リリカルなのはサーガ   作:DFGNEXT

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グダグダになっチッたァァァァーーーーーッ!!
くそう・・・今後の伏線張るために書いたら、グダグダになるわ
タグの「発想が勝利を呼ぶ」が(笑)になるわ、
はやてが役立たずだぁ・・・あぁ、自分にもっと才能があればこんなことには・・・

まぁ、くよくよしていても仕方ない。とりあえず細かいことは気にせず
こういうことがあったんだという結果だけ知っておいてください。

GOD編とStS編で必要なので・・・すみません


それではどうぞ!! あとグロ注意。わりとガチで




SAGA 33「たとえどんなに傷つき、炎 燃え尽きても」

 

 

 

 

「こんなところにおったんか・・・?」

 

聞こえてきたのは聴きなれた親友の声。

なのははその声のほうを振り向きながら、その名を言う。

 

「はやて・・・ちゃん・・・?」

「そうや、よかったぁ・・・なのはちゃんが生きててくれて・・・」

 

よかった?生きててくれて?そんなことを言われる資格はない。

なのははそう思ってしまった。

 

「さ、はやく皆のところへ行こう?皆待ってるよ」

「待ってる?誰が?」

 

その言葉にはなんの感情もなかった。

悲しみも、怒りも、妬みも、開き直りも何も・・・

ただ機械的に返しただけだ。もはやなのはは感情を表に出すことすらしたくなかった。

 

「誰がって・・・それは勿論、まず私やろ?あとアースラにいる皆やろ?

 ユーノくんにアルフさん・・・あと桃子さん、士郎さん、恭也さん、美由希さん

 それに・・・フェイトちゃんも皆待っててくれとるよ」

「本当に待っていてくれてる?待っていてくれたとして、それは本当のわたし?

 望まれているのはわたし?それとも私?それとも・・・」

 

はやての答えにすら、なのはは淡々と聞き返す。

親友となのはもはやても二人が思っている。

だが、なのははその感情すら信じられなくなっていたのだ。

 

それだけ彼女の思いを、さきほどの真実が砕いてしまっていたのだ。

 

「本当のなのはちゃんに決まってるやろ!?

 あんな言葉、なのはちゃんに関係あらへん!

 なのはちゃんはなのはちゃんやろ!?他なんて居ない!

 

 皆はなのはちゃんに帰ってきてもらいたいんや!

 ジュエルシードでも、闇の書に操られたなのはちゃんでもなく!

 高町なのは自身に帰ってきてもらいたいんよ!」

 

はやての言葉を聞いて、なのはの頬が引きつる。

ずっと押し殺していた。感情・・・そしてはやての甘美な言葉。

それが複雑に混ざり合い炸裂・・・なのはは心の奥でずっと思っていたことを呟いた。

 

「わたしに・・・そんな・・・資格・・・ない・・・」

 

瞼を閉じ、目尻から涙を再び流しながらの告白、

だがはやてにはなぜなのはがそんなことを言うのか理解できなかった。

 

「資格・・・?なんなんそれ・・・」

「わたしは・・・わたしは・・・わたしは・・・」

 

まるで血がついた手を眺めるように、両手をなのはは見る。

その手は震えていて、それを見るなのはの目はどこか怯えていた。

なのはは話す。自分になぜ資格がないのか・・・その真実を・・・

 

 

「わたしは・・・「なのはちゃん」を見殺しにした」

「え・・・?」

 

はやては一瞬、なのはが何を言っているのか理解できなかった。

ほとんど同じ時間に闇の書の意思とユーノが会話で話していなかったら

はやてはここに居る限り、一生答えに気づかなかっただろう。

 

そして外の会話が聞こえたことによってはやては理解する。

なのはがなぜ帰りたくないのかを・・・なぜ、自分が許せないかを

 

「・・・なのはちゃん・・・」

「あの時ね。わたしがすべて否定されたとき・・・

 闇の書がわたしを吸収しようとしたとき・・・

 バグの塊だった防衛プログラムはわたしを拒絶したの。

 あの人はわたしを守るために吸収してくれたらしいけど・・・

 防衛プログラムは異物であるわたしを消去しようとしたんだよ」

 

語っていくうちに、なのはの目には再び涙が溜まっていく。

 

「だけど・・・だけど!!なのはちゃんが庇った!!

 わたしが弱かったばっかりに・・・なのはちゃんが全部!!

 あの子は何も悪くないのに!!」

 

なのは本人もはやてにわかってもらってほしくて言っているわけではない。

あくまで抑えていた感情のままに内に秘めていた気持ちはすべて吐き出す。

 

はやても予想外の展開に目をぱちくりさせる。

なのはが過去を、自分をすべて否定されているから苦しんでいる。

そう考えていたので、自分が説得できるはずだと思っていた。

だが違った。なのははもはやそこだけを悩んでいるわけではなかった。

 

「あんなにいい子だったのに・・・空が好きで、機械が好きで、

 暴力なんか好まない・・・優しい子だったのに・・・なんで・・・

 なんで、わたしが生き残ってるの・・・・・・・・・?」

 

なのはは決して二重人格者ではない。

あくまでも『優しさのなのは』と『強さのなのは』の二つに

闇の書の吸収、レイジングハートのバックアップ、防衛プログラムの拒絶。

この三つの要素によって無理矢理に分けられただけだ。

一つの人格を無理やり二つにしたと言っても良い。

 

だからなのはが今言っていることは前々からそう認識していたわけではない。

分かれて初めて、どちらがどちらを司っていたかを悟ったのだ。

 

はやては何もできないでいた。親友だから・・・

なまじ親友だったから、何もできなかった。

 

そして幸せだった・・・家族を失ったことが悲しくても、

なのはといた日々は楽しかった。だから経験がない。

なのはの悩みを解決できる経験がなかった。はやてもまだ9歳だ。

 

時間だけが過ぎていく・・・

なのはが悲しみを再認識していく時間が増えていく。

そんな――終わりの見えない時だけが過ぎようとしていたときだった。

 

「・・・!???」

「な、に・・・?」

 

暗闇だった世界に一筋の光が走る。

それは上空からだった。真上の空間の闇を切り裂き、光がなのはの後ろに走る。

なのはは急いで振り向き、はやては見上げる。

 

そこから降りてきたのは、金色に輝く一人の少女

その手に閃光の戦斧を持ち、両手を上に上げながらまるで天使の様に降りてくる。

 

二人はその少女が誰かを知っている。

いや、その微笑を知っている。なのははその名を呟く

 

「フェイト・・・ちゃん・・・・・・」

「なのは、助けに来たよ」

 

運命(フェイト)は・・・真実(アリシア)の光を受け継ぎ迷い人(なのは)を導く光の人

なのはには眩しすぎる少女がこの世界に降誕した・・・

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

 

闇の書の意思自身が戦えば、次元震の発生は回避できない。

彼女は少しでも自己消滅を抑えるために全魔力を集中させる。

シリアル5との戦いはユーノとアルフの役目だ。

 

ユーノ・スクライアは叫びながらプロテクションスマッシュでシリアル5へ突撃する。

 

「うぉおおおおお!!」

「おや、おや、ユーノくぅううん。この私に君が攻撃とはねぇ!!」

 

シリアル5は余裕タップリにユーノの攻撃をブレイズハートで受けきる。

ユーノのバリア自体は強度が強く、破壊はできなかったが、攻撃自体は防ぎきった。

シリアル5にむけてユーノは心からの決意を叫ぶ。

 

「なのはは!!絶対に返してもらう!!」

「そんな簡単に返すかよぉ!せっかく手に入れたんだ、楽しませてもらうぜぇえ!!」

 

シリアル5はユーノの宣言も軽く流し、ブレイズハートで切りかかる。

 

「させないよ!チェーンバインド!」

 

だが、その攻撃はアルフが使用したチェーンバインドによって

ブレイズハートの持ち手が縛られることによって中断させられてしまう。

 

バインドが引っ張られることでピンッと甲高い音を立てるなか、

シリアル5はその顔から、決して笑顔を絶やさない。

 

シリアル5にとってこの戦いですら遊びだ。

まずは現世を楽しむ。それが今のシリアル5の思考だ。

 

アルフの行動を見たシリアル5は口元を上げながら笑う。

 

「ふん、こんなもんか?」

「あん?・・・なっ!」

 

シリアル5はブレイズハートを逆手に持ち替えてそのまま力任せに引っ張る。

そしてそのまま開店の勢いを利用して、アルフを海面へと投げつける。

 

アルフは投げ技という予想外の攻撃にとっさの対処ができず

そのまま頭から海面に叩きつけられる。

 

「アルフッ!?」

「残念、無念、また来週ゥッ!!ってか!! 当分そこでお寝んねしてな!!」

 

シリアル5はアルフが落下した海面に向けて手をかざす。

その手の中には膨大な魔力と冷気が集まる。それは一瞬の出来事。

ジュエルシードの力のほんの一片だが、それでも人間から見れば驚異的だ。

 

そしてシリアル5は放つ、-273.15℃という絶対零度の光弾。

直撃した海は一瞬で凍結し、その氷はわずかな衝撃で分子レベルまで破砕してしまう。

幸い、アルフがいる部分にまではそんな極端な被害は出なかったが、

アルフの体は二の腕の半分から下が氷で埋まってしまい、身動きができない。

ユーノはその攻撃から、アルフを守ることも庇うことができなかった。

 

そんなユーノを嘲笑うようにシリアル5は笑いながら言った。

 

「ひゃははは!! 始めてやってみたが、すごいねぇ『魔法操作』

 氷に性質を変えるだけでこの威力とはねぇ、なのはには荷が重かったんじゃないの?

 ユーノも大変だったなぁ、こんな訳のわからない能力を持つ奴を

 渋々ながらも頼んなきゃいけないなんてなぁ!」

 

「貴、様・・・」

 

「お? 怒るの怒るの?ユーノ!

 友達を馬鹿にされて怒りくるうのォ~~~~~?

 どんどん怒りやがれッ!! だが、無意味だ。私はなのはすらを超越する!!

 お前みたいな雑魚が、私に触れようとすることすらおこがましいんだよぉ!!」

 

ユーノの怒りすら、何事もないように流しながら

シリアル5はブレイズハートに魔力を送り込む。

 

刃のラインは藍色に・・・いや、オーバーフローしたエネルギーにより

光の色に染まっていく・・・莫大なエネルギーを維持したまま

シリアル5はブレイズハートを横に振るう。

 

「くっ・・・!」

 

ユーノはぎりぎり体を上へと仰け反らせて、その攻撃を避ける。

刹那、ユーノが避けた攻撃は一つだけ存在していたフェイクビルに直撃

真っ二つに切られたビルの上半部分は一瞬だけ浮き上がり、

そして落下・・・下半分とぶつかり粉々に粉砕される。

 

「おぉ、よく避けたなぁ。雑魚にしてはやるなぁ

 だが、そろそろあいつとの決着をつけさせてくれよぉ

 さっきからなんも反応しないしよぉ、大方お前らがグルなんだろうけどよ」

「だ、れが!!なのはを返してもらうまで決して退かないぞ!!」

「あぁ、聞こえんなぁ? 雑魚の分際でよぉ

 お前この体が誰か理解してんのかよ?高町なのだぜぇ?

 お前の魔法や戦い方は全部知っているんだぜ?

 だからお前ごときが私に勝てるわけないんだよぉ!!!」

 

一体どこから引き出しているのか、シリアル5の魔力は尽きない。

なのはのリンカーコアと完全に一体化した存在『ジュエルシード』

これがロストロギアの力、ロストロギアがロストロギアと呼ばれる所以。

 

「だからさぁ・・・いい加減楽になりやがれぇえ!!」

 

その言葉と共にシリアル5の姿が消える。

ユーノは突然の事態にまわりをキョロキョロと見渡しながら

見失ったシリアル5を探す。そして気づいたときには遅かった。

 

真後ろ、死角からの攻撃!ユーノは振り向くのが精一杯だった!

攻撃を避けることはできない。悪魔のような強大な斬撃がユーノの体を襲った!!

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「フェイト、ちゃん・・・」

「なのは・・・一緒に帰ろう?ここにいても前に進めない」

 

突然現れたフェイト、なのははそんなフェイトにすら睨む。

だが、その目には変わらず涙が浮かんでいた。

 

「フェイトちゃんも?今更わたしが帰って何になるの?」

「帰りを待ってくれる人がいるんだ。だからなのはは帰らなきゃ」

「いやだ、もう誰にも騙されない!だれも傷つけたくない!

 もう何も失くしたくから・・・だから・・・だから・・・」

 

なのははそういいながら膝を地面につく。

目から零れ落ちる涙が地面を冷たく濡らす。

本当はなのはだって帰りたい。でも帰る資格がないと思っていた。

大切なものを見殺しにした自分には・・・

 

「・・・なのは、前に君が言っていたことを覚えてる?」

 

そんななのはに近づき、その肩に優しく触れながら、

フェイトは優しく微笑みながらなのはに問いかける。

なのはは首を横に振る。いまは自分が信じられない。

だから、うんと言うこともできなかった。

 

フェイトはそれを見届けると「それはね・・・」と前置きをして言った。

 

あの時、なのは自身の口から自分に向けて送られた言葉を――

 

「逃げるだけじゃだめだよ。

 捨てればいいってことでもない。フェイトちゃんは何をしたいの?

 わたしはユーノくんのため、町のために今日まで戦ってきた。

 そして・・・親友を助けるために・・・過去を塗り替えるために頑張っていたんだ・・・

 それがわたしのしてきたこと。そして今からはみんなの所へ行くよ。

 フェイトちゃん、どうする? そう言ってくれたんだよ?」

「そうなんか?」

 

フェイトが言ったことにはやてがそんな声を上げる。

はやてはなのはからPT事件について大体のことしか聴いていない。

二人だけで話したこのことについては、何も知らなかった。

 

それを聴いても黙り込んだままのなのはにフェイトは語り続ける。

 

「なのはのその言葉に私は助けられた・・・だから私は今ここにいる」

「違う!違うよ!フェイトちゃん!それはわたしじゃなくて

 闇の書の防衛プログラムが勝手に言っただけ!わたしじゃない・・・」

「それでも構わない。

 それを言ったのが、防衛プログラムだろうとなんだろうと

 なのははなのはに変わらないじゃない。だから構わない。

 私を助けてくれたのはなのはなんだよ?」

「だ、けど・・・だけど・・・」

 

フェイトのその言葉にもなのはは振り向いてくれない。

フェイトでも駄目なのか・・・はやてはそう思ってしまう。

それでもフェイトは説得をあきらめない。

 

「なのははまだ何も始まってなかったのかもしれない。

 でも・・・もしそうだとしたら、それはもう終わりにしなくちゃ。

 

 なのはが私と向き合ってくれたように・・・

 なのはも事実に正面から向き合わないといけない。

 きっと、そこから始まるんだ・・・。本当の『高町なのは』が・・」

 

「そんなの・・・できるわけない・・・」

「だったら・・・約束しようよ」

「・・・・・・?」

「約束、会いたくなったら、きっと名前を呼ぶ。だから、なのはも私を呼んで。

 なのはに困ったことがあったら、今度はきっと、私がなのはを助けるから」

 

今度こそなのはの呼吸が止まる。なのははその言葉を知っている。

その続きの言葉を知っている。自分が・・・いや、『自分』が言った言葉だ。

 

 

『・・・くっ・・・それじゃあ約束して、

 わたしはこれからわたしの大切な親友を助ける。助けるために戦う。

 そのときになったら、一緒に戦ってくれる?』

 

 

それを思い出して固まっているなのはにフェイトは続ける。

 

「私はその約束があったから、ここに来た。

 なのはとの約束を守るために来たんだ。だから約束しよう?

 約束すればきっと変わる。なのはの過去が否定されたなら

 今から作っていこう?本当のなのはを・・・」

 

そんなことばを聴いてしまったら・・・

親友のはやてではなく、自分とよく似ているフェイトが言ってしまったら

 

なのはの中で何かが崩れ落ち、何かが誕生するような、そんな感覚があった。

 

「私、フェイト・テスタロッサ。フェイトだよ」

 

――あのときと・・・逆になっちゃったね。

 

「・・・フェイトちゃん・・・」

「何?なのは・・・?」

 

「助けて・・・」

 

なのはの呟くようにはいた言葉にフェイトは強く頷く。

その言葉を待っていた。とばかりに微笑みを返しながら。

 

「助けるよ、いつだってどんな時だって!!」

 

力強い、言葉。フェイトの『強い心』はなのはに響いた。

なのはの涙腺は完全に崩壊し、大泣きしながらフェイトに抱きついた。

 

「・・・もう、フェイトちゃん一人でええんじゃないかな・・・」

 

はやては一人、そう誰にも気づかれないように小さく呟く。

フェイトに任せたのは『自分』だが、ここまでうまくいくとどうも複雑な気持ちだ。

 

だが、納得もしていた。これは『親友』である自分では解決できなかった。

なのはとはやてが親友であればこそ、それが否定されてなのはは壊れたのだ。

だから真に解決できるのは同じような経験をしたフェイトだけ、

同じような状況でなのはに助けられたフェイトにしかできないのだ。

 

だから・・・これでいい。

 

「・・・約束・・・でも、わたしには決められないよ」

「じゃあ、私が決めてあげる。・・・なのは・・・

 私達のすべてはまだ始まってもいない、だから本当の自分を始めるために・・・

 だから始めよう・・・本当の最初で最後の本気の勝負を」

「・・・ずるいよ、フェイトちゃん・・・それわたしの・・・」

「ふふ、駄々をこねたお返し・・・」

 

フェイトは微笑みがら、そう言い返した。

戦いたいというのは本当だ。フェイトも負けたままで終わりたくなかった。

厳密にはあの時、お互いに本気とは言えない状態だった。

だから、今度こそ本気で戦って結果を知りたかったのだ。

 

フェイトの申し出に納得はしつつもなのはは悩む。

 

「でも・・・良いのかな・・・これで・・・わたしは・・・なのはちゃんを・・・」

「あぁ、それなんやけど・・・」

 

そこへはやてが話しかける。

ついさっき、外で聞こえた。闇の書の意思たちの念話。

それはきっともう一度なのはを立ち上がらせてくれる。

 

親友として、少しはなのはのために行動したい。

 

「さっき外の皆が言ってた。

 なのはちゃんの心の核はレイジングハートが守ってくれとるって」

「レイジングハートが・・・?」

「詳しい話は難しいから省くけどなぁ、とりあえずなのはちゃんは

 見殺しにはしてへんよ。『なのはちゃん』は助けられて本当に嬉しいはずや。

 だから、それを否定したら『なのはちゃん』を否定することになる」

「・・・そうなんだ・・・生きて・・・いるんだ」

 

優しさのなのはは生きている。外装がなくなっても核が生きている。

それを聴いただけで、なのはは踏み出せなかった後一歩を踏み出せる気がした。

 

「だから、ユーノくんたちを待っとこう。きっとチャンスはあるはずや」

 

三人は待つ、外の皆が自分達を助けてくれる瞬間を・・・

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

ガキンッ

 

戦場に響いたのはそんな甲高い金属と金属がぶつかり合う音。

 

「あん、なんだそれは?」

 

シリアル5は目の前の状況が理解できていなかった。

ユーノの隙を狙い、仮に防御したとしても絶対に防げない一撃をぶつけたはず。

なのに、ユーノには効いていなかった。厳密には防がれていた。

 

だが、それはバリアではない。

 

金属だった。左右対称の立体的な六角形の盾だった。

シリアル5の攻撃を防ぎきったユーノはブレイズハートとそれを重ね合わせながら言った。

 

「君は何でも知っているっていってたけど・・・

 これは知らなかったでしょ?なのはには確か見せていなかったはずだからね。

 これは僕が貰ったデバイスをマリーさんが僕専用に改造してくれたもの

 『リヒトムート(licht Mut)』・・・これが僕の切り札だ」

 

リヒトムート・・・これがユーノのデバイスの真の姿だ。

形態は攻撃魔法がほとんど使えないユーノのために

盾形態とカード状態の待機モード。この二つだけだ。

 

その盾の力はユーノの防御や結界魔法の才能を存分に生かす。

攻撃をすべて跳ね返し、すべて防ぎきる鉄壁の盾だ。

 

ロストロギアの攻撃と拮抗できるだけでも相当な性能だと理解できる。

ここから逆転する。シリアル5はこのデバイスを知らない。

情報でのアドバンテージは勝っている。そう思ったユーノは

胸にあるレイジングハートに左手を伸ばそうとして・・・

 

 

「これで・・・」

「あぁ、そうだユーノ。一つだけ言っておく」

 

シリアル5は右手でブレイズハートを避けてに持ち、

そのまま右手の人差し指を上空に向けてピンと立てる。

なにをするんだ?そう思ってユーノは伸ばそうとしていた腕を止めてしまう。

そして――それが、彼の命を救ったのかもしれない。

 

「真下ががら空きだ」

 

シリアル5からその言葉が投げかけられた――その瞬間だった。

ユーノがいる真下の海が光り、そしてその光が上空へと向かう。

その光は、ユーノの左半身の皮を抉り、そして吹き飛ばす。

 

「が、がぁあああああああああああッ!!」

 

「ユゥウウウウウノォオオオオオオオオオオオッ!!!」

 

「ひゃははは!! 惜しかったなぁ、

 後もうちょい前に出てれば苦しまずに死ねたのによぉ!」

 

そんな様子を見て、楽しそうな表情で万歳をするシリアル5。

予定通りに一撃で倒せなかったが、それでもユーノはもう行動できないだろう。

内臓までは届いてないものの、左上半身はもう使い物にならないやけどを負っている。

 

それでもユーノは倒れない。友達を守るために・・・

 

だが、ユーノはもはや飛行魔法ですら正常に使用できないのか、

その体のバランスは崩れ、やがて少しずつ落下していってしまう。

 

「うぁ・・・ああ・・・あぁ・・・!」

「止めとけよ、無茶してもお前は勝てねぇよ・・・

 せめてもの慈悲だ。そこで勝手に散ってろ・・・」

 

もはや興味をなくしたとばかりにそれを見届けたシリアル5は

後ろに振り向きユーノに背を向け、闇の書の意思を見据える。

そろそろ決着をつけよう、そう思いながらだ。

 

しかし、ユーノもただでは終わらない。

 

ユーノは最後の力を振り絞り、背を向けたシリアル5が操るなのはに飛び掛る。

飢えて死ぬ寸前の獣が、獲物に襲うように背後から飛びかかる。

 

それに気づいたシリアル5は驚いたように急いで旋回する。

まさか、あの状態でまだ動けるとは。そう驚きながらだ。

 

そして振り向き終わったとき・・・

 

 

プチッ

 

 

ユーノは血塗られたその左手でレイジングハートを掴み、紐を引きちぎった。

 

「貴様ッ、なぜレイジングハートを・・・!?」

「は、はは・・・僕・・・はね・・・この世界に来て・・・なのはに助けられた・・・

 うれしかった・・・こ、なことに・・・巻き込・・・だのに『ありがとう』・・・

 そう言って・・・笑ってくれた・・・

 

 だから・・・僕だって、なにかしなくっちゃ・・・

 カッコ悪い・・・じゃないか・・・・・・・・・」

 

声が途切れ途切れになりながらも、レイジングハートを持つ手は強く握り締める。

ユーノはシリアル5を尻目に闇の書の意思の方へ向かい、

シリアル5の行く道をふさぐ。目線は闇の書の意思だ。

 

そして・・・思いのすべてを込めて叫んだ!!

 

 

「なぁのはぁああああ!!!みんなぁ!君を待ってる!!!

 だから・・・受け取ってくれぇえええええええええええーッ!」

 

そのまま右手にレイジングハートを持ち替えて、力の限り振りかぶる。

左半身のあまりの痛みから体全体ではなく、腕の力だけでだが、

放たれたレイジングハートは放物線を描きながら、闇の書の意思の右手に収まった。

 

「よくやった!!ユーノ・スクライア!!」

 

その言葉を聞いて、ユーノは満足げに笑う。

だが・・・そこへ、無慈悲な一撃が彼を襲った。

 

ザシュッ

 

 

「ぁ・・・・・・・・・」

「ジャマだぁ」

 

いきなり訳のわからないことをされ、怒り食ったシリアル5の一撃。

それはユーノの腹部にクリーブモードのブレイズハートを突き刺すことだった。

ものの見事に貫通したそれは、ユーノの腹部から血に染まった姿をさらけ出す。

 

「ひゃはは、バーカッ」

 

シリアル5は嘲笑うように無常にも、それを引き抜く。

ユーノの腹部から押さえられていた血が大量にあふれ出す。

そして、ユーノは虚ろな目のままその体は海に向かって落ちていった。

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

「ふん、雑魚の分際で何をしているんだか」

「それはどうかな」

 

シリアル5のその言葉を否定したのは闇の書の意思。

その目には怒りの表情が見え隠れしていたが、シリアル5は気づかない。

 

「あん?やっとこっち向いたと思ったらなんだ・・・」

 

よ、と言おうとしたがシリアル5は言うのを中断する。

 

「うぉおおおおおおおおッ!!!」

 

それは闇の書の意思が珍しく、大声で叫びながら突撃してきたからだった。

 

シリアル5は、今更そんなものは怖くない。受け止めてやる。

そう思いながら闇の書の意思の攻撃に備えようとしたときだった。

 

ガシッ

 

突然、体の自由が利かなくなったのだ。

そして、その理由はすぐに判明した。

 

「なっ・・・!!?」

「・・・ま、だ・・・僕は・・・たお・・・れ・・・」

「な、お前まだ・・・ッ!?」

 

それは・・・まだ倒れるわけには行かないユーノが

シリアル5が操るなのはの両腋の下から自らの両腕を通して、

羽交い絞めしたためだった。予想外の事態にシリアル5は正常な判断ができない。

まさか、あそこまでダメージを与えてまだ動けるとは思わなかったからだ。

ユーノを払いのけようと意識をそちらに向けた瞬間だった。

 

「うぉおおおおおお!!」

「ぐぼぉ・・・」

 

闇の書の意思がやった行動・・・

それは左手に持っていたレイジングハートをなのはの胸へと押し当てること。

ジュエルシードの魔力光で光るその胸で、レイジングハートが眩く光る!

 

「ぐあああわあああああ」

 

その光はやがてジュエルシード・シリアル5の放つ光を押し返す。

そして辺りの空間はその光によって包まれようとしていた。

 

「目覚めよ!我が主、高町なのはぁあ!」

 

闇の書の意思は懇親の力を込めてさらにレイジングハートを押し込む・・・

高町なのはの体を中心に桜色の輝きが広がっていった。

 

その光を見ながら、シリアル5は開き直ったように言う。

 

「ちっ、ここまでか。まぁいい。光あるところに闇があるように

 闇が輝く限り、また光も照らす・・・。また会おうなぁ、なのはぁ」

 

・・・それを最後にジュエルシード・シリアル5の意思は消え去り、

高町なのはは真の体の主の心を取り戻した。

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

本当に無茶しちゃって・・・わたしのために・・・

ユーノくんが血まみれになりながらもわたしを守ってくれた。

 

「ユーノ・・・ッ」

「なのはちゃん!早く戻ってあげてぇな」

「うん、わかってる。今ならまだ間に合うはず。フェイトちゃん!」

 

わたしはここからの帰り方はわからない。

知っているのははやてちゃん以外にはフェイトちゃんだけ

そしてはやてちゃんはまだ出られず。フェイトちゃんはでなければならない。

 

「うん、はやて。必ず助けるから待ってて」

「うん、わかった。それじゃあ・・・また外でなぁ」

 

そう言うとはやてちゃんの体が光の粒子になり、そして消えていった。

はやてちゃんの本当の意思は本来ここにはないらしく、今いたのは幻影。

本当の意思は闇の書の管制人格さんと一緒に居るらしい。

本人が来ることも可能ではあったが、コントロールが取り返せないので

素っ裸らしい・・・それは来れないよね。フェイトちゃんは会ったらしいけど

 

「それじゃあ、なのは・・・掴まってて」

「うん」

 

フェイトちゃんの言葉にわたしは頷き、差し出された右手を左手でギュッと握る。

そしてフェイトちゃんの導きの下、わたしは闇の書の外へと出て行った。

 

途中でわかれて、わたしはレイジングハートの内部に入り込む。

レイジングハート自身の意思は今は眠っている。

 

そこで会ったのはついさっきまでいたのに、懐かしさを感じる人。

 

『やっと帰ってきたね』

「うん、ごめん・・・わたしのせいで」

『気にしないで、わたしも咄嗟にしちゃっただけだから・・・』

「・・・わかった。もう何も言わないよ」

『助かる』

 

わたしの・・・もう一つの面。

暴力なんか嫌いで、皆に優しく、空が大好きで、機械が好きな子。

バトルマニアで、皆には悪魔みたいな笑顔をして、海が大好きで、

機械よりも自然が大好きなわたしとはまた違った存在。

 

でもどちらも『高町なのは』で、どちらもなくしちゃいけない存在。

はやてちゃんとフェイトちゃんはそう言ってくれた。

わたしも・・・皆に必要とされているんだ。

 

『ふふ、わたしたちはもうすぐ融合しちゃうけど・・・

 わたしたちも約束ってものしてみない?』

「約束?」

 

さっきのに一つ追加、このこ意外とお茶目だ。

 

『うん、たとえどんな困難にあっても、決して負けない不屈の心で

 空に向かって飛び立って行こうって約束・・・どうかな?』

 

本当に空が好きだね。

 

「いいよ。約束。レイジングハートが作る不屈じゃない。

 ちゃんとした不屈の心を持とう・・・」

 

そう言ってわたしたちは指切りをした。

 

『それじゃあ、お別れだね』

「そしてそれが・・・出会いでもある」

 

その言葉を最後に、わたしとなのはちゃんは融合する。

意識が、心が・・・一つになり「高町なのは」は再誕したのだ。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「本当に無茶しすぎだよ・・・ユーノくん」

 

そう言いながらなのははユーノに治療魔法をかける。

怪我や体力はまだ治せない。だが、致命傷となる傷はその莫大な魔力で治せる。

そんな傷口を塞いでいくとユーノが意識を取り戻す。

 

「なのは・・・」

「うん、帰ってきたよ」

 

目の前のなのはは本物のなのは。そう認識したユーノはこういった。

 

「おかえり・・・なのは」

「ただいま、ユーノくん」

 

現在、なのははユーノをお姫様抱っこしている状況なのだが、

それに突っ込みを入れるものは誰もいない。厳密には通信が回復したアースラが

初めて映したのがこのシーンなのだが、それはまた別の話。

 

そのころフェイトによってようやく抜け出せたアルフとフェイトが近づいてくる。

アルフは体の調子を確かめながら、申し訳なさそうにユーノに向けていった。

 

「悪かったなぁ、ユーノ・・・なにもできなくて」

「ううん、大丈夫・・・気にしないで・・・」

「それじゃ、アルフさん。ユーノくんをよろしくお願いします」

 

ユーノをなのははアルフに任せ、フェイトのほうをむく。

 

「フェイトちゃん・・・」

「うん、わかってるよ。なのは・・・」

 

お互いに頷きあうと二人は闇の書の意思のほうをむく。

その動きは止まっているが、魔力量はむしろ増大していた。

そして二人に対し、闇の書の意思から思念通話が入る。

 

【なのは、フェイト聞こえるか?】

【うん、聞こえるよ】

【現在、防衛プログラムは私が食い止めている。

 今から管制人格とはやてに繋ぐ。対処法は二人から聞いてくれ】

 

そう言うと闇の書の意思は一方的に思念通話を切った。

次に聞こえたのは念話でも思念通話でもなく、この空間に響く声だった。

 

 

『な・・・はちゃん! なのはちゃん聞こえるかぁ!?』

「うん!!聞こえるよはやてちゃん!」

『そうかぁ、よかったよかった』

 

目の前の闇の書の意思ははやての声が聞こえ始めてからは動きを見せていない。

おそらくははやてが一時的に体のコントロールを奪っているのだろう。

 

「それで?はやてちゃんたち出れそう?」

『まあなぁ・・・ただ一つ問題があってやなぁ・・・』

「どうしたの? はやて?」

 

どもるはやてに対し、フェイトは問う。

ここで妙な問題があってはすべてが台無しだからだ。

はやては黙っている理由もないので答えた。

 

『魔導書本体からのコントロールは切り離したんやけど・・・

 防衛プログラムが現出してると管理者権限が使えへん

 どうにかしてその子に魔力ダメージ与えてくれへんか?』

「・・・ユーノくんの言ったとおりだったね・・・」

 

なのはは少しにやりと口元を上げながら笑うと言った。

そして、戦いに傷つき今は眠っているユーノに向けて・・・

 

「ありがとう・・・ユーノくん」

 

起きている間は少し恥ずかしくていえなかったことを言った。

 

そのとき闇の書の防衛プログラムは闇の書の意思からの妨害を遮り、

再びなのはたちを攻撃しようと行動を再開しようとしていた。

グギギと効果音をつけるのがふさわしいだろう、そんな機械的な動きだった。

 

「なのはッ!!」

「ん?・・・なにこれ?」

 

突然、アルフから投げ渡されたのは見たことがない色合いをしたカートリッジ。

色は紅い色をしていて、側面には緑色で『B』と一つ頭文字がある。

投げ渡したアルフの代わりに、フェイトがそれの説明をしてくれた。

 

「それはね。なのは。ジェイルさんが作ってくれたワクチンプログラム。

 これを使えば、はやてと闇の書を分離できるはずだよ」

「なるほど、OKわかったよ!レイジングハート?起きてる?」

 

その説明でとりあえず何かを理解したなのははレイジングハートに声をかける。

シリアル5の膨大な魔力でシステムダウンしていたが、なのはの魔力で復活する。

 

《ギ、ギギ・・・システム回復しました。おはようございました。マスター》

「うん、ありがとうレイジングハート。状況は理解している?」

《大体は・・・》

「ならいいや、これロードして、セットアップ」

 

そう言ってなのはボレロカートリッジをレイジングハートに突っ込むとセットアップ。

ストロングルナモードからセイクリッドモードへ、かわいそうなので

ブレイズハートは待機モードからガンローダーモードにしておいた。

 

《Load Borelo Cartridge》

 

なのはの指示により、レイジングハートはボレロカートリッジをロードする。

 

「なら私たちも・・・いくよ、バルディッシュ」

《Load Tannhauser Cartridge》

 

バルディッシュもまた、タンホイザーカートリッジをロードする。

 

二人がカートリッジをロードすると同時に二人のリンカーコアが共鳴する。

不思議な感覚だった。こんな副次効果があるのかとなのはは納得する。

 

負ける気がしない。そう思いながらフェイトにコンタクトする。

使う魔法は二人で使うアレしかない!

 

「行くよ!フェイトちゃん!!」

「うん、行くよ!なのは!!」

 

二人が放つのは二人で考えたコンビネーション空間攻撃。

なのはによるバレルフィールド展開後、魔力をフェイトのザンバーの刀身に集中する。

 

「全力、全開ィッ!!」

「疾風ゥ・・・迅雷!!」

 

掛け声と共にフェイトが自らの魔力を乗せた斬撃による威力放射をし、

闇の書の防衛プログラムの動きを完膚なきまでにその場に結い止める。

 

そしてなのはとフェイトはレイジングハートとバルディッシ・アサルトを重ね合わせる。

その重ねあわされた部分から、桜色と金色の魔力があふれ出し、やがて融合する。

 

ここから放たれるのが、なのはのエクセリオンバスター・フォースバーストと

フェイトのプラズマスマッシャーでフィールド内を満たすことで完成する空間攻撃・・・

 

「「ブラストォオ・・・カラミティイイイイイ!!!!」」

 

刹那・・・脈打つ桜色と金色の光の柱は煌びやかに輝き、

まるで莫大な魔力を持つ津波のように、極めて高密度の魔力奔流は放たれ、

一直線に空中に磔にされた闇の書の防衛プログラムを飲み込んだ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・やっぱり二人は敵に回したくあらへん・・・おっそろしい攻撃やなぁ・・・・・・」

「魔力量ならば主はやてのほうが上ですが・・・」

「魔力量だけ勝っててもなぁ・・・・・・まぁ、えぇか・・・まずは約束を守らへんとなぁ」

「約束・・・ですか・・・・・・」

 

管制人格ははやてに対して聞き返す。

少し前のことだが、彼女達はその約束をきちんと覚えている。

はやては管制人格のやわらかい頬を両手で優しく包みながら、語りかける。

 

「名前をあげる。もう闇の書とか、呪われた魔導書何て言わせへん・・・・・・

 闇の書の呪いとか、血塗られた運命(さだめ)なんて下らない物に縛らせへん

 もう、なのはちゃんみたいな犠牲者を出さなくてもいいように・・・

 

     夜天の主の名において、汝に新たな名前を与える。

 

            強く支える者

            幸運の追い風

            祝福のエール

 

                     ──リインフォース!」

 

管制人格・・・リインフォースは主に名前を与えられること。

それがいかに歓喜をもたらすものかをたった今、知った。

初めて、彼女は微笑むと言う表情をした。

 

「リインフォース。それが私の名前・・・」

 

彼女は呪われた魔導書として何百年もの時を渡り、幾多の人の命を奪い去ってきた。

 

そのような自分に、希望と祝福の願いを与えられて、

それをそんな素直に受け入れていいのかと彼女は思った。

そんな様子のリインフォースにはやては言った。言ってあげた。

 

「リインフォースはな、私にとって希望の象徴なんや。

 闇の書のおかげで私は家族と一緒に・・・友達と一緒に過ごせた。

 そして、これから未来を生きていく希望。そのことに私は本当に祝福してる。

 これからあなたは私を太陽のように強く・・・月のように優しく支えてくれる」

 

「私が・・・・・・」

 

「だからこれからも一緒に居てくれへん?家族として」

 

そういうとはやては右手を差し出す。

リインフォースは迷わずにその手をとった。

 

「ありがとうございます。我が主」

 

リインフォースはその希望と祝福の名前を受け入れた。

そして、なのはとフェイトの攻撃によって防衛プログラムが停止する。

 

「防衛プログラム、過剰負荷により機能を一時的に停止・・・。

 これより闇の書、管制人格『リインフォース』は、八神はやてを新たな主とし、

 夜天の魔導書として再起動します。

 

 ワクチンプログラムも正常に効いています。

 しかし残された膨大な魔力と防衛プログラムは止まりません・・・

 いずれ暴走を始めるでしょう・・・」

 

「まぁ、最初からそれはわかっとったことやし・・・

 それは何とかする・・・ さ、行こうかリインフォース」

 

そう言うとはやては目の前の夜天の魔導書を優しく抱きかかえる。

 

「はい・・・我が主・・・」

 

光は広がる・・・闇の書を包み込むように・・・

そして、それが最後の戦いを告げるギャラルホルンの笛でもあった。

 

 

 

 

 

 

 




 
ユーノくんは生きてます。勿論

なのはは二重人格ではなく二面性があっただけです。
だから今後なのはちゃんと分かれることはないです。
似たような感じに分かれるときはあるかもしれませんが・・・

そして・・・彼女はいったい・・・
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