リリカルなのはサーガ   作:DFGNEXT

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決戦前夜の二人の描写。はやてはこれ以外はあまり普段と変わってないです。
というか、主人公なしで大丈夫か?これ(笑)

それではどうぞ!!


SAGA 27「不屈の主の居ない日々」

 

 

 

そしてあれから数ヶ月経ち12月5日。

私フェイト・テスタロッサは今とある場所に来ています。

 

「ふぅ・・・うん、緊張するね」

 

今日私が来ているのはなのはが通っていた私立聖祥大学付属小学校だ。

今回、私・・・厳密には私たちとハラオウン家の皆は海鳴市に住むことになった。

理由は闇の書の主はやてと守護騎士の監視・・・と言う面目で、

実際は私のちょっとしたわがままをリンディさんが聞いてくれて

グレアム提督と相談した結果、この世界に住むことになったのだ。

 

そして、本来はなのはと会うためにずっと前から計画していたことだったのだが、

少々裁判の処理やなのはが倒れたこともあって、結局この日になってしまった。

 

なのはは・・・まだ目覚めていない。

今もミッドチルダの特別病棟でいろいろな機材に囲まれながら眠っている。

私は・・・今はなのはに何もできないから、なのはの部屋に

レイジングハートとブレイズハートを置いておいた。

きっと・・・なのはは目覚めてくれるだろうから・・・

 

はやてもいろいろと頑張っているらしい。

先月には地上本部の局員から蒐集をさせてもらったらしい。

今までの分とあわせると526項のページが溜まっているとのことだ。

管制人格と呼ばれる存在にも出会い、協力を申し付けたと言っていた。

 

そして計算ではあと一ヶ月もしないうちに溜まりきるらしい。

なのはのためにも早めのほうが良いだろうからそれはよかった。

 

またユーノが見つけたデータからジェイルさんたちが

主と闇の書を分離するプログラムが入ったカートリッジを作ったらしい。

理論上は95%、はやてと闇の書を分離できるそうだ。

 

下準備はすべて揃い、私にできることは・・・

 

「結局・・・戦闘訓練だけ・・・かぁ・・・」

 

学校についた私は口からため息を吐きながらそう言った。

最近の日課は朝起きた後、ジャージに着替えて裏山までランニング。

魔法の訓練をした後、ここでの家に帰って朝ごはんを食べること。

やっぱり早起きして食事をしないで訓練は少々つらいものがある。

 

しかしこれはなのはがやっていた訓練。

もっともなのはは魔法の訓練以外に御神流の修行もしているけれど。

同じだけのことができなければなのはには一生追いつけない。

 

だから続けるんだ!と私は強く決意していた。

 

学校に着いたので職員室へと向かい挨拶。

担任になると言う先生に案内されて、私は教室へと向かった。

 

 

そして先生が教室に来てHRが始まった。

私はまだ外にて待機している。

 

「さて、今日はみなさんに転校生を紹介します。

 今日からみなさんと一緒に学校生活を送るフェイト・テスタロッサさんです!」

 

私はそう言われ、失礼しますと言いながら教室の中へと入った。

 

「皆さん仲良くしてくださいね。じゃあテスタロッサさん自己紹介して」

 

みんなの前で自己紹介・・・以前の私だったら緊張していただろうけど

今の私はそんなことにはならない。ぺこりと頭を下げお辞儀をしながら

私はクラス皆の目の前で自己紹介を始めた。

 

「初めまして。フェイト・テスタロッサです。今日から皆さんよろしくお願いします」

 

挨拶をした後、シーンとなる教室・・・あれ?何か変だった?

 

「かわいい!!!」

「美少女キタァァァァア!」

「髪の毛すごく綺麗・・・・・・」

 

そんなことを思っていた私を尻目に教室中から様々な声が上がっていった。

特に男子の反応が凄まじい。・・・綺麗と言われるのは嫌いじゃないけど。

 

「テスタロッサさんの席は窓側の一番後ろ・・・高町さんの隣ね。

 せっかくだから1時間目まで自由にお話する時間にしましょう。

 先生はいったん職員室に戻るからね。あまり騒がしくしちゃダメだからね」

 

先生はそう言い残し教室から出て行った。

私は・・・本来なら隣になのはが居るべき席の隣に座る。

 

すると先生がいなくなった途端にクラスの皆が私の周りに集まってきた。

 

「どこから来たの?」

「前はどこの学校にいたの?」

「日本語上手だね」

 

・・・・・・一度に何人も来られても困る。

 

そう思っていると、一人助け舟に来た金髪の女の子・・・

確か・・・なのはのビデオレターに居たアリサ!

アルフを助けてくれた人のはずだ。

 

「はぁ・・・まったくしょうがないわね。ちょっとアンタたち、

 一気に言われてもフェイトは分からないでしょ。そこに並びなさい。質問は一人ひとつまでよ」

 

アリサは人を纏めるのがうまいらしい。

すぐさま皆はさっと一列に並び、私に質問してきた。

私は取りあえずはその質問に答えていった。

 

・・・その質問には答えられないよ

 

 

 

 

―昼食―

 

 

「さて、と改めて久しぶりねフェイト。実際に会うのは初めてだけどね」

「うん、アリサ久しぶり。すずかもね」

「うん、久しぶりフェイトちゃん」

 

実際に会うのは初めての二人、でも私はなのはのビデオレターで知っている。

すずかのお姉さんの忍さんのことも桃子さんから聞いて知っている。

 

「このタイミングで学校に来るとはね・・・今日知って驚いたわよ。

 前からなのはからこっちに来るらしいとは聴いてはいたけど」

「うん、本当はもっと早く着たかったけどね。

 裁判もあったし・・・・・・・・・なのはのことも・・・あったしね」

「なのはちゃんは大丈夫そう?」

 

すずかがそう聴いてきた。私が知っているのは・・・

 

「うん、取りあえず命に別状はないらしいけど・・・

 まだ・・・目は覚めていないんだ・・・」

「なのはが休んでからもう5ヶ月ね・・・そんなに眠っているなんて」

 

なのははこの5ヶ月間一度も目覚めてはいなかった。

ミッドチルダの最新技術と魔法によって筋力の衰えは最小限に抑えられているものの

日に日に少しずつ衰えていくなのはを見るのはつらい・・・

だからこそ、早く闇の書事件を解決したいと言う気持ちもある。

 

解決できれば・・・まだ、いくらでもチャンスはあるはずだから

 

「なのはも戦っているんだよ・・・自分の過去と」

「自分の過去・・・かぁ。なのはちゃんの怪我のことだよね」

「うん、そう。あの怪我を負ったときに会った胸の痛みが

 今になって再発して悪化したってことみたい。

 もちろんなのはは無茶はしないからね。気づいてなかっただけ」

「そうなんだ・・・何だか寂しいね・・・」

「そうよ、あいつが居ないと学校での楽しみが大分減るわ!」

 

学校での楽しみ?なのはが?

 

「アリサ、なのは学校で何かやってるの?」

「もちろんよ、フェイト! 前にあったことなんだけど・・・」

 

そう前置きした上でアリサは続けた。

曰く、なのはがこんなことを休み時間に言い出したらしい。

 

『見てアリサちゃん。この素晴らしき一続きの数字の連なりを。

 220の約数の和は284。284の約数の和は220。友愛数っていうんだけど

 

 ――(中略)――

 

 神の計らいを受けた絆で結ばれ合った数字なの。美しいと思わない?』

 

・・・すずか曰く、これは『博士の○した数式』という本の中の台詞らしい。

あのなのはがそんなことをしているとは・・・読書はあまり好きじゃないとか言っていたのに・・・

 

そしたら他にもいろいろ言っているらしい。

 

『これは魔方陣だよアリサちゃん

  1  6 11 16

 12 15  2  5

 14  9  8  3

  7  4 13 10

 縦、横、斜め・・・そのどれを足しても34になる

 魔法の陣なんだ。でも漢字は魔方陣

 魔方陣は中国では紀元前からその存在が知られていて、

 古今東西、時に恐れられながらも、占いやお守りとして、

 なが~く、なが~く愛され続けてきたという歴史があるパズルなんだ。

 ものすごく綺麗でしょう?数学好きとしてはたまらないよ!』

 

とか

 

『フェルマーの最終定理・・・答えを言うのは簡単だけど

 それを証明するために途方もない時間を沢山の数学者が費やしたんだ。

 実際にそれを完全に証明したイギリスのアンドリュー・ワイルズが

 この問題に興味を持ったことから数学者になったことはかなり有名だね。

 私も将来、こういう事を証明する数学者にもなってみたいと思っていたりするんだ!

 ってあれ?アリサちゃん?もしもし?もしもーし?』

 

後半はすずかが聞いていたらしいが、なのはの数学愛も凄い。

将来の夢・・・案外決まってたんだね。悩んでいるとか私に言っていたくせに

 

「こんな話をほぼ毎日のように聞かされてウンザリしていたけど・・・

 いざ、いなくなると・・・やっぱり寂しいわよ・・・

 今回のことでつくづく痛感したわ、私はアレを楽しんでいたってね」

 

うん、それは聴いていて大体わかったよ。

アリサもすずかもなのはが大好きなんだ。

・・・待っててね。きっとなのはを・・・連れてくるから・・・

 

「さて、陰気くさい話は終わりにしましょう。

 ところでフェイト、そのお弁当おいしそうね?

 リンディさんとかが作ってくれたの?」

「ううん、作ったのは私だよ?」

 

大体、エイミィならまだしもリンディさんに料理なんて任せられな・・・

あっでもクロノは甘いもの苦手だけどリンディさんの料理で育っているんだよね?

もしかして料理は普通なのかな?いつも仕事で忙しいから

食堂とか自炊だから、食べたこと一度もないけど

 

・・・? 二人ともどうしたの?そんな黙りこくって

 

「・・・まさか、フェイトがこんなおいしそうなお弁当を作れるとは・・・」

「手先が器用なんだね。とっても綺麗に並べてあるよ」

「ありがとう、二人とも。よかったら食べてみる?」

「「いいの!?」」

「うん」

「それじゃあ」「いただきます」

 

・・・どう・・・かな?

 

「「おいしい!」」

 

良かった。うん、なのはも言ってたし褒められるのはやっぱりうれしいね。

その後もお互いにお弁当の中身を交換したりしながら過ごした。

 

そして・・・楽しくも切ないお昼休みは終わったのだった。

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

なるほどなぁ・・・これがヴィータたちが生きてきた記憶かぁ

見ているだけで吐き気がするなぁ、うん・・・

 

「いかがでしたか?何か見つけられましたか?」

「ううん、まだなんも。やっぱり過去から見つけようとしても

 もうそれは闇の書の過去・・・夜天の書のものやない・・・

 駄目かぁ・・・闇の書の中から答えを見つけるのは・・・」

 

やっぱり見つからなかった・・・

 

あれから私は自分ができる範囲で夜天の書について調べていた。

あの後、地上本部の人から蒐集してもらったことで、

闇の書中への深層アクセスも大分負担のかからないものになっていた。

 

それを利用して闇の書の深層部に記録されている情報を調べてたんやけど

あまり成果は出てへん。あるのは闇の書時代の悲しい記憶だけやった。

 

「・・・そろそろ深層アクセスの限界時間です。

 主が目覚めると同時に表層までお送りします」

「うん、ありがとうなぁ・・・ごめんなぁ、名前まだ決まってなくて」

「いえ、私はまだ構いません。それに約束でしたからね」

 

さっきから私が話していたのは闇の書・・・いや、夜天の魔導書の管制人格や。

闇の書の項を400ページ集めると、管制人格とお話できる。

そうユーノくんから連絡が入ってから集まった後、

実際に会っている。そのときは挨拶とお願いだけで終わった。

そのときに名前がないゆうてたから、今度会うときまでに考えとく!キリッ

とかっこつけて言っとたんやけど・・・決まらなかった。

 

そして、約束と言うのは・・・

 

「まあなぁ・・・とはいえ

 闇の書に取り込まれて目覚めたときに教える・・・

 これは目覚めなかったらどちらにしろ私は駄目やし。

 闇の書事件を解決させるってゆう願掛けやしなぁ」

「いえ、それでも構いません。今まで名前のなかった私に名前を与えてくださるのですから」

 

「そう言うもんかなぁ・・・」

「そういうものなのですよ」

 

ならええかぁ、満足してもらえているならこれ以上は何も言わへん。

 

「・・・そろそろ時間かぁ・・・なぁ、また最後にお願いしてええかぁ?」

「はい、よろこんで。我が主」

 

そう言って管制人格さんは私を抱っこしてくれた。

感じるこの温もり・・・やっぱりええなぁ・・・

ポカポカして落ち着いてくる。

 

私はそんなことを思いながら、管制人格さんの顔を見た。

 

「こうして抱っこしもらうとな、顔が近いやろ?

 瞳の奥がよう見えるんや・・・」

「ええ・・・よく見えます」

「深い赤で、綺麗な目してるなぁ・・・銀の髪もサラサラや・・・」

「ありがとうございます」

 

そんで・・・おっぱいも結構おっきい

おぉっと・・・うっかり欲望をさらけ出すところやった。

 

・・・体が光ってきた。

 

「目を覚まし始めているようですね。お別れです」

「う~ん、仕方へんなぁ・・・」

「また、会いましょう・・・」

 

うん、また会おうなぁ・・・

 

「もう一度言っとこう思う。

 あなたの綺麗な瞳と髪によう似合う、優しくて強い名前・・・

 私が必ずつけたあげたるから!」

 

もう一度決意しておこう。

なのはちゃんも大事の時はいつもこうやって宣言しなおすらしいから

 

「はい、何時までも待っています」

 

うん、またなぁ・・・あぁ、意識が遠のいていく・・・

目が覚めるんやなぁ・・・夢見るみたいやけど・・・

 

私は・・・こうして深層アクセスを解除した・・・

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

そして・・・あれから少したって12月24日・・・

今から私たちは闇の書を夜天の魔導書に直す。

作戦はいたってシンプルだ。

 

人が誰も居ない、その名の通り無人世界。

今回、闇の書を開放する場所に選ばれたのは第78無人世界「アクアボリス」だ。

ここで闇の書の闇を破壊、または永久に封印する。

 

この星は地表全体が海であるので、なのはが選んだのだが、

今回もなのはは参加できそうにない。

 

目の前に居るなのはは・・・まだ目覚めていなかった。

あの時とは違って安らかに眠っているだけましと言うべきなのだろうか・・・

 

「行ってくるよ・・・なのは・・・待っててね」

 

目が覚めないのならば仕方がない。

私はそう自分に言い聞かせながらなのはの手を握って言った。

 

『がんばって、フェイトちゃん』

 

それは幻聴か、なのはの声が聞こえたような気もするけど

私は「うん」と素直に頷いて握っているなのはの手をぎゅっと強く握る。

 

さてと・・・行ってくるね。

 

そう思って私が病室を出ようとすると・・・

 

《Please wait》

 

声が聞こえた。それはなのはのベッドの隣にある棚の上においてある

レイジングハートが発した声だった。

 

《Please Take Me too》

「レイジングハート・・・一緒に行きたいの?」

《Yes, I want to go instead of my master!》

 

そっか、なのはの代わりに行きたいんだ・・・

うん、わかったよ。

 

「それじゃあ・・・一緒に行こうか」

《Thank you》

 

私は置いてあるレイジングハートとブレイズハートを手に取る。

そして自分の首に二つの紅と蒼の宝玉をかけた。

 

「・・・よしっ、それじゃあ・・・行こう・・・」

《Yes,sir.》

 

私の声に金色のプレート・・・バルディッシュは反応する。

 

「・・・マリーさんから渡されたときに、

 生まれ変わったあなたに新しい名前をあげてって言われたよね」

《Yes》

「だから今、言うよ。ここから始まるんだ・・・!」

 

私はバルディッシュを両手で滴る雫を受け取るように持ち、

新たな名前・・・『閃光の戦斧』にふさわしい名前を・・・あなたに!!

 

「バルディッシュ・アサルト!!セェェットアァップッ!!!」

《Drive ignition.》

 

そして・・・その言葉と共に私は光に包まれ、そして変わる。

バルディッシュもまたその姿を変えていた。

 

アサルトフォーム・・・それが今のバルディッシュがとっている形態だ。

 

カートリッジを内蔵したバルディッシュの新たな姿!

 

「行くよ!皆!!」

《Yes,sir》

《All right》

 

私の掛け声にバルディッシュとレイジングハートが反応する。

私は微笑みながら頷いて病室から出ようとした。

 

『いってらっしゃい』

 

一瞬、その声に振り向く。

やっぱりなのはは起きてはいなかった。

でも・・・あの声はきっと私の妄想ではない・・・そう思う。

 

「・・・いってきます。なのは」

 

私はそう言うと病室を飛び出し、

皆が待つ、アースラへと向かっていった。

 

その手に閃光の戦斧を、その胸に不屈の心と突き進む心を持って・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

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