフェンリルは凌ぐのは至難だろう。しかも、英雄派の活動のせいで冥界も天界もヴァルハラも大騒ぎで、こちらにこれ以上人材を割く訳にもいかない」

「……何が言いたい?」

 

ヴァーリの勿体ぶるような前置きにアザゼルは本題を急かす。

 

「今回の一戦に関して、俺は……いや、ヴァーリチームはお前たちとの共闘を申し出る」

「……! 本気か、ヴァーリ?」

 

……ッ! 共闘だと!?

俺やアザゼルを含め、驚愕の表情を浮かべる。誰もがこの反応をするのはわかっていただろうヴァーリは調子を崩さずに話を続ける。

 

「ああ、そして……最終的にフェンリルに関しては此方に任せてもらいたい」

「ヴァーリ、何をする気だ?」

 

ヴァーリのフェンリルを任せろという台詞に眉毛を潜めアザゼルは問う。反応は多々あれど、アザゼルの問いにはヴァーリたちを除く全員が同調しただろう。ヴァーリは珍しく言葉を選ぶように重々しく口を開く。

 

「……俺たちの目的は、フェンリルの捕獲。及び使い魔とする事による戦力の強化だ」

「……続けろ」

 

既にヴァーリの発言にはなんとなく想像をついていた俺はともかく、他のメンバーも度重なるヴァーリの発言にそこまで大きな反応は示さなかった。

アザゼルから続きを求められたヴァーリは更に話を続ける。

 

「よって、此方の申し出は共闘の許可に加え、フェンリルを捕獲する際の手助け……いや、ロキに邪魔をされないようにして貰えれば構わない。それで、対価は二つ。一つは黒歌の「禍の団(カオス・ブリゲード)」の脱退。もう一つは、『支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)』だ」

 

この対価にヴァーリチームにアザゼル、オーディン様を除く全員が目を見開く。特に塔城は同時に口を抑えて驚きを隠せていない。

……実は俺も内心結構驚いている。チラ、と黒歌を見ると偶然か目が合った。黒歌は目が合った瞬間に笑みを浮かべてウインクをして来た。

アザゼルは俺と黒歌を見ていたらしく、肩を竦めて頭を少し降ると口を開く。

 

「……ここまで用意周到か。たしかに、戦力が欲しい上に英雄派の行動とお前の行動が繋がっているって可能性はお前の性格を考えれば低い」

「ああ、彼らとは基本的にお互い干渉しない事になっている。……で、どうする? 俺はそちらと組まなくてもロキとフェンリルと戦うつもりだ。最悪の場合には三つ巴になるかもな」

 

ヴァーリに問われたアザゼルは、一度ヴァーリと目を見てから部長とシトリー、オーディン様の方へ視線を向けて話を振る。

 

「リアス、ソーナ、爺さん、どうする? あまりこういう発言はよくないが、俺個人としてはそこまでデメリットは感じないんだが……」

 

そのアザゼルの問いに、オーディン様は直ぐに、部長は塔城を見て少し間を開けてから、シトリーは二人の回答の後に口を開いた。

 

「ふむ、儂も良いと思うのぉ」

「ええ……私も申し出を受けるべきだと思うわ」

「……はい、受けるべきかと」

 

三名の返答を聞いたアザゼルは立ち上がりヴァーリの目の前に歩き、手を差し出す。

 

「それじゃ、よろしく頼むヴァーリ」

「ああ」

 

直様察したヴァーリは立ち上がりアザゼルと握手を交わした。

……こうして、二天龍の共闘が成立したのであった。

 

 

 

 

「……さて、ヴァーリの件がひと段落ついた所で、ロキ、フェンリルの対策をとある奴に聞く予定だ」

 

ヴァーリとの共闘の件が済んで一旦、オーディン様とロスヴァイセさんが別室に本国との連絡を取りに行ったのを確認したアザゼルが俺たちに話を切り出す。

その内容からその奴というのに心当たりのある俺は声を漏らす。

 

「奴……まさか……」

「そうだ、五大龍王『終末の大龍(スリーピング・ドラゴン)』ミドガルズオルムから聞く」

 

予想通り、アザゼルの口から語られたのはロキが来たる終末に備えて生み出した龍でその力は五大龍王として数えられるほどのものだ。ロキやフェンリルの対策の手がかりになる情報を持っているだろう。

しかし、こいつと会話するのは……

 

「しかし、ミドガルズオルムは本来は北欧の深海で眠りについている筈だが……?」

 

ヴァーリが俺が思っていた事と同じ疑問を口に出す。ミドガルズオルムは先程説明した通り強大な力を持っている。だが、怠け癖が凄まじく北欧の神々……生みの親のロキでさえも使い道を見出せなかった程だ。最終的に終末時には何とかしろと言われて基本的に深海で眠っている。

ヴァーリの問いにアザゼルが周りに聞かせるように答える。

 

「二天龍と龍王であるファーブニルの力、ヴリトラの力、タンニーンの力で『龍門(ドラゴン・ゲート)』を開く。そこからミドガルズオルムの意識だけを呼び寄せるんだよ。……まあ、白龍皇は予想外だったが多いに越したことはない」

 

龍門(ドラゴン・ゲート)』……成る程、その手があったか。俺単体では使えないものだからその存在を忘れかけていた。

 

「お、俺もですか……? 正直、怪物だらけで気が引けるんですけど……」

 

匙は自分の名を呼ばれて自分がいってもいいのかと不安げな様子でいる。

匙も一応、五大龍王の一角ヴリトラの魂が宿る神器(セイクリッド・ギア)を所有している。なんでも、赤龍帝の血によって匙の神器にはヴリトラの意識が蘇りつつあるらしい。さらに、アザゼルが言うには他のヴリトラ系神器を移植出来れば可能性は高くなるとの事だ。

 

「まあ、要素の一つとして来てもらうだけだ。大方の事は俺達や二天龍に任せろ。とりあえず、タンニーンと連絡が付くまで待っていてくれ。俺はシェムハザと対策について話してくる。お前らはそれまで待機。バラキエル、付いてきてくれ」

「了解した」

 

そう言ってアザゼルとバラキエルさんは大広間から出ていき、残されたのはオカルト研究部員と生徒会のメンバー、ヴァーリチームの面々となった。そして、すぐにヴァーリが立ち上がって俺に近づく。

 

「さて、ゼノン。対価を先に払っておこうか……」

「……ああ」

 

何と無く身構えてしまった俺だが、返事を返す。すると、アーサーが亜空間からある一振りの聖剣を取り出して此方に丁重に差し出してきた。

 

「どうぞ、これが『支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)』です。それと……」

「ゼノン!」

 

何か続きを話そうとしたアーサーの言葉を俺の名を呼び、且つ俺に抱きつく事によって遮った女性がいた。

抱きつかれる前に『支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)』を亜空間に仕舞って抱きつきの衝撃に備える。

 

「……っと、黒歌か」

 

その人物を軽く引き離し、確認するまでもないが見て呟く。すると、黒歌は面白くなさそうな表情を浮かべる。

 

「あら、素っ気ないのね。 ……て、あら? そちらは?」

 

しかし、言葉の途中で黒歌は俺の隣に視線を動かして疑問を口にする。横を見るといつの間にかイリナがいて黒歌を睨む。

……お前は何故黒歌を睨んでいるんだ?

 

そんな疑問を余所にイリナは黒歌に問いかける。

 

「……貴方が黒歌さんですか?」

「あら? 知ってるの?」

「ええ……負けませんから」

 

今のイリナの言葉で黒歌はイリナが俺に想いを寄せている事を理解したようで、黒歌はニヤリと笑みを浮かべた後に素に戻り爆弾発言をする。

 

「ふーん、私は妾でもいいのよ?」

「め、妾!?」

 

イリナの大声に大半が此方に視線を移す。そんな事を気にせずに黒歌は話し始める。

 

「別に一番、二番にはこだわらないにゃん。……と今更だけど、ありがとうね、ゼノン」

 

と普段の調子より少し真面目になって礼をする黒歌だが、俺は先程の爆弾発言もあって少し肩を竦めて返事を返す。

 

「感謝は受け取っとくが……そういう発言は控えろ」

「そうね。白音! あの時ぶりにゃん!」

 

俺の言葉には適当に返事を返して塔城へと近づく黒歌。……こいつは絶対直す気はないな。まあ、変に気を遣われるよりはマシ……か?

 

「黒歌お姉様……。ゼノン先輩、本当にありがとうございます」

 

先程の発言も有ってか、塔城は黒歌との再開を喜びながらも複雑な表情を浮かべる。塔城の礼に手で答えると、 周りを軽く見回してみる。

黒歌の妾発言に今だにアワアワしているイリナが近くにいて、黒歌と塔城が少し離れた所で話をしている。アーサーがローブの人物と共に裕斗と何かを話している。ギャスパーは何故かその後ろで様子を伺っている。

そんな中である声が響く。

 

『ま、待て! 誤解だ! 乳龍帝と言われているのは宿主で有って……』

『乳をつついて覚醒に、挙句は「覇龍」の解除もだと? 後者を見せられた私の心情を考えた事があるのか?』

 

……この話は聞いてはならないような気がする。二天龍のこの嘆きを聞いていると自分まで胃が痛くなりそうだ。

因みに一誠はもはや開き直った様子を示しており、ヴァーリは普通にどうしたものかと困っている。

そんな宿主など御構い無しで二天龍の会話? は続く。

 

『そ、それは私も同じだ! 私は定期的に処方してもらわなければならないのだぞ!?』

『処方だと……? それが受けられるならば良いではないか……』

 

結局の所、アザゼルが『龍門』の準備を終えて戻って来るまでこの会話は終わることは無かった。アルビオンとドライグが最後の方で和解しかけていたのは何故だろうか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

ミドガルズオルムとの対談を挟んだ翌日、俺たちは再度魔改造された兵藤宅の地下にある大広間に集まっていた。因みに今日は学校があるが、それに関しては俺たちを模した使い魔などに代わってもらっている為に全員欠席などという問題はない。

 

そんな中でオーディン様と匙を除く全員が集まり、最後に来たアザゼルとロスヴァイセさんが此方に近づいてきた。アザゼルは見るからに不機嫌で、小言を呟いている。ロスヴァイセさんは俺の前まで近寄ると、布に包まれた片手で持てる何かを丁重に手渡してきた。

 

「どうぞ」

 

布を丁寧に取ると、その中には豪華な装飾に北欧系の紋様が刻まれた日曜大工で使う程度の大きさのハンマーが有った。それが何なのか把握した俺は思わず疑問を口にする。

 

「ミョルニル……!? いや、レプリカ? だが、何故……」

「オーディンの爺さんからだ。本物に近い力を持ってるが、レプリカだ。……どれ、オーラを流してみろ」

 

アザゼルの言葉を聞いて一つ間を開けて周りから距離を取って、ミョルニルのレプリカに聖なるオーラを静かに流す。ミョルニルのレプリカをある程度大きくした所でオーラを停滞させて片手で雷が出ない程度に軽く振ってみる。

ミョルニルのレプリカは柄の部分はともかく頭の部分が自分の背丈より一回り小さい程度にまで巨大化しているが、重さすら感じられない。

それをみたアザゼルは頷くと口を開く。

 

「よし、扱えるようだな。今回のロキとの戦闘ではお前にミョルニルのレプリカを使ってもらう」

「俺か?」

 

これならば他のやつの方が適任ではないか? と思いアザゼルに微妙な表情を向ける。

すると、アザゼルは少し考えた後に口を開く。

 

「……見せれば早いか、イッセー、持ってみろ」

 

アザゼルに言われて近づいてきた一誠にミョルニルのレプリカを手渡す。特に気にせずに手渡したのが間違いだったか、ミョルニルの性質を忘れていたのが不味かったのか、一誠が手に取った瞬間にミョルニルのレプリカは先程までの羽のような軽さはなんだったのか、大きな音を立てて大広間の床に落ちて軽く食い込む。落下した衝撃で大広間全体が大きく振動する。

 

その揺れの意味、というか一誠が持った瞬間に重くなったというのを見てミョルニルの性質を思い出した。それと同時にある一つの疑問が浮かぶが扱う分に支障はないので今は考えないことにする。

 

「重ッ!」

 

一誠は力を込めてミョルニルのレプリカを持ち上げようとするが、言葉に出たように重すぎて持ち上げられないようだ。一誠はミョルニルのレプリカを片手で持ち上げた俺を信じられないものを見るような表情を浮かべて見つめる。それを見たアザゼルは再度口を開く。

 

「お前らにも説明するが、ミョルニルは力強く、純粋な心の持ち主にしか使えない。レプリカも同じでな。神しか扱えないのはバラキエルの協力でなんとかしたが、こればっかしは無理だった」

 

それを聞いて驚きや納得、意味深な笑みを浮かべるなど様々な反応を周りは示すが、アザゼルは気にせずに話を続ける。

 

「ミョルニルのレプリカを渡されてから誰に渡すか考えたが……結論はお前になったわけだ。先ず頭に浮かんだのは転生天使のイリナだったが、今回は別の役割が有るからな……見送りになった。二天龍や後援組は言うまでもないが無理だ」

 

アザゼルの言うイリナの別の役割に心当たりがつかずに何かあったか? と思い出そうとするが、思考の途中でアザゼルが話し出したので中断する。……今すぐ知らなければならないことではないだろうしな。

 

「残りは塔城に木場とお前なんだが……塔城、木場、これと同じ形状の獲物での戦闘経験はあるか?」

「……ないです」

「ありません」

 

といって広間の床に突き刺さっているミョルニルを指して言ったアザゼルの問いに二名は直様返答する。確かに、この中でハンマー系統の武器を使った事が有るのは俺くらいか。といっても、デュランダルが使えずにいざという時の為だけに習っただけだからな。

 

「というわけだ、それに今すぐエクス・デュランダルを扱いこなせるようにはならないだろ?」

 

まあ、確かにな。……説明と描写もしていなかったが、前に言ったエクスカリバーをデュランダルの補助パーツ、つまり剣の『鞘』として使うことで完成した新生デュランダル……安直だがエクス・デュランダルは一誠たちがミドガルズオルムと会っている際にグリゼルダさんを介して送られてきた。

エクス・デュランダルは従来と大きく変わった点は二つ。一つはデュランダルにエクスカリバーの能力を付加できる。もう一つは『鞘』から切り離す事によってエクスカリバーを使用する事ができる点だ。前者の能力がメインで後者はイリナの鍛錬用の為に切り離しが出来ないと不都合があるからこのような感じになったそうだ。

これを使い始めたら誰にでもパワータイプでは無いことがバレるが、今更なんだって話か。

 

そして、俺が納得したのを見るとアザゼルは本題を切り出す。

 

「さて、ミョルニルの件が終わった所で作戦を確認する。ロキとフェンリルが来るのを会談の会場で待ち伏せして、補足次第シトリー眷属らの手で転移させる。場所は採掘場の跡地だから周囲の心配はいらん。ロキは二天龍とゼノン、ミョルニルでトドメをさせ。フェンリルに関してはヴァーリとの契約があるが、基本的に気にせずに鎖を使って捕縛からの撃破で問題ない……神喰狼を滅ぼすのはそう簡単ではないからな」

 

そして、俺たちはロキ対策の準備を進めていった。各自が各々の役割をこなす為に散っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……こんなものか」

 

俺は地下のトレーニングルームにてミョルニルのレプリカと『支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)』の確認をしていた。ミョルニルのレプリカについては大体の動作確認を終えた為に一息ついていた。

次に『支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)』の性能を確認をしようと亜空間から取り出そうとしたその時にトレーニングルームに四人の女性が現れた。

 

そちらを振り向くと、イリナに黒歌、アーシア、ロスヴァイセさんがいた。この面子の共通点が分からずに簡潔に問いかける。

 

「どうした?」

 

「えっと、ミョルニルのレプリカの調子を確かめに来ました……オーディン様は二天龍の方に行ってらっしゃるので、私が確認をしに来ました」

「私とアーシアさんは、アザゼル先生に頼まれた私の役割の調整よ。ゼノン、突然で悪いけど『祝福の聖剣(エクスカリバー・ブレッシング)』を出してくれない?」

「私はただ見に来ただけにゃん」

 

すると、四人が要件を述べる……正確には三人だが。黒歌はともかく、残りの三人には言葉を返していく。

しかし、『祝福の聖剣(エクスカリバー・ブレッシング)』か。成る程、これで『聖母の微笑み(トワイライト・ヒーリング)』の回復力や範囲などを上げるのか。確かに『聖母の微笑み(トワイライト・ヒーリング)』は解釈にもよるが「対象を癒す」という「聖なる儀式」に入る。こじ付けに限りなく近いが、元シスターのアーシアで『聖母の微笑み(トワイライト・ヒーリング)』という明らかにそちら寄りの神器(セイクリット・ギア)だからこそなんだろう。

 

エクス・デュランダルから『祝福の聖剣(エクスカリバー・ブレッシング)』を取り外してイリナへと手渡す。この聖剣は独特の才能を必要とするために使い熟せるかが懸念材料だが……何と無くだがイリナにはこっちの才能は有る気がするな。俺はこの聖剣は全くといっていいほど適性が薄いのはエクス・デュランダルが届いて一通り試して見てわかった。

 

「……ミョルニルのレプリカに関しては大丈夫です。よっぽどの事が無い限りは使えなくならないでしょうし」

 

とロスヴァイセさんに言ってから、イリナの方を向いてエクス・デュランダルから『祝福の聖剣(エクスカリバー・ブレッシング)』を取り出して彼女に手渡す。受け取ったイリナとアーシアに何故か黒歌は俺から離れてトレーニングルームの端へと移動する。俺が彼女らの移動を確認してから亜空間から『支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)』を取り出すと、ロスヴァイセさんが口を開く。

 

「あの、宜しければお手伝いしましょうか?」

 

思いがけない彼女の発言に内心驚くが、せっかくの好意を無下には出来ない。それに、『支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)』の性能を確かめるには丁度良かった。言い出さなければ黒歌当たりに頼む予定だったがな。

 

「ええ、よろしくお願いします」

 

という事で軽く頭を下げる。

だが、彼女は若干言い辛そうな表情を浮かべて口を開く。

 

「……もう少しフランクに話しても構いませんよ? オーディン様の御付きといえどただの戦乙女に過ぎませんし……その……」

 

途中で言い淀むロスヴァイセさん……ロスヴァイセに何と無く光栄のような嫌な予感を感じる。

……俺は何か彼女の眼鏡に叶うような行動はしたか? まあ、悩んでも仕方がないか。

 

「わかった。よろしく頼む、ロスヴァイセ」

「は、はい!」

 

こうして俺たちは途中で黒歌が参戦し始めたが特に問題は起きずに夜まで確認と調整を行った。

結果は上々だったと言っておこう。

 

 




ロスヴァイセの云々に関しては後ほど……というかヒロインの扱いが難しい件。
二天龍はいつもの二天龍です。

祝福の聖剣に関しても独自解釈……こじつけですのでご勘弁を。
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