のっけからよくある展開ですがw
まぁ、生かせるように頑張りたいと思います。
それではどうぞ!!
プロローグ「姿なき旅立ち」
暗闇の中、ソレは目覚める。
何もない『くうかん』の中をソレはただ漂う・・・
・・・ようやく目覚めることができた・・・やっとだ。何千年も待ちわびていた・・・
ソレはそう言った後、舌舐めずりをする。
その顔はとてつもなく不快であり、不気味だった。
・・・さぁ、始めようじゃないか・・・宴の時間だよ。なのはぁ・・・
リリカルなのはサーガ 第二章:A's編「幻想の現実」
始まります・・・・・・・・・・・・・・・・・・
薄暗い海の上、二人の少女が戦っていた。
一人は栗色の頭髪を持ったツインテールの少女。
その手に掲げるのは金色に輝く杖「レイジングハート」
もう一人は先ほどの少女を少し暗い色にしたストレートの少女
その両手に持つのは真白く照らす二刀の小太刀「ブレイズハート」
ツインテールの少女が砲撃を放つ。
その攻撃をストレートの少女は高速移動で避けつつ接近する。
ツインテールの少女はそこへ魔力弾を放つ。
ストレートの少女もまた魔力弾を放ち、相殺させる。
再び切りかかろうとしたストレートの少女を襲ったのは
水中音速で下から飛び出す魔力弾。しかし彼女は慌てず騒がず
そのすべてを見切り、その手に持つ白い小太刀ですべて
体全体を高速で動かしながら、魔力弾を切断する。
そして三度突撃するストレートの少女。
それを迎え撃とうと杖に魔力を込め、砲撃を放とうとするツインテールの少女・・・
その両者の一撃がぶつかり合い・・・そして・・・
「ふぁぁあ~あ・・・また、なんか変な夢見た・・・」
6月2日、相変わらず高町なのはの朝は早い。
早朝とはいいつつも起きる時間はまだ太陽が昇りきらない午前5時過ぎ。
やることは剣術、魔法の修行、どこか非日常のような日常。
なのはは起床し、身支度を整えて家を出る。
高町家の御神の剣士たちもこなしているランニングと、少し実際に魔法を使うためだ。
だからなのはは魔法の時間も取るために早くに出発した。
その日、なのはのテンションは高かった。鼻歌が出てしまうほどに。
「ふっふーん♪」
実は先日フェイトからビデオレターが届き、なのははうれしい気持ちでいっぱいになっていた。
そのせいで今日のテンションは非常に高かった。
やがて練習場所である山にたどり着く。
「じゃあ、始めよっか」
《Yes, my master》
脳内でイメージトレーニングはいくらでもできるが、やはり実際に使うのも重要なことだ。そして開始。
なのははさまざまな魔法を実際に使った。朝はいつも大きな魔法は使わず、細かな技術の洗練が中心だった
そのためただでさえ凄かったディバインシューターがさらに凄くなっていた。
それはもしかしたら吸収したジュエルシードの力かもしれないが・・・
・
・
・
そして、20分ほどが経ち、仕上げに取りかかった。
「仕上げに、シュートコントロールをやろうか」
《All right》
シュートコントロール、それはデバイスの補助なしでのディバインシューターの精密な制御の訓練だ。
なのはは持ってきたスチールの空き缶を拾い上げ、空高くに放り上げた。
かつてこの大怪我を追わせた訓練と同じだが、はやてと出会ったなのはにはもはやトラウマではない。
「ディバインシューター」
なのはの周りに3つの魔力弾がつくられる。
「シュート!」
そしてそれらを飛ばし、それぞれが空き缶をかするように接触させる。
カン、カン、カン、カン、カン、カン。
絶妙な加減とリズムにより、空き缶はその場で回転しながら滞空しているようになる。
とそこで、
《997、998,999、1000――》
レイジングハートが1000回を数えた。
「アクセルブースト!」
なのはの掛け声によって魔力弾のスピードが倍速になった。
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!
と大きな音を立てながら魔力弾が空き缶の周りで激しく乱舞する。
《1500・・・1600・・・1700・・・1800――》
レイジングハートの数え方も、100ずつになった。
あまりにも速すぎて1つ1つ数え、発言することがとても困難なためだ。
そして2000を数えるに当たり、空き缶が少しずつ、少しずつ移動し始めた。
もちろん、それはミスなどではない。あの時やりたかったことだ。
やがて空き缶はゴミ箱の上にたどり着き、再び静止するように動かなくなった。
そして、
《3000!》
レイジングハートが目標数である3000回を数える。
そしてなのはは今あるものを消して、新たに三つのディバインシューターを放つ。
「ラスト! 2つのファイアリングロック、解除!」
なのはは3つのうち2つ魔力弾の非殺傷設定を解除し別々の方向に飛ばす。
残りの1つでカン、と絶妙なコントロールで空き缶を横向きにした。
そして間髪なく物理破壊設定の魔力弾が空き缶を両サイドから襲う。
グシャ!
と空き缶はつぶれる。そのままでは貫通、粉砕してしまうので、その寸前で2つの魔力弾を消し去る。
残った1つが最後にコツン、と上から軽くたたき、潰れた空き缶がゴミ箱に入った。
あの時もこれをするはずだったのに・・・忌々しい・・・
《Excellent!》
優秀な出来を、レイジングハートが褒めた。
しかしなのははあまり嬉しそうではない。最近、レイジングハートの評価は常に厳しいのだ。
それは魔法を使用するときに自分が全く使用されないことを危惧したレイジングハートの策略だが
なのははそのことには全く気づいてはいなかった。ある意味で当然といえる。
なのははやや緊張の面持ちでたずねた。レイジングハートが答える。
「それで、今日は何点?」
《90点です》
「あとの10点は!?」
《理想は規定数の3000回と同時に空き缶をゴミ箱の上にたどり着かせることです》
「それは無茶だよぉ、レイジングハート・・・」
あまりの厳しい採点に、なのはは沈んだ。速度調整をこの距離感でやるのは至難の技だ。
だが、これはこれでレイジングハートの思いやり『も』あった。
もともとあった才能を幼少期からの訓練によりさらに磨いていた
なのはは完璧にかなり近くなり、レイジングハートは粗を探すのにかなり苦労していた。
このままでは自分の価値観がなくなってしまう・・・と
《いえ、マスターならいずれできます。必ず・・・(できればできてほしくないですが・・・)》
「そうだといいけどね」
ため息混じりに言って、なのはは地べたに腰かけ、そのまま2,3分の小休止をとった。
魔法の訓練は終わってもまだまだ御神流の訓練がある。
そう思いながらなのはは胸元のブレイズハートを撫でるのだった。
そのころユーノ・スクライアは無限書庫と呼ばれる場所にクロノとともに居た。
今回ここに来た理由は『闇の書』に関する資料を集めるためだ。
グレアム提督を中心の元、闇の書に対してついに管理局が行動を起こす。
それを行うのが臨時任務の為に編成される部隊
その名は『特務五課』
ロストロギア『闇の書』に対して具体的な対応を行う組織だ。
特務と名のつく部隊はいろいろな部隊に作られるが、
今回は古代遺物管理部の特務機動隊である。
メンバーは管理局員が672名。民間協力者が45人だ。
そのうち約273名が魔導師で平均ランクはA。
Aもあるのは後述するがオーバーSが幾人か所属しているからである。
また闇の書被害者の関係者もいるにはいるが、
グレアムから先に警告を受けているのではやてに手をだそうなどと考える人はいない。
もっとも作戦に重要な蒐集をさせようなどと言うものは居ないのだが・・・
そして民間協力者の内の二人がユーノとなのはである。
なのはは具体的な作戦が始まるまで特別することは無いが、
ユーノには今からすでに仕事がある。
それが無限書庫での作業だった。
無限書庫・・・それは時空管理局本局内にある、
管理世界の書籍やデータが『全て』収められた超巨大データベース。
気の遠くなるほどの規模で本棚が並んだ書庫であり、
その形状は円筒形で内部は実質的な無重力状態である。
管理外世界の書籍はないものの世界のすべての知識が集まっているといっても過言ではない。
そんな空間に許可を貰いユーノが入るとすでに先客が居た。
「おぉーねずみっ子くんじゃない」
「あら、ユーノ君。久しぶりね」
そこに居たのは二人の長身の女性。
ロングヘアで、背筋がぴしっとした素行の良さそうなのがリーゼアリア。
ショートカットで今も本を片手に尻尾をふりふりしたりと、
素行はあまりよろしくなさそうなのがリーゼロッテだ。
ユーノは以前二人と出会っているが、アリアはともかくロッテには
変身魔法でフェレットになれることを知られてからかわれているので
多少苦手意識を持っていた。
「お久しぶりです。リーゼアリアさん、リーゼロッテさん。
というより驚きました。リーゼアリアさんはともかく
リーゼロッテさんまで来るとは・・・どういう風の吹き回しですか?」
「ふふ、嫌われてるわね。ロッテ」
「あーあ。残念残念」
・・・初対面で数時間も経っていないのにねずみ呼ばわり挙句
食ってやる発言とはちょっと過激すぎではないでしょうか・・・
「まぁ、それはともかくとしてユーノ君も検索に?」
「はい、そうですね。スクライア一族として」
そういうとユーノは魔法を発動させる。
それは検索魔法であり、読書魔法も同時に使用する。
彼の周囲に様々な記録のリストが載った表示枠が出ては消え、
必要な項目のみが別の表示枠に移されて、中にはより古い記録へと換えられる。
膨大な情報量だが、ユーノは常人では考えられないスピードでそれらを消費していった。
「予想以上・・・だね」
「まぁ、あのフェレットモドキの才能はアースラで知っているが・・・」
クロノがそう言うが、言った本人も想定外だった。
本来ならば無限書庫とは数十人で組んでチームで検索して
数年単位で資料を見つけるものだ。
それが・・・たった一人の9歳の少年に変えられようとしている・・・
これなら・・・11年前から続く因縁に決着をつけられそうだ・・・とクロノは無意識に思っていた。