リリカルなのはサーガ   作:DFGNEXT

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今回は時空管理局との出会いです。
そして・・・なのはさん強化フラグ・・・?

それではどうぞ!!



SAGA 12「時空管理局」

 

 

 

 

歪んだくらい虹色のような次元空間内を、巨大な白銀の戦艦が進む。

 

その名は時空管理局巡航L級8番艦。次元空間航行艦船『アースラ』

この艦船には今回の任務『ジュエルシードの確保』を目的とした、多数の人員が配備されている。

そのアースラのブリッジに一人の女性が入ってくる。

 

「皆、様子はどう?」

「前回の小規模次元震以来、特に目立った動きは無いようですが、

 二組の捜索者が再度衝突する危険性は非常に高いですね」

 

緑髪の女性は椅子に座りながら「そう」と短く返す。

次元震が起こったと聞いたときは間に合わないか、とも思っていたが、

どうやら捜索者たちはよほど有能らしい。

 

「失礼します。リンディ艦長。」

 

そこに茶髪の女性がブリッジへ入室する。

彼女は緑髪の女性の目の前に紅茶を置く。

 

「ありがとね、エイミィ」

 

緑髪が特徴的な彼女の名はリンディ・ハラオウン

 

若くして時空管理局の提督を勤めるアースラの艦長。

自身も有能な魔導師で、この任務の責任者である。

・・・少し病気気味の甘党でもあるが・・・

 

リンディは受け取った紅茶を飲んで喉を潤す。

 

「そうねぇ・・・小規模とはいえ、次元震の発生は・・・ちょっと厄介だものね。

 早めに行ってあげないと、民間協力者の男の子に負担をかけてしまうわ・・・

 危なくなったら、急いで現場に向かってもらわないと。ね? クロノ?」

 

彼女はブリッジに立つコート姿の少年に声をかける。

 

「大丈夫。わかってますよ、艦長。僕はそのためにいるんですから」

 

彼の名はクロノ・ハラオウン

 

14歳にして、執務官の名を冠する言わばエリート。

リンディの実の息子であり、アースラの切り札でもあるAAA+ランクの魔導師である。

 

彼らはジュエルシードの確保のため第97管理外世界「地球」へと向かっていた・・・。

そこから始まる・・・歴史の証人となるために

 

 

 

 

 

 

 

「・・・はぁ、やってしまった・・・」

 

あれから二日後、なのははいろいろな意味で学校に行くような気分ではなかった。

一昨日のフェイトとの対話は結局の所、失敗してしまった。

まぁ、あれだけ対話しようといいつつ、万全の策で挑んでいて、

だまし討ちまで行うなのはのことを信用できないのもわかる。

 

「はぁ・・・」

 

そう考えて再びため息をつく、いつからわたしはこんなに捻くれてしまったかと。

おそらくはあの大怪我からだろう。あんな目に二度と会いたくない。

そういう思いが、なのはに万全の策を張った上での行動を強いる。

 

それに、今回の被害はフェイト達を除けば怪我人も出なかったが・・・

脳裏に、先日の破壊された街の光景がよぎる。

 

一歩間違えれば、大災害に発展していたかもしれない。

いや、世界がロストロギアで崩壊したこともあるとユーノ言っていた。

 

それなのにそんなデリケートなものをなのはは盾にした。

これを集めようとしているフェイトが攻撃を続けるはずがないと思い・・・

しかし、よくよく考えれば、あの速度で動く人間が急に止まれるはずがないではないか、

そう考えると、なのははますます憂鬱になっていくのだった。

 

「あ・・・」

 

通学用のバスに乗り込んだ時、気付いてしまった。

いつもようにバスに乗り込んでしまったが、不意に昨日の放課後のことを思い出した。

学校に行きにくい別の理由だ・・・

 

「あ、なのはちゃん。おはよう」

「・・・・・・・・・」

「お、おはよう・・・」

 

いつもの場所、最後尾の座席に2人はいた。

すずかとアリサ、なのはが『学校』で最も仲の良い友人2人がそこに座っていた。

すずかに関してはいつも通りに優しい笑顔で挨拶してくれたのだが、

アリサはそっぽを向いたままなのはを見ようともしなかった。

 

実は昨日の放課後のことだ。

学校の終わりの時間に、なのははアリサと喧嘩をしたのだった。

喧嘩と言ってもお互いに言い合いになったりしたわけでは無い。

 

ジュエルシードのことやフェイトのことで上の空だったなのはに、

ついにアリサが痺れを切らしたと言った方が正しい。

 

明らかに疲れているなのはを心配して話しかけているというのに無視してしまった。

 

『私達と話すのが嫌なら、ずっと1人でいれば良いじゃない!』

 

最後はアリサにそう怒鳴られてしまって、なのはは「しまった!」と思った。しかしもう遅い。

すずかは「気にしないで」と言っていたが、なのはは自分が悪いことは理解していた。

 

なのはがアリサに魔法の事を含めて相談すれば、それですむ話・・・

しかし、まだ二人には魔法のことを話す気にはなのははなれていなかった。

昨日からずっとなのはの心には後悔の念だけが残っていたのだった。

 

「あの・・・アリサ、ちゃん・・・」

「・・・・・・・・・」

 

なのはが少し怯えながら近付いていく。

それでもアリサは変わらずにそっぽを向いたままだった。

このままでは駄目だと思い。なのはは切り出した。 

 

「アリサちゃん・・・今、わたしがしていることは・・・

 まだ・・・アリサちゃん達には話せない・・・

 でも・・・終わったら全部話すよ!絶対に」

 

そうは言ったもののアリサにはあまり変化は見られなかった。

無理もないとなのはは思った。こちらにしか利益がないのだから。

 

嫌われてしまったのだろうか・・・と、なのはが顔を伏せた時。

不意に、アリサはすずかの横から少しだけズレて場所を開けた。

どうやら、座れと言うことらしい。その意味を理解しなのはは少し微笑む。

 

なのはは座りながらアリサに向けて言った。

 

「ありがとう、アリサちゃん」

 

アリサはそっぽを向いたままだったが、そばに置いたなのはの手は握ってくれた。

実質の仲直りをする二人を見てすずかは穏やかに微笑んで見守っていた。

 

 

 

その日は結局のところ平和に終わった。

授業もしっかりと受けて、放課後まで何事もなく時は進んだ。

学校でのすべてが終わったなのはは、家に帰ろう・・・そう思っていた。

 

しかし、その願いは次の瞬間には叶わないことを知る。

 

「・・・・・いいタイミングかな」

 

反応・・・ジュエルシードだ。

なのははユーノに連絡して、先に現場に行ってもらった。

その後は裏道へと走った後、レイジングハートをセットアップ。

白きバリアジャケットに身を包んだなのはも現場へと向かった。

 

 

 

 

行ってみれば、そこは海辺近くの公園だった。

木々が植えられていて緑豊かな公園で、吹き込んでくる海風が心地良いと評判の場所だ。

ジョギングや犬の散歩のコースにしている人間も多いが、今は公園に人通りは無い。

 

なのはとしては公園、木とトラウマを刺激するワードばかりだが・・・

 

そして・・・ちょうど今、ジュエルシードが発動したところだ。

 

「ユーノくん、結界!」

「うん!」

 

ユーノの結界が発動し、異質な空間へと変わる公園

そんな中なのはは目の前の一本の木が生物のように動き、

枝が腕のように、そして根が足のように蠢く化け物を見て思う。

 

(あの樹の化け物、気持ち悪い・・・)

 

そんなことを考えながら、なのはは化け物と相対する。

そして、それと同時に上空から金の弾丸が降り注ぎ、樹の化け物のバリアに阻まれる。

その魔法の主をなのはは知っている。

 

「お~!? 生意気に、バリアまで張るのかい」

「・・・今までのより、強いね。・・・それに、あの子達もいる」

 

その言葉になのはがフェイトの方を振り向く。

一昨日のこともあるので、その視線は鋭い。

 

その瞬間、樹の化け物は地面から根っこを生やしてなのはたちを襲う。

ユーノは近くの茂みに飛び込んで身を隠し、なのはは空中へと飛び上がる。

その後ユーノが化け物に向けてチェーンバインドを放ち、縛り付ける。

 

その瞬間を逃さずに、フェイトがアークセイバーで根っこを切り飛ばし、

そのまま向かっていった三日月上状のアークセイバーが当たって化け物は怯む。

 

その間に左手に持つレイジングハートを白き流線型のフォルム『カノンモード』にし、

空中で魔力のチャージを完了したなのはが木の化け物に向けて砲撃を放った。

 

「撃ち抜いて! ディバイン!」

《Buster》

 

これもバリアに防がれる。しかし効いてはいる。

かなり苦しそうにしている化け物を見るや、フェイトも砲撃の準備をした。

 

「貫け豪雷!」

《Thunder Smasher》

 

そして打ち出される金色の光線。樹の化け物がバリアで防ぐ。

しかし強力な二発の一撃にそれは耐え切れなかった。

砕け散る化け物のバリア。

 

それに気づいた二人が封印の準備を開始する。

 

《Seeling mode.set up》

《Seeling Form. set up》

 

「ジュエルシード、シリアル7!」

「封印!」

 

強敵に値するはずの木の化け物も二人の前にはほとんど無力だった。

 

「無事にジュエルシードは封印完了・・・と」

 

なのははそう呟きながら、フェイトのほうを向く。

すると珍しくフェイトから先に話を切り出してきた。

 

「・・・・・・ジュエルシードには、衝撃を与えたらいけないみたいだ」

「うん。・・・・・・一昨日・・・みたいなことになったら、

 わたしのレイジングハートもフェイトちゃんのバルディッシュ・・・? も可哀相だもんね・・・」

「だけど・・・これは譲れないから」

 

そういってフェイトはデバイスを構える。

 

「わたしはこれでも、フェイトちゃんと話をしたいだけなんだけど・・・」

 

なのはもデバイスを構える。互いに負けられないから、まずは戦う。

 

二人の戦いが始まる。

フェイトとなのはが真正面から向き合った。

 

そして同時に飛び出し、互いのデバイスがぶつかり合う瞬間だった。

 

突如青い光が溢れ、レイジングハートとバルディッシュが何かに止められた。

それは青いリング状のバインドだった。

 

「ストップだ!」

 

突然の乱入者に唖然とする二人。

 

「ここでの戦闘は危険過ぎる。」

 

現れたのは、黒いコートを着た少年・・・

 

「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ! 詳しい事情を聞かせてもらおうか。」

 

黒髪で黒目、小柄だが頼りない雰囲気は出ていない。

銀のラインが入った黒のコートの襟には役職を示す金の紋様。

漆黒のバリアジャケットを身に纏った彼はそう宣言した。

 

 

 

「時空・・・管理局!」

 

クロノと名乗った少年の言葉にユーノがそう言った。

管理世界に基本的に住んでいる彼は彼らが何者かを認識する。

やはり、やっと来てくれたのか! という思いのほうが強い。

 

「先ずは二人とも武器を引くんだ!」

 

二人の武器はバインドで拘束されてはいるが、解析すれば解くことはできる。

そう言う意味で言ったのだが・・・周りの状況を見て一瞬愕然とする。

 

いつの間にか、まわりには桜色の魔力弾が数十個も発生。

金髪の少女の周りを囲んでいた。

 

あの一瞬でこれだけの・・・そう考えながらもクロノは言った。

 

「このまま戦闘行為を続けるなら・・・」

 

しかし、その言葉はなのはによって遮られた。

 

「失礼しますが、時空管理局執務官と言いましたよね?

 一応、何か身分証明になるものを見せてくれませんか。

 さすがに見知らぬ人のいうことを聴く気にはなれません。

 ユーノくんが前にいっていた組織の人とわかったら、ディバインシューターは消すから・・・」

「む、すまない。・・・これが証拠だ。」

 

こんな小さい子なのに対応は大人だな・・・そう思いながら、

クロノは自身のデバイスS2Uから執務官の身分証明証を提示する。

普段ならばバリアジャケットに付いている紋様で証明は十分だが、

彼女は管理外世界の人間だから仕方ないだろうとも思っていた。

それを見てなのははうんうんと納得したように頷き・・・

 

「わかりました。疑ってごめんなさい」

 

そう言ってなのははディバインシューターをすべて解除する。

そして、その時だった。

 

クロノに向けてオレンジ色の魔力弾が降り注ぐ。

とっさに反応し、彼は青色のシールドで弾き返す。

 

「フェイト!撤退するよ、離れて!」

 

新たに魔力弾を精製しながら言うのは狼形態のアルフ。

 

「っ!」

 

その言葉にフェイトはすぐさま反応し、すでに解析できていたバインドを解除。

後ろに向けて高速でバックし、真下の地面に魔力弾をたたきつけた。

それにより発生した爆煙によって、彼女達は姿を消してしまった。

なのははすぐさま魔力散布をするものの反応はなかった・・・

 

「しまったな。君に解除を願うのが早すぎたかな」

「ううん、わたしもちょっと油断してた。バインドって意外と簡単に解けるんだね」

「まぁ、術式を解析すればな・・・さて、改めて管理局執務官クロノ・ハラオウンだ。

 君達にも自己紹介してもらいたいが・・・先にアースラ・・・管理局の艦へと同行してくれないか?」

「構いませんよ。大丈夫だよね? ユーノくん」

「うん、大丈夫だよ。なのは」

 

ユーノが肯定したので、なのはは改めてクロノに頷く。

それを見たクロノは転移術式を発動する。

 

「・・・それでは二人とも来てくれ・・・」

 

その魔法陣の中に三人は入っていった。

 

 

二人が案内されたのは、アースラ内の一室であった。

 

そして二人が部屋に入って最初に目に入ったのは、盆栽、茶室、ししおどし。

その光景に日本を詳しく知らないユーノはともかく、なのはは反応した。

綺麗な正座を組んで座っているリンディのこともあり、違和感が半端ではなかった。

というか「日本・・・かぶれ?」という気持ちがなのはにはあった。

 

(一体ミッドチルダにはどんな文化が伝えられているんだろう?)

 

「お疲れ様。まあ二人とも、どうぞどうぞ。楽にして?」

 

なのははいろいろと言いたいことがあったものの

とりあえずはユーノとなのは、ふたりとも座る。

 

「どうぞ」

 

差し出される羊羹と緑茶。

 

「あ・・・は、はい。ありがとうございます」

 

二人は素直に受け取り、ちびちびとそれに口をつける。

なのはは、少し失礼だが、正直はやての入れたお茶のほうがおいしいと思っていた。

 

「初めまして。時空管理局巡察艦艦長のリンディ・ハラオウンです」

「時空管理局執務官のクロノ・ハラオウンだ」

 

「高町なのはです」

「ユーノ・スクライアです」

 

自己紹介が終わり、事情聴取が始まった。

ユーノのことはリンディたちは聞いていたので、なのはのことがほとんどだ。

なのはのお願いにより、怪我についてはユーノは語らなかったが、

魔法を手にした切欠はすべて話していた。そしてそれが先ほど終わる。

 

「管理局員としては、民間人が勝手に先行して現地の環境に合わずに失敗。

 あげく現地住民に協力を依頼した・・・という状況自体は本末転倒だとは思うわ。

 だけど・・・なのはさんはもともと魔法が使えた・・・という情報が追加されれば話は別ね。

 ふたりとも本当にありがとう。行動が遅かったことに関しては申し訳ありませんでした」

 

そう言いながらリンディとクロノは頭を下げて、謝罪する。

 

「いえ、わたしはユーノくんに会えたおかげで魔法の力をきちんと使えるようになりましたし、

 町自体に被害は(わたしがしでかしかけたけど)出ていないので大丈夫です」

「僕も変な責任感でいったという自覚があるので、大丈夫です」

 

二人のその言葉にリンディたちは顔を上げる。

そして、ゴホンッとわざとらしく咳きをすると言った。

 

「さて・・・・・・これより、ロストロギア『ジュエルシード』の回収については、

 時空管理局が全権を持ちます。ふたりともそれでよろしいですね?」

 

ちょっとした形式のようにリンディは言う。

もちろんユーノは納得する。これ以上なのはに無茶をさせる必要はないから。

しかし、その当のなのはがそこに口を挟む。

 

「・・・わたしは少し納得できません」

「・・・なぜしょうか?」

「ジュエルシードの危険性はわかっています。それに学校も休みたくないから

 管理局にジュエルシードを任せることは納得できます・・・

 だけど・・・実際に発動している状況でも行動するなと言われるなら

 それに関してはわたしは納得することはできません・・・」

 

なのはにしてみればリンディが言っているのはこういうことだった。

 

ある一定の広さと多種にわたる家具が有る部屋があるとする。

窓もドアもないが、その中で生活をし続けることはできる。

これが今までの地球・・・

 

そこへ外からジュエルシードという時限爆弾が仕掛けられる。

それは部屋中に仕掛けられているという状態なわけだ。

 

時空管理局はそれを解除できる組織・・・なのはいいが、

なのは自身もそれが解除できる・・・何時、爆発するかもわからない爆弾があるなか

解除できる力が有るのに何もしないで平和に暮らしててなんて言われても納得できないのだ。

 

それを察したのか、リンディは言った。

 

「・・・わかりました。もしジュエルシードが捜索中に暴走し、

 思念体となった場合はあなたも介入して構いません。

 立場上は民間協力者としておきますが、あなたの行動がよほどまずい事でない限り

 私たちは口出しはしません・・・これでよろしいですか?」

「・・・はい、構いません。ありがとうございます」

「勝手に決めてしまったけれど・・・構わないわねクロノ執務官?」

「はい、もちろんです。次元干渉に関わる事件です。民間人に介入してもらう話じゃないですから

 しかし、彼女の言いたいこともわかります。自己防衛以外で介入しないのなら・・・」

 

クロノはあくまでも純粋な正義感からそう返した。

それを聞いたリンディはなのはのほうを向いて言う。

 

「とりあえず貴女のデバイスにこちらの端末の番号を送るから。

 連絡をとるときはデバイスを通じてここにかけてちょうだい」

 

そういうと、レイジングハートの中にリンディの連絡先の情報が転送される。

 

「さて、ユーノくんはどうしますか?

 現在あなたの立場は変わらず民間協力者ですが・・・」

「とりあえずはなのはのところにお世話になります。

 ジュエルシードが暴走した場合、早急に対処できますから」

「そう、わかったわ。外まで送るわ。クロノ、お願いね?」

「はい、艦長」

 

リンディは二人にそう言った。だがそれをユーノが遮る。

 

「いえ、まだちょっと話すことがあります・・・」

「何かしら?」

 

そう聞かれたユーノはとなりにいるなのはにアイコンタクトをとる。

その意味がわかったなのはは頷き、ユーノは答えた。

 

「この写真に写ってる本なんですが・・・」

 

そう言ってユーノが自身のデバイスから出したのははやての家にあった鎖の本。

そしてその写真を見た二人は驚愕し、その本に付けられた名を叫んだ。

 

「「闇の書!!!!!???」」

 

「闇の書?」

 

一人だけ蚊帳の外となったなのはがそう全員に向けて聞いた。

ユーノが答えようとしたところで、代わりにクロノが答えた。

 

「ロストロギアの一つだ・・・危険度で言えば正直ジュエルシードを上回る

 ・・・・・・二人とも・・・どこでこれを見つけた?」

 

珍しく仕事と言うよりも、私怨が見えるなにかを感じるような剣幕でクロノは聞いた。

なのははそんな危険なものが関わるならばとはやてについても含めて、

知っていることをクロノとリンディ、二人にすべて話した。

 

「・・・なるほど・・・大方状況は理解できた・・・

 おそらく八神はやての足が不自由なのは闇の書が原因だろう。

 蒐集をしていない主に対して蒐集することを強いているんだ・・・」

「しゅ、蒐集?」

「なのは、それは僕が後で詳しく話すよ。今はどう対応するかを考えよう」

 

ユーノにそう言われ、なのはは取りあえず聞くことをあきらめる。

そしてそれを見届けたクロノは話を切り出した。

 

「今のアースラはジュエルシードの回収が優先だが・・・

 闇の書が地球に有るとなれば、早めに片付けなければならない。

 もしかしたら闇の書に関しては君達にも深く関わってもらうかもしれない

 正直ジュエルシードなんて目じゃないくらい危険な代物なんだ」

「・・・クロノくんたちが仮に反対したとしてもわたしは参加したよ。

 だって親友のはやてちゃんの命がかかってるんだもの!!」

「・・・とりあえず、今はジュエルシードを回収する・・・それが最優先だ。

 その後、本局と話し合って闇の書に対して対策するつもりだ」

 

結局は闇の書に関しては今後しだいということになった。

とりあえずはジュエルシード・・・そちらを優先するとのこと。

なのははその件に関して管理局とは協力はしつつも命令はされる気はない。

 

それよりも親友のことが優先だ・・・

闇の書がどれほどのものかは知らないが、戦力の強化は必要だろう。

 

以前、ユーノが自分に言っていたあれは使えるだろうか、

なのははマルチタスクをフル活用しながら作戦を練っていく。

そして、その間にも忘れないうちになのははしておきたかった話を持ちかける。

 

「リンディさん。関わらないといっておきながらわがままを言います。聞いてくれますか?」

「なんでしょうか? 聞くだけ、聞いておきます」

「・・・近接用のストレージデバイス・・・わたしに作ってくれませんか?」

「近接用のストレージデバイス・・・? あなたは遠距離型では?」

 

リンディの疑問は当然と言えた。先ほどのなのはの戦闘方法は一部過激なところもあるが、

基本的には典型的な遠距離型魔導師の極々模範的な戦い方だったからだ。

そんな彼女が近接用のデバイスをほしがるとは、まさか思ってもいなかった。

 

「・・・わたしの家が剣術を教えてるんです・・・それを生かせるデバイスがほしいんです」

 

そういうとなのははレイジングハートに頼んで、

徹夜で作り上げたデバイスの外部デザインの設計図をだした。

それを少しだけリンディは見た後、納得したように答える。

 

「・・・わかりました・・・闇の書の情報提供のお礼・・・ということで

 私の懐から資金は出します。デバイスは知り合いを通じて作らせますよ」

「ありがとうございます・・・」

 

なのははお礼を言った。これで親友を助けることができると・・・

確証は何もないが、なのはの心は何故か確固たる自信を持っていた。

 

その後、なのはたちは海鳴の地へと帰っていった・・・

本当の戦いは、ここからだ

 

 

 

 

 

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