まさかこいつに憑依するとは   作:Aqua@D

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予定変更、全7話から6話に。
今回が多めなのは予定変更によるもの。




What is Durandal? Ⅱ

 

「……っ!木場、コカビエルが動き出した、速度をあげるぞ!」

 

駒王学園に向かう途中に、結界内ではっきりとは感じられないが聖剣が反応している。

 

「了解!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駒王学園前につくと敷地内全体に結界がはってあって、その外にはシトリーとその眷属……だろう人たちがいた。

 

「さて、シトリー。現場は?」

 

今直ぐに入りたいが、結界を突き破るのも手間がかかるし、無駄だから大人しく、シトリーに開いてもらうように話しかける。

 

「え、ええ。今は、グレモリー眷属が時間稼ぎをしています。それで、ケルベロスと交戦中です」

 

「時間稼ぎってことは、応援が?」

 

「ええ、後一時間後にルシファー様が」

 

……一時間後?まさか、数時間前に呼んだ……とかじゃ無いよな。

 

「そうか、加勢しに中に入る。入れてくれるか?」

 

「……わかりました」

 

シトリーの許可を得て一部だけを開いた結界をくぐり、敷地内に入る。すると、上空に浮かぶコカビエルに、その後ろに控えるバルパーとフリード。その二人の近く浮かぶ三本のエクスカリバー。

 

さらに、対面するグレモリー眷属がコカビエルが召喚したケルベロスと戦っている。

 

「加勢する」

 

といって『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』による剣圧でグレモリー眷属の周りのケルベロスを全て吹き飛ばす。

 

「部長! 朱乃さん! ケルベロスを屠れるだけの力を得ました!」

 

すると、兵藤が叫ぶ。すごいな、最近悪魔に転生したとはいえ、やはり赤龍帝か……。

 

「イッセー! あなたの譲渡を私と朱乃、二人同時にできないかしら?」

 

すると、グレモリーが問う。

……なんだ、譲渡か。そのまま蹴散らすのかと期待した俺って一体……。

 

「…………どちらにも倍加した力の七割か八割しか譲渡できませんけど、可能です!」

 

兵藤は少し考えるような素振りをした後にそういった。この間にバルパーの周りに書かれた術式を解析する。

 

「それだけあれば十分よね、朱乃?」

「はい、いけますわ」

 

グレモリーと姫島は顔を見合わせ、兵藤に譲渡するように言った。すぐさま、兵藤は二人に近づいて、肩に触れる。

 

赤龍帝の贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)!」

 

Transfer(トランスファー)

!』

 

兵藤の声と同時に体を通して、倍加された力がグレモリーと姫島に流れ込んでいく。そして、両者から魔力が溢れた。

確かに、ケルベロスを奢るれるだけ(・・)の力にはなったな。

 

「いけるわね、朱乃!」

「はい! 天雷よ! 鳴り響け!」

 

何の余裕かわからないグレモリーの不敵な笑みに応えるように、姫島が雷の照準をケルベロスへと合わせる。しかし、それを察知した為、ケルベロスはその場から逃げようとしていた。

 

「逃がさないよ」

 

だが、ケルベロスは逃げることはできず、その四肢を地面から生えた無数の魔剣によって貫かれた。……木場か。援護としては素晴らしいが、来るのが遅くないか?

 

そして、ケルベロスに姫島の雷が降り注いだ。

 

轟音が鳴り響き、残りのケルベロスはその身を雷に焼かれて無に還った。

 

「くらえ! コカビエル!」

 

ケルベロスが消滅し、即座にグレモリーがコカビエルへと手を向ける。すると、滅びの魔力の塊が撃ち出された。

 

「でかい!」

 

兵藤が、その大きさに驚愕して声を出す。知らんが何時もよりも格段に大きいみたいだが……。

 

案の定、コカビエルは軽く右腕のみ防いでいだ。そして、コカビエルは受け止めていた腕を上に向けて、グレモリーが放った魔力の軌道をずらした。その魔力は天高く飛んで行った。

 

「ふふ、なるほど。赤龍帝の力があれば、リアス・グレモリーの力がここまで上がるのか」

 

余裕綽々と笑うコカビエル。

そして姫島の方を見て言葉を続ける。

 

「それに、そこの女はどうやらバラキエルの力を宿しているようだな」

「私をあの者と一緒にするな!」

 

コカビエルの言葉に目を見開き、激昂した姫島が雷を連続して落とす。だが、そんな集中力の途切れた攻撃が通用する筈も無く、コカビエルは鼻で笑うと翼ですべてを薙ぎ払った。

 

そして、こちらを向いた。

 

「ほう、生きていたのか。……おや、もう片方の聖剣使いはどうしたのかね?死んだか?」

 

コカビエルの挑発に何故か苛つくが出来るだけ冷静に返答する。

 

「巫山戯るな、生きてる」

 

……冷静というよりはぶっきらぼうだな。

 

「そうか、残念だ。死んでいればミカエルの奴も動くかもしれなかったんだがな」

 

やはり、目的は戦争か。戦争狂か?こいつは。

 

「……完成だ」

 

バルパーの声が聞こえ、そちらを向く。すると、校庭の中心にあった三本の聖剣が今までにないほどの輝きを放っていた。俺の胸元にある『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』の核と俺の手元の『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』が反応している。

 

「三本のエクスカリバーが一つになる」

 

神々しい光が辺りを覆い、宙に浮いている三本の聖剣が重なり一本の聖剣になった。

 

「エクスカリバーが一本になった光で下の術式も完成した。あと三十分もしないうちにこの町は崩壊するだろう。解除するにはコカビエルを倒すしかない」

 

は?本気かよ。時間までにコカビエルを倒さなければ、町ごと俺らはお陀仏ってことか?

 

ってことは、サーゼクス・ルシファー殿の到着は間に合わない。

 

ってことは俺の奥の手を出す必要があるか……(今まで忘れてたなんて、口が裂けても言えない)

 

「フリード!」

「はいよ、ボス」

 

コカビエルの呼びかけで、フリードが歩いてくる。

 

「陣のエクスカリバーを使え。最後の余興だ。 三本の力を得たエクスカリバーで戦ってみろ」

 

コカビエルの言葉に聖剣を取り、気味の悪い笑みを浮かべるフリード。あれを無視して木場に話しかける。

 

「木場、あのエクスカリバーの破壊に協力してくれないか?」

 

「いいのかい?」

 

木場がそう言うが……

 

「実際、あの聖剣の核さえ回収できれば問題ない。それに、今の状況で協力し合わない手は無い」

 

奥の手を出すのにも、それなりに時間がかかるし現場のエクスカリバーには『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』では威力不足だ。『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』が有ればな……。あんな事しなければな……。

 

「くくく……貴様はあの計画の生き残りか。数奇なものだな、この極東の島国で会うことになろうとはな……」

 

嫌悪感を抱くような笑い方するバルパー。そして、バルパーは自身の過去を何故か語りだした。

 

今の内に、奥の手の準備をするか……って何て唱えれば良いんだっけ?

 

「私は、聖剣が好きだ。聖剣の物語に心を躍らせたこともある。だが、だからこそ、自分に聖剣が使えない時は絶望し、聖剣使いに憧れ、その思いは高まり、聖剣の使えるものを人工的に創りだす研究に没頭して、そして研究は成功した。キミたちのおかげだ、感謝しているよ」

 

聖母マリア、ディオニュシウス、バシレイオス、そしてペトロよ、だっけ?何かごっちゃになっている気が。

 

「成功……? 僕たちを失敗作だとして処分したじゃないか」

 

その後は覚えているんだけどな……“我が声に耳を傾けてくれ。

この刃に宿りしセイントの御名において、我は解放する。デュランダル”……だよな?

 

「聖剣を使うのには、必要な因子がいる。しかし、被験者たちには因子はあるものの必要な数値に満たなかったのだ。そこで私は、因子を抽出して集めることができないか、と考えたのだよ」

 

うーん、バシレイオス、ペトロにディオニュシウス、聖母マリアの四名が入っていたんだよな。

 

「そして、私は持っている者たちから因子を抜き取り、このように結晶化させたのだ」

 

バルパーが懐から光り輝く球体を取り出してこちらに見せてきた。

 

……ん?なんだあれ?すっかり考え込んでいたな。順番が思い出せないし……。

 

「これにより、聖剣使いの研究は飛躍した……が、教会は研究資料を奪って私を異端認定した。貴様を見る限り、私を異端認定したくせに研究は引き継がれているらしい。だが、あのミカエルのことだから因子を抜き出しても被験者は殺していないだろう。まあ、私よりは人道的だろうな」

 

その後、愉快そうに笑うハルパー。しかし、俺は関係無いぞ?天然の聖剣使いだからな。

 

「同志たちを殺して、因子を抜き出したのか?」

 

木場が殺気のこもった声でバルパーに問いかける。

 

「ああ、そうだ。この球体はその時のものだが、三つほどフリードに使用してしまった。残りのこれは最後の一つだ」

 

「俺以外の奴は因子についていけなくて死んじまったけどな!やっぱり、俺様はスペシャルだねぇ!」

 

俺的にはフリードがついていけたのが驚きだよ。

 

「……バルパー・ガリレイ。自分の研究の為だけにどれだけの命を弄ぶつもりだ」

 

木場の手が怒りで震え、怒りから生み出される魔力が祐斗の体を覆った。なんだ?パワーupフラグか?

 

「ふん、この因子は貴様にくれてやる。環境が整えば後で幾らでも量産できる段階までは研究できている。先ずは、この町を破壊する。その後、世界各地の聖剣をかき集め、聖剣使いを量産した上で統合されたエクスカリバーでミカエルと教会に戦争を仕掛けてやる」

 

バルパーとコカビエルが手を組んだ理由がそれか……。しかし、計画的には無理が有りまくるぞ?この町が破壊されたら魔王が許さないだろうし、ミカエル様もジュリオさんたちが動くだろう。どう頑張っても準備期間なんてねぇよ。

 

そして、バルパーは聖剣の因子を木場に向かって放り投げた。コロコロと転がりうまく木場の足下で止まる。

 

「みんな……」

 

木場はしゃがんでそれを拾う。その瞳からは涙が流れていて、表情には悲哀の感情と怒りの感情が浮かんでいる。

 

『……』

 

「ん?」

 

そんな時、先程の因子から淡い光が漏れ出し校庭を包む。そして、ぽつぽつと光が人の形を成す。

 

そして、木場を囲むように現れた少年少女たち。

 

「この場に漂う様々な力が因子に宿っていた魂を解き放ったようですね」

 

姫島がそう言った。確かに、ここには天使はいないが悪魔に堕天使、聖剣使いに、赤龍帝がいるしな。

 

木場は同胞である少年少女を見つめ、悲しそうな、しかし、懐かしそうな表情になる。

 

「ずっと……ずっと、思ってたんだ。僕だけが生きていていいのかって……。僕よりも夢を持っていた子、僕よりも生きたかった子がいた。それなのに、僕だけが平和な暮らしをしていいのかって……」

 

すると、木場の同志である一人の魂が

 

『自分たちのことはもういい。キミだけでも生きてくれ』

 

と、訴えかけてくる。

 

そして、他の少年少女も同調するように口を開く。聞こえてきたのは、ある人物につきっきりで教わった懐かしいもの……それは、聖歌。

 

近くにいる木場が彼らにつられるように聖歌を口ずさむ。歌う彼らは無垢な笑顔を浮かべていた。

 

歌う彼らの魂が輝き始める。その輝きは木場を中心に強くなっていき、その光が木場に訴える。

 

『僕らは、一人ではダメだった……』

『私たちは聖剣を扱える因子が足りなかった。けど……』

『みんなが集まれば、きっと大丈夫……』

 

悪魔は聖歌を聞くとダメージを受けるはずだが、この場にいる誰一人として苦しんでいる者はいない。

 

ふと、頬に手を当てると濡れていた……俺も自然に涙を流していたみたいだ。

 

『聖剣を受け入れるんだ……』

『怖くなんてない……』

『たとえ、神がいなくても……』

『僕たちの心はいつだって……』

 

「……ひとつだ」

 

目を閉じて木場が言葉を紡ぐと魂が天へと昇り、木場の降り注ぐ。魂から発せられた光は優しく木場を包み込んだ。木場から感じられる力が増大していく。

 

そして、木場は目を開きバルパーに告げる。

 

「バルパー・ガリレイ、あなたを滅ぼさない限り、第二、第三の僕たちの生が無視される」

 

「ふん。研究に犠牲はつきものだ。ただそれだけのこと」

 

バルパーはいかにもくだらないといった表情で、木場の言葉を切り捨てる。

 

すると……

 

「木場っ! フリードの野郎とエクスカリバーをぶっ叩けっ! お前は、リアス・グレモリーの眷属の『騎士(ナイト)』で俺たちの仲間だ! 俺のダチなんだよ! あいつらの想いと魂を、無駄にするなぁ!」

 

「祐斗、やりなさい! 自分で決着をつけるの! エクスカリバーを超えなさい! あなたはこのリアス・グレモリーの眷属なのだから! 私の『騎士(ナイト)』はエクスカリバーごときには負けはしないわ!」

 

「祐斗くん! 信じてますわよ!」

 

「……祐斗先輩! ファイトです!」

 

木場の仲間からの声援。

その声により、木場は至った。

 

「僕は……剣になる。部長、仲間たちの剣になる! 今こそ僕の想いに応えてくれッ! 『魔剣創造

(ソード・バース)』!!」

 

そして、神々しいオーラと禍々しいオーラを放つ一本の剣が手元に現れた。

 

禁手化(バランスブレイク)

、『双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)』。聖と魔を有する剣の力をその身で受けるといい」

 

木場がフリード目掛けて走り出す。俺っていらない子?……というか十分か、木場一人で。

 

金属音と共に木場の聖魔剣とフリードのエクスカリバーが衝突する。

 

均衡を保ったかに見えるがフリードのエクスカリバーを覆うオーラは、木場の聖魔剣のオーラによって見るからにかき消されていく。

 

「はぁ!? その駄剣が、本家本元の聖剣を凌駕すんのか!?」

 

驚愕の声を出すフリード。

 

「それが真のエクスカリバーならば、勝てなかっただろうね。でも、そのエクスカリバーでは、僕と同志の想いは断ち切れない!」

 

「チィ!」

 

フリードは舌打ちをして、聖剣を高速で振り回す。

 

天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)』の能力か、だが今の木場なら……。

 

「なんで当たらねぇんだよぉ! 無敵の聖剣様なんだろぉ!?」

 

いとも簡単に回避する木場に流石のフリードも焦り始めたみたいだ。

 

「なら、こいつも追加だ、くそったれ!」

 

すると、聖剣の先端が消えた。

今度は『透明の聖剣《エクスカリバー・トランスペアレンシー》』の透過能力か、しかし、これはフリードの溢れる殺気で無駄だな。

 

予想通り、フリードの透明な刀身との木場の聖魔剣が火花を散らす。

 

そして、打ち合う度に段々とエクスカリバーと聖魔剣の力の差がついてきて……

 

 

 

 

 

 

 

ついには、透明になっていた聖剣が砕けて姿を現す。

 

「マジか! マジですか! 伝説のエクスカリバーちゃんが木端微塵かよっ! これは酷いぜよ! 」

 

喚くフリードに木場が接近し、オーラを込める。

 

すると、フリードのエクスカリバーは聖魔剣と接触した瞬間、金属音が鳴り響いて砕け散った。

 

「見ていてくれたかい? 僕らの力はエクスカリバーを超えたよ」

 

エクスカリバーで受けきれなかった木場の一撃を受けて、フリードは鮮血をしたたらせて倒れる。

 

「ば、馬鹿な……。聖魔剣だと? あ、あり得ない……。相反する力が混じり合うことなどないはずがないのだ……」

 

バルパーは苦悶の表情を浮かべてつぶやく。相反する力が混じり合うことなどないはずって、じゃあ、某野菜人の漫画である咸卦法はなんなんだ?え、設定が違う?

 

「バルパー・ガリレイ。覚悟を決めてもらおう」

 

木場は聖魔剣をバルパーに向けて斬りかかろうとするが、バルパーが何かを発見したかのように声を荒げる。

 

「……そうか! わかったぞ! 聖と魔、それらを司る存在のバランスが大きく崩れているとするならば説明はつく! つまり、魔王だけでなく、神も……」

 

バルパーが言葉を続ける事はなかった。

 

何故なら、バルパーの胸にはコカビエルが放った光の槍が突き刺さっていたからだ。

 

「お前は優秀だったよ、バルパー。そこに思考が至ったのも優れているからだろうな。しかし、お前がいなくても俺は別に自分だけでやれる」

 

死んだバルパーを見下しながらコカビエルは言う。そして、大きな哄笑を上げながら、地面に降りた。久しぶりの大きな重圧に例の言霊をやっと正確に思い出した。

 

「限界まで赤龍帝の力を上げて、誰かに譲渡しろ」

 

コカビエルは不敵な笑みを浮かべ、自信に満ちた一言を発した。

 

それに対し、グレモリーが激昂する。

 

「私たちにチャンスでも与えるというの!? ふざけないで!」

 

「ふざけないで? ははは!ふざけているのはお前たちの方だ。俺を倒せると思っているのか?」

 

コカビエルから、さらなる重圧が発せられる。俺は頭の中で先程解析した術式を構造する。

 

「イッセー。赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を」

 

グレモリーが兵藤に促し、それに応じて神器(セイクリッド・ギア)を発動した。

 

Boost(ブースト)

 

機械的な音声が発せられる。

 

緊張感漂う中、特に俺に言うようにコカビエルが嘲るように言った。

 

「しかし、仕えるべき主を亡くしてまでもお前達のような神の信者と悪魔はよく戦う」

 

「……どういうこと?」

 

グレモリーが怪訝そうな口調で訊く。それを聞き、コカビエルは大笑いしながら話を続けた。

 

「そうだったな!お前達下々まで真相は語られていなかったな、教えてやるよ。昔の三つ巴の戦争では四大魔王だけでなく神も死んだのさ。だから、聖のオーラと魔のオーラが混じったそこの『騎士

(ナイト)』のようなことが起こるのだ。当然、神がいないのに神の加護など存在しない。今はミカエルが必死こいて調整しているのさ!」

 

……聖書の神の不在か……。

 

「……」

 

「……主がいないのですか? 主は……死んでいる?なら、私たちに与えられる愛は……」

 

「そんなものあるわけがないだろう。死んだ者がどうやって加護を与えるというのだ?」

 

神の死を聞かされ放心したアルジェントの呟きにコカビエルは嘲笑うように答えた。すると、アルジェントが崩れ落ちる。他の奴らも驚愕で声が出ないようだった。

 

「これで、おしゃべりは終わりだ。あとは赤龍帝による力の倍増が終わるまでの生を楽しめ」

 

コカビエルはそう言って、黙り込んだ。衝撃に事実を告げられたグレモリー眷属たちは呆然として、兵藤の倍増が終わるまで誰一人動かなかった。

 

……そして、時が訪れる

 

「きた!」

 

兵藤の声と共に、赤龍帝の籠手

(ブーステッド・ギア)が眩い光を発する。どうやら、倍増の限界に達したようだ。

 

「で、誰に譲渡する?」

 

コカビエルが興味津々に訊いてきた。丁度、術式も完成した、動くならここしかないか……。

 

「イッ……「グレモリー、ここは任せて貰えないか?」……え?」

 

俺の一言で全員の視線が俺に突き刺さった。

 

……どう説得するか。

 




今回は、

うっかりゼノン空気
祐斗Tueee!
神は死んだ!

の三本でお送りいたしました。

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