森の消滅と街の修復とエピロとプロロに任せて、ドラゴンを駆け出した俺たちを待っていたのはまたしても森だった。
「おい、ボンノー、また森が出来てるって事は・・・」
「あぁ相棒、ここにいるのであろうな・・・例のドラゴンは・・・」
「じゃあ、行くか」
覚悟を決めた俺たちは早速、森の中に入った。
しかしまあ、森と言ってもさほど大きくは無い。ボンノーが言ってたようにドラゴンの魔力切れが近いのだろう。
案の定、ドラゴンはすぐに見つけることが出来た。
ドラゴンは木の上に座っており、こちらにはまだ気づいていないようだ。
(・・・よし、また逃げられるのも面倒だし、このまま後ろから近づいて捕まえるか。)
俺がそんなことを考えながらドラゴンの背後へと近づいていく。
そしてもう手を伸ばせば届くということで
「おーい、たかしー、どこー」
「たかしさんー、どこですかぁー」
大声を出しながら飛んでくる馬鹿2人が見えた。
おいー!なんでこんなタイミングでくんだよ!
やっぱりと言うべきか大声に気がついたドラゴンは俺を見つけてすぐに翼を広げ飛び上がった。
「チィ、こうなりゃ実力行使だ。ちょっと痛いかもしれないが我慢しろよ。」
俺はボンノーを抜くと構えた。
「相棒・・・やるか?」
ボンノーは少しノリ気だった。
「ああ、これ以上商店街の皆さんに迷惑かける訳にはいかねーし、何より・・・これ以上この追いかけっこを続けるのは面倒くせーからな!」
「後半が本音だな、それこそわが相棒よ。」
だがそうこうしてるうちにエピロとプロロが俺たちの所までたどり着いた。
「ふーぅやっと見つけた。ちょっと、何してんのよ。」
「そうですよぉ〜随分探したんですよぉ〜。」
2人は近くの木に着地すると俺に話しかけてきた。
「て言うか、あれドラゴンじゃない。何してんのよ?さっさと捕まえなさいよ・・・ん、なんかこっち向いてない?」
イヤ、主にお前らの所為でこうなってんだよ。
「それにあんた、なんでボンノー構えてんの?・・・まさか!?ドラゴンと!?やめなさい、ドラゴンが可哀想じゃない!」
「そうですよぉ〜。それはちょっと引きますぅ〜。」
イヤ、だからね?君たちの所為でこんなっての!
馬鹿2人をほっといてドラゴンに突っ込もうとしたその瞬間だった。
「おいー、嬢ちゃんたち、お代を貰ってないんだか?」
・・・向こうからおっさんが走ってきた。
話を聞いてみると俺が去った後、
森の消滅と街の修復を終えたエピロとプロロの2人は俺たちを探す過程で腹が減り、
近くのファミレスに入ったはいいが2人で店のメニューを全部平らげた挙句に、
お金を持っていないことに気付き相談した結果、俺を見つけてお金を貸して貰えば良いと考えたらしく、トイレの窓から2人して抜けだし、此処まで飛んできたらしい・・・。
俺はとりあえずお金を払い、頭を下げた後、何食わぬ顔でいるポンコツ2人組の頭をはたくとひたすら謝らせた。
ひたすら頭を下げている様は、どこぞの汚職政治家か粉飾決算をやらかした企業の役員さながらである。
こういうときだけ偉い人の真似ができてもちっとも嬉しくねぇ・・・。だったら一生庶民でいいわ。
2人の誠意が伝わったのか、おっさんは特に怒ることもなく帰っていった。
最後に残ったのは、ボンノーを構えている俺とひたすら頭を下げている悪魔2人と、此方をずっと見ているドラゴンだけだった。
ちなみにこの騒動中ドラゴンは鳴きも逃げもせず、ずっとこっちを見てた。案外良いやつなのかも。
・・・さぁー、気を取り直してドラゴン捕まえるか。
なんとも締まらない空気の中、ボンノーを構えた俺と空をホバリングしているドラゴンは向き合った。
・・・そう言えば、あのおっちゃんこの状況見て何も言わなかったな。
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