東方盗菓子録の三回目となります。
※注意!
・戦うにつれボロボロになって行く主人公、やや痛々しい表現があります。
・安定のキャラ崩壊
・作者がこの外伝に飽き……なんでもないです。
「さて……輝夜と早苗さんはともかく他の奴らは動きに規則性が無いからなあ……」
下手にうろちょろされたら困る。
「よし、ここは椛に借りてみよう。
<イーグル・アイ>」
俺が探し求めている人物が視界に写し出された。
「……確かに魔理沙さんが言った事に間違いは無さそうだ…」
なるほど、全員が全員俺と戦った記念の場所とやらに陣取っている。
余程リベンジしたいのだろう。
「最後に
俺は飛行態勢に入る。
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
地霊殿
「意外だなあ、
まさか君がリベンジを望むとは。」
「…いえ、これはこいしが勝手にしたことなのだけど……」
ああ…被害者だったか。
頭を抱えるさとりを見て気の毒に思う。
「それでも君は多少は悔しさを感じたから今そのお菓子を持っている、違うか?」
「………」
「そんな怖い顔するなって、これも妹の善意だと思えば良い。」
俺は挑発気味に言う。
まあさとりに通用するとは思えないが。
「そういえば良くすんなり此処に来れたわね。」
「姐さん達なら3年前と同じくあいつに力を借りてるよ。
こりゃまた映姫さんに怒られそうだ。」
「そう…パルスィは?
定期的に会わなければまたくどくど文句言われるわよ。」
「大丈夫でしょ、慣れたし。」
俺達は淡々と会話をする。
「それでどうするんだ?
ソレを素直に渡してくれるならそれ程ありがたい事はないが。」
「……それはダメよ。」
さとりは椅子から立ち上がる。
「やれやれ……
仕方ない、久しぶりに
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
「きっつ………」
地面に突っ伏していた俺は弓を杖代わりにフラフラと立ち上がる。
「あー……やっぱり…何年経っても君と戦うのは苦手だ…しんどくて堪らんよ全く……」
俺は鎖や杭で動きを完封しきったさとりに話しかける。
「くっ…対策を考えてもやはり敵わないのね……」
「そりゃ……俺だって強くなってるからね。」
俺は鎖や杭を外し、お菓子を受けとる。
「ま、元気そうで…安心したよ。
久しぶりに…分かり合った…甲斐がある…もんだな。」
「……そうね、3年前までは考えられなかったわ。」
不器用な者同士が争ってたあの時が懐かしい。
まずいまずい懐かしんでる場合じゃない、急がなければ。
「それじゃ……もう行くから。皆に…よろしく…言っといてくれ。」
と、俺は飛び出した。
「……負けちゃったね、お姉ちゃん。」
「こいし……最初から見てたの?」
突如現れる妹にさとりは呆れる様に言う。
「うん、総一は気付いてたよ。」
「……ありがとう。」
「え?」
「久しぶりとは言え総一と戦えて楽しかったわ。
……どうにも私には似合わない台詞だけど。」
「……うん、そうだね。」
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
「アホかお前……まさかとは思ったが本当にやるとは…アホだ…」
「アホとは何よアホとは‼︎
折角月まで送ってあげたんだから感謝しなさい。」
「送ったのは豊姫だろう…」
俺はウンザリする様に輝夜に答える。
あぁ……
「あら?私は総一に純粋に会いたいと思っての行為なのに、随分と酷い物言いね。」
「総一、もう一度考えてくれないだろうか?君は……」
こういう彼女達は綿月姉妹、まあ俺の友人の様なもんだが…
一つ特徴を挙げるとしたら、うん、めちゃくちゃ強い。
今対面してるだけで緊張感で吐き気がするくらいだ。とはいえ、
「だから俺は月には住まないってんだろ。
さっさと諦めてくれ。」
あえて突き放す様に俺は言った。
こうでも言わないと、否、こう言っても。
「ならば力尽くで取り返すのみだ‼︎」
ね、こうなるでしょ?
依姫の掛け声を合図に月の軍隊やら兵器やらがぞろぞろと。
月の民相手とか勘弁してくれよ…
「我在るに汝在りて、汝在るに我在り、
大地をも揺らぐ怒りを、荒れ狂う海の綻びを、嘲笑う生命の煌めきも、全てはこの一瞬の為。
「散れ。
全盛期<第3の禁忌>」
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
『がっは………』
俺は月面へと音を立て落下した。
血を地面に吐き出し全身を炎が包む。
『くっそ……禁忌全部使わせやがってこいつら……』
両眼は潰れ両腕は千切れ喉は焼け身体は縮み……傍から見れば俺が敗者だろう。
しかし目の前に広がる月の文明は更地となり多く負傷者が気絶している。
『賠償金は払わねえぞ。
畜生が。』
どうせまたすぐ戦える様になるだろうし。
俺は這い蹲りながらも巧みに輝夜からお菓子を奪い、幻想郷へ帰った。
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
『悪いな文さん…迎えに来て貰っちゃって。』
「いえいえ大丈夫ですよー、というよりどうしたんです?…その傷。」
文さんの背中へ乗り飛行している。
若干引き気味になりながら訪ねて来た。
『月の使者達と喧嘩した。』
「冗談を、と言いたいですが貴方ならやりそうですね。」
否定できぬ。
「…そろそろ目的地ですよ。
それじゃあ頑張ってください。」
と俺は妖怪の山へと降ろされた。
「……どうしたんだい総一?」
『貴女達以外の強敵を相手した結果がこれ。』
俺は木にもたれながら話した。
「私としては元気のお前を相手したかったが、今日はもう休んだらどうだ?」
「うん……その、私達もあまり虐めの様な真似は。」
2人の神に心配される。
ああ……嬉しいよ、相手の中でも気づかってくれるのもここだけっぽいな。
しかし、
『ハロウィンは今日までだから、それにリベンジを受けるのも勝者の義務さ。』
「いや…でもなぁ。」
ああ、もうまどろっこしい。
こっちだってきついんじゃい。
『諏訪子、加奈子。
俺を誰だと思ってるんだ、これくらいがちょうどいいハンデだ。』
挑発に対し2人はむっとする。
「ああ、そうかいそうかい。
ならちと捻ってやらなきゃあな。」
「随分と言う様になったね〜総一。
あまり調子に乗るとまた昔みたいになるよ?」
やべえ煽りすぎたか。
念のためだけど御師匠様に作ってもらっててよかった。
『特等級錬金術、賢者の石』
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
『あと2ヶ所……あと2ヶ所で……』
「ここまで弱っている貴方を見る機会ってなかなか無いですよね。」
『…わかったから撮るな。』
意識が薄くなりかけて来た俺を文さんが迎えに来た。
「半日でここまで戦う人なんてそういませんよ、もはや伝説級です。
後で取材させてくださいね。」
『了解……』
あとはぬえさんとチルノか。
相当きつくなってきたがもう後少し、そう少しなのだ。
頑張れ俺。
負けるな俺。
to be continued.