航空母艦 鳳翔艦橋 山野少将
「航空参謀。赤城と加賀に帰還した機のうち、再出撃可能な数はどれだけ残っている?ここから見た感じではかなりの被害が出ていそうだが…。」
「提督、先程の報告では、撃墜が約3割、そして撃破判定が3割。特に艦攻隊に被害が集中しているようで、直に出撃可能な数は二艦合わせて、艦戦23機、 艦爆22機そして艦攻が12機です。」
かなり喰われたな…。甘く見ていたつもりは無かったが、やはり南郷提督が指揮する艦隊だけのことはある。おそらく研究中の輪形陣で対抗されたんだろうな。こっちも、南郷提督の価値観では最重要艦としているであろう伊勢と日向を攻撃目標から外したにも関わらず、この被害。やはり航空攻撃というのは、一回の攻撃力も大きいが消耗率も大きいという事だな。継戦能力に課題あり…といったところか。
しかし、ここからどうする。航空戦の常道でいけば、敵は叩ける時に叩く。すなわち第一航空艦隊の持てる全ての力をもって、第三次攻撃に出るのが正解だ。時間的にも、今から第三次攻撃をかければ、ギリギリの時間だが夕暮れまでに第三次攻撃隊を、母艦に帰還させる事も可能。しかし…残された攻撃隊で、完全防備を固めた艦隊に攻撃をかけて、最低でも南郷提督の戦艦を二艦脱落させる事が可能か?第一次攻撃は完全な奇襲、第二次攻撃は相手の裏をかいたにも関わらずこの消耗率。おそらく第三次攻撃隊のほとんどは、撃墜判定が出るだろうな。
「山野提督、いかがしますか?私の艦は既に第三次攻撃隊の編成は終了していますし、龍驤からも第三次攻撃隊の準備が終了していると連絡が来ています。また赤城さん、加賀さんも急いで準備していますから、おそらく30分後には攻撃隊発艦可能です。」
「鳳翔、現状について了解した。しかし第三次攻撃隊の出撃は待ってくれ。少し考えたい事がある。」
「は…はい、それは問題ありませんが…。しかし提督?30分後には第三次攻撃隊を発艦させなければ、攻撃隊の帰艦は日没後になります。私や龍驤の航空隊であれば、夕暮れ時の着艦も可能ですが、赤城さんや加賀さんの航空隊には、未だそれ程の技量はありません。…ご決断を。」
どうする…。ここで全てを第三次攻撃隊に賭けてから、夜間に第二水雷戦隊を突っ込ませるか、第二水雷戦隊を中心とした夜戦で勝負した後に、残った敵を翌日航空隊で叩きにいくか…。どちらの選択肢もリスクが大きい。しかし演習とはいえ、戦いは戦いだ。ここで大きなリスクをしょってでも勝負しなければ、あの南郷提督には勝てない。
第三次攻撃隊にもう少し攻撃力が残っていれば勝負出来るし、もう少し南郷提督の艦隊が少なくなっていれば…。いや、今更そんな仮定の話を考えても意味はないな。ん?…攻撃力だけならば、なんとかなるよな。流石に鳳翔や龍驤に予備機は積んでいないが、赤城や加賀には予備機がある。しかも撃破判定の搭乗員は戦死判定ではない以上、予備機で飛ばす事は可能な筈。しかし予備機を今から準備すれば、完全に夜間攻撃になるため、確実な戦果は期待出来ない。とはいえ、まずは予備機が使用可能かどうか確認が先だな。
「三笠。これは統裁官への質問なんだが、赤城と加賀に着艦した撃破判定の機体。搭乗員の戦死判定は出ていない以上、予備機の使用は問題ないな?」
「ん?なんだい坊や。予備機まで持ち出すつもりなのかい?まぁ、撃破判定はあくまでも機体の撃破。搭乗員に負傷判定を出している訳じゃないから、予備機の使用は問題ないさね。ただ坊や、予備機の使用には時間が必要な筈。夜間攻撃でもするつもりなのかい?」
やはり規則上使えるんだな。となると、後はタイミングだよな。既に南郷提督の艦隊から足の早い戦艦4艦は脱落している。したがって、艦隊巡航速度は此方の方が上。まぁ、水雷戦隊だけを分派して、夜襲を仕掛けてくる可能性はあるが、相手はこちらの第三次攻撃を警戒しているだろうから、直にこちらに追撃は不可能。となると、こちらの艦隊巡航速度でも、十分に追撃はかわせるんだよな。それに…残存戦力的に最後の航空攻撃になるであろう第三次攻撃、どうせなら輪形陣が作れない状態にしてから、ぶつけてやるか。ならば決まりだ。
「鳳翔。直に龍驤と赤城、加賀に連絡。第三次攻撃隊の出撃は取り止めるように伝えろ。そして急いで予備機の準備をし、翌朝一番までに出撃準備を完了させるように。航海参謀。艦隊は進路南南西へ。現海域より一端離脱する。それと1時間後に、本艦の会議室に各艦の艦長と艦娘を集めてくれ。」
「えっ?山野提督。攻撃隊出撃を取りやめて、離脱するのですか?」
「そうだ鳳翔。私に考えがある。今回は命令に従ってくれ。」
「りょ…了解いたしました。提督。」
航空母艦鳳翔 会議室 統裁官 三笠
まさか攻撃隊の出撃を取りやめて、離脱するとはね…。いや、あたしも流石にこれには驚いたさ。多分…この事実を知ったら、あの爺や敷島姉さんも驚くだろうね。しかし…こんな命令を出しちまって、本当に大丈夫なのかね。会議室に各艦から艦娘や艦長が集まっているが、みんな不満そうだよ?特に、第二水雷戦隊の神通なんて、刀を抜きそうな雰囲気まで醸し出しちまっているし…この説得は苦労しそうだね。指揮官としての坊やの力量が試されるってとこかね。
「全員、集まったな。まずは色々と不満はあるだろうが、私の命令に従ってくれたこと、感謝する。本来戦場でこのような会議はご法度の筈だが、今回は私の意図をきちんと理解してもらう必要があるため、敢えて内火艇で参集してもらった。」
「Hey 提督。艦隊の指揮官は提督だから、命令には従うけどサ~。この方向ですと、完全に逃げる方向ですネ。神通は勿論だろうけど、私も流石にここで逃げる事には反対ネ。」
「まったくです、金剛さん。山野提督。演習前にも伝えていますが、第二水雷戦隊各艦は既に夜戦準備は完了しています。今からでも遅くはありません。艦隊を分派し、我が第二水雷戦隊に突撃命令を出してください。」
「提督…赤城もこの決定には不満があります。たしかに数は少なくなりましたが、赤城の航空隊も加賀さんの航空隊もまだまだ戦えます!」
まぁ、この反応は当然さね。たしかに、現状では南郷の爺の艦隊の方が、数が多いから、坊やが戦いを避けたいのは分かる。けどね坊や。いつまでも逃げられる訳じゃないさね。このまま演習の時間切れを狙うなら、流石に甘すぎるよ?
「皆さん、少し静かにしてください。赤城さん、提督はこれからその説明をするために、皆さんを呼んだのですよ?それに金剛さんも神通さんも、皆さんはそれぞれの戦隊の纏め役でもあります。その皆さんが冷静さを失ってどうするのですか?提督…説明をお願いします。」
ほぉ…鳳翔もやるようになったね。旗艦としての自覚が出てきた…ってところだね。まぁ、たしかにあたしも少し冷静では無かったかもしれないね。どうやら坊やにはちゃんと考えがあって、この決断をした。そしてその理由もこれから説明してくれるようだから、話を聞いてから判断だろうね。
「鳳翔、ありがとう。金剛、神通それと鈴谷。一つ正直に聞かせてくれ。三人が指揮する戦力全てを夜戦に投入し、撃沈判定が出る最後まで戦ったと仮定して、現在の南郷提督の艦隊に勝ちきれる自信はあるか?相手は未だ、戦艦4、重巡3、そして第一水雷戦隊が居る。」
「Hmm…勝てる…と言いたいだけどサ、流石に勝ちきれるか?と聞かれたら、difficultネ。」
「…鈴谷も同じ意見かな。かなり良い戦いはする自信あるけどさ、勝ちきれるか?と聞かれたらちょっと難しいかな…。」
「提督…我が第二水雷戦隊は、帝国海軍最強の夜戦戦力。たとえ全てを失ったとしても、必ず南郷提督を仕留めてご覧にいれます。」
「神通。そんな精神論では回答として認められないな。私としては、極力被害を抑えて南郷提督に勝ちたいし、その確率を上げる事が、指揮官としての義務だと考えている。第二水雷戦隊を一度の戦いで磨り潰すような作戦は、指揮官として採用出来ない。第一、もしこれが本当の実戦だとして、全てを失った第二水雷戦隊を復活させるために、一体どれだけの資材と時間が必要だと考えている?演習とはいえ、実戦が想定されている以上、私は被害を最小にして、最大の戦果を狙える作戦を考えたい。この点だけは、理解してくれ。」
「は…はぃ。申し訳ありませんでした、提督。」
おや、あの神通を完全に黙らせるとは、坊やもやるじゃないか。神通も普段は大人しい娘なんだが、戦闘になると性格が完全に変わっちまって、なかなか不安定な娘だから心配していたんだが、どうやら坊やの指揮下なら問題なさそうさね。
「提督…それでしたら、何故私や赤城さんに第三次攻撃を命じなかったのですか?たしかに艦載機の消耗も考慮しなくてはいけませんが、それでも最小の消耗で、最大の戦果をあげるのであれば、あのまま航空攻撃を続行しなければいけない筈よ?」
「せや、加賀の言うとおりやで。あの時一応、第三次攻撃隊として編成可能な数はウチや鳳翔さんの分も入れれば、100機近い攻撃隊が編成出来た筈や。そこで攻撃してから、神通達の夜襲に全てを賭けるのが、一番良かったんちゃうか?」
「輪形陣を完全に形成している艦隊に、100機の攻撃隊を向けて…しかも今度は相手の裏をかけないだろう。どこまで戦果を伸ばせるか…疑問があるな。おそらく次の攻撃隊が戦力的に最後の攻撃隊になる以上、一番良い形で相手にその戦力をぶつける必要がある。」
「う…まぁ、言いたい事は分かるんやけど、そんな事出来るんか?提督?」
たしかに坊やの言うとおり、現在の戦力では航空攻撃を仕掛けるにしても不十分。だから航空攻撃を現時点で止めるというのは分かる。なるほど…だからこそ予備機を使って少しでも戦力を上げたいって事だね。…なるほど、坊やが何を考えているか、分かったような気がしてきたさね。
「さて、色々と疑問が出てきたようだから、そろそろ私の考えを述べる。まず本艦隊はこのまま、進路を南々西にとり、一端南郷提督の艦隊から距離を取る。そして明朝未明に180度回頭して、再び南郷艦隊に近づく。この際、艦隊は第一航空艦隊とそれ以外に完全に分離。金剛を旗艦とした分派艦隊は、そのまま南郷艦隊に接触し、砲雷撃戦を仕掛る。そしてその時間を合わせるように、第一航空艦隊は第三次攻撃隊を発艦。南郷艦隊が輪形陣から、単縦陣に変更したタイミングで航空攻撃を仕掛ける。何か質問は?」
「艦隊攻撃と航空攻撃の時間を合わせるのは、難しくないデ~スか?」
「いいえ、金剛姉様。それは水偵をしっかり出して、南郷提督の艦隊位置をしっかり把握してれば、問題ないと榛名は思います。」
やっぱり、そう来たかぃ。この艦隊はあくまでも航空艦隊。航空攻撃が主体である以上、その攻撃を最大に発揮させるためには、あの爺にもう一度、単縦陣を執らせなきゃならないさね。となると、航空攻撃と艦隊攻撃のタイミングが重要。相手の位置の把握を考えれば、夜間戦闘は不向き。である以上、明朝に戦闘を持ち越すって事かぃ…よく考えたもんだよ。
「神通。おそらく砲雷撃戦が始まる頃、我々の艦隊の方が戦力的に勝っていると思う。しかし…相手はあの南郷提督だ。例えこちらが有利でも、そう簡単に砲雷撃戦で勝てる相手じゃない。間違いなくお前達第二水雷戦隊の突入が、こちらの最後の切り札になるだろう。お前達の突入の前に、除いて欲しい要素は何かあるか?」
「…提督。私達、第二水雷戦隊に花道を作っていただき感謝します。…そうですね。突入に当って、相手の第一水雷戦隊を少しでも潰して置いてください。攻撃力はたしかにこちらが上ですが、完全に守りに入られると厄介です。」
「分かった。赤城、加賀。お前達の攻撃隊は、第一目標を山城、そして第二目標を周りの重巡や、第一水雷戦隊とする。神通達の突入を成功させるため、一人でも多くの艦娘を脱落させてくれ。それと、明朝までに出来るだけ多くの予備機を組み立てて、攻撃隊に編入出来るように努力してくれ。いいか…航空機の数こそがこの演習の鍵を握っているからな。最後まで最善を尽くしてくれ。」
「わ…分かりました、提督。加賀さん、一航戦の力、ここで南郷提督にお見せしましょうね。」
赤城と加賀の予備機を含めた全力攻撃。第二次攻撃の戦果を聞く限りじゃ、相当なものがあるさね。爺?坊やは本気だよ?まぁ、爺も流石に覚悟は決めていると思うが、あの爺はあたし以上に往生際が悪いさね。ここまでやって、この坊やが爺に完全に勝ちきれるのか、見物だね。
「鳳翔の攻撃隊は目標を伊勢、龍驤の攻撃目標は日向とする。流石に今回の攻撃は、二人の航空隊と言えども、かなり消耗するだろうが、今回だけは無理をしてもらうぞ。」
「…分かりました、山野提督。伊勢さんと日向さんについては、私達にお任せください。…提督?金剛さんと一緒に行くつもりですよね?航空戦の指揮は私が最後まで執ります。どうか御武運を…。」
「…鳳翔…よろしく頼む!それと金剛。これより旗艦を変更する。よろしく頼むぞ。」
「Yees! 提督ぅ!私に任せておくネ!」
私が考えていた通りになったさね。やっぱり、指揮官先頭じゃなきゃ、大事な戦は駄目さね。こちらの戦力が多くても、あの爺の直接指揮下の艦隊に確実に勝つためには、坊やも覚悟を示す必要があるってもんさね。まぁ、坊やは覚悟よりも数が重要だと思っているようだけどね。もし…坊やが、この戦いから逃げるつもりなら、このあたしが引導を渡さなきゃいけなかっただろうが、やっぱりあたしが最初に見込んだだけの坊やだけある。…爺、そろそろ世代交代の時期だよ。
戦艦 扶桑 艦橋 南郷大将
…嘘のように何もない時間が過ぎておる。予想しておった第三次攻撃はなく、山野の指揮する艦隊による夜襲の素振りもない。わしが山野の立場であったら、いずれかの方法を執ってくると思ったのだが、山野は違う考えを持っておるようだな。
「南郷提督。一水戦の阿武隈より、意見具申。第一水雷戦隊は、これより艦隊前方に進出し、索敵攻撃に向いたいとの事です。」
「扶桑…阿武隈に連絡。要請を却下する。このまま本隊と共に行動するように。」
阿武隈も焦ってきておるという事じゃな。古来より戦は、焦って短慮を起こした方が破れると決まっておる。艦隊速度は、小僧の方が優速。それに小僧の艦隊に追いつける艦娘で編成した艦隊を分派させるにせよ、相手に金剛や榛名が居る以上、こちらも戦艦を準備しなくては勝負にはなるまい。…小僧の奴、これを考えて、長門や陸奥は勿論、比叡や霧島を狙ってきたという事だな。
「提督…このまま行きますと、明日が勝負になると思います。どうかお休みください。明日はまた…あの航空攻撃があると思いますけど…今日の経験を活かしてみせますから、安心してお休みください。明日もよろしくお願いいたします。」
「…扶桑。明日はあの小僧に、海戦のなんたるかを教えてやらねばならん。お前には最後まで苦労をかける事になりそうだが…しっかり頼むぞ。」
「はい!提督。」
ワシの予想が当れば、最後は砲雷撃戦であの小僧と勝負する事になるじゃろうて。あの小僧も海軍軍人。まさか安全な後方から指揮を執るような腑抜けではあるまい。そして…わしの予想通りであれば、砲雷撃戦が始まる前には、我が方は圧倒的な不利な状態になっておろう。だが…あの小僧には、わしの本気の戦を見せてやる必要があろうて。数が少なかろうが、最後に物を言うのは、精神力なのじゃからな。
明朝 戦艦金剛 山野少将
「Hey! 提督。水偵から連絡ネ。南郷提督の艦隊を発見。本艦隊の北々西、距離約200 kmネ。鳳翔には既に連絡済みで、攻撃隊を発艦中との連絡があったデ~ス。相手もこちらに向かって居るからサ、接敵の頃に丁度航空隊も到着するデ~ス。計画通りですネ!」
「金剛、了解した。艦隊、進路変更北々西。相手の位置が分かった以上、奇襲はもうない。相手との接敵予想時刻までまだ時間があるから、今のうちに戦闘糧食を配ろう。総員、戦闘配置のまま、食事の時間にする。」
いよいよだな…。既に本日明朝に艦隊は分離済み。第一航空艦隊は、元々の護衛駆逐隊と共に、既に退避行動に移っている。しかし…ついにあの南郷提督と直接戦う時が来たんだよな。…あの英雄、南郷提督との戦いか。帝国軍人であれば、一度は夢見た瞬間がもうすぐやって来るんだよな。俺も、ついにここまで上り詰めたって事か。
「坊や。良い顔をしているね。やはり海軍軍人は、こうでなきゃ駄目さね。昔、坊やが新任少尉だった時代、初めて坊やを見た時から、いつかこの瞬間が来る事をあたしは願っていたが、ついにやってきた…という事だね。…まぁ、まさかその瞬間を、小娘に乗って迎える事になるとは、考えていなかったけどね。」
「うるさいねBBA!。もうBBAの時代は終わったデ~ス!提督、いよいよ始まるネ。わたしが提督を勝たせてあげるから、期待しててネ!」
「金剛、よろしく頼むぞ。…それと三笠。三笠の予感が間違っていなかった事を見せてやる。そこでよく見ていてくれ。」
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「我が艦隊後方より、味方攻撃編隊が接近中。白軍艦隊までの距離、およそ30 km。」
「金剛!全艦隊に命令。第二水雷戦隊及び最上と三隈は、直ちに白軍艦隊に突入せよ。榛名以下、鈴谷と熊野は単縦陣のまま、白軍戦艦部隊と反航戦を挑む。艦隊!第一戦速に増速!」
「提督!第一航空艦隊の攻撃隊から入電。「これより突入する」との事」
「通信参謀、了解した。航空部隊の戦果は確定した物のみを、私にあげてくれ。」
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「白軍艦隊見ゆ!11時の方角!…提督!かなりの被害が出ているようです。」
「提督!航空部隊の戦果が届きました。伊勢・日向は沈没判定。山城に大破判定が出ており既に脱落したとの事。また愛宕も大破判定により脱落。阿武隈に撃沈判定。駆逐隊についても4隻が脱落とのことです。第三次攻撃隊は、その任を十分果たしました。」
「航海参謀、通信参謀、了解した。どうやら、航空部隊はしっかり仕事をしてくれたようだな。残りは、戦艦が扶桑、重巡が妙高と足柄、そして駆逐艦4…。我が方の約半数と言ったところか。」
南郷提督に対して二倍の数で挑む…。普通に考えれば楽勝の体制だが、そう気楽には考えられないよな。あの南郷提督の指揮で、おそらく俺に対して怒りを爆発させている士気旺盛な艦娘達。勘弁してくれよ…。
「金剛、相手の陣形は見えるか!」
「Yes! 提督。 扶桑と妙高がこちらに向かってくるデ~ス。それと足柄と第一水雷戦隊の生き残りが、こちらの第二水雷戦隊と最上と三隈の艦列と正対しているデ~ス。」
戦況は、こちらが圧倒的有利。南郷提督得意の丁字戦法も、こちらの艦隊の方が優速のため選択不可。これで…詰み…だよな?
「本艦と榛名の目標、白軍一番艦扶桑。鈴谷と熊野の目標、白軍二番艦妙高。撃ち方始め!」
「全砲門、Fire!」
いよいよ次話で演習の話は終了しますが、最後はやはり砲雷撃戦ですよね?航空戦だけで決まってしまっては、ストーリー的に無理が出てきてしまうため、最後は南郷提督の真正面からぶつかる事になりました。次回で演習回+αは終了になります。