ヤバいよやばいよ!
ドゴーン!!
「う、うあぁー!!」
奴が使った爆発魔法で俺の左腕が吹き飛び肩から先が無くなった。
「相棒!」
「ひゃっはあー!良い声で鳴いてくれるね!。でも楽には殺さないよ。君には十分苦しんで死んでもらう。ペット共々な!」
左の肩口を抑えながらうずくまる俺を見下ろしながらカリエルは言う。
「さあ!もっと泣き叫びなよ!」
剣を持ち上げたカリエルはそのまま剣先を俺の太股へと突き刺す。
「うあー!!」
何度も何度も
クソ!これじゃ脚まで使い物にならなくなる。
「やめろ!貴様それでも天使か!何故そこまでする!?」
ふやけたままボンノーが叫ぶ。
すると、笑いながら俺の太股を刺していたカリエルは手を止めボンノーへと目を向けた。
「はぁ?何言ってんの魔剣如きが。僕が楽しいからに決まってるだろ。ていうか、虫を殺すのに一々理由なんているのかな?」
カリエルは笑いながら両手を掲げ、心底疑問という顔でそう尋ねた。
コイツ・・・狂ってやがる。
「さあ、再開と行こうか。」
そう言うとカリエルは次に俺の脇腹を突き刺してきた。
「グハァ!」
新たな痛みが俺の身体を襲う。
「はあん、四肢をもぎ取り標本にするのも良いな。」
俺の脇腹から剣を引き抜くとカリエルはそう言い俺の右肩へと剣を向けた。
「相棒ー!」
(クソ!ここまでか!)
「ギュキイイイー!」
俺が諦めかけたその時どこかで聞いたことがあるような声が響き渡った。
次の瞬間、カリエルの足元から無数の樹木が生み出され奴を巻き込みながら空へと伸びていった。
そして俺は不思議な浮遊感に襲われ気づくとエンドの背中に乗り空を飛翔していた。
サンキュー、助かったぜエンド!
エンドに抱えられながら俺がたどり着いたのはこれまたエンドが創り出した森林の中だった。
「おい相棒!大丈夫なのか!?」
ふやけが直ってきたのか若干真っ直ぐになりかけているボンノーが聞いてきた。
「そんなわけねーだろ。身体のどこもかしこもがイテーよ。こちとら片腕がねーんだぞ。」
俺は痛む左の肩口を右手で抑えて木に寄り添いながら答えた。
「て言うか、エンド!お前無事だったんだな。」
「ギュキイイイ。」
エンドは体の傷を舐めながら丸くなり息も絶え絶えと鳴いた。
「さっきはサンキューな。お前が居なかったら正直死んでた。」
俺はエンドを撫でながら礼を述べる。
「ギュイ・・・。」
エンドは撫でられるのが気持ちいいのか目をつぶりながら鳴いている。
「お取り込み中の所済まないが、このままではいずれこの場所も奴に特定されてしまうぞ。」
ボンノーが大声で忠告を促す。
「わーてるよ。つってもなー、このままじゃジリ貧だしな。お前の方はどうなんだよ?」
「我か?」
「あぁ、さっきまで賢者タイム使ってふやけてただろ?」
そうである。さっきまでふやけてたボンノーが今ではきっちり伸びて普通に剣として振るえるようになっているのである。
「まあ、普通に戦う分には問題ないが、
今日はもう賢者タイムは使えぬぞ。」
「だよなー。マジどうしよう……。」
ちなみにカリエルはさっきから俺たちを探しているようだが、さっきとは違いエンドは草木を出し続けている分けではないので俺たち見つけるのに困難しているようだ。
なんか、そこらかしこから、隠れてないで出てこいよ!と言う大声と爆発音が聞こえてくる。
「それよりも相棒。その右腕はどうするつもりだ?そのままでは十分に戦えぬだろ?」
「うーん、そういや俺今片腕ねーんだよなー。スゲー普通に喋ってるけどさ。」
つーか、この魔剣まだ戦わせるつもりかよ……。まあ、俺もここまでされて逃げる気なんてサラサラねーけど。
すると、突然エンドが俺の右肩に来ると肩の傷口を舐め始めた。
なにしてんだ?と思ったままの俺をよそにエンドはずっと傷を舐めている。
次の瞬間、俺の右肩がいきなり緑の光に輝きだした。
そして、気づくと俺の右肩から先に木製の義手が生えていた。
はぁー!?マジか、何か木の手が生えてんだけど!
「ちょちょちょ、ちょっとボンノー!なんか、手が生えてんだけど!?」
俺が動揺しながらボンノーに聞くとボンノーは、
「うむ、これはあれだな。エンドの力だろう。」
聞けばこの義手、エンドの力によって発生して物らしく元の腕のように俺の思い通りに動かせる仕様になっているらしいのである。
でもなー、このフォルムはなー。木だもの。腕が木で出来てるからね!もう凄いを通り越してキモイ!
こうして、奇妙な形で一時的にではあるが俺の片腕は復活した。
・・・この時俺は誓った。この戦いが終わったらプロロにしっかり元の腕を治して貰おうと。