この間、家は緋那さんが寝て留守になるのでペペさんに留守番をしてもらうことにした。
それにしても何でカリエルの野郎が復活してんだ?そう思いながら歩いてると向こうから見覚えのあるショタ・・・もといベルゼブブが歩いてきた。
「おーっす、ベルゼブブ~。」
俺がアイツに挨拶をすると
ピキィ!
と何かが割れる音がした。方向はくそジジイの方から
「ベ・・・ルゼ・・・ブブ?」
くそジジイはなにやら呟いてるが、ベルゼブブが俺に気づいて挨拶を返してくれた。
「あー高士くん、おはよう。学校はどうしたの?」
何やらくそジジイの様子が可笑しいが気にせずベルゼブブと最近の雲高の様子などについて話していると、
「ベルゼブブウウウウウウウーー!!!!!」
と急に叫びだした。どうしたんだコイツ、遂にボケが悪化してヴォケになったか?
「この声は、ヴァルルかな?」
「ちっクソガキが、オヤジの方はどうした。」
何かが始まった。
「やっぱりヴァルルか、お父さんなら今頃仕事をしてるよ。」
「そうか、ならお前を殺ればアイツは急いでココに来るよなぁー!」
コイツ完全に一人で暴走してやがる。
「おいベルゼブブ、一体アイツと何があったんだよ?」
「正しくは僕のお父さんと色々あったんだよ。」
俺が聞くと、そう説明してくれた。
「アァ!?話は済んだか!?殺すぞオラァ!」
地元のヤンキーかよ、さすがに部下のカリエル・・・じゃなくてコットン100%とプリムがとめに入った。
「ヴァルルさん落ち着いて。」
「後で、“アレ"をあげますから・・・ですわ。」
くそジジイはそのワードをを聞いた瞬間に元に戻った。“アレ"とは?
「ふぅ、すまなかった、では先を急ぎましょう。」
再び歩き始めると、ベルゼブブもついてきた。いやお前が付いてきたら危ないだろ。
「高士くん、君らはこれから天使達と何をするの?」
「ああ、これから奴等と闘う、そのための場所に向かってるんだ。」
そう言うと、ベルゼブブは黙って懐から何かを取り出した。紙だ。
「これを貸して挙げる。本当はボクも戦いたいけど周りへの被害が大きくなるからね。」
紙には、“あすたろと"と子供っぽい字でかかれていた。裏には魔方陣。
「これは?」
俺がベルゼブブに尋ねるが、一枚の紙を残して奴はすでに居なくなっていた。
「ふんふん、魔方陣に君の血を付けるとボクのお供のアスタロト君が出てくるよ。か」
そうこうしてるうちに、目的地に着いた。山の中にある自然公園だ。平日だから人なんて居やしない、中々いいチョイスだと思う。
ヴン!
聞き覚えのある、重低音と共に結界が張られた。しかも結構範囲が広い。ヴァルルは結界を張り終えると此方を向いた。
「さあ、始めましょうか。」
俺はエンドの首輪を外した。
「で、俺と戦うのだれ?」
俺はポケットからボンノーを出すとある程度大きくし肩に乗せながら聞いた。
「もちろん僕だよ。この間は君とその魔剣に手酷くやられたからね。」
カリエルがニヤニヤしながら一歩前に出てきた。
あ、若干口元が引きつってる。まだ根に持ってんなあいつ。
「と言うことは自分の相手はあなた達お二人ですか。」
砂城さんも腰から袋を取り出すと臨戦態勢に入った。
するとクソジジイが、
「おっと、何を勘違いしているか分かりませんが私は戦いませんよ。」
とか言い出した。
「何より一介の魔術師如き、我々天使自らがが複数で戦う必要など無いでしょう。よってあなたと戦うのはこのプリムただ一人ですよ。」
このクソジジイ完全にナメてやがる。
「しかし、もしもという場合もあるでしょう。なので置き土産を残していきましょう。」
クソジジイはそう言うといきなり棺を3つ召喚した。
「こ、これは?」
砂城さんが尋ねると、
「我々は天使ですよ、地上の人間はある程度私たちの思い通りに操れます。死体は尚更でしょう!。」
クソジジイはそう言うと、棺を3つとも開け放った。
中から出てきたのはリビングデッド。つまり生きる屍だ。まあ、わからない人はゾンビみたいなものだと思ってくれればいい。
「では十分にあらがってくださいよ。カリエル、プリム後は任せましたしたよ。」
「「は!ヴェルル・モント様!」」
クソジジイはそう言うと消えていった。
「さて、こちらも始めるしようか。」
クソジジイを見送ったカリエルがこちらを向き言った。
「プリム、そっちの魔術師は任せたよ。」
カリエルがプリムに言う。
「はいですわ。ご心配なく、私がこんな魔術師如きに負けるわけなりません。」
プリムが笑顔で答える。
うわー、なんか砂上さんから黒いオーラ出てんだけど・・・。
「高司くん。そちらのパーマは任せましたよ。自分はそこの鶏女を潰しますんで。」
キ、キレてるー!おもっきしキレてるよー!。
そりゃクソジジイとプリム、いくら天使とは言え2人に“魔術師如き”なんて言われたらキレるよな。
「は、はい、善処します。」
答えた俺はカリエルへと剣を向けた。
「じゃあ始めよう。」
カリエルがそう言った次の瞬間、奴の姿は俺の後ろにあった。
とっさに振り返った俺を誰が責められよう。
振り返った俺はそのままカリエルの回し蹴りを受け近くの遊具に突っ込んだ。
「おいおい忘れたのかい高司?僕の能力は神速だよ。そんなにチンタラしてていい分けないだろ?言っておくが僕があの爆発で受けたダメージと屈辱はその比じゃないがね。」
そうだったコイツ、能力でメチャクチャ早く動けるんだっけ。
俺はすぐさまここに来る前にぺぺさんにもらっておいた障壁魔法の護符を発動し展開した。
何でもこの障壁、中にいれば少しの間だけ敵の攻撃を防いでくれる優れものらしい。
一緒に行けないからとせめてもの餞別としてここに来る前くれたのだ。
「あんにゃろー、思いっきり蹴りやがって。この前の事どんだけ根に持ってやがんだよ・・・。」
「大丈夫か相棒?」
ボンノーが聞いてくる。
「大丈夫と言えば嘘になる。まあ心配すんな、俺だって前より少しは強くなってんだ。」
俺は血が混じった唾を吐き出しながら答えた。
「そうか、それよりもどうする、奴はこの間よりも強くなっているぞ。」
「だろうな、てかそもそもアイツこの間だって全力じゃなかったんだろ?じゃあ俺より強いのは当たり前だろ。」
「むぅ、それもそうだな。だがどうする相棒よ。」
「・・・賢者タイムを使う。それも最初から全力で。」
「な、正気か相棒!?最初から全力で使えば確かにあやつの速度に追い付くのは可能かも知れないがその分長期戦は望めないのだぞ!。」
「知ってるよ。何回使ってると思ってんだ、俺だって学習する。」
「だがッ!」
「それしか方法がないだろ?どのみち天使相手に長期戦に持ちこもってのは虫が良すぎるだろうしな。」
「それはそうだが。」
「じゃあ今打てる最高の手を打つしかねーだろ。元々、最初から短期決戦で決めなきゃならねーとは思ってたからな。
それに何より俺はお前がいないとタダの性格が少し歪んでる超絶イケメンの高校生でしかねーからな。」
「相棒、自分の性格が歪んでると気付いていたのだな。少しどころではないが。」
「今ツッコむとこそこじゃねーだろ!」
「ハハハ。だが!それでこそ我が相棒だ!分かった!相棒の望み通り最初から全力で逝くぞ!」
「おいちょっと待て!“いく"の字違うだろ!」
「ハハハ、気にするな。」
「たっく、縁起でもねー。これでも割と頼りにしてるんだぜ、伝説の魔剣さんよ。」
「ほーう、随分嬉しいことを言ってくれるのだな相棒よ。買い被り過ぎではないのか?」
「そうでもないぜ。魔人の魔剣のくせにお節介で口うるさいし勝負事にハッキリしない事を嫌うのに爆弾とか仕掛けるし。そのくせ仲間思いで何かと助けてくれる。」
「ふん、よく知ってるな。」
「相棒だからな。」
「お主こそ、超絶イケメンだったか?それのくせに非リアでリア充を恨んで女子にはモテない。そして、成績優秀でスポーツ万能、会って間もない魔剣がバカにされたら自分の事のように怒ってくれる。」
「へぇー、よく知ってんじゃねーか。」
「我の相棒だからな。」
「へん、違いない。」
「そんじゃまあ、いっちょやりますか。」
「応」
ようやく障壁魔法を破ったカリエルが此方へ向かってきた。
「「賢者タイム!」」
俺とボンノーの声が重なった。
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