まあ、出来たら出来たで不定期になるんですが………
では、どうぞ。
砂埃が晴れ目の前を見ると、フード付きの黒コートをはためかせ自分とアスタロトくんを守るように立ち、不適に笑っているぺぺさんの姿がありました。
「ちょ、なんで貴方がここにいるんですか、ぺぺさん!?」
自分は慌てて問い詰めます。
「え、いやーなんか長年の勘で嫌な予感、それがしたんでこれは何かあるなーと思ってな。」
そう言いながらぺぺさんは自分の横を指差しました。
自分が目を向けるとそこには何か金色の縄のようなものでグルグル巻きにされたロン毛二人組がいました。
「えっと、この人達は?」
「さあ?俺に聞かれてもなー。なんかここに来る途中に見つけたからとりあえず二人とも捕まえといた。なんか羽あるし、おそらく色からいって天使と堕天使てとこか。」
天使と堕天使相手に何でもなさそうに言うぺぺさん。
「だ、大丈夫なんですか、これ?」
「あぁそれは心配ない、その縄はブライアンさんのお手製だ。解こうとしてもがけばもがくほど魔力を吸い取る。」
ブライアンさんのお手製だと聞いて納得、安心する自分がいます…………。
「じゃ、じゃあ!妃奈さんはどうしたんですか!?留守番は?」
「あー、なんか旦那帰ってきたからとりあえず家庭を大事にしろって説教して催眠かけといた。あ、心配するなよ。家には結界張っといたし今頃は俺の仲間が駆けつけてるだろ。安心してください、張ってますよ。てやつだ。」
………あんまりおもしろくないぺぺさんのギャグセンスを垣間見た気がします。
そんな会話をしていると砂煙が晴れた向こう側からリビングデッドが歩いてきました。しかし、その姿は先程とは違い何故だかいきなりつっこんできたりして来ません。
「可笑しいですね。先程とは打って変わって静かです。」
自分が疑問を口にすると、
「おおかたこちらの戦力を伺ってるんだろ。さっきはいきなり横から蹴り飛ばしたからな。」
と、ぺぺさんが答えてくれました。
て言うかぺぺさん、最初会ったときとキャラ変わってませんか!?なんか吹っ切れたような顔つきしてますし。
「で、あいつは何者なんだ?魔術師の嬢ちゃん。」
ぺぺさんは心底疑問というような顔で自分に訊いてきました。
「あ、はい。最初に天使達に会ったときにヴァルルと呼ばれていた天使がいたのを覚えていますか?」
「あぁ、無駄に執事ぽい爺さんだろ?」
「はい、あれはヴァルルが残していったリビングデッドです。元は三体いたのですが、粉々にしたら合体して強くなって蘇ってきました。」
「うーん、成る程な。死体まで道具として使うとか天使のくせに、いい性格してんなあのジジイ。」
ぺぺさんは皮肉混じりに愚痴ってます。
「まあ、いいや。とりあえずここからは俺が戦う。嬢ちゃんはそこのコンビの監視をしててくれ。」
ぺぺさんはそう言うと異空間から刀を取り出し構えました。
「そうゆうことだ、化け物。ここから選手交代な。」
ぺぺさんは刀を片手に構えるともう一方の手で指をクイクイとしてリビングデッドを挑発しています。
それが挑発だと分かったのかどうなのかは知りませんがリビングデッドはぺぺさんへと狙いを定め走り出しました。
ぺぺさんも地面を踏み締めるとリビングデッドへと走り出しました。正直その姿を目で追うのがやっとです。
ぺぺさんとリビングデッドが衝突するや否や、戦闘が始まりました。自分は必死で戦闘の全容を見ようとしますが、いかんせん目が追いつきません。超至近距離で何回か打ち合ったのか、金属同士がぶつかり合う音と共に大きな火花が散る。かと思えば、次の瞬間には距離が開いています。それはもう一瞬の出来事です。
………格が、格が違いすぎます。
ぺぺさんの刀を避けながら尚且つ攻撃に転じるリビングデッドも凄いですが、そのまさに化け物地味た速度に追いつきその上、口元に笑いを携えたぺぺさんには目を剥きます。
常識の範疇ではありません、尋常じゃない速さの戦闘です。
これが元A級エクソシストの実力………。
とてもじゃないですが今の自分では一秒どころか一瞬にも満たない時間で負けるでしょう。今更ながらこの人が味方であることに安堵します。もし敵だったらと考えると背筋が凍り付きそうです。
ちなみに捕まったロン毛とアフロヘアーの二人組は悪夢にうなされているのか、先程からずっと隣で唸ってます。