リリカルなのはサーガ   作:DFGNEXT

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今回はキャラが多くて地の分が難しかった・・・
オリジナル設定があるので注意してください。

そして病気に関しては又聞きでしかリアルでは知らないので、
間違っているかもしれません。実際にかかった人が居たら申し訳ありません。

それではどうぞ!!


SAGA 26「捥がれた翼」

 

 

 

その日、病院は突然の急患に院内全体に緊張が走っていた。

他の患者の迷惑にならないよう大分これでも落ち着いているほうなのだが、

院内にはびこる空気がいやでも、病院側の焦りを感じさせた。

 

それは無理もないと言える。

ドラマならまだしも無症状でニコニコと元気だった子が、

数時間後に聴診器程度で分かるほど危険な状態の肺炎になるとは考えにくいからだ。

 

厳密に言えば、肺炎に近い症状の『何か』だったが、

医師達にそれを判断する技術も知識もなかったので仕方がない。

 

なのはの現在の症状は発熱、それによる極度の脱水症状。

咳に呼吸困難など、ほぼ一般的に言われる肺炎の症状に酷似していた。

気管支炎よりも症状が重症なので病院側は便宜上、そう判断した。

 

しかし、原因菌が全く特定できない。

無論、それはそもそもこれの原因が肺炎でないからなのだが・・・

 

数時間後、適切な処置のおかげで何とか症状がましになった頃だった。

 

突然、なのはの転院が決まって別の病院に連れて行かれた。

医師達は突然のことに驚いてはいたが、すぐに沈静化した。

それは管理局の介入があったからなのだが、彼らには知る由もない。

 

管理局、さらには月村家の情報操作のもとでなのはは

ミッドチルダの大病院へと連れて行かれていた。

 

そこの個室の病室で、なのはは周りに機材が大量にある中眠りについていた。

口元には酸素マスクが点けられ、体中が周りの機材と繋がれており、

脱水症状を防ぐために点滴による水分補給を受けていた。

 

しかし、それでもなのはの症状はあまり良くはなっていなかった。

咳や呼吸、脱水症状は大分収まってよくなったものの、

熱は相変わらず38.7°Cという高熱だ。

 

そんななのはのいる病室には人が集まっていた。

メンバーは、リンディ、クロノ、フェイト、はやて、シグナム、シャマル、

高町士郎、桃子・・・そしてスカリエッティだった。

 

ここに居ないメンバーのうち、

エイミィはアースラから離れられないので残り、

アルフはフェイトに頼まれてある人物を呼びに行ってもらっていて、

恭也と美由希は管理外世界から来れる人数に急だったため限界があったので

仕方なく、地球の海鳴に残っていた。

 

ヴィータとザフィーラは今回、管理局監修の元で蒐集活動中だったのでいない。

はやての護衛役と治療役ということでシグナムとシャマルははやてと一緒に来たのだ。

 

「・・・また、なのはがか・・・」

 

士郎と桃子は愛娘に起こった現実に何も言えなかった。

入院は二度目だが、今回はあの時とはまた違った心配を感じていた。

言葉に言い表せない悲しみと何もできなかったむなしさ。

なによりもなのはの様子のおかしさに気づかなかった自分達に怒りを感じていた。

 

フェイトはとなりにいるスカリエッティに聞く。

 

「ジェイルさん・・・なのはに一体何が起こっているのかわかりますか?」

 

フェイトにそういわれたスカリエッティは「ふむ」と一瞬悩み。

あくまでも医者としてではなく、研究者としてだが・・・と前置きした上で言った。

 

「おそらくだが、これはリンカーコアの異常だろうね。

 ジュエルシード・・・が原因と言うわけではないだろうが・・・

 これに似た症状を前に見たことがある。実際にではなく資料でだがね。

 ・・・もっとも言い難いが、はやて君がほとんど同じ状況だね。症状は違うけど。

 私は医者ではないから正しいかはわからないが・・・

 おそらくは当分は治らないだろうね・・・シャマル君はどう思うかね?」

「・・・私も同じ判断です。これはリンカーコアの異常・・・

 はやてちゃんと違って特に闇の書などの外部機関から

 影響を受けているわけではないとは思いますが・・・

 どちらにせよ、自然治癒くらいしか方法はないと思います」

 

それを聞いてその場に居るほとんどの人物・・・とくにシグナムの落胆は大きかった。

自分が決闘を行ったせいだろうか、などと頭の中はぐるぐるしていた。

 

・・・そんななか、なのはから"事情"を聴いていたはやては

何時頃からなのはがなのはがリンカーコアの異常だったのか、

自分もほぼ同じ状態だったからこそ、考え付いていた。

 

(もしかして・・・なのはちゃんが言っていたあのときの胸の痛みも

 リンカーコアの異常が原因なんやないか・・・?)

 

はやても詳しくはないので、そこまでしか考察はできない。

だが、親友の治療に役に立つならと彼女がとなりにいるシャマルに言おうとしたとき

突然病室の扉が開いた。そこにいたのは・・・

 

「ゼェ、ハァ・・・ゼェ・・・ハァ・・・な、なのは・・・」

 

ちょっと息を乱し、全身から汗が吹き出ていて

目元にはものすごく濃い隈ができているユーノ・スクライアだった。

手元にはレイジングハートが握られていた。となりにはアルフもいる。

 

ユーノが一度高町家の自分の部屋に転送されたときに

なのはの入院を知り、そのときに念話でレイジングハートから

自分も連れて行くように言われた為持っていたのだ。

 

そしてフェイトに言われてきたアルフに連れられてここにやって来たのだ。

 

「ユーノくん・・・それにアルフさんも」

「も、桃子さん、なのはは大丈夫なんですか!?」

「・・・・・・」

 

桃子も士郎もどちらもユーノの問いに何も言い返せない。

そこへはやてがとっさに問いかけた。

自分の考えを唯一知っていそうなユーノに聴いて確かめたかったのだ。

 

「あ、あんなユーノくん・・・なのはちゃんが倒れたのって

 私と同じリンカーコアの異常らしいんやけど・・・

 もしかして、前になのはちゃんが言っていた胸の痛みって・・・」

「あ、あー、確かに・・・たぶんはやての言っていることで間違いないと思う。

 それに前に確かなのはは足引きずっていたりしてたし・・・」

 

はやてにそう言われて一瞬だけ油断していたユーノは

なのはに秘密にするように言われていたこと、

知っていたことをうっかり話してしまった。

 

「なんだって? それはどういう意味だい?ユーノくん。

 私は前に君と始めてあったときに胸の痛みについては聞いていたが・・・」

「わ、私たちにはそれすら言われてないのですが・・・」

 

士郎とリンディの反応にユーノは焦ってしまう。

別にわざと黙っていたわけではないのだ。

 

そもそもなのはの胸の話をリンディたちに言わなかったのはなのはの頼みだが、

足についてはユーノがなのはの足の動かし方を見て疑問に思っていただけだ。

 

気づいてはいたもののなのはは何も言ってこない。

なのはが無茶をするような子ではないと知っていたので

何もいってこないということは大丈夫だろう。もしくは自分の気のせいだと思っていた。

 

そしてジュエルシードとリンカーコアが一体化して倒れた後は

なのはは足を引きずっている様子はなかったのだ。だから安心して報告はしなかった。

結局はそれが仇となっているかもしれない状況となっていたが・・・

 

「あ、えっと。今から説明しま・・・オロッ・・・」

 

ユーノは説明しようとしたが、ひどい脱力感に体が倒れ掛かる。

近くに居たアルフが支える。シャマルはその状態が何かすぐに気づいた。

 

「ユーノくん。あなた寝不足みたいね。

 はやてちゃんのためにずっと頑張ってくれてたから・・・」

「あっ、そういう・・・ことか・・・でも・・・説明はしておかないと・・・」

《いえ、元仮マスターは休んでいてください。私が説明します》

 

寝不足で話の呂律も悪くなっていたユーノはそれでも話そうとしていたが、

手元のレイジングハートがそれを制し、自分が話すと言った。

 

「れ、レイジングハート・・・」

《私が話しますので、休んでいてください。あなたには使命があります。

 あなたまで倒れてもらってはマスターが困ります》

「・・・私もそう思う。アルフ連れて行ってあげて」

「・・・わ、わかったよ・・・それじゃあ、皆さん・・・失礼・・・します」

 

ユーノはしぶしぶ病室を出て行く。その足取りはフラフラだった。

とてもではないが、彼に説明を続けられるとは思えなかった。

アルフもフェイトに言われたのでユーノを案内していった。

士郎たちはそれを見送った後、レイジングハートを問い詰める。

 

「さて、レイジングハート・・・まぁ、胸のことは後にしよう。

 先に足についてだが・・・いつのことだ?」

《はい、初めてマスターが足に違和感を感じたのは皆さんで温泉旅行に行ったときのことです》

「温泉旅行?月村家とアリサちゃんと一緒に行った?」

《はい、そうです。最初は左足でした。

 そこにいらっしゃるフェイト嬢と二度目の出会いをしたときです。

 最初はジュエルシードを賭けて戦闘を行う気だったマスターは

 左足の激痛からそれを断念し、あなたにジュエルシードは託しました》

「あ、あのときのなのはの行動はそういうことだったんだ」

《その後もマスター左足の異変は続きました。

 少なくとも日に日に悪くなっており、フェイト嬢と戦うときも

 左足はほとんど動かせない状態でした。痛み止めとテーピングをした上で

 あなたとの戦いにマスターは挑んだのです》

「な、アレだけの戦闘を空戦とはいえ片足に激痛を負った状態で行ったのか!?」

 

クロノはそれを聴いて驚くほかはない。

確かに基本的になのはが行っていたのは空中戦だったが、

その戦いの前のアースラでの会議などでも片足に異常がある状態とは思えなかった。

 

フェイトもまた自分に片足に激痛がある状態で戦って勝っている事に驚く。

その戦闘中、確か水の上に浮いていたはずだ。あの時も痛くはなかったのだろうか?

 

《続けます。その後はあなたがたが経験したとおり、

 時の庭園にて戦闘・・・そしてジュエルシードがリンカーコアと融合・・・

 それからでした・・・。マスターの足の調子が元に戻ったのは・・・》

「まさか・・・まさか、ジュエルシードが今まで何かのリンカーコアの浸食を抑えていたのか?」

 

《そう考えて間違いではないでしょう・・・

 そして少なくとも今日まではマスターに異変は起きていなかった。

 しかし・・・マスターが現在このような状態になってしまった・・・》

 

レイジングハートがそう言った事でスカリエッティは理解した。

 

「なるほど・・・そういうことか」

「どういうことですか?ジェイルさん」

 

フェイトが聴いてきたのでスカリエッティは答えた。

 

「なに、これだけの状況証拠があれば簡単なことさ。

 つまり今まで起こっていたからだの異常・・・

 それをリンカーコアと一体化していたジュエルシードが今まで抑えていた・・・

 だが、おそらく限界があったんだろう・・・

 まるでせき止めた水を流すように・・・症状が一気に発症したんだ」

「それは・・・私との決闘が原因ですか・・・?」

 

シグナムがそう聴く。自分の決闘が原因ならば・・・

と思っていたのだが、スカリエッティがそれを否定する。

 

「いや、こういうタイプは想像でしかないが違うだろう。

 彼女があの戦闘でカートリッジやフルドライブを使用していたなら別だが、

 少なくとも今回の件に君が行った決闘は関係ないだろう。

 遅かれ早かれ、彼女はこうなる運命だっただろう」

「そう・・・ですか・・・」

 

「とりあえずは・・・仮に今言ったとおりだとしても私たちにやれることはない。

 そう私は思うが、シャマル君はどう考える?」

「私も同意見ですね。なのはちゃんに私たちができることはなさそうです・・・

 風の癒し手として何もできないのはとても悔しいですが・・・」

 

シャマルは珍しく、声を荒げながらそういった。

彼女も悔しいのだ。主の親友に対して何もして上げられないのが・・・

 

《そしてマスターはジュエルシードと一体化後、体に異変を感じていなかったので

 皆さんには何も言わず、今日まで生活していた・・・ということです》

 

レイジングハートがそう言うとその場にいる全員が黙ってしまう。

なのは自身は無理をしていたかもしれないが、無茶は宣言どおりしていなかった。

言わなかったことはともかく、言われていた所で今回のことが回避できるわけではない。

なのは本人ですら・・・その正体に気づいていないのだから・・・

 

むなしくも・・・誰も何もできずに時は過ぎていったのだった・・・

 

 

 

 

 

 

やがて、この病室に残ったのは士郎と桃子、そしてはやてだった。

シグナムとシャマルには今は一人で居させてほしいと外で待っているように言っておいた。

他の皆は・・・それぞれ思うところがあり、仕事へと向かっていった。

 

なのはが眠る病室に静かに立つ三人・・・とレイジングハート

 

そして・・・そんななかはやてが話し始めた・・・

 

「・・・私たちにできること・・・一体何があるんやろ・・・」

 

自分のために・・・必ず守り抜くといってくれた親友の現在の末路・・・

それを目の前で見ているともう何も考えられなくなっていた。

 

親友がこんなになるまで戦っているのに・・・自分は何もできないのかと・・・

 

「なのはちゃんは私を守ってくれるって行ってくれたのに・・・

 私は・・・何もすることができへん・・・」

 

やがて、はやての眼には涙が溜まっていた。

そしてそれが流れそうになったとき、桃子がそれを指で拭う。

 

「桃子さん・・・」

「はやてちゃん。あなたの気持ちは私たちも良くわかるわ」

「あぁ、そうだ・・・。いくら魔法が使えないとはいえ・・・

 娘が死と隣り合わせのことに関わっているのに・・・

 何もして上げられない・・・止めることもできない・・・

 なんども私は何をしているのか、なのはに何ができるのか・・・

 そしてそれをずっと考えていてわかったことがある」

 

「わかった・・・こと・・・ですか?」

 

「あぁ、なのはが望んでいること・・・

 それは自分が帰ってこられる場所・・・だよ」

 

士郎のその言葉にはやてはハッとなる。

 

「なのはの過去は前に聞いたと言っていたよね?」

「はい・・・魔法を使って大怪我したことですよね?」

「うん、それもある。だがその前・・・

 なのはが魔法を手に入れた切欠は私にも原因があるんだ・・・」

「士郎さんに?」

 

予想したものとは少し違ったらしい。

士郎は少し時間をおいた後、話し始めた。

 

「昔、私はボディガードのような仕事をしていたんだ。

 だけど4年ほど前に私はある仕事で大怪我を負った。

 命は助かったものの意識は戻らなくてね。

 家族全員に心配かけさせてしまった・・・」

 

そして桃子がその話の続きを言う。

 

「そして、私たちは士郎さんの看病をしていたの・・・

 だけど、そのときに私たちは間違いを犯していたのよ・・・」

「間違い・・・?」

「私はそのときなのはに「いい子にしているように」と言ったの・・・

 だけどあの子がいい子を違うように解釈しているのに気がつかなかったの・・・

 「誰にも迷惑をかけちゃいけない」・・・そう解釈していたらしいわ。

 だからなのはは私たちに何のわがまま・・・いえ、お願いすらしなかったわ・・・

 

 だけど・・・そんな状態で心が持つはずがないわ・・・

 なのはの心が限界になろうとしたとき・・・なのはは出会ったのよ・・・

 『数学』に・・・いえ、この本に・・・」

 

そう言って桃子が鞄から取り出したのは、一冊の本だった。

タイトルは辛うじて読めるものの、すでに角や縁はボロボロになっていた。

そして・・・はやてはそれが何かを知っていた。

 

「もしかして・・・これは・・・なのはちゃんが言ってた・・・」

「ある日に忘れ物を見つけたなのはは・・・これははやてちゃんも知ってるかな?」

「は、はい。全部聴いてます」

 

なのはははやてと始めてあった後、魔法に出会った切欠も教えていたのだ。

ここまで教えているのは家族以外にはユーノとはやてだけだ。

アリサもすずかも・・・ここまでは知らない。家族と『ほぼ』同じ話はしたが・・・

 

「そう、だったらここからは言わなくても大丈夫ね・・・」

「そんななのははあるものを必要としているんだ・・・

 それが寄り代・・・いや、自分の存在を証明するもの・・・かな」

「自分の存在を証明するもの・・・」

「なのはは怖いんだよ・・・自分の周りから何もなくなるのが・・・

 数学もそう・・・なのははあれが無くなった自分と言う存在が怖いんだ。

 だからはやてちゃんを助けたいんだよ。なのはは」

「そう・・・だったんですか・・・なのはちゃんも私と同じで・・・

 孤独に・・・一人になるのが怖かったんかぁ・・・」

 

だから、なのはははやての気持ちが理解でき、

なのはははやてに・・・多少依存する形になっていたのだ。

 

「だから私たちにできることはただなのはの帰る場所を守ること・・・

 なのはが笑顔で戻ってこられる場所を守ってあげることなのよ」

「だから、はやてちゃんも・・・待ってあげたらどう?

 すべてが終わったあと、笑顔でなのはを迎えてあげるのはどう?」

 

士郎と桃子が優しい笑顔でそうはやてに問いかけた。

なのはが帰ってくる場所を守る・・・それが二人の・・・

いや、今この場に居ない恭也と美由希も思っていることだった。

魔法が使えない・・・だからこそ、精一杯できることはする。

高町家全員がそう思っていたのだ。

 

はやてはそれを聞いて顔を俯ける・・・そして考える。

高町家は帰るべき場所を・・・なのはがなのはで居られる場所を守りたい。

そう願っていると言った。しかし、それは魔法に関われなかったから・・・

 

自分は関わることができる・・・いや、関わることが決まっている。

だからなのはは自分を守ろうとしてくれるのだ・・・

 

 

―そうや・・・最初から答えは決まっとったやないか

 

 

はやては理解した。答えにいたった。

もう何も迷うことは無い。なのはのためにだったら自分だって何でもできる。

 

「私は・・・決めました・・・」

 

はやてはそう言いながらなのはの手を握る。

その手は暖かかった・・・発熱の熱とは違う・・・

心に感じる暖かな優しい手の温もりだった。

 

そうだ。なのはが自分を守るように・・・

 

「私は・・・戦います!」

 

なのはの手をギュッと握りながらそう宣言した。

 

「「はやてちゃん・・・」」

 

「失礼します。することが見つかりました」

 

はやてはそう言って車椅子を操作するとなのはを二人に任せて

扉を開けて出て行った。その顔は笑っていた・・・。

 

とびきりの・・・悪い笑顔だった・・・

 

「なのはちゃん・・・待っててなぁ・・・

 私も・・・なのはちゃんのために・・・戦うよ・・・」

 

はやてはそういった。

もう彼女に迷いは無い。やることは唯一つ。

 

闇の書の力・・・それを使うしかない。

 

(蒐集のペース・・・魔導師からやれていないために圧倒的にペースが足りへん・・・

 なのはちゃんを助けるにはそれじゃ間にあわへん・・・だったら・・・)

 

はやての車椅子を進めるスピードは速い。

早くシャマルたちに会ってアースラにいるグレアムの元へ向かわなければない。

一刻も早く、相談に乗ってもらわなければならない。

 

闇の書に対してあまりいい感情を持っていない管理局本局は闇の書による

人からの蒐集を暗黙であるが、了承していなかった。

現に前になのはがはやてを助けるために要求しに言ったときもやんわりと断られていた。

・・・なのはの場合、ジュエルシードを盾にされたので仕方が無いのだが・・・

 

(前にユーノくんから聞いたこと・・・ミッド地上は治安が悪い・・・

 でもそのあと皆に詳しく聴いたら、地上はここ最近犯罪検挙率が上がっている・・・

 そして・・・それを成し遂げた人物の名前は「レジアス・ゲイズ」・・・)

 

はやてはなのはとは違い、管理局の存在を知ってから入りたいと思っていた。

だからこそ、彼女は管理局員に会うたびに管理局について聞いていた。

そのとき聞いたものの一つが、レジアス・ゲイズという地上の救世主の名前だった。

 

経歴を教えてもらったら、根っからの武闘派・・・

そして口は相当悪い。しかし人望はそれなりに厚い人物だった。

本局では黒い噂が絶えなく、あまり良くは思われていないが、

地上は救世主と呼ばれるだけあって、相当尊敬されているらしい。

 

だったら・・・私利私欲で行動する人ではない。はやてはそう結論付けた。

 

(説得してみせる・・・! 協力させてみせる!

 本局が駄目なら・・・地上本部にッ!)

 

なのはを助けるためだったら何だって利用してやる・・・

はやてはそう決意しながら、病院の廊下を進んで行った

 

 

そして・・・一週間後、はやてはレジアスと出会うこととなる。

それは新たな歴史の始まりでもあったのだった。

 

 

 

 

 

 




 
なのはの病気はリンカーコアの異常・・・はやてとほぼ同じです。
なぜなのはのリンカーコアに異常があるのか、なぜジュエルシードで食い止められていたのか、
なぜ左足なのか・・・はなぞでもあまり無いか・・・

それが明かされるのはもう少し後で・・・

そして次回ははやてちゃん単独で地上本部に向かいます。

それでは、また
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